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海城中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「海城中学校の理科」
攻略のための学習方法

海城中の満点は80点で、今年度の合格者平均点56.0点。ここ数年の中では最も平均点が高い入試であった。問題の形式としては、長めのリード文・実験や観察のデータ・図・グラフなどをもとに答える問題が中心であり、計算問題・考察問題・記述問題も含まれる。知識を確実に固めることは当然のこととして、レベルを高めに設定した問題演習をしっかり積んでおくことも必要である。化学・力学を中心とした計算問題の練習と記述問題を含む総合問題の演習には時間をかけたい。
分野毎の学習法は以下の通り。

<分野毎の学習法>

生物分野 
本年度はアリの共生に関する出題であった。知識問題の他に、実験結果を考察する問題もあり、判断に迷う問題も含まれていた。ここ数年を見ると、植物に関する出題がやや多く、その他では、昆虫と高山植物・メダカと外来生物・魚のからだのつくりと働き・生物の個体数の変化などの出題が見られた。この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫や動物のからだのつくりや分類など基本知識を確実に覚えることが第一である。特に、出題される可能性のやや高い植物に関する知識は早めにしっかり固めておきたい。また、知識の丸暗記で終わることなく、実験や観察に関する問題の演習にも時間をかけたい

地学分野 
本年度は京都市周辺の地形と気象をテーマとした出題で、地図を読み取って解く問題が2年連続で盛り込まれていた。ここ数年では、道路と環境・岩石の風化・気温と地温の変化・台風と河川の水位上昇・地層・岩石・日食等についての出題が見られた。この分野の学習方法としてまずは、台風・四季の天気の特徴・星の名前と動き・月の動き・岩石の分類・地層のでき方・地震・火山などテキストに書かれている基本事項は確実に理解し覚えて頂きたい。金星の見え方・日食や月食など細かい知識も学習しておきたい。さらに、地層のボーリング調査・地震波の伝わり・天体の軌道など計算を必要とする問題の演習にも時間をかけたい。

物理分野 
本年は電熱線と電流をテーマとした出題であった。近年の出題を見ると、力のつり合いに関する出題頻度が高く、レベルの高い計算問題も頻繁に出題されている。また、今年度同様に、電気に関する出題も見られる。この分野の学習方法としては、ばね・てこ・滑車・振り子・浮力など力のつり合いに関する計算問題の練習にしっかり時間をかけたい。レベルの高い問題にも取り組んで欲しい。電気に関しては、豆電球の明るさ・LED・電熱線による発熱・電流と磁界についての演習に時間をかけること。その他音、光についての学習も怠りないように。

化学分野 
今年度は気体の発生・気体の燃焼について出題された。近年を見ても、中和反応や気体の発生など化学変化に関する出題が多い。この分野の学習方法としてまずは、水溶液や気体の性質、指示薬の色の変化など基本知識を固め、中和・溶解度などの計算問題演習をしっかり行って欲しい。レベルの高い問題にも挑戦して学習して欲しい。

過去問演習は時間も意識して取り組んで欲しい。その上で、できなかった問題についてはしっかりその原因分析を行い、同じ間違いをしないように対策して欲しい。分析や対策については、プロの家庭教師を是非活用してもらいたい

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2025年度「海城中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問数は4、小問数は33で80点満点(算数・国語は120点満点)、試験時間は45分で例年通りであった。記号選択問題、適語を答える問題、計算問題、記述問題が中心で、図を描く問題も見られた。長めの問題文や図・データの読み取りに時間がかかる問題が多く、前半で時間を使いすぎると後半の問題を慌てて解くといった状況になりかねない。過去問等で時間を意識した演習をしっかり行うことが不可欠である。できる問題、特に知識問題をミスなく正答していくことが重要なポイントとなるであろう。

【大問1】物理分野 電熱線と電流

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

問1 グラフを見ると、電熱線を並列につなぐとき、電熱線の本数と電流は比例しており、電熱線を直列につなぐとき、電熱線の本数と電流は反比例の関係にあることがわかる。電流を抵抗値に置き換えると、並列につないだ本数と抵抗値は反比例、直列につないだ本数と抵抗値は比例している。

