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大宮開成中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「大宮開成中学校の算数」
攻略のための学習方法

[正答率の高さが問われる]

「基本より少し上の問題」を最低でも80%以上の正答率で解く。
これが大宮開成中学特待生選抜に合格するすべてである。
言っておくが、80%は最低ラインであり、出来ればそれ以上-90%程度が望ましい。

もちろん、満点に文句を言うことは出来ない。
難問を解ける力は必ずしも必要ないものの、正しい答えをしっかり出せるという解く側の安定性が最重要である。

[「基本より少し上」とは]

それでは、「基本より少し上」の問題とは具体的にどのようなものか。
2018年度の問題を例にとると、

【大問2】(1)(3)(4)は基本問題である。これはどんなレベルのテストにおいても解けなくてはいけない。しかし(2)(5)はその基本レベルを少し超える、つまりここでいう「基本より少し上」の問題と言うことだ。

(2)が「倍数算」の問題というのは一目瞭然だが、「比をそろえる解き方」は通用せず、比例式を用いて関係をまとめるか、複雑な線分図に条件を書いた上で比の大きさをそろえなければならない。

(5)では「5で割ると3あまる」数と「7で割ると2あまる」数をそれぞれ書いていき、はじめに共通した数をもとにして公倍数を使う、という見た目よりも面倒な解き方を要する。

【大問3】ならば(1)の角度の問題。案外解けない生徒が多いのではないか。

さらに【大問6】の「速さと比」の問題。これは大問自体が「基本より少し上」といえる。

【大問7】(2)も同様だろう。

また、平成28年度問題であれば【大問3】(2)【大問6】【大問7】など…
今挙げた問題がすんなり解けるのであれば合格に何の支障もない。おめでとう。逆にこれらの問いにひっかかっているようであれば、目の色を変えて同レベルの克服に燃えなければいけないだろう。

[正しい答えを出すという心構え]

また、この中学の入試問題は大問の数が7つと多めなので、分野に偏らず広範囲から問題が出されている。つまりは苦手な分野を作ってはいけないと言うこと。どの分野の問題が出されても、効率よく確実に正解する、という力が必要になる

そのためには、「4科のまとめ」などにあるような典型題はすべて克服しておきたい。条件が細かい応用問題に対応する必要はない。とにかく頻出レベルの問題は解き方を正確に身につけること

さらに、問題に接したとき、できるだけ1回で正答を出すという心構えが欲しい。やり直しがきく、と思うとどうしても適当にやってしまうことがある。6年生なら、常日頃から一発で正解する、という癖をつけたい。

もちろん、新傾向の問題が出たときは別であるが。

最後に、大宮開成中学の特待生選抜テストは年を追って問題の質が上がっているように感じる。来年度はもう少し骨のある問題となっていることも考えられるので、油断することなく「基本より少し上」の問題を一つでも多く解いて自力をつけ、本番に臨むことにしよう。

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2022年度「大宮開成中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

テスト時間は50分で大問は7問と少し多めで、設問数も20題となっている。時間と問題数のバランスはとても良く、前半は「易」レベルの基本問題で後半は水準が上がり「標準」レベルまたはそれ以上の出題となる。「Tクラス」の合格ラインは「Sクラス」よりも総合で15点ほど高いので、算数では80点を目指したい。前半は全問正解をめざし、後半の【大問】では(1)をまんべんなく得点できればその点数に届く。
また、Sクラス合格を狙うのならば70点が目標となるだろう。作戦は「Tクラス」と同じだ。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

(1)から(4)まで、計算の基本能力が試されている。この中では分配のきまりを使って解く(2)と分数の逆算が入る(4)には注意したい。
(1)は計算のきまりに従って、割り算や( )の計算を優先して行う。
(2)では、13×44を26×22と変形できると全体を22という数でくくれて計算が楽になる。
(3)は0.25を分数にして計算する。
(4)も小数を分数にしてから逆算するわけだが「÷」のところがカギを握るので注意したい。

