女子学院中学校の傾向と対策
女子学院中学校の入試傾向をプロ家庭教師の視点で解説します。役立つプロのノウハウをご覧ください。
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受験の攻略ポイント
女子御三家。どの科目も、「速読即解」が基本であり、圧倒的スピードでの「処理能力」と、すべての分野において高いレベルの知識が求められている。
算数 | さまざまなジャンルの問題に迅速かつ正確に反応でき、合理的に解を導く「処理能力」が必要。 |
---|---|
国語 | 多彩な「解答形式」や「出題内容」から、本文の内容をどれだけ正確に読み取ることができるか問われる。 |
社会 | 限られた時間の中で、難易度を即座に判断し「取れる問題を確実に押さえる」ための、幅広い知識が求められる。 |
理科 | 標準的な問題が多いが、試験時間と設問数から、解答する速度と精度の両方が求められる。 |
社会の攻略ポイント
「地理」「歴史」「公民」「時事」、全ての単元から出題される。また、それらの単元とは直接結びつかない「考察問題」もある。
大問は3~5題(2020年度は昨年度よりひとつ減って3題。
最近減少傾向だ)。全解答数は例年50~60弱程度で本年度は51。単元別配点比率は近年、猫の目のように目まぐるしく変わっている(要は全ての単元に精通せよということだ)。
本年度は、「歴史」が4割強で、以下、「公民」3割弱、「地理」2割弱、「時事」と「考察問題」がともに1割未満。解答形式は、「事項等記述」(基本的に「漢字指定」)、「選択肢」(「不適切」「複数完全解答」「整序」など、次々に転換していく)、「説明記述」(本年度は全て「字数指定なし」で4問)。設問内容としては、「地図」「地形図」「統計資料」「歴史史料」「年表」「図版」などの読み取りが定番だ(本年度は「地図」「歴史史料」「図版」からの出題はない)。
時間と解答数を考えると、他校には見られない圧倒的な「スピード」と「処理能力の高さ」が求められる。「即断即決」が合否を決することになる。100点満点。試験時間は40分。
2020年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問Ⅰ】「歴史」(「地理」3問あり) | 標準 | 11分 | |
【大問Ⅱ】「総合」(「地理」「歴史」「公民」「考察問題」) | やや難 | 20分 | ★ |
【大問Ⅲ】「公民」(「時事」2問あり) | 標準 | 9分 |
理科の攻略ポイント
生物、地学、化学、物理の各分野を中心とする大問が1つずつ、全4問出題されている。本年度の入試は例年以上に思考力が要求され、物理・化学分野では計算問題も目立った。
いずれも基礎的な知識があれば解ける問題であるが、文章や図表を通じて状況を把握したり、複数の情報源を行きつ戻りつしながら考えたりする力が要求され、難度は低くない。大問レベルで見れば、物理が最もオーソドックスな問題で解きやすい。ただし、あくまでも「問題集でよく見かける」という観点でのことであり、応用〜発展問題レベルの計算に習熟していないと答えられない点では、難関校受験者に相応しい地力が問われている。その意味で、物理分野で満点に近い点が取れるかどうかが合否を分ける試金石となり得る。また、地学および化学では直感に引っ張られると間違えがちな設問が見られる。限られた時間の中で正確に思考を展開する力が必要となり、実力差が大きく反映されるだろう。
2020年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
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【大問Ⅰ】アミラーゼと実験 | やや難 | 7分 | ★ |
【大問Ⅱ】太陽の南中高度と昼の長さ | 難 | 10分 | ★ |
【大問Ⅲ】物質の溶解 | 難 | 12分 | ★ |
【大問Ⅳ】ばねの伸びとつり合い | やや難 | 11分 |
国語の攻略ポイント
試行錯誤を繰り返し、出題形式が揺れ動いてきた「JGの国語」だが、ここ数年、ようやく落ち着いてきたようだ。2020年度は昨年同様に大問3題(「随筆」・「論説文」・「漢字問題」)。
総文字数は昨年度に一気に減少したが、本年度は例年並みで約5000字。
