法政大学国際高等学校 入試対策
2025年度「法政大学国際高等学校の英語」
攻略のための学習方法
(1)読解問題
今年度も知識系の事項を中心に問う読解問題も出題されたが、内容把握問題のみを問う長文問題が出題の中心であるため、いかに早く正確に、解答に必要な範囲での丁寧さで読めるかがポイントとなる。普段の勉強としては精読と速読のトレーニングを意識して分けることが大事だ。
まず、精読に関しては、英文構造をある程度正確に分析できるようにするため、解説の詳しい問題集を進めていく必要がある。むろん、本番では全ての英文を丁寧に構造分析しながら読むのは時間的に不可能ではあるが、立ち止まって丁寧に訳さなければ訳がつかみにくいという部分が必ずある。そしてその部分こそが英語力の有無を試すことが出来ることから、設問に絡みやすいのだ。
したがって、どのような英文でもやろうと思えば英文解釈することが出来る力をみにつけなくてはならない。
文法事項の一通りの学習を早急に終わらせ、英文法を英文を読むためのツールとして捉え直す必要がある。
次に速読に関してだが、やはり前から句・節ごとに読み下していく練習が必要になる。きれいな日本語を作ろうとすると、いったん英文の後ろまで目を通して後ろから訳を作ることになり、結果的に一文を二度読むことになってしまい時間がかかりすぎてしまうからだ。
したがって、音読学習を勉強の中に取り入れることが効果的といえる。声に出して読む場合、前から内容を取らざるを得ないからだ。
もっとも、前から訳を読み下す力だけでは内容把握がおろそかになってしまうおそれがあるので、文と文、パラグラフとパラグラフの内容のつながりを常に意識した読み取りの練習を早い段階から積む必要があるだろう。
また、今年は出題されなかったものの、4技能試験では頻出である図表やイラストの読み取りも再度の出題可能性は十分にあるためしっかり慣れておく必要がある。類似の過去問や検定試験の素材を用いて練習しておこう。
(2)リスニング問題
2021年度より出題はないものの、従来問われていた英検準2級程度のリスニング能力は法政国際女子の英文を時間内に読みこなすための速読能力の大前提にはなる。また、他の方式の入学者は英語技能証明を持っていることが基本となるとため、入学後のことを考えてみても、B学科試験しか受けないからといってリスニングの対策をしなくてよいということにはならないだろう。音源付きの長文問題集を使って読解対策を兼ねてリスニング能力の向上を図るのが望ましいだろう。
(3)語句整序
文法・構文的な理解があるだけでは時間がかかりすぎて他にしわ寄せがいってしまう設問の典型である。そのため、しっかりと処理手順を身につける必要がある。英文の基本構造からの組み上げ方など、アプローチの仕方を意識しながら学習しよう。
(4)空所補充問題
標準的な問題といえるが、新指導要領下で中学の指導内容となった現在完了進行形や仮定法の基本的な表現が問われているため、現行の範囲をすべて扱っている比較的新しめの問題集を用いて知識をつぶすようにしよう。
(5)自由英作文
今年は出題がなかったが、再度の出題は十分考えられるため対策しておいたほうが良いだろう。過去に出題されたメールの返信型にせよ、テーマ英作文型にせよ、基本的な書き方、展開の仕方をテンプレートとしておさえておくと現場では内容だけを考えればよく効率が上がる。書かなくてはならない英文も増加の傾向にあるため、しっかりと時間をかけて取り組む必要がある。英検2級の過去問や問題集などを使うことでこのスキルを高めよう。
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2025年度「法政大学国際高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
本文・設問を合わせると読まなくてはならない英文量がかなり多い。知識系の問題の比重が小さくなっている時期もあったが、近年は大問として文法問題が復活し知識面もしっかり補強していく必要がある。全体としては時間的な制約が厳しい問題構成となっている。速読力と、知識の精度を高めることが必要だ。
【大問1】長文読解
- 時間配分:10分
対話文の読み取り。すべて内容把握を問う問題となっており、設問リード文・選択肢のすべてが英語となっている。本文自体の英文はそれほどの長さではないものの、目を通さなくてはならない英文の量は実質的に本文の2倍であるため、高い速読力が必要である。設問の順番と本文の内容とが一致しているため、数パラグラフ読むごとに小問をいくつか読み進めるごとに検討することで記憶が鮮明なうちに問題を解くことができ無駄な2度読みを配することができる。大問5の本文全体の内容一致問題も選択肢の順序は本文の流れと同じであるため、これらも本文を読みながら少しずつ検討することで効率的に解くことができる。
【大問2】長文読解
- 時間配分:12分
エッセーの読み取り。大問1と同様、内容把握を問う問題。設問も含めてすべて英文であるのも同様である。こちらの内容も読みやすく、設問の順番と本文の流れが同じであるため読みながら解いていくというスタイルのほうが効率は良いだろう。全体の問題数との関係で時間はかけられないため、丁寧に読みすぎないように気を付ける必要がある。
【大問3】長文読解
- 時間配分:12分
説明文の読み取り。こちらも全問英問英答であるため選択肢もしっかり読解する必要がある。設問の順番と本文の流れが共通なのも大問1・2と同様であるため解き方も同じに考えればよい。小問10は本文全体からの内容一致問題ではあるが、選択肢の順番と本文の流れは共通なので、それを意識しながら根拠を探すことで効率よく処理できるだろう。
【大問4】空所補充問題
- 時間配分:4分
7行程度の短い物語文の空所5か所に語群から適切な動詞や準動詞を選択する問題。内容と文法・語法の双方を問う問題となっている。どちらか一方の視点だけで解くと間違えてしまう問題も含んでいるため、形式→意味という客観判断を先に入れて効率と精度の双方を上げたい。
【大問5】語句整序問題
- 時間配分:5分
7~9語の整序問題が5題。日本語は与えられているが、その日本語が答えになるべき英文を違約してあるものが多いため注意が必要だ。もっとも書くべき英文は基本的な文法・語法を利用すれば書けるものばかりではあるため、日本語のニュアンスを捉えたら、日本語にこだわりすぎず、語群を見て形式的に結びつきやすいものを考えたほうが効率が良い。
【大問6】短文空所補充問題
- 時間配分:2分
4択問題が5題。時制や接続詞などが出題されているが、いずれも基本的なものであるため時間をかけずに完答を目指したい。
【大問7】短文空所補充問題
- 時間配分:3分
5題。こちらは記述式となっており、複数語を書く必要がある。問われている内容は基本の部類に入るが、複数個所が空所になることで、一つの英文で2つの知識を問うものもあるためやや難易度は上がる。
攻略ポイント
トータルで読む英文の分量が多いため、英文の語順のまま読みこなしていく速読能力を身に付ける必要があるだろう。知識の補充に努めながらも、早い段階から説明文・物語文に限らず、図表やイラストなどを含んだ英文が出題されることもあるためバランスよく取り組むことが必要だ。英文法の知識は英文を読むためのツールとして捉え直す必要があるだろう。自由英作文については、今年は出題がなかったものの、再度の出題の可能性は捨てきれないため、後述の学習法で述べるように処理手順を確立しておくことが重要であるが、それに加えて実際に手を動かすトレーニングの時間をしっかり作りたい。