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女子学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「女子学院中学校の国語」
攻略のための学習方法

知識

「JGの国語」には、「漢字の書きとり」は無論、様々な「総合知識問題」が大問の中に潜んでいる。さあどうするか? 当然、一朝一夕には身につかないので、地道な努力が必要となる。

先ず「語彙力」。日々の積み重ねあるのみ。塾での「小テスト」等を確実にこなし、もし間違ったものがあれば、必ず書き出して覚える。「漢字の読み書き」だけではなく、「同音異義語」「同訓異字」「類義語」「対義語」、また、「四字熟語」「ことわざ」「慣用句」「故事成語」や「分かりづらい言葉の意味」等も押さえておきたい。

また、過去問や演習問題を実施する際、問題文中の語彙で「読み・書き・意味」のいずれかがあいまいなものがあったら、書き出して自分なりの「言葉ノート」を作成しておくといい。そこには「自分が分からなかった語彙」が蓄積されていくので、折に触れ確認し定着させていく。入試当日に持っていけば、「お守り」にもなる。

これらの「語彙」は様々な形式で出題されるし、「記述」の際にも重要だ。字数制限の中でいかに的確な「言葉」を用いるかが勝負となるからだ。最終段階では、問題集等で何度も確認しておくこと。

そして、「文法」。塾でも学習しているはずだが、定着していない受験生が意外と多い。直接出題されることも多いし、「記述」にも不可欠だ。日本語として「文法的」に「正しい文」でなければ減点されるし、そもそも内容が正確に伝わらない。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の用法を確実に定着させておくことが重要だ。

ちなみに、「語彙力」強化用テキストとしては「言葉力1200」「言葉力ドリル」(共に学研)、「でる順過去問 ことわざ・語句・文法」(旺文社)等がオススメ。

速読

大学入試にも匹敵する分量の問題文を読まなくてはならない全体で5000字程度。解答時間は40分。当然、「速読」が求められる。
しかし、設問を解くために読むのだから通常の「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、それぞれの文章内容に応じた「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているのでしっかりと読み、「本論」は「段落相互関係」に注目しながら各形式段落の最初と最後を中心に読み進める。

「小説」「随筆」は「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックしつつ、「心情表現」を拾いながら素早く読んでいく。これらのコツは塾でも教えてくれるはず。もし教えてくれなければ、自分から聞いてみるといった積極性もほしい。

その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。JGに限らず、他の学校(男女問わず)の入試問題も読んでおきたい。
練習あるのみ。そして、最終的には分速650字以上(できれば700字近く)で「速読」できるようにしたい。

解法

「読解問題」の基本は「解法」をいかにうまく使うかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。
「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた独自の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。

たとえば、塾での練習問題。答え合わせをして「解説」を聞いて納得した。以上終了ではダメ。必ず「考え方」の道筋をなぞっておくことが重要。特に、間違った問題は宝の山だ。「解き方の過程」のどこで誤ってしまったのか? その分かれ道をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことが、同じ間違いを繰り返さない秘訣だ。

さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方の過程」を身につけたい。それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書きとめた自分なりの「解法ノート」を作成しておく。解き方に迷ったらその「ノート」を確認して、確実に応用できるようにする。

繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。こうした努力によって、JGが求める「真の読解力」が養われていく。

記述

先ずは「文を記す」「記述する」ことに慣れることだ。最初は時間がかかってもいい。いやがらずに、とにかく「書く」。
そして、書いた「文」は必ず誰かに読んでもらう。「文法」など正しい日本語の「文」になっているのか、言いたいことは正確に伝わっているのかを確認する必要がある。

では、何を「書く」か? 読解の練習問題にある「記述設問」はもちろんだが、その問題文の「要約」をすることがとてもいい方法だ。100字程度で書いてみる(JG新出の「長文記述」の練習にもなる)。無論、内容は先生に確認してもらう。「要約力」は文章の「理解力」にもつながるので一石二鳥。

次の段階としては「字数の感覚」を身につけることだ。書きたい内容は何文字くらいになるのか? 解答欄を埋め始めてから「過不足」を後悔しても遅い。下書きしている時間もない。