【大問2】つるかめ算・倍数算・差集め算・仕事算・ニュートン算

  • 難度:
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

本年度の【大問2】は「易」レベルの問題が並ぶ、大変取り組みやすい内容になっているが、(5)のニュートン算は本格的なそれなので解けるようにしておきたい。
(1)は典型的なつるかめ算。片方にそろえる、面積図を使うなど自分の解きやすい方で求める。
(2)は倍数算で、AとCがやりとりしていて所持金が変わり、Bは変わらないので25:18:7から10:9:6に比が変化しているので9を2倍して18にすると、後の比は20:18:12となり、比1あたりの数値がわかることになる。
(3)は「差集め算」または「過不足算」と呼ばれるもので、全体の差(800-200)を1日の差(50-40)でわると貯金する日数が求まる。答えは問題集の価格なので注意する。
(4)は仕事算のうちでも「のべ算」と呼ばれるもので、1人1分の仕事量を1とおいて、全体の仕事量を1×40×40=1600とし、そこから1×10×45をひき、残った仕事量を50でわる。1と置かなくても答えは同じになる。
(5)はあっさりとした問題文だが、「草は一定の割合で生えてくる」という条件が無言で与えられているニュートン算で、「はじめにあった草の量」「1日あたり生えてくる草の量」ともわからない本格派の問題。(4)とある意味で解き方は類似している。1人が1日に刈る草の量を1とすると、1×14×10と1×29×4の差が(10-4=)6日に生えてくる草の量になる。これを使ってはじめにあった草の量を求め、(24-4=)20で割る。ニュートン算としては標準的な問題なので【大問2】の中では唯一「中」レベルの問題になっている。

【大問3】角度・面積・立体の体積

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分

(1)はもとの図形が正方形なので角度をばらばらとたくさん書きまくればアは求まるものだがそれはスマートではない。180-76×2の角を○とすると、直角三角形の残った角は×とおける。対頂角で×はとなりの三角形に移り○も同様。またも対頂角で○をうつすと、アは180-×で求められることがわかる。
(2)は補助線をうまくひいて中心角60度のおうぎ形8個の大きさとできる。
(3)の回転体の体積は、回転が180度なので、(小さい円すい)と(大きな円柱-小さい円すい)の半分ずつが出来る。ここで、小さい円すいの体積は等しいので、結果的に大きな円柱の2分の1を求めれば良い。
昨年度の【大問3】図形小問集よりはレベルが上がったと思われる。失点は避けたい。

【大問4】食塩水

  • 難度:
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

4年連続してここには食塩水の問題が配置されている。問題のレベルは決して難しくはないので、落ち着いて使うべき条件をみつけていくこと。
(1)は最後に出来たCの食塩水の溶けている食塩の重さを求め、それらの食塩はBの食塩水80gに含まれていたものなので食塩の重さを80で割ればBの濃度が求まる。
(2)はBに溶けている食塩はすべてA90gに溶けていたものなのでここからもとのAの食塩水の濃度が求められる。そしてA(100-90=)10gに水を90g加えて最後のAの濃度を求めれば良い。還元していく問題はあるものの正解できることが求められる。

【大問5】約束記号

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

「さてここまで余裕で全問正解を果たして生徒もここからはなかなか手強いので慎重に取り組んでいきたい。」と昨年度の解説でも書いたが本年度もそれに変わりはない。【大問5】はユニークな出題箇所として知られ、「オセロ」「ハノイの塔」など特徴のある内容を提示してきたが本年度はさほどではないものの(2)はかなり解きにくい。
その代わり(1)はほぼ全員が解けるであろう、やさしさの極致である。
(2)はかなりの難問、というよりかなり時間を費やさないと4番目という数までたどり着けない。ここまで全問正解で来た生徒は1つ飛ばしてみるのも現実的解決策である。
まず、上2けたと下2けたの差が22になる数にしぼって書き出していき、さらに各位の数の和が20になるものをピックアップしていく。上2けた最大のものから書き出していくと(99,77)(98,76)(97,75)(96,74)…で、いずれも差は22になっている。ただし(99,77)の各位の和は32で大きい。次の(98,76)は各位の和が30、次の(97,75)は28なので、和が2つずつ減っていくことが分かる。このことから和が20になる、1番目に大きい組合わせは(93,71)つまり、9371と7193であることがわかる。片方が90台はこの1つだけ。今度は(89,67)(88,66)…を調べていくとこちらからは2番目に大きい(84,62)つまり8462と6284である。。次に70台を調べると…(75,53)つまり7553と5375が該当する。これらのうち、7193が4番目に大きいことになる。60台は調べても6×××が最大なので必要はない。

