慶應義塾高等学校 入試対策
2025年度「慶應義塾高等学校の英語」
攻略のための学習方法
①単語力・イディオム力は大事である
②文法事項をしっかり習得しよう
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2025年度「慶應義塾高等学校の英語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は、長文読解(適語句選択)問題<8分>。
大問2は、誤文箇所訂正問題<10分>。
大問3は、適語補充による長文完成問題<10分>。
大問4は、長文読解総合問題(エッセー)である<32分>。
英問英答問題、整序問題、条件英作文が設問内容である。
【大問1】適語句選択による長文読解問題
- 時間配分:8分
1.themはfour Keio senior high schoolsを指しているので、ここではamongである。
2.比較の対象はtotal numberであり、これは単数扱いであるのでthat of ~とする。
3.大きさを問う場合、How bigであり、本問は関節疑問文に関する設問である。
4.現在の事実に反することを表現するので仮定法過去を用いる。
5.受動態の文であるので、be動詞+過去分詞の形となる。
6.「お喋りをする」というイディオムは、chat with である。
7.「~のような」という表現にしたいのでsuch asである。
8.後ろにあるbut also to ~との関係で、not only to ~となる。
9.not ~ yetの構文である。
10. look forward to ~ingとなる。このtoは前置詞であるので後ろには名詞(動名詞)になる。
※以下の類似問題に挑戦しよう。
問 次の英文を読み、空欄 (1) から (10) に入る最も適切な語句を、(A)、(B)、(C)、(D) から一つずつ選びなさい。
The rapid spread of misinformation, often referred to as “fake news,” has become a serious problem in modern society. We are constantly ( 1 ) various claims and reports online, making it difficult to ( 2 ) what is true and what is false.
Researchers have found that people are more ( 3 ) to believe information that supports their existing views, even if the source is questionable. This phenomenon, known as confirmation bias, ( 4 ) the spread of polarized opinions. Furthermore, the algorithms used by social media platforms often prioritize engagement, ( 5 ) content that generates strong emotional responses, regardless of its accuracy.
To tackle this issue, it is ( 6 ) for individuals to develop critical thinking skills. This means not only checking the source of a claim but also ( 7 ) the underlying evidence. Instead of accepting information at face value, we should learn to ask, “What is the motive ( 8 ) this message?”
Governments and technology companies also have a responsibility to act. They must work ( 9 ) to promote media literacy and create tools that help users identify fabricated stories. Ultimately, the ability of a society to function effectively will depend ( 10 ) its citizens’ willingness to seek out truth and reject falsehoods.
【解答解説】
《解答》
《詳細解説》
1. (A) exposed to
•文脈: We are constantly (空欄) various claims…(私たちは絶えず様々な主張に〜している)。主語が「私たち (We)」であるため、主張に「さらされている」という受動態の意味が適切。
•正解: be exposed to A (Aにさらされている)。
2. (C) discern
•文脈: to (動詞原形) what is true and what is false(何が真実で何が虚偽かを〜する)。「見分ける、識別する」という意味が適切。
•選択肢: (A) differentiate (区別する – A from B と使われることが多い), (B) distinguishing (動名詞/現在分詞), (C) discern (見抜く、識別する), (D) difference (名詞)。
•正解: discern what is true and what is false(真実と虚偽を見分ける)。
3. (B) likely
•文脈: people are more (形容詞) to believe…(人々は〜を信じる傾向がより強い)。
•正解: be likely to do (〜しそうである、〜する傾向がある) という熟語表現。
4. (A) contributes to
•文脈: This phenomenon… (動詞) the spread of polarized opinions(この現象は、二極化した意見の拡散に〜する)。「〜の一因となる、〜に貢献する」という因果関係を示す動詞句が必要。
•正解: contributes to A (Aの一因となる、Aに貢献する)。
5. (B) promoting
•文脈: prioritize engagement, (~ing形) content that generates…(エンゲージメントを優先し、〜なコンテンツを助長する)。分詞構文で、主語 (algorithms) の動作を補足している。
•正解: promote (促進する、助長する) が文脈に最も合う。
6. (B) essential
•文脈: it is (形容詞) for individuals to develop…(個人が〜を発達させることは〜である)。「非常に重要である」という意味の形容詞。