だからこそ、「字数の感覚」が重要なのだその際、20~30字程度をひとつのブロックとして考えるといい。「記述設問」で得点を左右する「最も重要な要素」や「必要な要素」は、それぞれその程度が目安だ。マス目のある原稿用紙を使って、自分が書こうとしている「要素」がその範囲に収まるようになるまで何度も練習すること。

ある程度「感覚」がつかめたら、「最も重要な要素」を文末にして、他の「必要な要素」を下から積み上げていくように記述する練習をしていく(この段階では「マス目のない用紙」を使う)。
「長文記述」に備えて、「最も重要な要素」+3つほどの「必要な要素」というパターンも練習しておくこと。

意識

いつ何時でも、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。何気なく机に向っていても得るものはない。その時々、何を目的として学習しているのか、具体的に「意識」し続けていることが必要だ。

そうして、何かを「意識」することができるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」するようにしたい。「設問」を正しく理解しているか? 「条件」に合致しているか? 「必要な要素」を満たしているか? つまらないミスはないか? といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」している必要があるのだ。

40分という時間で解き進めていかなくてはならない女子学院では、ひとつのミスが致命的になる。入試本番では、見直しの時間はないと思った方がいい。
常に「意識」しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。

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2025年度「女子学院中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「随筆」、出典は星野道夫「星野道夫著作集5」所収の「オオカミのこと」(文字数約1900字)。小問は全10問(解答数14)。「選択肢」(「総合的知識問題」あり)、「語句記述」(1問)、「説明記述」(8問。全て「字数指定」なし。「90字ほど」1問と「100~120字ほど」1問、「30字ほど」2問、「10字ほど」2問、「20字ほど」「5字ほど」各1問の解答欄)。問題文は2分程度で読み切り、設問を12~13分で解きたい。

大問は「小説」、出典は標野凪「桜の木が見守るキャフェ」(文字数約1600字)。小問は全7問(解答数9)。「選択肢」(「総合的知識問題」あり)、「空所補充語句記述」(2問)、「説明記述」(2問。「10~15字以内指定」1問と「字数指定」なし1問、「120~130字ほど」の解答欄)。問題文は2分弱で読み切り、設問を15分強で解きたい。

大問は「漢字の書きとり」(全5問)、2分ほどで丁寧に記したい。

【大問一】

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

人と動物との間にある愛憎入り交じった魂の交歓、そして剥き出しの命との対峙を作家の視点から語った随想アンソロジー(作品集)。本文では、われわれは、自らを取り巻く生物の多様性や人間社会における文化の多様性を大切にして、それらがもたらすものに目を向ける必要があると指摘している。平易な文章で内容は分かりやすい。「総合的知識問題」を含めて、いかにも本校らしい趣向を凝らした設問が並んでいる。以下、いくつかを確認してみたい。

[問一] 「内容説明選択肢」(4択)

傍線部①「オオカミについては、物語上の架空(かくう)の生き物という潜在意識が私にはある」について、「筆者はオオカミにどのような印象をもっているか」を答える。「選択肢設問」は「消去法」が原則。先ずは「原意消去」をしたい(原意絶対優位の原則=「設問」「傍線部」等の「原意」を最優先に考えること)。ここは「内容説明」で「筆者」は「架空の生き物」だという「意識」があるので、「架空の生き物」の説明として結びつかないものを「消去」したい。各選択肢の「文末」と照合する(「選択肢説明」では「文末」が最重要要素だ)。

(ア)「慣れ親しんでよく知っている生き物」

(イ)「物語の中でしか出あうことができない生き物」

(ウ)「実際に自分が出会えるとは思っていない生き物」

(エ)「出会えるのを楽しみにしている生き物」

さあ、どうだろうか? 「架空」=「実在しない」という意味だということは知っていなくてはいけない。であれば、「実際に自分が出会えるとは思っていない(生き物)」以外は「消去」可能だと読み取れるはずだ。ここで注意したいのは、(イ)には「物語の中でしか出あうことができない」とあり、それを傍線部の「物語上の架空の生き物」と結びつけてはいけないということだ。「架空」は「物語」に限定するものではないのだ。「念のために「同一場面」で他の部分の説明を確認する(「小説」と一部の「随筆」では「同一場面に手がかり・ヒントがある」が基本的解法だ)。特に誤ってはいないと分かるので、「答え」は(ウ)でOKだ。見事なる「一発消去」ではないか!もちろん、内容的に「文脈」から判別できないことはないが、とても手間ひまがかかる。「本文内容」に惑わされず時間短縮もできる「原意消去」、練習を重ねて完璧に活用できるようにすることが肝要。

