栄東高等学校 入試対策
2025年度「栄東高等学校の数学」
攻略のための学習方法
[計算力を安定させる]
計算力については、2点を意識して、鍛えておこう。
1つめは、計算の正確さだ。計算の数字が複雑になっても、正答率が下がらないように、練習を積んでおこう。過去問を参考にすれば、どこまで複雑な計算ができれはよいかを確認できる。
計算問題は独自の方法ではなく、必ず家庭教師の上手い方法をまねるように学習していこう。
2つめは、計算の持久力だ。50分という長時間、集中力を切らさずに、計算していく持久力が必要になってくる。模試の数学の成績が、上がったり下がったりして不安定な生徒は、注意したい。持久力は、きちんと時間を測って演習を繰り返すことで、身についていく。1問1問にミスがないかではなく、答案全体でミスを減らせるようになろう。
[答案の完成度を上げる]
本番で安定して得点できるように、答案の完成度を上げる訓練を積んでいこう。多くの志望者は、一問一問を解くことに満足しがちで、答案全体の完成度を意識するのは、受験の後半(中学3年の夏休みくらい)からだ。もっと早めに受験生として意識を持ち、答案の完成度を上げる技術を身につければ、有利になる。答案の完成度は、2つの面から確認しておきたい。
1つめは、設問ごとの時間配分だ。時間配分ができていない志望者は、過去問を解いてみると、後半に簡単な設問があっても、得点できていない。つまり、前半の設問に時間をかけすぎていて、後半の設問にまで、手をつけられていない状態だ。受験では、答案全体の得点が、評価される。したがって、答案全体の得点を上げるために、それぞれの設問を解くべきか、あるいは解かないべきか、判断力が重要になる。過去問の演習は、そのような判断力を鍛える良い教材になる。
2つめは、見直しの技術だ。まずは答案全体でどれくらい見直しが必要になるのか、目安の時間を決めよう。あらかじめ時間を決めておくと、本番で迷いが生まれにくい。そして、見直しが効率的にできるような工夫をしよう。計算式を再利用したり、図形やグラフを確認しやすいように、丁寧に準備しておこう。
栄東は、マークシート方式で解答していくので、答案用紙をすべて埋めてから、見直しをはじめては、間に合わないだろう。大問の途中でも、積極的に見直しをしていくべきだ。
例えば、前の設問の数値を、後の設問でも利用している大問がある。もし前の設問で間違いが見つかったら、後の設問を次々に修正していかなければならない。時間を大幅に取られてしまう。
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2025年度「栄東高等学校の数学」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は50分で、得点は100点満点だ。大問数は5問で、単元ごとに整理されている。1単元で10分が、目安の時間配分となるだろう。設問数は17問で、解答はマークシート方式となっている。解答の数字だけが求められるので、処理速度の速い受験者が、有利な試験構成となっている。
【大問1】独立小問問題
- 時間配分:9分
(1)整数部分+小数部分=1+2√3を素早く利用できるように。
(2)43+57=29+71=100となることに注目。
(3)昨年度の商品A、Bの売り上げ金額をaとしてxを用いて方程式を立てる。a×(1+x/100)が直ぐにできるようにしておく。
(4)データの数が奇数か偶数かに気を付けて中央値を求める。
(5)垂直、半径、直角三角形などの総合的に知識を図に書き込んでいくようにする。
<ポイント>
√2=1.414、√3=1.732、√5=2.236、√6=2.449、√7=2.645、や11×11=121、12×12=144・・・・17×17=289などは語呂合わせなどで暗記しておこう。また、10%増や10%減などの計算方法が直ぐに出てくること。
【大問2】確率-数字のカード
- 時間配分:10分
問題文に与えられている操作どおりに試行した確率を求める問題。
<確率や場合の数などの解法のポイント>
高校入試で確率を書き出すときは、樹形図や表で丁寧に書き出し、すべての場合の数と条件を満たす場合の数を数え上げること。書き出す際は順序を決めるとよい。例えば、サイコロの目なら小さい順、コインなら表からなど。
(1)操作を2回終えてPがBにいるのは、和が4,7になるときである。同様に(2)は、操作を3回終えてPがBにいるのは、和が4,7、10になるときである。組み合わせを書き出すこと。(3)は1回目、2回目、3回目においてPがBにいる場合を考える。
【大問3】平面図形
- 時間配分:9分
三角形で構成される平面図形の計量問題。
<解法と学習のポイント>
補助線により垂直な線分を引き、1:2:√3や1:1:√2の直角三角形を見抜き線分を計量する。どの三角形とどの三角形が合同であるか?どの三角形が二等辺三角形であるか?どの角とどの角が等しいか?また、その根拠は何か?を数多くの図形問題に取り掛かり、時間と手間をかけて考えて解いていくことが重要。
(1)BDを斜辺とした1:2:√3の直角三角形を考える。
(2)△BDCが二等辺三角形であり、ADを斜辺とした直角二等辺三角形を考える。
(3)4点B、E、D、Cは1つの円周上の点であることを利用する。
【大問4】二次関数と一次関数
- 時間配分:10分
座標平面上の直線と放物線と円によって構成される平面図形や座標を計量問題。
<解法のポイント>
座標平面上の平面図形の計量は、与えられた点のx座標やy座標からx軸、y軸に垂線を下ろし、直角三角形を作り計量していく。
(1)(2)ACやBCを斜辺とした直角三角形を作り、相似を利用して点Cの座標についての式を作る。
(3)3点A、B、Cを通る円は、線分ABが直径である。問題の図に円を描いて中心をポイントしよう。直角三角形を作り三平方の定理を利用。
【大問5】空間図形
- 時間配分:10分
立方体でできる空間図形の計量問題。
<公式>
直方体の対角線はa2乗+b2乗+c2乗の平方根をとる。立方体の対角線はa2乗+a2乗+a2乗の平方根をとるので√3×aと暗記しておくと速い。
<解法のポイント>
空間図形の各頂点を結んだ図形を平面図形として計量する。
(1)AGは立方体の対角線の長さとなる。
(2)△DFHは正三角形であるので正三角錐A-GFH、正三角錐G-CFHとなる。
(3)【三角錐A- CFH】:【三角錐A- PQR】の相似比が高さの比2:1であるので、体積比は【三角錐A- CFH】:【三角錐A- PQR】=2の3乗: 3の3乗となる。
攻略ポイント
基礎、標準~やや難問題で構成されている。この試験を難しくしているのは、試験時間50分でマークシートを作成することである。問題の最初に記載されている注意事項に従いミスマークのないようにしよう。また、平面図形、空間図形、関数と図形の融合問題で図形の総合的な知識を利用して計量することがポイントとなる。大問2の場合分けと書き出しは少し時間がかかるかも知れない。したがって、図形の計量と関数でどれだけ素早く正答できるかということになる。