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桐朋高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「桐朋高等学校の国語」
攻略のための学習方法

設問は記述問題が大半(約90%)である。迅速で正確な読解力が求められるのはもちろんであるが、ここではどのような学習を行えば、合格できる「記述力」が習得できるかについて考えてみたい。

①読解力は記述力が基礎となる

合格点を取るための記述内容にするためには、その前提として「正確な読解力」が求められる。その読解力を得るためにも「記述力」が必要なのである。言い換えれば、「読解力」は内容のあるしっかりとした「記述力」がその基礎となっているのである。つまり、自分の考えを過不足なく「まとめられる力」とは、展開する論理を明確にしたうえで読み手に説得力を与える力である。そのような文章を書ける能力は、物事を論理的に考えられる能力のことであり、そのような能力は正確で確実な読解力につながるからである。そのような記述力に裏付けられた読解力こそが、受験にとっては必須な「読解力」となる。

②自分の考えをまとめてみよう

自分の考えをまとめるという作業は、簡単なようで実は難しい。「今日は何をしようか」、「今日の昼ごはんは何を食べようか」というレベルにおいて、自分の考えを「まとめる」という作業は、皆さんは日常的に行っているであろう。しかし、そのようなレベルでの考えをまとめる作業と、あるテーマに対する自分の考えや主張をまとめる作業では、その質において大きな隔たりがあるのは言うまでもない。その隔たりとは何か。前者は「自分」が納得するか否か、後者は「他人」が納得するか否かの違いである。言い換えれば、前者は「主観的」であり、後者は「客観的」でなければならない。受験における自分の考えをまとめるポイントは、「客観性」が不可欠な要素である。そして、客観性とは不特定多数の人たちが納得できるか否かがその指標となる。そのための一つの効果的な手法としては、「具体例を例示する」ことも有効である。そのような手法を用いることによって、自分の主張の正当性を裏付け、説得性を増すことも可能になるのである。

③実際に文章を書いてみよう

本当の意味で「記述力」を高めるには、実際に文章を書いてみることである。初めから、本格的な記述・論述問題に取り組むことも必要かもしれないが、まずは日頃考えていることを文章にしてみることを勧める。その際には、まず「テーマ」を決めること。文章を書く上で、漫然と文章をダラダラ書いてみても、受験における合格水準の記述力は身につかない。やはりテーマを決めて、初めは100~150字の文章を書いてみよう。書き出しは「自分は、○○について……と考える」と結論を初めに述べるようにしよう。そうすることによって、読み手は書き手の主張に引き込まれるのである。そのような字数の文章を15~20編書くことにより、自身の文章力は確実に高まり内容も濃いものになる。そのうえで、ハイレベルの記述式入試問題の演習を繰り返してゆくことが、確実に記述式問題の合格答案を作成する結果をもたらしてくれるのである。

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2020年度「桐朋高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

【大問1】は、小説に関する読解問題である<23分>。内容把握力が求められることはいうまでもないが、小説特有の設問、つまり登場人物の心情把握については的確に行いたい。
【大問2】は、社会活動に関する随筆の読解問題である<27分>。筆者が海外で経験した事柄を通じて、社会を変革してゆくヒントを考察する内容になっている。