【大問6】速さのグラフ

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

本年度のテストで最も差がついたのはこの【大問6】ではないだろうか。この前の【大問5】このあとの【大問7】は(1)が平易で(2)で難問と出来不出来がはっきりと分かれやすい。【大問6】はダイヤグラムの問題としては決して易しくはないが決して難しくもない。ちょうどよい加減の応用問題なので、ここを正解で突破した生徒は算数に関しては文句なく合格点を取れているはずである。
問題文をよく読んでからグラフに当たると、グラフは4つの部分に分かれている。それぞれ「A君が歩いている」「A君がバスに乗る」「母親がバスに乗っているA君を自動車で追いかけている」「母親が歩いているA君を自動車で追いかけ、同時に学校に着いた」を表していることが分かる。
(1)わかる速さから求めていこう。450を6で割ってA君の歩く速さが分かる(分速75m)。次にバスの速さは(3050-450)÷(14-6)で分速325m。次に母親とバスの速さの差は(3050-2600)÷(20-14)から分速75mとわかり、自動車の方が早いから325+75=400mとなる。
(2)次にグラフの最後の部分から2600÷(400-75)は8分となり、A君は歩いて(6+8=)14分、バスに乗って(20-6=)14分かけて家から学校まで通っていることが分かる。
ダイヤグラムが得意な生徒には易しく感じた問題だろうが、グラフを取り違えてしまうと袋小路を抜け出せなくなる可能性もあった。

【大問7】図形の回転移動

  • 難度:標準
  • 時間配分:7分

この大問の(2)は本年度の最難関問題なので(1)だけは解けておきたい。
(1)では半円も長方形も回転するので、速さの和を求めて、どちらだけを回転させわかりやすい形になることが大切だ。どちらにしても40秒後には120度回転しており、そのときに重なっている部分の面積は半径9cm、中心角(180-120=)60度のおうぎ形となっている。
(2)で半円が3つのおうぎ形に分けられるとき、その面積が1:2:3になるのは、半円を1:2:3に分けるのでおうぎ形の中心角が30度、60度、90度になるとき、くらいはわかるもののそれが4回あって、はじめから数えて3回目までに、辺ABが動いて出来た面積となるとお手上げだ。ここまで問題の見直しに走ることを希望したい。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
合格者平均点は73.0点(昨年度は74.2点)なので、Tクラス合格を目指すなら80点、Sクラス合格ならば70点を目標点としておきたい。
大問の内容について言えば全般としてきわめてオーソドックスで取り組みやすい問題が並んでいる。ただし、【大問5】【大問7】の(2)に関しては難易度が群を抜いて高いので本番では敬遠するのもやむを得ないだろう。前半では【大問3】(3)も難しかった。この3問を除いて他の問題をしっかり正解しておけば合格点に手が届くことになる。その場合【大問4】と【大問6】がカギを握ることになる。
大宮開成の合格ラインに到達するためには、まとめテキストなどで典型的な解き方をする問題をしっかりと身につけるのが一番の早道だ。本年度の問題では後半の大問(2)が難しかったがそれをスルーしても合格点には届いている。本命校が2月にある生徒は難易度の高い問題にも慣れておくと大宮開成の問題がさらに難化したときにもついていけることだろう。

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