高校受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
高校受験専門プロ家庭教師が語る

青稜高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「青稜高等学校の国語」
攻略のための学習方法

記述

「青稜の記述対策」は「問題解説」のとおりだが、その前提としてなすべきことがある。それは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。最初は時間がかかってもいい。厭わずに、とにかく「書く」。そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要があるからだ。

では、何を「書く」か? 「練習問題」や「過去問」にある「記述設問」は勿論だが、その問題文の「要約」をするのがとてもいい方法だ。60~70字程度で書いてみる(青稜の典型的な「記述」の練習にもなる)。無論、内容は先生などに確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一挙両得。

次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。書きたい内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。だからこそ、「字数の感覚」が重要。その際、20~30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。

「記述設問」で得点を左右する「重要な要素」「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。
ある程度「感覚」がつかめたら、「最重要な要素」を「文末」にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく。

解法

前述のとおり、「多種多様な設問内容」の「青稜の国語」で勝利するための鍵は、「現代文」の「解法」をいかにうまく用いるかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」(随筆)、それぞれに応じた特有の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。

そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解法」が定まっていない証だからだ。

そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか? その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

速読

全てで5000字程度を読解しなくてはならない。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。
「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックし、「心情表現」を拾って素早く読んでいく。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。

青稜に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。

知識

「青稜の国語」では、「高度な語彙力」だけではなく、「国語常識」も含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる(直接出題は勿論、「本文読解」等でも必然的に問われる)。「攻略」するにはいかなる「学習法」があるのか? 「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ。確かに、そうした側面はある。だが、そこで思考停止してしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。先ずは、「己が実力」を悟ること(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。

さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されることがあるし、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法」的に「正しい文」でなければ「減点」されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。

なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・語句・文法1500 四訂版」(旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら「中学入試レベル」から再スタートの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。

古典

「公立中学」の「国語」でも「古典」は扱う。「古文」「漢文」は必修カリキュラムだ。しかし、「指導要領」上はほんの導入部分だけで、本格的な学習はしない。「文語文法」等を体系的に学ぶこともない。が、青稜などの「中高一貫校」ではそれらを中学時点で学び始めている。

従って、「高校入試」で出題されることになる。明らかに「ハンディ」だが、仕方がない。塾での学習ないし「独習」をする他ない。最重要な「古文単語」(200語程度)を定着させ、基礎的な「文語文法」は「敬語」も含めて理解しておかなくてはならない。そして、できるだけ多くの「古典作品」に触れて慣れておくことが重要だ。
なお、「古文」強化用のテキストとしては、「古文完全攻略63選——入試頻出問題厳選」(東京学参)や、「古文単語」定着用として「マドンナ古文単語230」(学研)などが推薦できる。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2019年度「青稜高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「論説文」、出典は加藤秀俊「情報行動」(文字数約3200字)。

小問は全8問(解答数16)。全て「マーク方式」の「選択肢」(「不適切」「正誤判別」「空所補充」、「総合的知識問題」あり)。問題文は4分強で読み切り、設問を15~16分で解きたい。

大問は「小説」、出典は島木健作「赤蛙」(文字数約4000字)。

小問は全11問(解答数12)。全て「マーク方式」の「選択肢」(「空所補充」「複数回答」、「総合的知識問題」あり)。問題文は5分強で読み切り、設問を15分弱で解きたい。

大問は「古文」、出典は松平定信「花月草紙」(文字数約440字)。

小問は全10問(解答数10)。全て「マーク方式」の「選択肢」(「空所補充」、「主語特定」「内容解釈」「語句原意」あり)。7~8分で解きたい。

大問は「漢字」(同音異字判別)。小問なし(解答数5)。

全て「マーク方式」の「選択肢」。2分程度で終わらせたい。

【大問一】論説文

  • 時間配分:

