豊島岡女子学園中学校 入試対策
						2025年度「豊島岡女子学園中学校の理科」
						攻略のための学習方法
					
					豊島岡女子学園の満点は50点、今年度の合格者平均点は28.3点で、昨年度に比べて大幅に難化している。標準レベルの問題も多いが、物理・化学分野を中心に高いレベルの出題が見られることが特徴。生物・地学分野を中心に、知識のみで得点できる問題も含まれており、ここでは確実に得点したい。問題の形式としては、実験や観察の結果をもとに答える問題が中心であり、計算問題・記号選択問題・適語を答える問題のみ、記述問題は含まれていない。
なお、漢字指定問題が出題される年度もあるので、語句はできる限り漢字で覚えること。攻略のための学習法として、まずは知識を確実に固めたい。知識問題で失点しないことが絶対である。その上で、問題演習をしっかり積んでおくことも必要になる。一問一答式の問題だけでなく、実験や観察の結果を分析して解答する形式の問題演習や、計算問題の練習をしっかり行って頂きたい。難度の高い問題の練習も行って欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は群れを作る動物に関する出題で、正確な知識を問う問題が中心だが、判断に迷う選択肢問題も見られた。近年では、植物、池にいる小さな生物と顕微鏡の使い方、蚊と感染症、昆虫、メダカ、人のからだのは働きなどの単元から出題されている。この分野の学習法としては、ヒトのからだの働き、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物のからだのつくりや分類など基本知識を確実に覚えることが第一である。やや細かい知識が要求される可能性があるので、知識の吸収をどん欲に行って欲しい。
また、顕微鏡の使い方や、光合成などの植物の働きやヒトのだ液の働き等に関する観察や実験の進め方についてもしっかり学習しておきたい。
地学分野 本年度は世界自然遺産・星と星座に関して出題された。基本知識問題に加え、かなり細かい知識問題も含まれていた。近年では、月、昼と夜の長さ、気象、地層、プレートと地震、岩石などについての出題が見られる。この分野についても、知識を徹底的に覚えることが最優先である。風・雲・四季の天気の特徴、星の名前と動き、月の動き、太陽の動き、岩石の分類、地層のでき方などテキストに書かれている基本事項は確実に理解し覚えておこう。昨年・今年と続けて出題された天体に関しては、なぜそのように見えるのか?という理屈を基に覚えることを心がけること。地層についてはボーリング調査の結果を基にして考える問題についても演習量を増やしてほしい。
物理分野 本年は電熱線の発熱に関する出題で、レベルのやや高い計算問題も見られた。ここ何年かでは、浮力、てこのつりあい、物体の運動など力のつり合いに関する出題が多く、電気回路についての出題も見られる。難問が出題される年度もある。この分野の学習方法としては、力のつり合いと電気を中心に、基本知識を身につけた上で問題の練習をしっかり行って頂きたい。力のつり合いに関しては、てこ・滑車・浮力など難度の高い問題も含めて計算問題の練習を行いたい。電気については、豆電球の明るさ、方位磁針の振れなど基本的なものだけでなく、LED回路での電気の流れ方、手回し発電機の使い方、今回出題された電熱線の発熱についても学習して欲しい。また、光や音の基本性質もしっかり押させること。
化学分野 今年度は金属の燃焼に関して、計算問題中心の出題であった。ここ数年では、二酸化炭素と石灰水の反応、中和反応等の化学変化、水溶液の性質などに関する出題があり、水溶液の性質や化学変化についての出題頻度が高い。この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を固め、中和・溶解度・燃焼などの計算問題演習をしっかり行って欲しい。計算問題に関しては、多少難しめの問題にも幅を広げて取り組んで欲しい。
過去問演習は時間も意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用しよう。
志望校への最短距離を
		プロ家庭教師相談
		
	
						2025年度「豊島岡女子学園中学校の理科」の
						攻略ポイント
					
					
					特徴と時間配分
大問数は4、小問数は23で50点満点。試験時間は理科と社会合わせて50分である。記号選択問題・適語を答える問題・計算問題が中心で、記述問題はないのは例年通り。標準レベルの問題もあるが、計算問題や思考力を必要とする高難度の問題も含まれている。今年度は昨年に比べて合格者平均点が約10点下がっており、難度が増している。さらに、問題数は決して少なくないので、社会と合わせた50分の時間の使い方が大きなポイントとなる。できる問題から確実に解答欄を埋めていくといった意識が大切である。
【大問1】物理分野 電熱線の発熱
- 難度:やや難
 - 時間配分:8分
 - ★必答問題
 
(1)実験結果から次のことが言える。
 ・電池の数が2倍・3倍・・・となると、上昇温度は4倍・9倍・・・となる。
 ・金属線の長さと上昇温度は反比例。
 ・金属線の断面積と上昇温度は比例。
 以上のことを利用すると、6×4×1/3×4 より、32度上昇する。直径が2倍だと、断面積は4倍になることに注意すること。
(2)金属線全体の長さは金属線1の4倍になるが、水の中に入れたのは金属線全体の長さの3/4にあたる。従って、また電池を2個にしたことを考慮して計算すると、6×4×1/4×3/4より、4.5℃上昇する。
(3)直径を2倍にすると断面積は4倍になるので、金属線の長さを1/4にしたものと上昇温度は等しくなる。従って、10×1/4より、2.5㎝。
(4)(3)より、直径を2倍にした金属線は長さ2.5㎝の金属線として考えることができるので、10㎝の金属線と2.5㎝の金属線をつなげた12.5㎝の金属線として計算すればよい。6×4×4/5より、19.2℃上昇する。
(5)金属線を並列につないだとき、それぞれの金属線に流れる電流は、並列につなぐ前と変化しないので、6+6×1/4より、7.5℃上昇する。
電熱線による発熱に関する出題。直径が2倍だと断面積は4倍など、注意すべき点が多々ある。まずは、出だしの(1)を落ち着いて処理できるかどうかで明暗が分かれる。なお、本校理科の計算問題では、四捨五入して答えるよう指示があるが、大問1に関して四捨五入の必要のある問題はない。
【時間配分目安:8分】
【大問2】化学分野 金属の燃焼
- 難度:やや難
 - 時間配分:7分
 - ★必答問題
 