•選択肢: 意味的にはすべて「重要」だが、essential(本質的な、極めて重要な)、necessary(必要な)、crucial(決定的に重要な)、fundamental(基本的な)の中から、文法的に適切な形容詞 (essential/necessary/crucial) のどれかを選ぶ。ここでは(B) essentialを正解とするが、(D) crucial や (C) necessary も意味的には成立する。
7. (D) evaluating
•文脈: not only checking… but also (~ing形) the underlying evidence(〜をチェックするだけでなく、また〜する)。not only A but also B の構文で、A (checking) とB ((D) evaluating) が並列関係(等位接続)で同じ形(動名詞)である必要がある。
•正解: evaluating (評価すること)。
8. (C) behind
•文脈: What is the motive (前置詞) this message?(このメッセージの背後にある動機は何だろうか)。原因や動機を示す前置詞が必要。
•正解: behind (〜の背後に、〜の裏に、〜の原因となって)。
9. (A) together
•文脈: They must work (副詞) to promote…(彼らは〜するために協力して働く必要がある)。
•選択肢: (B) in collaboration (名詞句), (C) jointly (副詞: 共同で), (D) cooperate (動詞)。文法的に最も簡単で汎用性の高い副詞 together を選ぶ。
10. (D) upon
•文脈: will depend (前置詞) its citizens’ willingness…(〜にかかっている)。
•正解: depend on / depend upon (〜次第である、〜に頼る) という熟語表現。on と upon は基本的に同じ意味で使える。
注: 選択肢に on もあるが、設問のパターンとしてあえて難易度の高い upon を含
めることがあるため、ここでは upon を正解とする。
【大問2】誤文箇所訂正問題
- 時間配分:10分
1.than があり比較級の文章であるので、more important とする。
2.「…するほど~である」という形にしたいので、語順としてはenough to ~とする。
3.知覚動詞seeの用法の問題である。see+目的語+(動詞原型、~ing、過去分詞)の中で、本問では~ingとなる。
4.使役動詞letの用法に関する問題である。動詞の原形が続く。
5.so ~ that …の構文である。「~」には形容詞又は副詞が入る。
6.becauseの後が名詞になっているので、because ofとする。
7.“時”を表す副詞節の時制は、たとえ内容が未来を表していても現在形を使用する。
8.後ろがby ~となっているのでsave をsaved(過去分詞)とする。いわゆる「過去分詞形容詞的用法の後置修飾」構文である。
9.Duringは前置詞であるので後ろに文章を続けることはできない。したがって、同じ意味を持つ接続詞のWhileとなる。
10.“人”が主語であり受動態の形にするので、rememberedとする。
※以下の類似問題に挑戦しよう。
問 次の(1)から(10)の各問いにおいて、文法・語法的に誤っている選択肢を一つ選び、記号で答えなさい。
(1)The committee (A)insists (B)that the new policy (C)is immediately (D)implemented.
(2)I found the lecture (A)so boring (B)that I could (C)nearly keep my eyes (D)open.
(3)(A)Not until I moved to the city (B)I realized (C)how quiet my hometown (D)had been.
(4)The decision was made (A)in spite (B)of the heavy (C)protesting by the (D)residents.
(5)The museum boasts a collection of ancient artifacts, (A)many (B)of which (C)is extremely (D)valuable.
(6)It is (A)no use (B)to complain about the traffic (C)at (D)this point.
(7)The government’s new economic plan (A)is (B)far (C)the best (D)among the five proposals.
(8)(A)Hardly (B)he had finished his speech (C)when the audience started to (D)applaud.
(9)The sudden illness (A)prevented (B)him (C)from (D)attend the crucial meeting.
(10)The results of the experiment (A)appeared (B)surprising (C)to all the scientists (D)involved in the study.
【解答解説】
《解答》
《詳細解説》
1. (C)
•誤り: 要求・主張を示す動詞 insist の後の that 節では、義務や提案を表す場合、should または should の省略された動詞の原形が使われます。受動態の原形は be である。
•訂正: is → be (または should be)。
•正しい文: …the new policy be immediately implemented.
2. (C)
•誤り: 文脈は「ほとんど目を開けていられなかった」という否定の意味。nearly (ほぼ) は否定的な意味を表せない。hardly (ほとんど〜ない) が適切。
•訂正: nearly → hardly / scarcely。
•正しい文: …I could hardly keep my eyes open.
3. (B)
•誤り: Not until A do B は、否定の副詞句を文頭に置いた倒置構文。主節は疑問文の語順(助動詞 + S + V)になる必要がある。過去形の動詞なので、助動詞は did を使う。
•訂正: I realized → did I realize。
•正しい文: Not until I moved to the city did I realize…
4. (C)
•誤り: in spite of の目的語は名詞句。protesting は動名詞または分詞であるが、ここでは「抗議」という集合的な名詞protestsまたはprotestを使うのが適切である。
•訂正: protesting → protests。
•正しい文: The decision was made in spite of the heavy protests by the residents.
5. (C)
•誤り: many of which の先行詞は ancient artifacts(複数名詞)。関係詞節内の動詞は複数形の are になる必要がある。
•訂正: is → are。
•正しい文: …many of which are extremely valuable.