本書は1972年の出版だが、この時既に「情報の洪水」を指摘し、「選ぶこと」を勧めている。テレビや新聞といった受け身の情報に対して、「参加的情報行動」がこれから顕在化することを予測し、人々の参加によって出来たものは必ずしも良いものとは限らないと論じている。本文では、我々は、イメージと現実の逆立ち現象によって、人類史上初の不幸を背負っているようだと指摘している。読みやすい文章で内容はすぐに理解できるはずだ。「総合的知識問題」も含め、多種多様な「設問内容」となっているが、昨年度と比較するとさほど厄介なものはない。尚、「マーク方式」での「解答形式」が複雑なものもあるので、十分に注意したい。以下、いくつか確認してみたい。

[問1] 「語句の意味の選択肢」(全3問/各4択)。「総合的知識問題」。

傍線部(ⅰ)~(ⅲ)の「語句の意味」をそれぞれ答える。(ⅰ)「媒体」=「答え」は(ウ)「両者の関係をとりもつもの」、(ⅱ)「異色」=「答え」は(エ)「普通とは性質が違うこと」、これらは即決できて当然だ。が、(ⅲ)の「空空漠々」はどうだろうか?ほとんどの諸君にとって未知に相違ない。「限りなく広いさま。また、とりとめのないさま」を表す四字熟語だ。よって、「答え」は(エ)の「とらえどころがなく広がっている様子」になる。

この熟語自体を知らなくても、それぞれの「漢字」、「空」と「漠」(「漠然」の「漠」)から類推できるはず。このように、未知の熟語であっても「漢字」の組み合わせなのだから、それらの意味から特定することは可能だと心得よ。

<時間配分目安:全問で1分強>

[問2] 「内容説明の選択肢」(4択)。

傍線部「いったい、どんな動機で、なにを目的として、こんなにたくさんの日本人がハワイにやってくるのか」について、「ハワイを訪れる日本人」は「どのような『動機』『目的』を持っているというのか」を答える。

「選択肢設問」は「消去法」が原則。先ずは「原意消去」を試みたいが(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)、本問は傍線部を直接問われてはいないので、残念ながら無理だ。そこで、「傍線部(空所部)一文一部の法則」(「傍線部(空所部)が一文の一部分だった場合、傍線部(空所部)以外が重要」という「重要解法」)で「手がかり」を探す。すると、直後に「それ(=傍線部)を調べるのが、この調査の目的であった」とあり、次段落以降でその「答え」が紹介されている。確認すると、5段落目に「ハワイについて、ずいぶんいろんなことを聞きましたが、それが本当かどうか、確かめてみたいと思って、来てみました」という典型的な「答え」がある。この内容と各選択肢を照会すれば、(ウ)の「現実のハワイを自分の目で見ることで、事前に獲得しているハワイについての情報がどれほど正確なものかを確かめたい」が「答え」だと判別できる。

尚、本問では活用できなかったが、「選択肢設問」では先ず「原意消去」を試みることが肝要だ。

 <時間配分目安:1分半>

[問5] 「同趣旨内容の選択肢」(4択)。

傍線部「現代というのは、『地図』がほとんど無制限にふくれあがっている時代なのである」について、ここでいう「『地図』と同じ意味合いを持つもの」を本文中の波線部(ア)~(エ)からひとつ答える。「地図」が「ふくれあがっている」と表情しているのだから、「地図」は「比喩(隠喩)」だと分かるはず。では、何の「比喩」なのか?傍線部は「一文全部」なので「傍線部(空所部)一文一部の法則」は使えない。そこで、「同一意味段落」を確認する(「論説文」では「同一意味段落」に「根拠・手がかり」がある)。直後の一文が「無制限のふくれあがりは、『情報爆発』と呼ばれるにふさわしい」となっている。つまり、「地図」=「情報」というわけだ。

