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立教女学院中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2015年度「立教女学院中学校の理科」
攻略のための学習方法

[出題分析]
立教女学院の理科を取り上げる場合、まず頭に浮かぶのは、その題材のユニークさである。いや、あったというべきか(近年はその傾向が薄らいでいるようだ)。
ここ数年のものだけでも、「冬季オリンピックの滑走競技」を通しての出題があったり、「看護師の仕事」からいろいろな質問が出されたり、光の問題では「パラボラアンテナ」が登場したりと、生徒にとっては試験会場で初めて見る内容に、面食らったに受験生も多かったに違いない。
そして、長文の内容を理解したとしても、設問もなかなか骨が折れるものが多く、立女の理科はまさに厄介な代物なのである。
しかも、手が込んでいる割にテスト時間は短く、設問数が多い。
さらに、合格点は70%程度と意外と高め。
困難ばかりが目につく感じで、はたしてどこから手をつけていけば合格点まで到達することができるのだろうか。

[基本的な知識を身につける]
やはり、受験勉強の王道を貫くべし。
「基本的な知識を着実に身につけること」。これがなければ、先には進めない。
ただし、生半可に覚えただけでは立女の理科には通用ない。
知識を蓄えた上で、過去問をはじめ、いろいろな問題をやりながらその中で知識の出し方を練習しておこう。

[個性的な問題文]
しかしもう一つの、個性的な問題文については、この学校ならではの対策が必要となる。
近年、社会で「時事問題」がよく出題されるようになり、秋も深まるころ「時事問題」を並べた中学入試問題集がいくつも本屋に並ぶ。その中に、「理科の時事問題」を取り上げる本もあり、「異常気象」や「地球温暖化」「宇宙開発」などがこと細かに書かれており、それはそれで非常に役に立つので、目を通しておくのは大変良いことである。
しかし、立教女学院の理科は、「今流行っているから出題する」という感じではない。
日常生活の中に点在している理科的な現象に焦点を当ててくる。
それがバーベキューだったり看護師だったりパラボラアンテナだったりするわけだ。
昔、生徒に「星座の動き」を教えた後で夜空を一緒に見上げたことがある。そこにオリオン座を見つけた生徒は「オリオン座って、本当にあるんだね!」と興奮していたが、本来は順番が逆でなくてはいけないはずだ。まず空の星を眺める機会があり、あとからテキストで「あれはオリオン座だったんだ」と確認するのが本当の順番である。だが、実際にはこれと類したことが少なくないのである。まずテキストで知識を習う機会が最初に来る。
テレビで衛星放送を見る機会は今では一般的である。そのときのアンテナが、パラボラアンテナだと何人の受験生が言えるだろうか。まして、なぜアンテナが丸い形状をしているのかまで興味を持つ生徒がどれほどいるだろう。バーベキューもしかりで、どうやって火をおこすかよりも、美味しかった食材の記憶しか残っていないなんてことはないだろうか。
まずは、過去問をがんばって解き、その過程で身近な知識に慣れていくことから始めよう。
同時に、「何が出てくるかわからない」という意識を併せ持っておこう。男子校にたまに見られる少し毛色の変わった理科の問題に触れて、免疫の度合いを高めておくのも手である。
さいわい、ここ数年は以前ほど突拍子のない話題は見られない。直近の問題でも一風変っているようには見えるが、あれでもかなりオーソドックスなものになってきている。その分、合格点が高めに出ているので、ますます基本的な知識をもらさない努力が強く求められる。

[時間配分]
時間とスピードについては、過去問にあたりながらその分量に対して必要な時間を配分していこう。
その所要時間に対して自分の解くスピードが遅いときは、徐々にスピードを上げていこう。
6年生も後半になればだいぶ問題を解く速さが増してくるものだ。それでも足りない場合は自分のほうから問題に合わせていくしかない。
そして、最後までエネルギーを切らさないで解ききるパワーが必要だ。
テストに仕掛けられたさまざまなポイントを乗り切り、合格点が取れるようがんばってもらいたい。

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2015年度「立教女学院中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

30分で大問は4、小問は25と、標準的な分量だと思われるかもしれないが、なかなか手ごわい内容になっている。
持っている知識をそのまま引き出せば正解になるという設問が少なく、選択肢問題でも複数回答ありなど、1問を解くのに手がかかる仕組みになっている。

また、出題されている単元も受験生にとってあまりうれしくないもの(苦手としやすいもの)が多く、設問文も長いので短時間で読み解いていくのはなかなか厳しいと考えて欲しい。
女子校としてはレベルが高く、十分に学力を身につけて臨まないと合格点に到達するのは困難だろう。