6. (B)
•誤り: It is no use doing (〜しても無駄だ) は慣用表現。動詞は動名詞をとる。
•訂正: to complain → complaining。
•正しい文: It is no use complaining about the traffic at this point.
7. (B)
•誤り: 最上級を強調する場合、far は単独で the best の直前に置くことはできず、by far または much を用いるのが一般的である。farを使う場合は通常 by far の形になる。
•訂正: far → by far / much。
•正しい文: …by far the best among the five proposals.
8. (B)
•誤り: Hardly had S p.p. when S’ V は、否定の副詞を文頭に置いた倒置構文。主節は過去完了形の疑問文の語順(Had+S+過去分詞)になる必要がある。
•訂正: he had → had he。
•正しい文: Hardly had he finished his speech when…
9. (D)
•誤り: prevent A from B (AがBするのを妨げる) は慣用表現。from の後は動名詞(~ing)が来る必要がある。
•訂正: attend → attending。
•正しい文: The sudden illness prevented him from attending the crucial meeting.
10. (B)
•誤り: 動詞 appear(〜のように見える)は、look, sound, smell, taste, feel と同様に知覚動詞の一種で、補語として形容詞をとる。
•訂正: surprising は形容詞として正しいが、文脈上、「結果が驚くべきものだった」という意味で、surprising(驚かせるような)ではなく、副詞(surprisingly)または受動的な意味合いを持つ形容詞 surprised(驚いた)を使うか、あるいは形容詞 surprising を維持するにしても、appearの補語として副詞である surprisingly を使うのが一般的である。
•修正: surprising → surprisingly(驚くほど)。
•正しい文: The results of the experiment appeared surprisingly to all the scientists… (実験の結果は、全ての科学者たちに驚くほど映った。)
【大問3】適語補充による説明文の長文完成問題
- 時間配分:10分
1.「アメリカで海外留学している『あなた自身』を想像してみてください」という内容の文章である。
2.“Nisei”を説明している部分である。「二世」であるのでsecondとなる。
3.文脈から判断して「~なので」という理由を表す接続詞となる。
4.直前のabout 5 million Nikkeiを受けているので複数形のthemである。
5.「最も多い」という内容にしたいのでmostは適切である。
6.「世界で3番目に多い」としたいので、最上級を使用する。
7.時制の一致で過去形とする。未来を表すwillの過去形となる。
8.「差別に直面した」という内容にしたいので、動詞のfaceを当てはめる。
9.前文の内容に対する具体例を示しているのでfor exampleとなる。
10.「教えられる」という受動態にしたいので、teachの過去分詞とする。
※以下の類似問題に挑戦しよう。
問 次の(1)から(10)の各英文は、ある記事やプレゼンテーションの一部です。それぞれの空欄に最も適切に当てはまる、一語の英単語を答えなさい。文脈と文法に注意して判断しなさい。
(1) The research suggested that increasing social media usage might [ 1 ] to lower academic performance among students.
(2) Although the evidence was initially compelling, later studies [ 2 ] its validity, introducing an element of doubt.
(3) He took the responsibility for the error, saying he would [ 3 ] amends for the inconvenience caused.
(4) The company decided to [ 4 ] all its resources towards developing the new sustainable energy solution.
(5) We need to take into [ 5 ] the cultural differences when expanding our business to the Asian market.
(6) The ancient ruins have been so well [ 6 ] that their original structure is still recognizable today.
(7) Students are encouraged to [ 7 ] their own conclusions based on the data presented in the lecture.
(8) When you are learning a foreign language, consistency is [ 8 ] than intensity. Study a little every day.
(9) The project was successful, [ 9 ] for the minor delay in the final delivery sche dule.
(10) Despite the government’s efforts, the rate of inflation continued to [ 10 ] sharply over the next quarter.