各選択肢は、(ア)旅行案内」・(イ)現地のガイド」・(ウ)その遺影」・(エ)人生のイメージ」。これらの中で「情報」だと考えられるものは無論、(ア)の「旅行案内」以外にはない。したがって、「答え」は(ア)になる。尚、「隠喩」を見極めるためには、「文脈」を丁寧に読み取ることがポイントだ。

 <時間配分目安:1分半>

[問8(1)] 「内容説明の選択肢」(4択)。

傍線部「これまでの人類が知らなかった不幸をいつの間にか背負っているかのようにもみえる」について、「どのようなことを『不幸』だと述べているのか」を答える。無論、先ずは「原意消去」から。ここでは「不幸」の「原意」と結びつかないものを、各選択肢の「文末」と照合して「消去」していきたい(「選択肢の説明」で最も重要な要素は「文末」に記されている)。

(ア)「生きている実感が乏しくなってしまうこと」

(イ)「刺激的な人生を期待してしまうこと」

(ウ)「人生を生きる気力が湧いてこないこと」

(エ)自分の人生を生きられないこと」

さあ、どうか?ここで「消去」できるか?全部「不幸」で判別などできない?それは甘い!しっかりと読み解きたい。「実感」「期待」「気力」は「心情」であるのに対して、「生きられない」は「現実」だ。「心情」と「現実」、どちらが「不幸」なのか?当然、「現実」だ。(エ)は他の部分の説明も特に誤ってはいない。よって、「答え」でいい。結果、「一発消去」だ。

「原意」の捉え方には練習が必要だが、「原意消去」は徹底して活用すべし。

 <時間配分目安:1分以内>

【大問二】小説

  • 時間配分:

作者自身の体験から創作された短編。伊豆の修善寺に胸部疾患の療養のために滞在していた「私」は、ある日の散策で桂川の上流まで歩いて行った帰り道、一匹の「赤蛙」が目に入った。蛙は向こう岸へ渡ろうとして一生懸命に泳ぎ、押し流され、はい上がることを繰り返しているうち、ついに精根尽きて渦の中へ呑み込まれてしまう――死期が迫っていた「私」は、蛙の生への努力に共感しながら感慨深く眺め,運命に従順なものだけが持つ静けさに強く感動する……。70年以上も前の作品で馴染みのない語句が多々あるが、「※注」を活用して読み切りたい。オーソドックスな小問が並んでいるので、手際よく解き進めていきたい。以下、いくつかの設問を検証する。

[問1] 「語句の意味の選択肢」(全2問/各4択)。「総合的知識問題」。傍線部(A)・(B)の「語句の意味」をそれぞれ答える。(A)「誂(あつら)え向きの」⇒「ルビ」が振ってあるからいいものの、なければ読むことすら難しいに違いない。「誂える」=「自分の思いどおりに作らせる。注文して作らせる」といった意味だ⇒「答え」は(ウ)「希望にあっている」になる。本校では「高度な語彙力」求められていると心得よ。(B)「依然として」⇒これは問題ないはず⇒「答え」は(ア)「相変わらず」だ。尚、(A)のように当該の漢字すら未知の場合、そこから類推することは不可能だ。その際も、すぐに諦めるのではなく傍線部前後の「文脈」から判別することを考えること。

<時間配分目安:全問で1分>

[問2] 「状況説明の選択肢」(4択)。

本文冒頭の【       】部における「『私』の状況の説明」を答える。ここでは流石(さすが)に設問段階での「原意消去」は無理だ。【       】部は5段落に及んでおり長い。そこで、先に各選択肢の「文末」を確認してみたい。

