雙葉中学校 入試対策
2026年度「雙葉中学校の社会」
攻略のための学習方法
スライド式学習
「雙葉対策」では「地理」「歴史」「公民」全単元・全分野と「時事問題」(単独での出題は少ないが「多角的思考」には不可欠)の「知識」を確実に定着させることが最優先。「基礎的事項」はもちろん、細部にわたる「知識」や「深い理解」も必要なので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックも重要。
完璧な「知識定着」が欠かせないのだが、悲しいことに人は忘れるもの。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる5年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、6年の夏休み前には終える。
その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。6年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか? 実質的に1年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」での「深い知識」が必要な雙葉では絶対に許されない。
そこで、独自の「復習」が必要となる。塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある5年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておくことがポイントだ。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習を内緒で続けておくことで、ライバルに差をつけておこう。
いもづる式学習
全ての単元に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独(要は「一問一答方式」)で定着させても無意味だ。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、雙葉攻略のポイントである「多角的思考」など絶対に無理だからだ。
そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。1つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。
また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(=「面」)をも理解するようにする。このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。
さらに、単元もまたいでいるので、多様な問題にも対応できる。無論、「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。
手づくり式学習
特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。しかし、雙葉などの上位校ではそうした単純なものはない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」~「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。
さらに、その「年表」には「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「世紀」と「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。
細部へのこだわり式学習
「攻略のポイント」でも指摘したが、「雙葉対策」で欠かせないのが「細部へのこだわり」だ。「多角的思考」をするに当たっての前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということ。そこから「考えるヒント」を見つけ出す。そのためには「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。
当然、トレーニングが欠かせない。過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」「資料の数字」や「関連事項」などを全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。
こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」とつなげて考えればいい。
意識継続式学習
いついかなるときも、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。漠然と机に向っていても無駄なだけ。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。
そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。雙葉の入試本番ではたった30分という制限時間の中で、様々な「要素」を考え「条件」をクリアして答えなくてはならない。
だからこそ、「設問」を正しく理解しているか? 「要素」は全て確認したか? 「他の設問」との関連は大丈夫か?「条件」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。