                                   <時間配分目安:1分半>

[問二] 「空所補充のひらがな記述」「総合的知識問題」。「連語」。

傍線部②「もぬけの(    )」の空所に「あてはまる語句」を「ひらがな2字」で答える。「もぬけのから」は誰もが知っている語句に違いない。よって、「答え」は「から」だ。ここでは「誰もいなくなった後のすみか」のこと。ちなみに、「もぬけ」は「蝉や蛇のぬけがら」。本校では「連語」に限らず、「四字熟語」「故事成語」「ことわざ」「慣用句」など、あらゆる「語彙力」が求められていると心得よ。

                                 <時間配分目安:全問で30秒>

[問三] 「慣用句の意味選択肢」(4択)。「総合的知識問題」。

傍線部③「土足で踏みこんでいたのだ」について、「『土足で踏みこむ』とはどういう意味の慣用句なのか」を答える。これまた周知の「慣用句」の「土足で踏みこむ」=「他人の私事や領分に、無遠慮に立ち入ろうとする」なので、「答え」は選択肢(イ)の「相手のことを考えずに入りこみ、身勝手なふるまいをすること」になる。

                                   <時間配分目安:1分弱>

[問四] 「内容説明記述」(「字数指定」なし、「90字ほど」の解答欄)。

傍線部④「苦い思い出だけが残った」について、「筆者はオオカミに対してどのような思いをいだいていると言えるか」を説明する。傍線部の「原意」から、「筆者の思い」は「苦い思い」だとすぐに読み取れる。「苦い思い」=「苦しい感情や経験」のことだ。補足すべき説明に関して、「状況」を「同一場面」からを読み解いていきたい。筆者はあるときアラスカで二頭のオオカミと遭遇し、写真を撮ろうとしたが失敗、翌日、「もぬけのから」となった巣穴を見つけた筆者は、オオカミの足跡と自分の山靴の跡が交錯しているのを見て、いつの間にか自分が彼らの世界に「土足で踏みこみ」、その生活圏を侵していたことに気づいて申し訳なく思い、深く後悔しているという「状況」が読み取れる。こうした内容を整理して、的確に過不足なくまとめていけばいい。たとえば、「知らなかったとはいえ、自分がオオカミの生活圏に土足で入りこんだことで、彼らの巣穴の安全を脅かして警戒させ、彼らが移動せざるを得ないようにしてしまい、申し訳なく深く後悔している思い。」(90字)といった「答え」だ。「随筆」や「小説」の「説明記述」では、どれほど丁寧に「同一場面」を読み取ることができるかがポイントになると心得よ。

                                    <時間配分目安:3分>

[問八] 「空所補充の内容説明抜き出し」(「6字」指定)。

傍線部⑧の「同じことが精神の健康にも必要なのだろう」とは「どういうことか」を説明した、示されている文の空所(      )に「あてはまる語句」を「六字」を抜き出して答える。「抜き出し設問」では先ず「抜き出し内容」を特定し、「抜き出し範囲」を絞りこんでいくのが鉄則。前提として、示されている文をチェックしておく。「精神の健康を維持していくために(      )が必要だ」。傍線部直前は「健康を維持してゆくためにいろいろな食べ物が必要なように」となっている。つまり、「生命の維持」に必要な「いろいろな食べもの」に相当する「精神の健康の維持のために必要なもの」が「抜き出し内容」だと判断できる。そして、「同一場面」では「生物の世界の多様性」が指摘されている。「範囲」は当然、「同一場面」。本問では、傍線部の形式段落とその前の形式段落だと分かる。丁寧に探していくと、傍線部の5行前に「多様性、それは決して生物の世界にとどまらず、人間社会の中における文化の多様性にもあてはめることができる」という部分がある。「内容」にも「指定」にも合致する。「範囲」の中で他に候補はない。したがって、「答え」は「文化の多様性」(6字)になる。「抜き出し設問」では「抜き出し範囲」の絞り込みがポイントとなると心得よ。尚、「抜き出し候補」はひとつとは限らないので、必ず「範囲」の全てを隈なく探すこと。