「解答数」は、昨年度よりやや減って32。「解答形式」は、「選択肢」「抜き出し」「事項記述」「語句(漢字)記述」、「説明記述」(本年度は9問)などだ。「揺れ」に悩まされてきた「JGの国語」だが、「総合的知識問題」を含めた「出題内容」、「簡潔過ぎる問題文」など、難易度の高さは一向に揺らいではいない。また、「女子御三家」の一校にふさわしい「洗練された総合的国語力」が問われることや、試験時間が短く圧倒的なスピードでの「処理能力」が求められていることは言わずもがなだ。志望者には何にも動揺することなく、確(しか)と本校を見据えた確実な準備をしておいてもらいたい。100点満点。試験時間は40分。
2020年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
---|---|---|---|
【大問一】「随筆の読解」(「図版選択」「説明記述」あり) | やや難 | 19分 | |
【大問二】「論説文の読解」(「説明記述」「語句記述」あり) | 標準 | 20分 | ★ |
【大問三】「漢字の書きとり」(全4問) | 易 | 1分 |
算数の攻略ポイント
本年度は前年度と比べると難度も下がり、特に前半は平易な問題が多かった。後半の難問は例年出題されている分野からの出題となった。
「図形(ほぼ全ジャンル)」…図形の出題は必ず複数見られ、難易度はさまざまである。本年度は【大問1】3問・【大問2】と前半に集中したがレベルは標準的だった。また【大問3】では円周率の定義を聞かれたがこれも出来ただろう。
「数の性質」…昨年度に引き続き、本年度はあまり目立たなかったものの例年要注意の分野である。
「速さ」…【大問4】の「図形上の点の移動」、【大問6】の「流水算」とも頻出の内容であり「速さ」の問題全般に対する十分な準備が必要。
2020年度
分野・単元 | 難度 | 時間配分 | 必答問題 |
---|---|---|---|
【大問1】計算問題・小問集 | 易 | 8分 | ★ |
【大問2】平面図形(相似形・円の弧の長さ) | 標準 | 6分 | ★ |
【大問3】定義 | 易 | 2分 | ★ |
【大問4】速さ(図形上の動点とグラフ) | やや難 | 8分 | |
【大問5】条件整理 | やや難 | 8分 | |
【大問6】速さ(流水算・つるかめ算) | やや難 | 8分 |
女子学院中学校合格者の声
リーダーズブレインのプロ家庭教師は、お子さまのレベルやご希望にあわせて指導します。プロならではのノウハウでさまざまな課題を解決して志望校合格に導いてきました。
渡辺先生には子供のフォローとともに不安になりがちな保護者のフォローもして頂き大変感謝しております。受験直前期挫けそうになった時に先生にかけて頂いた言で親子共々自信を持って試験に臨むことができました。ありがとうございます。
プロ家庭教師が合格をサポート
中学受験で40年以上の実績をもつリーダーズブレインは、これまで多くの中学受験生を志望校に合格させています。指導にあたる教師陣はすべて指導経験7年以上の中学受験専門プロ家庭教師です。
プロ教師対談インタビュー『中学受験生を伸ばすポイントは?』
豊富な経験から「合格までの最短距離」をプロ教師陣が語り合います。
伸びる受験生はどうしているのか?家庭でのサポートで親が気をつけるべきことは何か?勉強のサポートの仕方から親子の関係性など・・・ぜひ参考にしてください。
学校 | 女子学院中学校 |
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偏差値 | 2020予測偏差値69(四谷大塚80%)・61(サピックス80%) |
併願校 |
1月入試では渋谷教育学園幕張中・浦和明の星中・栄東中・東邦大付属東邦中・市川中、2月は豊島岡女子中・白百合学園中・鷗友学園女子中・渋谷教育学園渋谷中・洗足学園中・筑波大学附属中が多く見られる。 *入試日程の変更にご注意ください |
合格者 | 合格最低点は非公表だが、難易度や受験生のレベルから判断すると、75%はクリアしたい。出身塾別で見ると、サピックスが多く、早稲田アカデミー・四谷大塚・日能研が続いている。リーダーズブレインの生徒も同様の塾生が多い。 |
進学実績 | 東大・筑波大・一橋大を始めとした国立大に40%、早稲田大・慶應義塾大・上智大に170%、MARCHに90%が合格している。また、毎年卒業生の3割弱が上記大学の進学を目指して大学進学浪人を選択している。 |
その他 | 高校での募集を行わない完全中高一貫校。女子御三家のひとつ。制服や細かい校則はなく自由な校風。 |
基本情報 |
所在地 〒102-0082 東京都千代田区一番町22-10 最寄駅 有楽町線「麹町」徒歩3分・半蔵門線「半蔵門」徒歩6分・JR/都営新宿線「市ヶ谷」徒歩8分 連絡先 ℡:03-3263-1711 沿革 明治3年創設。 |
