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立教池袋中学校 入試対策

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2025年度「立教池袋中学校の算数」
攻略のための学習方法

立教大学の付属中学であり、中学受験の老舗として2月2日に存在感を誇る立教池袋中学。AO入試の実施など話題も振りまきながら、安定した人気を維持しており、当然のごとく難易度の高い学校である。

さて、その算数は、やはり「老舗の味」で昔から変わらぬ形式を貫いている。時代によって問題の難易に多少の変動はあるものの、そこから受ける印象は変わらない。それは「簡単そうで、簡単ではない」という印象である。ここ何年かの問題を見ても、それは変わらない。

テスト時間は50分で、大問10、小問は20。
問題文はあまり長くないし、図も見たことがあるものが多い。受験勉強をしっかりとやっていればいるほど既視感も強く、問題を始めるにあたっても「この問題は○○と似ている」「これは○○算の考え方を使って」など、迷いなく問題に入り込める。これなら十分解いていける。80点くらいは取れるかな…で、結果は45点だったりする。それが立教池袋の算数である。

点数が取れそうで取れない理由としては、まず「計算が意外と複雑である」点が挙げられる。
計算問題はもちろんのこと、速さや割合・図形の問題でもあえて計算しにくい数値が与えられたりする。考え方はあっているけれども、答えを間違えてしまうという流れだ。ところが、誤答ではあっても、生徒(および保護者)は、「考え方は分っているのだから、今度は計算間違いしないようにすればいいや」と、あまり反省せずに流してしまうことが多い。中には「ここは計算ミスなんだから、できたものとして~」などと、正解の方にちゃっかりカウントしていたりする人も…。しかし、そこが学校側の狙いであるとしたら…。考え方がさっぱり分らなくても、単純な計算ミスでも、×は×であり、不正解に違いない。計算までしっかり出来ていて、はじめて○なのだ。この認識を強く持っておかないと、この手の問題はいつまでたっても正しく答えられないだろう。

また、類似問題を解いた経験があるだけに、解く心に隙が生じるのではないか、という点も挙げておく。
それが集中力を欠くことにつながり、不正解を生む。そのあとに模範解答を見ても「ああ、ここをこうすればよかったのか。ただそれだけのことでいいのか。簡単だ」というあまり反省しない態度のまま通過し、結果的に問題を解いたことが勉強の肥やしになっていかない。

物理的な問題としては、時間不足が挙げられるだろう。
大問を1問5分で解けば間に合うけれども、その場合、見直している時間は皆無である。全体に平易とは言え、設問の(2)には時間がかかるものもある。ときには問題への入り方を誤り、やり直すこともあるだろう。1問を4分30秒程度で解いていくことを考えると、やはりスピードが要求されることになる。解く速さは自覚的に直していかない限り速くなることはない。

テストを終えた後も、「なんとなく出来たような、出来なかったような、でも、わからないということはなかった」という半端な感想を抱く。
これが、1月校の立教新座であれば「なんと手強い問題群だろう…でも、がんばってきた甲斐があった。結構できてるぞ!」と手応え十分だ。もちろんその逆の場合もあろう。どちらにせよ、出来たか出来ないかがテストを受けた側にはっきりと印象づけられるところがある。
ところが、立教池袋の場合、戦って「負けた気はしない」のだ。しかし、数字を見ると点数は上がっておらず、結果もよくない。入試は失敗に終る…。
これが「簡単そうで簡単ではない」という由縁である。

難度の高い問題に挑戦していくより、むしろ対策を立てにくいかもしれない。
出題される内容は、塾や自宅のテキストにあるような問題ばかりだから普段の勉強がそのまま対策につながっている。とりたてて新しいテキストに取り組む必要はない。
過去問を解いていくうちに、時間配分も出来てくる。

では、立教池袋の算数で合格点が確実に取れるようになるには、なにをすればよいのか。
標準的な問題は、「100%確実に解ける力」をつけることだ。
例年の問題を分析してみると、いわゆる「標準的」(いつも勉強中に解いている問題と同レベルの問題)はほぼ解けていることが合格最低点への必要条件になっている。テストの前半、50点分くらいは確実にあてておきたい。そのためには、先ほど注意した計算ミス・考え方のイージーミスなども真剣に反省すること。
計算ミスには、必ず原因がある。計算する字が汚い、解き方に工夫がないなど、たいていの場合はテクニック不足と計算慣れしていないことが主な原因だ。
「12000+1250」のたし算と、「12000×1250」のかけ算をやってみるとよい。たし算の方はあまり問題ないはずだ。