問2 電流計の値は、それぞれの経路だけの電流の和になるので、0.3+0.15より0.45A。

問3 同様に考えると、0.3+0.3+0.15より、0.75A。

問4 1本の電熱線を3Vの電源につないだ時には0.3A流れるので、抵抗値が2.5倍になると、0.3÷2.5より、0.12A流れる。

問5 電熱線のつなぎ方を図に描く問題。電流が0.24Aになったので、抵抗値が1本の電熱線の1.25倍になっている。4本の電熱線を並列につないだものと、1本の電熱線を直列につなげばよい。

問6 つないだ端子と流れる電流値を表に書き入れる問題。aとcの間が導線でつながれている、つまりショートしていることに注意が必要。

問7 問6とは逆に、表の電流値を基に電熱線と導線を図に描く問題。bd間はショートしており、0.3Aは電熱線が1本、0.6Aは電熱線が並列に2本つながっている図を完成させればよい。

問8 問7で完成させた図を見ると、cb間とcd間の抵抗値は電熱線1本の1.5倍になっているので、0.3÷1.5より、0.2A。

電熱線と電流に関する出題。問題文の中にヒントとなる解説が書かれてあるので、比較的考えやすくなっている。とは言っても、後半に進むにつれて難度が上がっている。本校理科の出題はいずれも後半に難度の高い設問が控えているので、前半で確実に得点する、という意識を持って挑んで欲しい。

                                    【時間配分目安:12分】

 

【大問2】化学分野 気体の発生・気体の燃焼

  • 難度:標準
  • 時間配分:12分
  • ★必答問題

問1
(1)酸素の発生方法。液体が「過酸化水素水」、固体が「二酸化マンガン」。
(2)酸素はほとんど水に溶けないので、「水上置換法」で集める。
(3)酸素の性質についての選択問題で易問。

問2 二酸化炭素と石灰水の反応で白く濁る。石灰水は水酸化カルシウム水溶液とも呼ぶ。

問3 20Lのメタンを完全燃焼させるのに必要な酸素は40L、30Lのプロパンを完全燃焼させるのに必要な酸素は150L。合計190Lの酸素が必要。

問4 5Lのプロパンを完全燃焼させるのに必要な酸素は25Lで、二酸化炭素が15L発生する。酸素が15Lあまるので、燃焼後の気体は合計30L。

問5 メタン1Lを完全燃焼させると1.5gの水が、プロパン1Lを完全燃焼させると3gの水が生じる。メタンとプロパン合わせて10Lの気体を燃焼させて21gの水が生じたことから、つるかめ算として計算すればよい。

問6 メタン1Lを完全燃焼させると、酸素が2L使われ二酸化炭素が1L生じるので、気体の総量としては2L減ることになる。また、プロパン1Lを完全燃焼させると、5Lの酸素が使われ3Lの二酸化炭素が生じるので、気体の総量としては3L減ることになる。メタンとプロパン合わせて20Lの気体が完全燃焼して55Lの気体が減ったことから、問5と同様につるかめ算として計算すればよい。

問2までは酸素と二酸化炭素の発生に関して、問3以降はメタンとプロパンの燃焼に関しての出題。気体の発生に関する問題はいずれも知識問題であり、正答必須。問5問6のつるかめ算を用いる手法は、中学入試の化学分野の出題で時々見られる。これを機会に解法をマスターして欲しい。

                                    【時間配分目安:12分】

 

【大問3】生物分野 アリの共生

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

問1 問題中の絵を見ると、胃は「腹」にあることがわかる。

問2 
(1)アリの幼虫の絵を選択する問題。
(2)アリは、卵⇒幼虫⇒さなぎ⇒成虫と変化する完全変態の昆虫。

問3 記述問題。アリマキは、アリの好きな甘い汁を出す。アリは、アリマキの天敵であるテントウムシを追い払う。

問4 記述問題。問題中のアリの絵がヒント。アリの口と問1で問われた胃をつなぐ消化管を見ると、かなり細いことがわかる。大きな虫などはこの消化管を通れない。

問5 アリXから口移しで食物をもらうアリヅカコオロギBは、アリXがいないために、生存続けることができない。

問6 アリヅカコオロギBは、アリのからだの表面をなでることによって、アリの臭いを自分につけて、アリになりすましている、一方、アリヅカコオロギAはそのような行動をしないので、敵とみなせれ、攻撃を受けると考えられる。