(ア)「興味深く思っている」、(イ)「目が離せなくなっている」、(ウ)「不審がっている」、(エ)「いらだっている」。これらの「私の状況」を「手がかり」として【       】部をチェックすると、4段落目の「『馬鹿な奴だな!』私は笑い出した」と、最後の「なぜあの淵を渡ろうとはせぬのだろう?」という2箇所がすぐに目に入るはずだ。後者で「私」は「疑問」を感じているのだから、(ウ)以外は「消去」か?だが、(ウ)の他の部分を確認すると、前者の「『馬鹿な奴だな!』私は笑い出した」という「状況」についての説明が一切されていない。流石に「答え」にするわけにはいかない。前者の説明を他の選択肢で確認する。すると、(ア)に「赤蛙を愚かだと思うと同時に」とある。合致する。そして、「興味深く思っている」という「状況」は、後者の「疑問」とも結びつくので、(ア)が「答え」ということになる。ちなみに、(エ)も「赤蛙の愚かさ」に「いらだっている」のだが、「疑問」に関する説明がないので不適切だ。本問は典型的な「ひっかけ問題」だったわけだ。最終確認の重要性を肝に銘じること。

 <時間配分目安:2分半>

[問4] 「換言説明の選択肢」(4択)。

傍線部「私はあの小さな淵の底には、~その方が自分のその時の気持にぴったりとした」について、「どういうことか」を答える。先ずは「原意消去」からだが、なんと、この傍線部は200字近くもある。そこで、傍線部の「文末」と各選択肢の「文末」を照合して「消去」する。確認する。

(ア)「共感のしやすいものになるということ」

(イ)「説明がつくということ」

(ウ)「強く訴えかけるということ」

(エ)「慰めになるということ」

「気持にぴったりとした」のだから、(ア)(ウ)以外は即「消去」できる。これで2択だ。両者の違いは「文末」の直前から明らかだ。(ア)は「赤蛙自身の執念深い意志によってであると捉えると」、(ウ)が「赤蛙と自分自身の境遇が重なり合って」となっている。どちらか?本文の「前説」にある「病気で衰弱している『私』」という説明を考えると、(ウ)が「答え」だと判別できる。「前説」は設問を解く上で必要だからあるので、必ず確認することが肝要だ。

<時間配分目安:1分半>

[問7] 「文の条件付き空所補充選択肢」(4択)。本文中の空所    に「あてはまる言葉」を答える。「条件」は「この形式段落で述べられている『私』の赤蛙の死に対する感想をふまえる」こと。「傍線部(空所部)一文一部の法則」で空所前後を確認する。「私は    のを感じた」となっている。何を「感じた」のか?

各選択肢を見てみたい。

(ア)「あたりが急に死んだように静かになった」

(イ)「あたり一面から色彩が失われていった」

(ウ)「突如身の毛もよだつような寒気が訪れた」

(エ)「しだいに生命の気配が遠ざかっていった」

「条件」は「赤蛙の死に対する感想をふまえる」ことなので、「死」について触れている(ア)以外は「消去」できるのではないか?念のために「この形式段落」をチェックすると、2行後に「波間に没し去った赤蛙の運命は、滑稽というよりは悲劇的なものに思えた」という「感想」がある。間違いない。したがって、「答え」は(ア)になる。「条件」に忠実に従うことで、即「正解」にたどり着いたことになる。「条件」=「手がかり・ヒント」だということだ。

<時間配分目安:1分>

※尚、[問11]に「鑑賞内容合致設問」(要は「本文内容合致」)がある。「論説文」での「本文内容合致」は「論旨合致」なので、「序論部分」と「結論部分」とを照合すれば解けるが、当該設問のような「小説」「随筆」では「本文全体」での照合が必要となりとても非効率なので、戦術的には「後回し」にすべきた(無論、「捨て問」でも構わない)。

【大問三】古文

  • 時間配分:

江戸時代後期の随筆。「寛政の改革」を断行した松平定信が老中辞職後、政治、経済、自然現象、日常生活などについて記したもの。幕末の社会、人生の種々相を高い見識で捉え、近世日本の代表的な随筆のひとつとされている。本文では(A)(B)という2つのエピソードが並んでいるが、共通しているのは「物事には適切な時期があり、それを逸してはならない」という教訓だ。「古文単語の意味」や「文語文法」「主語特定」といった「古文の基礎」、そして「内容解釈」などが問われている。以下、いくつか検討してみよう。