                                    <時間配分目安:2分>

[問九] 「換言内容説明選択肢」(4択)。

傍線部⑨の「いつしかそれ自身が袋小路(ふくろこうじ)へと追い詰められてゆく」とは「どういうことか」を答える。無論、先ずは「原意消去」からだ。ここでは「換言内容説明」なので、「袋小路へと追い詰められてゆく」の「換言説明」として直接的に結びつかないものを「消去」したい。各選択肢の「文末」と照合したい。

(ア)「かえって自分たちの存在を危うくするということ」

(イ)「ますます一部の人間や集団の支配が強まってしまうということ」

(ウ)「むしろ社会全体が混乱してしまうということ」

(エ)「(いつのまにか)存在が社会のなかから消滅してしまうということ」。

「袋小路」=「物事が行きづまって先に進めない状態。袋道」という意味の慣用句だと知っていなくてはいけない。

とすれば、「自分たちの存在を危うくする」以外は「消去」できると判別すべきだ。念のために「同一場面」で他の部分の説明を確認しても特に誤ってはいないと分かるので、「答え」は(ア)になる。本問も「一発消去」だった!やはり「原意消去」は使える。

                                   <時間配分目安:1分半>

【大問二】

  • 難度:標準
  • 時間配分:17分
  • ★必答問題

満開の桜も素晴らしいけれど、散り際にも楽しみはある――庭にヤマザクラの大きな古木がある「キャフェ チェリー・ブラッサム」。祖母と母から受け継いできた洋館で、「緋桜(ひお)」は、季節の和菓子と茶を提供している。四季の移ろいと人々の交流を、優しくゆったりと描く再生の物語。本文では、使い手に心から喜んでもらえるバッグをつくるため対面販売にこだわっている「可奈(かな)」は、カフェのお客様に出すお茶やお菓子に気をつかう「緋桜」のもてなしも同じだろうと言うが、そこまでできているだろうかと不安そうな「緋桜」を、桜の木は温かく見守っている……。平易な文章で内容は理解しやすい。多種多様な「選択肢設問」と、設問趣旨が分かりづらい「説明記述設問」がやや厄介な大問になっている。心して臨みたい。何問かを検証する。

[問一] 「空所補充の内容説明記述」(全2問。各「5字以内」指定)。

傍線部①「菓子だといわれなければ勘違いしてしまいそうなほどだ。」の文に「それぞれ五字以内で文を補ってわかりやすい表現」にする。はっ? 何をどうすればいいのか? 冷静に改めて設問を確認すると、「菓子だといわれなければ(        と)勘違いしてしまいそうなほど(         )だ。」という空所を含む文が示されている。ということは、これらの空所に「あてはまる説明」を答えろと言うことに違いない。さて、何の「菓子」を何と「勘違い」してしまうのか? 「傍線部一文一部の法則」で確認したい(「傍線部が一文の一部分」だった場合、「傍線部以外に手がかり・ヒント」がある)。傍線部の前には「柚子(ゆず)の形を模した黄色い饅頭(まんじゅう)、」とある。ということは、傍線部の「菓子」は「黄色い饅頭」であり、「柚子」の形を模しているわけだ。こうしたことから考えていけば、空所に「あてはまる説明」はできるはずだ。「答え」はたとえば、「(菓子だといわれなければ)本物の柚子(と)(勘違いしてしまいそうなほど)そっくり(だ)。」となる。JGの「設問文」は分かりづらいものが多いので、しっかりと読み込むことと類推する工夫も必要になると心得よ。