問7 実験結果の考察選択肢問題。問6より、アリヅカコオロギBはアリXになりすますことによって、アリXから攻撃を受けない。一方、アリヅカコオロギAは、アリXから攻撃を受けている攻にも関わらず、共生して生き延びていることから、攻撃されても回避していると考えられる。

アリの共生に関する出題。前半の記述問題は確実に正答したい。問5以降はアリとアリヅカコオロギの共生についての実験結果を考察する問題。選択肢問題ではあるが、判断に迷う。物理・化学分野同様に、生物・地学の問題においても、大問の前半、特に知識問題で確実に得点したい。日頃の学習では、知識を確実に身につけることを意識して欲しい。

                                    【時間配分目安:10分】

 

【大問4】地学分野 京都市周辺の地形と気象

  • 難度:標準
  • 時間配分:11分
  • ★必答問題

問1 図の平安京周辺の地形図より、川が山から平地に下ったあたりの扇状地であることがわかる。

問2 
(1)扇状地のでき方を解説する文章を完成させる選択問題。川の流速が遅くなり、水深が浅くなったところに扇状地ができる。
(2)侵食作用や「運搬」作用よりも「堆積」作用が大きくなったことによって、扇状地ができる。

問3 地形図を見ると、北ほど標高が高くなっているので、北への移動が上るとなる。

問4 問題文中の「白っぽい」より、選択肢の中では花こう岩だけが当てはまる。

問5 一般的に、川が蛇行しているのは中流~下流域である。地盤が隆起したが、隆起よりも侵食のスピードが速いために、蛇行している谷ができたと考えられる。

問6 残丘と考えられる地形の位置を図に描き入れる問題。周囲より高く、等高線が密になっている3か所が該当する。

問7 
(1)グラフを見て、京都と大阪の平均気温を比較する問題。
(2)記述問題。真冬の京都と大阪の最低気温平均と最高気温平均を比較すると、京都の最低気温が大阪と比べて大きく下がっていることがわかる。京都の地形が盆地であるために、夜中から朝にかけて、冷たい空気が盆地の底にたまると考えられる。

京都市周辺の地形と気候に関する出題。昨年に続いて、地図を見ながら解答する問題、しかも、京都の地図が2年続けて取り上げられたことは注目である。
問題としては、川の流れの働きや岩石の分類と特徴など幅広い知識と考察力が要求される内容。前半の扇状地に関する設問は確実に正答したい。後半は地図・問題文・グラフの読み取りがポイント。問7の記述問題は難問だが、捨て問レベルではない。空欄はさけたい。

                                    【時間配分目安:11分】

攻略のポイント

本校の理科の入試問題は、都内難関校の中でもトップレベルの難しさと言える。知識問題と計算力・考察力が問われる問題がバランスよく出題されており、計算力・考察力が必要な問題のレベルは高い。知識問題についてもかなり正確な知識が求められる。
出題の形式として、長めのリード文・実験や観察に関する説明やデータ・図やグラフを読み取った上で分析・考察する問題および計算を必要とする問題が多いことが本校の特徴である。また、記述問題が多く出題されることも特徴。
昨年・今年と地学分野で、地図の読み取りが必要な問題が続けて出題されたことも注目される。
攻略ポイントとして、まずは幅広く正確な知識を確実に身につけることがあげられる。知識問題での失点は避けたい。その上で、計算問題や実験・観察問題の練習にも時間をかけたい。特に、物理・化学分野の演習量を十分に確保して欲しい。問題のレベルは高めに設定し、記述問題や計算問題の練習を十分に行いたい
直前期には、過去問等時間を意識した問題演習もしっかり行うこと。

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