当然、「時間」も「意識」すること。入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。
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2026年度「雙葉中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は「地理」。北海道旅行」についての「会話文」からの出題。小問は全6問(解答数8)、「選択肢」(「組み合わせ」、「不適切」あり)、「事項・国名記述」、「説明記述」(1問。「字数指定」なし」)。
大問2は「公民」(「時事問題」の混在あり)。「政治や国際社会」に関する出題。小問は全8問(解答数10)、「選択肢」(「組み合わせ」、「複数完全解答」あり)、「事項・国名・県名記述」、「説明記述」(1問。「字数指定」なし)。
大問3は「歴史」。「日本の戦争の歴史」に関する「リード文」からの出題。小問は全12問(解答数21)、「選択肢」(「時期整序」、「不適切」あり)、「事項・地名記述」、「理由説明記述」(1問。「字数指定」なし)。
時間配分は、「説明記述」で各4分、その他は30秒程度で1問を解くという超ハイペース。無論、メリハリのある「戦術」が求められる。
【大問1】
- 時間配分:8.5分
「北海道旅行」についての「会話文」からの出題。「地理」単元の基本的事項が問われている。難易度もさほど高くないので、一気呵成に得点を重ねていきたい大問だ。いくつかの設問を検証する。
[問2] 「下線部についての統計資料読み取りの組み合わせ選択肢設問」(10択)。
「会話文」中の下線部②「他の地域でみる農地と景色が違っていた」について、示されている①~⑤の「棒グラフ」(北海道・新潟県・山梨県・愛知県・鹿児島県のいずれかの農業生産の内訳を表したもの)の「番号」と「地名」の「正しい組み合わせ」を答える。
「棒グラフ」ですぐに気づくのは、①の「果実」が他と比べて突出して割合が大きくなっていることだ。となれば、「山梨県」だと判別できなくてはいけない。この段階で選択肢は、(ハ)(ニ)(ホ)(ト)に絞り込める。それらの中で、④は「米」がダントツなので「新潟県」、残りでは、③が「野菜」がおおいので、「近郊農業」が盛んな「愛知県」、さらに、「畜産」を勘案すると②が「北海道」だと分かるはずだ。したがって、その組み合わせになっている(ト)が「答え」だ。尚、「組み合わせ選択肢」では、分かりやすい項目で一気に選択肢を絞り込むことが肝要だ。
<時間配分目安:全問で1分>
[問4(1)] 「下線部についての不適切選択肢設問」(4択)。
「会話文」中の下線部④「外国人観光客」について、観光産業は経済効果が大きいと期待されている一方、課題とされている説明として「誤っているもの」を答える。判別していきたい。(イ)「観光客が増えすぎると、宿泊施設や飲食店の不足などを招いてしまう」⇒何の問題もない=「正しい」。(ロ)「開発が進むことで、自然が破壊される心配がある」⇒本末転倒になってしまう=「正しい」。(ハ)「地域住民の生活圏にまで観光客がやってくることで、住環境の悪化が引き起こされてしまう」⇒「オーバーツーリズム」問題の典型だ=「正しい」。(ニ)「もともと発展している東京や大阪などの大都市では経済効果はない」⇒新たな観光客が来るのだから、影響(効果)は少なからずあるに決まっている=「不適切」。よって、「答え」は(エ)ということになる。こうした「正誤判別」では、細部にこだわる必要があると心得よ。
<時間配分目安:30秒>
[問4(3)] 「下線部についての理由説明記述設問」(「字数指定」なし。「60字ほど」の解答欄)。
「会話文」中の下線部④「外国人観光客」について、「地図記号」として「自然災害伝承碑」(下図参照)を記すようになったのは「なぜか」を説明する。
無論、この「地図記号」が「東日本大震災」の教訓としてつくられたことは知っているはずだ。したがって、たとえば「災害の歴史を学習できる自然災害伝承碑がある場所を記すことで、災害の記憶の風化を防ぎ、将来の減災や防災に役立てることができるから。」(64字)といった「答え」になる。本校に限らず、「地形図読み取り」は「地理単元」での定番なので、「地図記号」「等高線」「方位」「縮尺」等の「地形図」に関連する基礎的事項を完全に定着させておくことが肝要だ。
<時間配分目安:4分>
【大問2】
- 時間配分:8.5分
「政治や国際社会」に関する出題。「公民」単元から主に出題されている(「時事問題」の混在あり)。いくつか確認しておきたい。
[問1] 「会話文についての空所補充事項記述設問」(全2問)。「公民」単元。
「会話文」中の空所(X)(Y)に「あてはまる語句」を答える。空所前後を確認して「答え」を特定していく。「日本の貿易に関して、アメリカは(X)と並び……」⇒日本の貿易相手国は「中国」「アメリカ」「オーストラリア」の順だということは周知のはず⇒よって、「中国」。「(国際連合の)中心機関である(Y)の常任理事国であるアメリカ……」⇒当然ながら「安全保障理事会」で決定。
<時間配分目安:全問で30秒>
[問4] 「下線部についての内容説明記述設問」(「字数指定」なし。「50字ほど」の解答欄)。
