立教女学院中学校 入試対策
2025年度「立教女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法
立教女学院中の理科の満点は60点、今年度の問題は1問を除き選択肢問題であった。基本的な知識問題が多いが、細かい知識を問う問題や判断にやや迷う問題も含まれる。本校受験者はテキスト等で学習した基本知識はもちろんのこと、日頃のニュースや自然・科学の話題にも興味を持ち、知識の吸収を貪欲に行って欲しい。秋以降は演習を通じて知識の運用の練習を行って欲しい。また、30分というテスト時間は長くはないので、過去問等時間を意識した問題演習も十分に行って頂きたい。各分野の学習方法は以下の通り。
<分野毎の学習法>
生物分野
本年は鳥といろいろな動物に関する出題で、やや細かい知識問題も含まれていた。近年では、魚の卵とふ化・ヘチマ・生物の成長・人のからだの働き等の出題が見られる。この分野の学習法としては、まずは生物すべての分野について基本知識をしっかり身につけて頂きたい。植物・動物・昆虫については、テキストのカラー写真や図鑑・資料集を使って形・色など細かい部分にも注目して欲しい。また、顕微鏡を使った観察方法などについても頭に入れたい。
地学分野
本年度は星と星座に関する出題で、基本的な知識問題が中心であった。近年では、気象・火山・月の動きと満ち欠けに関する出題が見られた。今後も天体・気象・地層・岩石など幅広い単元からの出題が予想される。
この分野の学習として、テキストに書かれた基本知識に加え、台風による災害・近年起こった地震・火山噴火など時事的な内容にも重点を置いて学習すること。天体については、単なる丸暗記ではなく、動きについての理解をしっかり行うこと。また、月食・日食・金星の満ち欠けなどにも学習の幅を広げて欲しい。
物理分野
本年はエネルギーに関して、幅広い知識を問う問題を中心に出題された。また、計算問題も含まれていた。
近年では、熱・光電池・光の反射・浮力等の出題が見られる。この分野の学習として、まずは力のつり合い(てこ・滑車・浮力・振り子など)に関する学習に力を入れてほしい。来年以降はややレベルの高い計算問題が出題される可能性があることを頭に入れて学習すること。また、光や電気について出題される可能性も高いので、これらの単元にも力を入れること。
化学分野
今年度は気体の性質について出題された。計算問題はなく、基本的な知識問題が中心であった。
近年では、金属と水溶液の反応・水溶液の性質・ものの溶け方についての出題が見られた。この分野の対策としては、まずは気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化などについて基本知識を確実に固めたい。今後は今年出題された中和・水溶液と金属の反応等計算が必要な問題も出題される可能性もある。塾のテキストや問題集を使って計算練習をしっかり行って欲しい。
立教女学院中学で合格点を取れる力を身につけるためには、各分野の基本知識の習得に全力を傾けること。さらには、自然や科学・日頃のニュースや天気予報などへの興味の眼を常に持ち続けることが大切になる。そのうえで、秋以降はそれらの知識を運用するための演習にも時間をかけて欲しい。もちろん秋以降でまだ苦手な単元に関してはさらに力を入れて定着させる必要がある。模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。
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2025年度「立教女学院中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は30分で、大問数は4、小問数は33、今年度の合格者平均点は52.4点で、近年では最も平均点が高くなっている。解答方式は、適語を答える問題が1題で、それ以外はすべて記号選択問題であった。
また、記号選択問題において、かつて多かった「すべて選べ」はなくなっており、判断しやすかったことも易化の要因の一つと言える。時間に対して問題数はやや多いので、できる問題から解答欄を埋めていくという姿勢が求められる。
【大問1】化学分野 気体の性質
- 難度:易
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 空気中に占める二酸化炭素の割合は、約0.04%。窒素が約78%、酸素は約21%。
問2 酸素の中では激しく燃え、二酸化炭素の中、窒素の中ではすぐに消える。
問3 漢字指定、適語を答える問題。ろうそくの燃焼で減る気体は「酸素」。
問4 二酸化炭素が水に溶けるため、ペットボトルはへこむ。
問5 炭酸水は酸性。
問6 鉄もアルミニウムも炭酸水には溶けない。
問7 二酸化炭素が石灰水溶けると、炭酸カルシウムが生じ、白く濁る。
二酸化炭素を中心とした気体の性質に関する問題。問1~問7いずれも基本的な知識問題であり。全問正解で当然くらいのつもりでいて欲しい。複数題間違えている場合は、知識の再確認が急務と思い、取り組んでいただきたい。