                                <時間配分目安:全問で3分>

[問二] 「内容説明対象選択肢」(4択)

傍線部②「驚かれた」について、「『可奈』が驚いたのは、『緋桜』の言葉のどこに対してか」を答える。これまたつかみづらい設問だが、先ずは「傍線部一文一部の法則」をチェックしたい。直前は「今朝、自分(=緋桜)で買いに行って来たのだと(可奈に)伝えると」となっている。各選択肢は、(ア)「今朝」・(イ)「自分で」・(ウ)「買いに」・(エ)「行ってきた」。選択肢全てが「伝えた言葉」なので、これだけでは判別できない。さらなる「手がかり」を「同一場面」に求める。傍線部直後に「……努力よりもうれしさが上回ってしまって、なかなか人任せにできないんです」という「緋桜の本心」が語られ、それに対して「可奈」が「わかります。私もそうですから」と頷(うなず)いている。「人任せにできない」に「可奈」は共感しているのだから、「答え」は(イ)だは特定できるはずだ。本問は「原意消去」を適用できなかったが、てこずるようだったらあらゆる「解法」や「手がかり・ヒント」を動員して考察せよ。

                                  <時間配分目安:1分半>

[問四(1)] 「語句の意味選択肢」(4択)。「総合的知識問題」。

傍線部④「言い淀(よど)む緋桜の気持ち」について、「『言い淀む』とはどういう意味か」を答える。本校志望者であれば、当然知っておいてほしい語句だ。「言い淀む」=「すらすらと言葉が出ないで口ごもる」なので、「答え」は選択肢(ア)の「言葉を言いかけてためらう」だ。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問四(2)] 「心情説明記述」(「字数指定」なし、「120~130字ほど」の解答欄)。傍線部④「言い淀(よど)む緋桜の気持ち」について、「『可奈』に対して言い淀んでいる『緋桜の気持ち』」を説明する。傍線部は「可奈」と「緋桜」とのセリフのやりとりの場面だ。「可奈」のどのような言葉に、「緋桜」は何を「言い淀んで」いるのかを「同一場面」で確認する。セミオーダーのバッグの「対面販売」にこだわっている「可奈」が「その人だけの作品、と思って作ってはいます」とはっきりと言い切ったことに対して「あ、でも私の……」と「緋桜」は何かを「言い淀んで」いる。そして、直後で「緋桜の愛用している可奈の作品は、ショルダーのついたミニポーチだが、可奈から直接購入したものではない。「都子」からプレゼントされたものなのだ」と説明されている。つまり、「対面販売」にこだわっている「可奈」に対して、「プレゼント」だと明かすことを「緋桜」はためらっているわけだ。「可奈のこだわり」に関して、補足すべき「状況」をさらに読み取っていきたい。「同一場面」の直前直後から、「心から愛用してもらえるバッグをつくるには、使う人の癖やライフスタイルを聞いたうえで各部分を微調整する細やかな対応が欠かせないので「対面販売」しかしないということにこだわっている「状況」が分かるはずだ。以上のような要素を整理して、「言い淀んでいる『緋桜の気持ち』」としてまとめていきたい。たとえば、「心から愛用してもらえるバッグをつくるには、使う人の癖やライフスタイルを聞いたうえで各部分を微調整する細やかな対応が不可欠なので対面販売しかしないという可奈のこだわりを知り、自分の持っている可奈の作品はプレゼントでもらったものだと明かすことをためらっている気持ち。」(131字)といった「答え」になる。本問に限らず、本校の「説明記述」の設問では「ていねいに説明しなさい」と記されているものが多い。したがって、「同一場面」から読み取れるあらゆる要素を「記述」に盛り込む必要があると心得よ。