[大問1]科学分野…水溶液の性質

  • 時間配分:6分

本年度のテーマは、ずばり「ムラサキキャベツ液を使った実験」である。指示薬というとBT液が問題では多く使われ、ムラサキキャベツ液はチェックしていなかった、という生徒にはかなり厳しい問題となった。ただし計算問題はなく、全体として例年よりは解きやすいという印象を受けた。
問1、問2は基礎知識の確認。同じ酸性・アルカリ性でも、強いものと弱いものを分けさせるなど、ユニークな設問。
問3~問6もさほど難しくはないだろう。ただ、普段あまり使わない指示薬と練習していない設問のタイプなので、受ける側としては戸惑う。
問7も難しそうなことを言っているが聞かれていることは基本的なこと。
前年度のように計算力がなければ手も足も出ないと言うことはなく、ムラサキキャベツ液さえはずさなければ5問程度は解けたのではあるまいか。

[大問2]物理分野…磁石の性質

  • 時間配分:6分

ここでも難易度は上がらず、設問によってはかえって基礎中の基礎を答えさせるなど、やはり例年よりは解きやすいレベルになっている。

問1など、受験勉強を始めて3日もたてば解ける問題。
問2・3もテキスト・問題集などで何度もお目にかかったことがある設問だろう。図の与えられ方が若干わかりにくいがひっかかるとしたらその程度。逆に問4では、この手の問題には必須の電磁石ではなく、棒磁石なので、選択肢アまたはイを選んでしまった可能性がある。結果はもっと単純であった。
問5・問6はなにをかいわんや、の設問でなんの苦労もなく進める。
問7のみ頭を使うことになりそうだ。選択肢の図も微妙に違うので気をつけて選びたい。
リニアモーターカーの場合、進行方向に向かって前方は磁石に引きつけられ、後方は反発しあっていないと前に進めない。ア・イでは止まったまま、エでは後ろ向きに走り出してしまう。ウは前方が引きつけ合う組み合わせになっているし、後方は反発し合う組み合わせになっている唯一のものである。

[大問3]地学分野…天気と気象

  • 時間配分:7分

ここでは、天気に関する「ことわざ」がポイントになっている。難しくはないが、知らない・聞いたことがないと答えようがない。ただ、こういったことわざはあまり当たらないらしい…
問1では、ウを選び出すのが難しくなっている。「露が生じるのは朝方気温が下がっているからで、それには晴れていないと…」というこじつけくさいもの。
問2は有名なことわざなのでその理由も知っていたかもしれない。
いずれにしても些末的な知識が役立つ問題ではあった。
問3以降はかなりまともな設問で、「台風」に関する基礎知識や「雨温図」の読み方の勉強になる。
しかし、問題の難易度はツバメ同様、低空飛行のままだ…

[大問4]生物分野…植物(アサガオ)に関する問題

  • 時間配分:8分

アサガオを取り上げ、長い問題文に長い選択肢という、立教女学院らしい問題。
問1・問2もあまり聞かれない設問であり、答えを出すのに悩んだのではなかろうか。「発芽の3条件」を鵜呑みにしていると正答できないようになっている。
そして本年度最もユニークだったのは問4である。
まずアサガオの開花に関する説明がなされ、それをもとにしてアサガオの開花時期を簡単な計算を伴いながら調べていかなくてはならない。例年はこういう手の込んだ問題が多いのだが本年度はここだけだ。
問5は「夜の長さがだんだんと長くなっていくと咲く植物」=「夏以降に開花する植物」と結びつけば答えを選べただろう。

ようやく立教女学院らしくなってきた、と思ったところでテストは唐突に終わりを告げる。
受験生はおそらく安堵のため息をついたことであろう。

攻略のポイント

テスト時間は30分で60点満点。
合格者平均点は「40.1点」で、合格最低点から割り出すと、合格点は「35・6点」と考えられる。割合だと60%程度というところである。
例年の問題レベルであれば、この数値は「なかなか厳しい入試問題」と言えたかもしれないが本年度に関しては適切なレベルの問題であった、といえよう。
今後もこの水準で推移していく場合とすると、受験生たちも安心して勉強を進めていけそうだ。
ただし再度、立女理科が牙を向かないとも限らない。そこで、オーソドックスではあるが、まずは理科の基本的知識を身につけ、その上で過去問を通して立教女学院の問題に対する免疫をつけておくことにしよう。
一筋縄ではいかない理科のテストではあるが、合格するための苦労ならばいとわないはずである。練習の時には問題文を読むのを楽しみ、その切り口に感心しながら解いていこう。少なくとも、いやな気持ちは薄らぐはずである。

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