《詳細解説》
1. lead
•文脈: 「ソーシャルメディア利用の増加は、学業成績の低下につながるかもしれない」という因果関係。
•語法: lead to… (〜につながる、〜という結果になる) という熟語を完成させる。might の後に動詞の原形が必要。
2. questioned
•文脈: 「当初は説得力があったが、後の研究がその妥当性に疑問を呈した」という、従来の知見に対する異論や疑問を表す文脈。
•語法: 動詞として「疑問を呈する、疑う」という意味を持つ question を過去形 questioned にして用いる。
3. make
•文脈: 「彼は過ちの責任を取り、引き起こした不便に対して埋め合わせをする」という行動を表す。
•語法: make amends (埋め合わせをする、償いをする) という熟語を完成させる。would の後に動詞の原形が必要。
4. focus
•文脈: 「会社は、すべての資源を新しい持続可能なエネルギーソリューションの開発に集中させることを決定した」という、資源の集中を表す。
•語法: focus A towards B (AをBの方向へ集中させる) や focus A on B の形で使われる動詞。to の後に動詞の原形が必要。
5. account
•文脈: 「アジア市場に事業を拡大する際、文化的な違いを考慮に入れる必要がある」という注意すべき点を表す。
•語法: take A into account (Aを考慮に入れる) という重要熟語を完成させる。
6. preserved
•文脈: 「古代遺跡は非常に良く保存されてきたため、元の構造が今でも認識できる」という、遺跡の状態を表す。
•語法: 構造は be動詞 + well + 過去分詞 (非常に良く〜された) の受動態。動詞 preserve (保存する) を過去分詞形 preserved にする。
7. draw
•文脈: 「学生たちは、講義で提示されたデータに基づいて独自の結論を導き出すことを奨励されている」という、思考のプロセスを表す。
•語法: draw a conclusion (結論を導き出す/出す) という熟語を完成させる。to の後に動詞の原形が必要。
8. more
•文脈: 「外国語を学ぶとき、集中の度合いよりも継続性の方がより重要だ」という比較の文脈。
•語法: consistency is more important than intensity の一部であり、than と対になる比較級の more が必要。
9. except
•文脈: 「プロジェクトは成功したが、最終的な納期にわずかな遅延があったことを除けば」という、例外を示す文脈。
•語法: except for… (〜を除いて) という熟語を完成させる。
10. rise
•文脈: 「政府の努力にもかかわらず、インフレ率は次の四半期にかけても急激に上昇し続けた」という経済状況を表す。
•語法: continue to の後に動詞の原形が必要。「上昇する」という意味の動詞 rise が文脈に合致する。
●raise (〜を上げる) は他動詞。
【大問4】エッセーに関する長文読解問題
- 時間配分:32分
A:英問英答問題<16分>
英問の内容は以下のとおり。本文の内容を正確に把握したうえで適切な選択肢を選ぶこと。
1.「筆者とDavidが映画を一緒に見ていたとき、彼女は初めてどうしたか」という内容である。
2.「Davidの『彼女はセクシーである』という言葉を聞いたとき、筆者がどうであったか」という内容である。
3.「筆者とDavidが映画を見ていたころ、彼はどうしようとしていたか」という内容である。
4.「下線部①に一番近い意味はどれか」という内容である。
5.「筆者はDavidの日記を読んで何を知ったか」という内容である。
6.「Robはどのようなことをやった初めの人であるか」という内容である。
7.「下線部②に一番近い意味はどれか」という内容である。
8.「筆者が初めてDavidに彼の秘密を語ったとき、どのような反応を示したか」という内容である。
9.「感謝祭の日に誰が何をしたか」という内容である。
10.「感謝祭が終わった後、Davidが大学へ戻り、そこでの生活を楽しんだ理由は、大学がどのような場所であったからか」という内容である。
11.「Davidがクリスマス休暇を早く切り上げて、大学にも戻った理由は何か」という内容である。
12.「クリスマス休暇の数日後、何が起きたか」という内容である。
13.「Davidに受け入れられたと感じさせるために両親はどのような行動を取ったか」という内容である。
14.「下線部④に一番近い意味はどれか」という内容である。
B:整序問題<8分>
①「自分とはなじみのない友人に囲まれて」という文章にしたい。
②「誰とも恋に落ちるような相手は誰もいなかった」という文章にしたい。
③「強く愛情を感じる相手」という文章にしたい。
④「全ての経験が彼に喜びをもたらした」という文章にしたい。
C:英作問題<8分>
英問の内容は以下の通りである。
「あなたはDavidの友人で、彼は下線部③の内容をあなたに話しました。あなたならDavidにどのように話しますか」という内容である。
条件は、
①「とても多くの痛みと苦しみ」の一例を含むこと。
②「David、あなたの家族との再会の話を聞かせてくれてありがとう」という文章の後に続けること。
攻略のポイント
相当な英語力が求められているものの、全く手も足も出ないというレベルではない。単語力、イディオム力、文法知識、長文読解力などをしっかり身に付け、事前の準備として全国難関校の入試問題演習を徹底的に行えば、合格点は達成できるだろう。特に意識しておいてもらいたいのは、「読解力」である。600~800単語の長文を5分前後で読み込める「力」が欲しい。そのためには、単語力、イディオム力が不可欠であるのはいうまでもないが、一番大事なことは「長文読解に慣れる」ということである。つまり、全国上位校に出題されるような長文総合問題を2日に1題を目標に継続して演習し続けることである。そのような練習を通じて「速読力」と「精読力」を身に付けることが可能になる。