【時間配分目安:7分】
【大問2】地学分野 星と星座
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 星座の形からオリオン座とわかる。
問2 2時間には30℃西に動く。星座の形は変わらずに30℃傾いている絵を選択。
問3 3時間では45度西に傾いている。
問4 「夏の星座」より、さそり座が当てはまる。
問5 北の空の星は、北極星を中心に反時計回りに回転しているように見える。
問6 北極星の周りを回転して見える星座として、カシオペヤ座と北斗七星を含むおおぐま座が当てはまる。
問7 2.5×2.5より、約6倍となる。
問8 冬の大三角を構成するのは、こいぬ座のプロキオン・おおいぬ座のシリウス・オリオン座のベテルギウス。
星と星座に関する出題。代表的な星座と星の名前や星の日周運動など基本的な知識が身についていれば正答できる問題が並んでいる。大問1同様に、複数題間違えている場合は、知識の不足が明らかであるので、知識の再確認に早急に取り組んで欲しい。
【時間配分目安:7分】
【大問3】物理分野 エネルギー
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1
(1)水の暖まり方は対流。ビーカーの中心部を熱しているので、暖まった中心部の水が上昇する。
(2)水が蒸発したと考えられる。体積も重さも減少する。
問2
(1)火力発電所のつくりに関しての選択問題。
(2)火力発電所では、水蒸気を冷やすなど多くの水を必要とするために、湖などの水が豊富な場所に建てられる。
問3
(1)光電池は光が当たらない時間は発電できない。光が当たるときに充電し、光が当たっていないときは、その充電した電気を使う。
(2)太陽光が当たる場所であれば、電線をひくことなく発電できる。
問4 3月・6月・9月・12月の中で6月が最も昼の長さが長いので、光電池で発できる時間が最も長い。
問5
(1)問題文の「残りの70%は一度地球に吸収されますが、そのうち19%は大気と雲が吸収し、残りは地表が吸収」より、(70-19)÷70=0.728・・・四捨五入して約73%が選択される。
(2)植物が光合成で作る栄養として、でんぷんが当てはまる。
問6 100-(99.966+0.025+0.002)より、0.007%となる。
火力発電・光電池などエネルギーに関係する内容の出題。知識問題に加え、計算問題や考察問題も含まれる。発電などエネルギー問題は環境問題とも関連し中学入試でも度々取り上げられている。家庭内では、テレビのニュースに注目するなど、ご家族の皆様の協力も大切である。
【時間配分目安:8分】
【大問4】生物分野 鳥といろいろな動物
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 渡り鳥で夏鳥であるツバメは、冬にみることができない。
問2
(1)ペンギンは鳥類。体は羽毛でおおわれており、うろこはない。
(2)エンペラーペンギンの生息地として、南極大陸が当てはまる。
(3)迷う可能性の高い選択問題。エンペラーペンギンは、オスがメスの産んだ卵を足の上で暖めてふ化させる。
問3 鳥がふ化するまでの栄養は卵の中にある。
問4
(1)尿を作る器官は腎臓。
(2)表を見ると、水の中で生活するコイ・ザリガニは、アンモニアの割合が高い。
(3)表のハトについての数値を確認すると、アンモニア・尿素・尿酸の合計が100%で、水は0%となる。このため、体を軽くすることができ、空を飛ぶ鳥にとっては利点となる。
鳥を中心とした動物に関する出題。やや細かい知識問題やデータを読み取った上での考察問題も含まれる。セキツイ動物の分類と特徴、渡り鳥について等の基本知識については、これを機会に整理しておこう。
【時間配分目安:8分】
攻略のポイント
テスト時間は30分で60点満点。合格者平均点は「52.4点」で最近より7点ほど高く、ここ数年では最も易しい出題であったと言える。選択問題が多いのが特徴。今年は1題適語を漢字で書く問題があったが、それ以外はすべて選択肢問題であった。選択問題の中でも計算が必要な問題も見られたが、特に難しいものではなかった。また、以前は「選択肢の中からすべて答えよ」という正解が複数でいくつあるかわからないという問題が多かったが、今年はそのような設問が大全くなくなり、受験生にとっては悩まずに答えることができるようになっている。
本校理科の攻略の最大のポイントは確実で幅広い知識を身につけることに尽きる。選択肢問題で迷わずに自信を持って答えることができるようにするためにも、分野や単元にこだわることなく、知識を確実に身につけることが本校受験者にとっての最低条件である。その上で、その知識を運用するための演習にも力を入れて欲しい。
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