「会話文」中の下線部③「弾劾裁判」について、「日本の憲法に定められている『弾劾裁判』の制度はどのようなものか」を説明する。「日本国憲法第64条」に定められている。重大な過ちを犯した裁判官や、身分にふさわしくない行為をした裁判官について、やめさせるかどうかを阪大する裁判で、国会に設置することは知らなくてはいけない。したがって、たとえば「裁判官の職務としてふさわしくない行いをした裁判官について、やめさせるかどうかを国会が判断する制度。」(49字)といった「答え」が成立する。
<時間配分目安:4分>
[問8] 「会話文についての国名記述設問」。「時事」単元。
「会話文」中の下線部⑦「国際社会の平和」について、「世界で最も新しい国」といわれる「国名」を答える。「答え」は「南スーダン」だ。アフリカ大陸のほぼ中央部に位置する「スーダン」は20年以上にわたって内戦が続いていたが、2011年1月の住民投票で圧倒的多数の賛成を得て、同年7月9日に南部がスーダン共和国から分離独立を果たした。こうした状況についてはしっかりと理解しておく必要がある。尚、「時事ネタ」は受験前年のみではなく、過去2~3年間程度は細大漏らさず確実に整理して覚えておくことが肝要だ。
<時間配分目安:1分>
【大問3】
- 時間配分:13分
「日本の戦争の歴史」に関する出題。「歴史」単元の基本的事項が問われている。手際よくとき進めていきたい。厄介な「理由説明記述」などを確認する。
[問1] 「リード文についての空所補充事項記述設問」(全3問)。
「リード文」中の空所(あ)~(う)に「あてはまる語句」を答える。空所前後を確認して「答え」を特定していく。「日清・日露戦争の時に日本が出兵した(あ)には、7世紀の半ばに中大兄皇子が群を送っていた……」⇒「7世紀の半ばに中大兄皇子が群を送って」が最大の手がかりか?⇒「白村江の戦い」(663年)だとすぐに結びつかなくてはいけない=「答え」は無論「朝鮮半島」だ。「江戸時代の初め薩摩藩の軍が(い)王国を攻撃し、その後支配下に置くようになった……」⇒「江戸時代」「薩摩藩」+「〇〇王国」=「答え」は当然「琉球」になる。「京都が戦場となった(う)と呼ばれる戦いは。11年間……」⇒「京都が戦場」「11年間」とくれば=「答え」は「応仁の乱」に決まっている。
<時間配分目安:全問で1分>
[問2(1)] 「下線部についての空所補充事項記述設問」(全2問)。
「リード文」中の下線部①「戦後80年」について、示されている「説明文」の空所【 イ 】【 ロ 】に「あてはまる語句」を答える。空所前後を確認して「答え」を特定していく。「戦後6年目にあたる1951年に結ばれた日米安全保障条約によって、アメリカの【 イ 】が日本に留まり、【 イ 】が使用する【 ロ 】を設置することを認めた……」⇒「日米安全保障条約」なのだから=「答え」は、【 イ 】=「軍隊」、【 ロ 】=「基地」だと特定できるはずだ。
<時間配分目安:全問で1分>
[問12] 「下線部についての事項記述設問」。
「リード文」中の下線部⑪「戦国時代には100年以上全国で戦いが続いた」について、「戦国大名らと戦った、石山本願寺を拠点にしていた勢力」を答える。「石山本願寺を拠点」=「浄土真宗」(一向宗)⇒「加賀の一向一揆」((1488年~)、そして、「石山本願寺を拠点としての織田信長との闘い」⇒「石山合戦(1570年~1580年)=織田信長と本願寺勢力の11年に及ぶ戦い」⇒最終的には朝廷の仲介で和睦し、「石山本願寺」側が退去した。こうした「一向宗」による一連の争いは時系列に沿って「流れ」を理解し、定着させておく必要がある。
<時間配分目安:30秒>
攻略のポイント
●最大のポイントは「選択肢設問」の攻略だ。特に、「正誤判別」では「適切」「不適切」が入り乱れ、「複数完全解答」も多いのでとにかく紛らわしい。どうするか? 重要なことは、「多角的思考」と「細部へのこだわり」だ。前者は、「リード文」「設問文」「統計資料」「歴史史料」「図版」等から読み取れる「要素」と「自らの知識」を多角的に結びつけて考察するということ。そのために欠かせない「条件」が「細部へのこだわり」だ。考察する「要素」を読み違えていては元も子もない。いかに「要素」を正しく「読解」するかが重要になる。過去問演習等を通じて、「細部」にこだわった「要素」の「読み取り」を繰り返し練習する。そして、どのような「要素」を組み合わせるのかを「解説」で必ず確認し、自分でも「多角的思考」ができるよう、十分に訓練しておきたい。
●「社会」の合格ラインは非公表だが、6割半以上は目指したい(過去11年間の「4科合計の合格最低得点率」は62.2、本年度は66.3%)。「試験時間」を考えれば「戦術」は不可欠。基本は「取れる問題を確実に押さえる」こと。「取れそうにない問題は潔く捨てる」という覚悟も求められる。無論「単純ミス」は絶対にダメだ。「基本的知識」を確実に押さえることで、基礎点(6割強)は獲得可能だ。あとは「本校対策」の結果として勝ち取る。
●4年前に本校初出だった新たな大学入試制度を意識したと思われる「考察問題」。2年続けて未出だが、来年度以降に向けては要警戒だ。「思考力・判断力・表現力」がより重視されるので、意識して練習することが肝要。
●「地理」では「地図」「統計資料」などが必ず出題されるので(本年度は「統計資料」と「地図」「地形図」)、確実に読み取れるようにしておくこと(「地図上の位置」「地形図」「地図記号」の確認は必須)。また、「統計資料」は必ず最新版を使いたい。テキストとしては「日本のすがた」(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。
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