                                   <時間配分目安:3分半>

[問五] 「助動詞の用法判別選択肢」(5択)。「総合的知識問題」。「文法」だ。

太線部Ⓐ~Ⓒの「れる」の説明を答える。助動詞の「れる」「られる」の「用法判別」は本校に限らず頻出だ。無論、「受身」「可能」「自発」「尊敬」の4つだということは知っているはず。Ⓐ~Ⓒの判別をしていく。「贈り物として選ばⒶれる方(お客様)は、自分が使うもの以上にあれこれ悩まⒷれるんです。相手のことを想像し、どんな場面でどんな風に使うか。どんなものが喜ばⒸれるかって……」⇒ⒶとⒷは主体が「お客様」なので「尊敬」、は「相手」に「喜んでもらえるか」ということなので「受身」だと判別できる。よって、「答え」は選択肢(エ)の「ⒶⒷの「れる」は同じ意味で、だけが違う」になる。尚、「れる」と「られる」の使い分けについても理解しておくこと。「れる」は「五段活用」「サ行変格活用」の動詞の未然形、「られる」は「上一段活用」「下一段活用」「カ行変格活用」の動詞の未然形に接続する。「使い分け方」の詳しい内容についてはテキストなどで調べ、使えるようにしておくこと。「説明記述」での誤用があると減点されるので注意すること。

                                   <時間配分目安:30秒>

[問七] 「換言説明記述」(「10~15字以内」指定)。

傍線部⑥の「わたくし」とは「なにものか」を「十字以上十五字以内」で説明する。「傍線部一文一部の法則」で確認すると直後は「(わたくし)は見ていますから。」となっている。そして、直前には「果たしてそこまで考えて接客しているだろうか、と緋桜は不安そうだけれど、大丈夫、ちゃんと出来てますよ。」とある。さらに、本文冒頭には、「葉を落とした『わたくし』も同じだ。この季節は太陽から栄養を得ることは難しい。夏に溜(た)めた養分が役立つ。……」と説明されている。加えて、本作品の「桜の木が見守るキャフェ」という題名を考えれば当然、思い浮かぶはずだ、「答え」はたとえば、「緋桜のカフェを見守る桜の木」(13字)といったものになる。「本文全体」からの読み取りが求められる場合もあるので、注意したい。

                                   <時間配分目安:2分>

【大問三】

  • 難度:
  • 時間配分:3分
  • ★必答問題

「漢字の書きとり」(全5問)。

示されている各文の「カタカナ」を「漢字」に直す。本年度は本校の標準的難易度。本校志望者であれば「全問正解」といきたい。「答え」を確認する。

(1)「長年続いた店のカンバンを守る」=「看板」⇒書けて当然なのだが、ここでの意味は「店の名前を記した板」ではなく「店の信用」ということ、要注意。

(2)「連絡があるまでタイキする」=「待機」⇒「同音異義語」には注意したい。

(3)「事態のシュウシュウがつかない」=「収拾」⇒「収」と「拾」を逆にしないこと。

(4)「史上初のカイキョを成しとげた」=「快挙」⇒「物事を最後までやりとげる」ことだ。

(5)「読書は人の心をタガヤすものだ」=「耕(す)」⇒部首の「耒(すきへん・らいすき)」も押さえておきたい。曖昧(あいまい)な「漢字」があった諸君は、確実に復習しておくこと。

                                <時間配分目安:全問で1分半>

攻略のポイント

●揺れ動いていた「出題傾向」は落ち着いた。そこで、本校が求めている「本質的な国語力」をいかに習得するかがポイントとなる。多種多様な「解答形式」や「出題内容」から、とことん「細部」にまで配慮して「本文の内容」をどれだけ正確に読み取ることができるかという「真の読解力」が問われているのだ。したがって、各設問に的確に対応した「解法」を完全に習得し、応用できるようにしておくことが鍵となる。合格ラインは完全非公表だが、75%は目指したい。

●「総合的知識問題」を無視しては合格もあり得ない。「漢字」も含め全体で3割内外の配点となっている(本年度は3割弱)。また、「説明記述設問」であっても「知識」がものをいう場合が多々ある。「語彙」「文法」「韻文」、「国語常識」「一般教養」など、本校を志望した瞬間からあらゆる「知識」を吸収するように努力してほしい

●試験時間は40分。問題文のボリュームは全体で5000~6000字ほど(本年度は昨年度並みの半約3500字)。他の上位校と比べて標準的だが、試験時間を考慮すると、いかに速く読み取れるかが勝負になることには変わりない。分速750字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

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