[問2] 「指示語換言の選択肢」(4択)。

(A)の傍線部「この比(ころ)」とは「いつの頃か」を答える。典型的な「指示語換言」であって、特定の仕方は「現代文」と何ら変わらないので、前を確認する。前の行に明確に「葉月のころ」とある。よって、「答え」は(イ)「葉月のころ」だ。本問は実に平易だった。「古文」だからといって決して構え過ぎてはいけないということだ。「文脈」の捉え方は「現代文」と基本的には同じだと心得よ。尚、「比」=「ころ(頃)」、また、「葉月」=「陰暦八月」だということはしっかりと押さえておきたい。

<時間配分目安:30秒以内>

[問5] 「人物特定の選択肢」(4択)。(B)の傍線部の「かれ」とは「誰のことか」を答える。「傍線部(空所部)一文一部の法則」で傍線部前後を確認する。「かれもくすしの道にはよのつねならねば」となっている。「※注」を使って「現代語訳」すると「あの人も医者の道では非常に優れているので」ということ。つまり、「かれ」=「非常に優れているあの医者」だ。

各選択肢は、(ア)「やんごとなきひと」・(イ)「このくすし」・(ウ)「初めのくすし」・(エ)「よのつねならぬもの」。「やんごとなきひと」は「いたづき(=病気)にかかったひと」だとすぐに判明するので「消去」していい。また、前後の「文脈」から、傍線部は「やんごとなきひと」が「いまこのすくし」に対して話していることだと分かる。ということは、「このくすし」でも「初めのくすし」でもないはずで、「答え」は(エ)の「よのつねならぬもの」だと判別できる。このように、「※注」を活用して「現代語」の「解法」を用いれば難なく解けるというわけだ。

<時間配分目安:1分>

[問9] 「助詞の意味・用法判別選択肢」(4択)。

二重傍線部(ア)~(エ)の「の」で「一つだけ意味・用法が他と違うもの」を答える。「文語文法」の中でも頻出の問題、助詞「の」の意味の判別だ。それぞれを確認したい。

(ア)「人さなえううるころ」=「人早苗を植える頃」

(イ)「人かりをさむるころ」=「人(稲を)刈り収める(収穫する)頃」

(ウ)「穂みえたるが」=「穂見えたが」

(エ)「初めにまかせてければ」=「初めの(医者)に任せたというところ」。

以上のように「文脈」から解釈できるはず。ということは、(エ)は「準体言(体言代用」で、他は「主格」だと判別できる。よって、「答え」は(エ)になる。尚、助詞の「の」には他に、「連体修飾格」、「同格」、「連用修飾格(比喩)」の「用法」があるので確認しておくこと。「文語文法」では、「助詞」以外でも「助動詞」の「意味・用法」、「接続」などをしっかりと押さえておきたい。

<時間配分目安:1分以内>

【大問四】漢字

  • 時間配分:

[問]「漢字の同音異字判別選択肢」(全5問/各4択)。

示されている各文の傍線部①~⑤と「同じ漢字を含むもの」をそれぞれ答える。「文脈」から「同音異字」の熟語を特定し、各選択肢の「同じ漢字」を判別する。厄介だ。「5問」ではあるが、結局「25の熟語」が分からなくてはいけないということだ。

  • 「神のケイジを受ける」=「示」⇒この表現そのものが未知かも?「啓示」=「(神などが)よく分かるようにあらわし示すこと」という意味だ。

各選択肢は、(ア)ケイトウ立てて学習する」=「統」/(イ)ケイゾクは力なり」=「続」/(ウ)「ハイケイ お元気ですか」=「拝」/(エ)「記事をケイサイする」=「載」。「答え」は(ウ)