かけ算では、筆算で、「125×12」をまず計算し、あとから「0を4個つけている」生徒は合格。
ノート(計算用紙)を見ると、「1の位をそろえて計算し、やたらと0ばかりたくさん書いている」ようでは不合格だ。かけ算のときは「有効数字」の末尾をそろえて計算するからである。後者の場合、計算ミスが多発するか、またはできていても時間が非常にかかってしまう。こう言った部分で点差または時間差が生じてしまうのだ。

この機会に、改めて四則計算の筆算、単位(面積・体積など)の確認、分配法則など計算の工夫に関する見直しをしておくとよい。
小さな差が最終的に大きな差、取り返しがつかないほどの差になっていくことになる。

各単元の解き方も、しっかりと見直しを図ろう。
「だいたい解ける」、ではなく「確実に解ける」ようにしておくためには、自分勝手なやり方ではなく、堅実な解き方を身につける必要がある。
標準的な問題では、粗雑なやり方でも解けてしまう場合が往々にしてあり、それが危うい実力を過大評価しかねない。

角度を求める問題などで、持っている武器(解く手立て)が「三角形の内角の和」しかないために、角度をすべて求めて答えまでたどり着き正解を得る、という生徒がいたとしよう。その問題はできたものと処理されてしまい、あとで顧みなくなるか、同じような解き方でしか対応できないだろう。基礎的な知識だけでは解き方に限界が来てしまう。立教池袋レベルの学校を真剣に受けて受かりたいと望むならば、他のもっとよい、しかも応用の利く解き方も身につけていってもらいたい。その努力によって、点差はつかないかもしれないが、時間差を有利に作り出すことが出来る。

分野別で見たときに、ここを強化すべきというものは特になく、まんべんなく手を出せるようにしておきたい。
あえて言えば「平面図形」「立体図形」「割合と比」「速さ」「規則性の問題」「数の性質」などは優先的に時間をかけてもいいだろう。例年出題されている分野である。また、この学校特有の出題(図形のまわりの長さなど)にも過去問を通して慣れておきたい。
残された時間を有効的に使い、合格するに十分な「60点以上」を目指して、日々がんばっていこう。

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2025年度「立教池袋中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

例年通り試験時間は50分。問題数も大問が10,小問が20と例年通り。大問1問あたり5分で解いていくことを考えると時間的には余裕がない
際立った難問は見られないが、思考力が求められる問題や計算に時間がかかる問題もあるので、時間的余裕はあまりもてない。問題文をしっかり読んで素早く取りかかり、できる問題から解答欄を埋めていくという姿勢がつねに必要である。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

(1)整数の四則計算

(2)整数・分数・小数混合の四則演算

例年同様大問1は計算問題2題。確実に正答したい。計算問題対策としては、毎日5題~10題程度の計算問題練習を行うこと。スピードも大切だが、正確な計算を心がけて欲しい。                                 

【大問2】平面図形(求角問題)

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

(1)(2)正三角形を2回折り返した図形の求角問題。

平面図形は毎年出題されている。折り返しによってどの角とどの角が等しいのか、印をつけながら解き進めること。

【大問3】平均算

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

(1)2回目から6回目までの合計は69×5より345点。これに1回目の84点、7回目の93点を加えて、7で割ればよい。

(2)3回目から7回目までの合計は75×5より375点。(1)で求めた1回目から7回目までの合計から、3回目から7回目までの合計と1回目の得点を引けばよい。

平均算の出題。「平均×個数=合計」という基本さえ身についていれば問題なく処理できるであろう。

【大問4】平面図形(長方形と半円の複合図形)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:5分

(1)ウの直径を②、エの直径を①とすると、アの直径+④=32、アの直径+①=20となる。これより、①=4。アの直径=16㎝、イの直径=12㎝、ウの直径=8㎝、エの直径=4㎝となる。長方形から出ている部分をへこんでいる部分に埋めると、かげの部分の面積=長方形の面積+アの面積+ウの面積となる。