【大問1】小説に関する読解総合問題

  • 時間配分:23分

小説に関する読解総合問題。出典は、畠山丑雄著『先生と私』。

(問一)心情把握に関する問題である<5分>。先生は、表面上は「愚痴」のようなことを話しているが、本文にもあるように「先生はもう笑っている」のであった。また、「遠い目」とは、昔のことを思い出している状態を描写しているのである。これらのことを総合的に判断すると、先生の人柄が理解できるであろう。
(問二)内容把握に関する問題である<2分>。「素朴」「軽率」「無防備」「軽薄」に関する各々の意味を問う問題である。ただし、言葉そのものの意味というよりは、本文中において使われている「意味」を解答しなければならない。前後の文脈をよく考えて適切な選択肢を選ぶこと。
(問三)内容把握に関する問題である<1分>。本文において「弟子は集めるものじゃない」と言及しているので、その真逆を考えればよい。「集める」のではなく「(弟子は自らの意思で)集まる」のである。
(問四)内容把握選択問題である<1分>。受賞に関しては自分の作品を文芸部顧問が「勝手に=自分の意志と関係なく」応募したのであるから、「意志」を選択する。
(問五)内容把握選択問題である<2分>。本文に即して考えれば、「始祖」とは「あたかも自分がその言葉を考え出したかのように振る舞う」ことでああり、それは本当の「始祖」は既に亡くなっており、文字通り「死人に口なし」状態なのである。
(問六)内容把握記述問題である<2分>。本文中に「…『我々自身のことば』とは何なのだろう?」、「そもそも『我々自身のことば』とは何なのだろう?」との発言は、極めて哲学的である。
(問七)心情把握記述問題である<6分>。奈央は、自分自身に対してどのような『評価』を下しているのであろうか。そして、その評価に対する先生のたとえは失礼な表現であったかもしれないが、そこには先生の実直な性格を感じたのである。
(問八)内容把握選択問題である<1分>。「メソポタミヤの羊飼い」に関する奈央と先生の会話を参考にしよう。
(問九)内容把握選択問題である<2分>。「その上」とは、「メソポタミヤに羊飼い」たちが星座を考えた理由に関する先生の発言が、奈央の想定していた答えを超えた(=その上)のである。
(問十)語句に関する問題である<1分>。「鷹揚」とは、「余裕があって、ゆったりと動く様子のこと」である。

【大問2】随筆文

  • 時間配分:27分

ベルリンに住む「私」が引っ越しをした際の体験に基づき、社会の在り方を考えるヒントを得たという随筆文である。引っ越し業者の会社の従業員は、麻薬やアルコール中毒から立ち直り、社会復帰を目指している若者だったのである。出典は、多和田葉子著『ベルリン通信』。

(問一)漢字の書き取り問題である<2分>。漢字の書き取り5題。どれも標準的な漢字であるので完答を目指したい。
(問二)内容把握問題である<2分>。麻薬やアルコール中毒から立ち直り、若者たちが目指すのは「社会復帰」である。
(問三)内容把握問題<2分>。「主任は全体の流れをみんなに説明し、それから後は本人たちに任せ」のであるから、「自分たちの頭で考えること」を期待したのであろう。
(問四)内容把握記述問題である<4分>。自分の言葉で説明させる記述問題である。言われた本人が「怒りも傷つきもしない」のは、お互いが信頼関係で結ばれているからである。
(問五)内容把握記述問題である<3分>。「私」は「若者たち」にどのような生き方の可能性を感じたかを考えること。
(問六)内容把握記述問題である<4分>。「幻想」とは何かを考え、かつその幻想が「破れつつある」ということが何を表現するかを本文に即して考える。従来の価値観である「大量生産、大量消費」型の考え方での限界を考える。地球温暖化(環境破壊)やゴミ問題が具体例であろう。
(問七)内容把握選択問題である<2分>。「普通の」にカギ括弧をつけている「普通」とは、「社会福祉を目的」とした会社こそが、普通の(=本来あるべき姿)ではないかと思っている。
(問八)内容把握記述問題である<8分>。そもそも「ベルリン」とは何か。ベルリンは「冷戦時代」「東西対立」象徴的存在であった。その具体的表象が「ベルリンの壁」であり、その崩壊がもたらした意味については、折に触れ考えておく必要があろう。ベルリンの壁崩壊=東西融合であり、それは多様な価値観の受容である。

攻略のポイント

迅速で正確な読解力が求められる。文脈を丁寧にたどることはもちろんであるが、日頃の受験勉強においてどのような手法で勉強に取り組めば、合格できる読解力が身につくのであろうか。一つの答えとしては文章の「見える化」であろう。日頃の文章読解において、重要だと思う箇所に傍線を引いたり、段落又は文中にある接続詞(順接・逆説に注意しながら)に印をつけるなどしながら読解することである。そのような作業を積み重ねてゆくうちに、合格できる迅速で確実な読解力が身につくのである。

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