  • 「学校でカイサイされる文化祭」=「開」⇒これは定番。

(ア)「不景気で大きなフサイを抱えてしまう」=「負」/(イ)サイジョウに向かう弔問者」=「場」(葬式を行う場所だ)/(ウ)「記事がケイサイされた」=「掲」/(エ)「原稿をサイソクされる」=「促」。「答え」は(エ)。「場」はやや難解。

「ソクバクされるのを嫌がる」=「束」⇒これは押さえていたい。

(ア)バクダイな資産」=「大」/(イ)バクフが成立」=「府」/(ウ)「真相をバクロする」=「露」/(エ)「役人に捕される」⇒これは難しい。「答え」は(エ)。「莫大」は「書きとり」にも要注意。

「卒業メイ」=「名簿」⇒「簿」は部首に注意せよ。

(ア)「文学賞にオウする」=「応」/(イ)「故郷へのジョウを歌う」=「情」/(ウ)「カケイを毎日付ける」=「家計簿」/(エ)「オセイの贈り物」=「御歳」。「答え」は(ウ)。「家計簿」は馴染みがないかも。

「ジュンスイな心」=「純」⇒これは分かって当然。

(ア)「区役所のスイトウ係」=「納」/(イ)「芸術家にシンスイする」=「心」/(ウ)「仕事を忠実にスイコウする」=「行」/(エ)「科学技術のスイを集める」=「」⇒ここでは「すぐれているもの」という意味。「答え」は(エ)。「出納」は典型的な「難読熟語」のひとつで、「支出と収入」のこと。

※尚、「同音異字」だけでなく「同訓異字」「同音異義」などにも、配慮すること。

 <時間配分目安:全問で2分以内>

攻略のポイント

※冒頭で指摘したように、昨年度、本校の出題形式は大幅に改定され、完全な「マーク方式」となり、「大問構成」も変更になった。ただ、本質的な「設問内容」は、本校のこれまでの特徴が通底しているので、改定以前の「過去問演習」も重要だと心得よ。

「時間との闘い」が最優先課題だということは、これまで以上に意識したい(「解答数」が増加している)。どう「攻略」するか?要は「戦術」だ。中でも「解答順」が最重要。「時間切れ」での「失点」は最悪だからだ。大問では、「知識」中心の「古文」を優先する。「現代文」で、「論説文」と「小説」(あるいは「随筆」)のどちらを先に解くかは、自分自身で事前に決めておくこと。また、「小問」は「知識問題」からこなすのが原則。例年、5000字超(本年度はかつてない約7600字というボリューム)の「文章」を「読解」することになる(速く正確に読み取るために、分速750字以上を目標に「読む練習」をすること)。本年度の「解答数」は43で、昨年度よりは減少した。ただ、全て丹念に答えることは物理的に難しい。したがって、「取れる問題を確実に押さえる」ことが最優先で、「取れそうにない問題は潔く捨てる」という覚悟も求められる。無論、「単純ミス」は絶対にしてはいけない。「合格ライン」は6割弱(過去6年間の3科目合計の「合格最低得点率」は57.8%。本年度は58.0%)。「戦術ミス」は致命的になると心得よ。

  • ●「多種多様な設問内容」に「攻略法」はあるのか?「設問内容」を的確に捉え、それぞれに応じた「解法」を適切に用いることが最重要。そのためには、基本的「解法」を完全習得し、自分自身の「ツール」にすることが必須だ。切迫する「時間」の中で、いかに的確に「解法」を用いて解いていくかが合否を分ける。

 

  • ●「高度な語彙力」が問われる「総合的知識問題」も決して侮れない。独自に「幅広い知識」を常に習得していくこと。学校や塾での学習だけでは全く不十分、「独習」は不可欠だ。

 

  • ●「古文」については、 重要な「古文単語」の定着は勿論だが、「内容理解」も求められるので、「基礎的文語文法」は押さえておきたい。また、「古典常識」も「日本史」を含めて馴染んでおくことが必要だ。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

青稜高等学校の科目別
入試対策一覧

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。