(2)アの弧の長さ×3+イの弧の長さ×2+ウの弧の長さ×3+エの弧の長さ×2となる。

複合図形の求積問題。4種の半円の直径を求める必要があり、これが関門。図形の観察を行った上で、3.14の計算はまとめて行うなど、正確な計算を行って欲しい。

【大問5】図形の規則性

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)□番目の黒石の個数は、(□+2)×3となる。

(2)黒石が120個になるのは、120÷3-2より38番目。38番目の白石の個数は、1+2+3+・・・・・37+38=(1+38)×38÷2より、741個。

図形の規則性についての問題。黒石と白石それぞれについて、どのような規則で並んでいるのかを見抜くことが最大のポイント。(1)では角の部分をだぶってかぞえないようにする方陣算的な考え方が有効。(2)の三角数の計算では、等差数列の公式を用いること。

【大問6】年齢算

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)父と太郎の年齢差を⑦、母と太郎の年齢差を⑤とすると、②=12なので、①=6となり、母と太郎の年齢差は30歳となる。太郎と弟の年齢差30×1/3より10歳。

 したがって、太郎の年齢は4+10より14歳。

(2)母が太郎の2倍の年齢になっても2人の年齢差は30で変わらない。30-14より16年後となる。

年齢算の出題。問題文に書かれてある条件が複雑なので、箇条書きに書き出すなどの整理をしながら考えること。(1)ができれば(2)は易問となる。

【大問7】相当算

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

(1)1日に読む予定だったページ数を1とすると、本全体のページ数は8。1日目に1.5読んだことになるので、1.5÷8×100より、18.75%。

(2)8日間で読んだページ数の合計が、49/6-7となるので、1=7÷1/6より、1日に読む予定だったページ数は42ページ。

相当算の出題。この大問も書かれてある条件が複雑なので、8日間で読んだページについて比を使って整理することが必要である。問題文を読んだら、すぐに手を動かすことが大切であることを、今一度確認して欲しい。

【大問8】周回の旅人算

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)6分24秒間にA君はR君より800m多く進んだことになる。800÷32/5よりA君とR君の分速差は125m。78+125より、A君の分速は203m。

(2)R君とB君の分速差は、65÷7/10より650/7m。A君とB君の分速差は、125-650/7より225/7となる。したがって、A君がR君を追い越したとき、A君とB君の距離は800-65より735mと考えると、735÷225/7より、22分52秒となる。A君がB君より速いことに注意すること。

周回の旅人算の出題。計算上出てくる数値が分数になり、かなり不安を感じるかも知れない。日頃の計算練習をしっかり積んでいれば、自信をもって解き進めることができるであろう。

【大問9】立体図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

(1)底面は半径5㎝の円から半径3㎝を引いた面積。高さは4㎝の立体の体積を求めればよい。

(2)半径5㎝の円から半径3㎝の円を引いた面積2つ分、半径5㎝の円周×4㎝の長方形の面積、半径3㎝の円周×4㎝の長方形の面積、以上の合計となる。

回転体の体積と表面積を求める問題。立体を回転させるという設定だが、特に難問ではない。まずは、回転してできる立体の見取り図を描くこと。3.14の計算はまとめてやる工夫をして欲しい。

【大問10】条件整理

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

(1)16人のテスト結果より、残り4人は4つの階級に1人ずつ入ることになる。条件より、B君は10点~15点の階級に入り、D君は5点~10点の階級に入る。さらに、D君と同じ点数の児童はいないことから、D君は6点に確定する。したがって、B君は12点となる。

(2)表で示された16人の合計に(1)で求めたB君とD君の点数を加えると、18人の合計得点は197点。20人の合計は11×20より220点なので、A君とC君の合計は23点。A君はC君より得点が高いことから、15点~20点の階級に入る。さらに、C君と同じ得点の児童がいないことを合わせて考えると、C君は4点、A君は19点となる。

条件整理についての出題。書かれてある条件が多く、(2)においては求める得点を絞り込むために思考力が必要で難度が高い。(1)だけはがんばって得点したい。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
受験者平均は例年6割程度で一定のレベルを保っている。合格するレベルとしては、70点以上を目標としたい
今年度の出題をみると、ややレベルの高い問題も含まれているが、基本~標準レベルの問題が多い。50分というテスト時間は慌てる必要はないが、できる問題からてきぱきと処理を進めたい
立教池袋の算数攻略のポイントとしては、新傾向の問題や難度の極めて高い問題はほぼ出題されないので,ふだん塾で使用している教材や問題集を用いて問題演習を積み重ねて欲しい。典型題が確実に解けるということが大切になる。特に、頻繁に出題されている「速さ」「平面図形」「立体図形」「割合と比」の学習には力を入れること。

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