(1) 酸素の性質についての選択問題。植物の光合成によって発生し、アンモニアより重い。
(2) 表より、銅と酸素が4:1で結びつくので、38.4×5/4より、48g。
(3) マグネシウムと酸素は3:2で結びつく。銅の重さを④とすると、酸化銅の重さは➄、マグネシウムの重さを➌とすると、酸化マグネシウムの重さは❺と表すことができる。④+➌=38.4 ➄+❺=60 より、消去算を行って➌を求めると、28.8gとなる。従って、28.8÷38.4より、75%となる。
(4) 仮説を確かめるための実験を選択する問題。
(5) 同様に仮説を確かめるための実験に関する問題。ドライアイスは二酸化炭素の固体であり、二酸化炭素は酸素と炭素8:3で結びついてできている。マグネシウムがその酸素を使ったとすると、白色の酸化マグネシウムができ、黒い炭素が残る。4.8gのマグネシウムは3.2gの酸素と結びつくので、3.2×3/8より、残った炭素は1.2gである。
金属の燃焼についての出題。(2)までは易問。(3)は消去算またはつるかめ算を使って解くタイプの問題で、金属の燃焼について出題されたときにはよく見かける問題。今回間違えた場合は、問題集等を使って練習して欲しい。(5)は選択問題だが、間違いやすい。酸化マグネシウムは白いことは(合わせて酸化鉄・酸化銅の色も)、テキストや資料集の写真で確認しておこう。理科の学習では資料集や図鑑を手元に置いて行うよう、親子で再確認していただきたい。
【時間配分目安:7分】
【大問3】生物分野 群れを作る動物
- 難度:標準
 - 時間配分:5分
 - ★必答問題
 
(1)肉食の生物―草食の生物の組み合わせを選択すればよい。
(2)群れを作って生活する動物を選択する問題。マイワシとニホンザルが該当。
(3)群れをつくることによって起こることを選択する問題。判断しやすい選択問題ではあるが、「すべて選べ」に注意し、すべての選択肢についてしっかり読むこと。
(4)敵の肉食動物が増えると、周囲を警戒するのにかかる1匹あたりの時間Pが増える(グラフが上に移動する)
(5)グラフのdで計算すればよい。13-(1.7+2.3)より、9時間。
群れを作る動物に関する出題。知識問題とグラフの読み取り問題が中心。(1)(2)の選択問題は判断に迷うものが含まれており注意が必要。大問1・2でかなり時間がかかっていることが想定されるが、慌てて安易な選択をしないように注意したい。
【時間配分目安:5分】
【大問4】地学分野 世界自然遺産・星と星座
- 難度:標準
 - 時間配分:5分
 - ★必答問題
 
(1)世界自然遺産に認定されている地域をすべて選択する問題。知らないと解けない問題。
(2)38万㎢=38000000haなので、42698÷38000000より、約0.1%。単位換算に注意すること。
(3)アマミノクロウサギに関する選択問題。
(4)
 ①冬の大三角を選択する問題。
 ②オリオン座の3つ星は春分・秋分の日の太陽と同じコースを通るので、太陽の南中高度の式を用いると、90-28より62度。
 ③オリオン座の3つ星より南中高度が低いのは、同じオリオン座の中のリゲルと同じ冬の大三角の中のシリウス。
 ④37度北に上がるとちょうど地平線上に見える。それより北だと観測できなくなる。
 ➄1か月経つと南中時刻は2時間早くなる。1か月前だと南中時刻は2時間遅くなる。この関係で確認すればよいが、「目視で確認できる」より、夜暗くなっている時間のみを考えること。
(3)までは世界自然遺産に関する出題。知らないと解けない問題が含まれる。日頃から興味を持って知識吸収を行っているかが問われる。後半は星と星座に関する出題。単に星と星座の名前だけでなく、位置関係の把握が重要になる。生物分野だけでなく、地学分野においても資料や図鑑を見ながらの学習が大切である。
【時間配分目安:5分】
攻略のポイント
本校理科の入試問題は、知識を問う問題、実験や観察に関する問題、計算問題とバランスの取れた出題となっている。物理分野と化学分野で難度の高い出題が見られることが本校理科の最大の特徴。また、やや細かい知識を問う問題が見られることも特徴。
本校理科の攻略ポイントとして、まずはすべての分野における基本知識を確実に身につけることが必要となる。その上で、計算問題や実験・観察問題の練習にも時間をかけたい。計算問題につては、水溶液や力のつり合いを中心にレベルの高い問題にも手を出して欲しい。
社会と合わせて50分という試験時間にも注意が必要である。特に、今年度は大問1・2の計算問題にレベルの高い問題が多く、大問3・4にも計算問題があったことから、時間の使い方が大きなカギを握る入試であった。知識問題などを中心にできる問題から解答欄を埋めていくといった作戦も必要である。そのためにも、過去問などの実戦的な演習が必要不可欠である。
志望校への最短距離を
		プロ家庭教師相談
		
	
						豊島岡女子学園中学校の科目別 
入試対策一覧
					
					
					
				
							中学受験のために
家庭でできること
						
						インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。