立教女学院中学校 入試対策
2025年度「立教女学院中学校の社会」
攻略のための学習方法
分析
設問数について、ここ数年では38~54問(2025年度は51問)と、年度により多少のばらつきも見られるので、今後も同程度の問題数を想定し、スピードを意識した過去問演習にも取り組んでいただきたい。
例年、記号選択や用語記入形式での出題だったが、2025年度は1行ほどの短文記述問題が出された。今後の傾向かもしれないので、要注意である。
地理・歴史・政治経済の分野から必ず出題があり、3分野の融合問題・総合問題となっている年度もある。
また、女子校の社会入試ではあまり出されない「世界地理」の問題も多く含まれる。地図やグラフ、歴史資料も毎年用いられている。
地理分野
地理については、まず日本地理全般について広く学ぶ。
各地の地名・地勢・産業の基本事項をざっと覚えたら、さらに地図や白地図でその位置や関連する地域の情報もまとめて理解を深める。
また、世界地理についても基本的な知識は身につけておきたい。ヨーロッパ・アジアにある日本と関係の深い国々や、世界的に話題となった地域について、その国の位置や地域のつながりを地図で確認しておくと良い。
歴史分野
歴史は、テキストの基本事項をしっかり頭に入れる。
その後、断片的な知識を歴史の大きな流れに沿って整理しておくようにする。本校の試験では、歴史の大まかな流れを問われる問題が多いからである。
過去の試験でも、各時代の宗教や建築様式についての問題、時代の並べ替えの問題などがみられた。
時代ごとに、また政治史・文化史・宗教史といった分野ごとに、年表にまとめるなどして、つながりを覚えておくことで対処しやすくなる。
政治分野
政治経済の分野では、日本国憲法・三権の仕組みとはたらき・国際関係が頻出となっている。
さらに、これらをテーマにした時事問題で、過去には憲法改正についてのアンケートから数値を読み取る〈平成25年度〉といった設問もみられた。
日頃から憲法や国際関係についてのニュースなどは常に注意しておき、最新の情報に触れるようにしたい。
まとめ
全体としては、極端な難問奇問の出題は無く、オーソドックスな試験である。
しかし、2025年度はこれまで見られなかった短文記述問題が出されており、今後もこの傾向が続く場合を想定し、準備はしておいた方がよい。
ただ、過去の合格者平均点をみてみると年度によってばらつきがあり、ときどき難度の高い出題の年があるようだ。
もし、そのような年に当たってしまった場合は、全く歯が立たないと感じた問題はとりあえず保留して、わかる問題をどんどん進めるといった判断も必要になるだろう。また、総解答数が50を超える年が多いので、時間配分に注意が必要である。
他の女子校と違って、世界についての問題が多いのも特徴で、過去には世界の国々と国旗に関してかなり詳しく訊く問題も出された。地理以外の分野でも世界の出来事が織り込まれて出題されている。
韓国・中国など身近な国、オーストラリア・中東諸国など経済的に日本と結びつきの強い国々、北米大陸やヨーロッパ諸国など・・・・・・このような国や地域について、国際的に関心の高い政治上・経済上の出来事などをよく調べて、必ず地図で場所を確認しておく。
前年度、話題になった新しい事柄がよく出題されるので、最新の時事問題集などでよく練習しておくこと。
また、幅広い範囲の知識を問われる問題がある一方、上記の国旗に関する問題や2017年度で出された地図の読み取りの問題などのように、一点に絞って少し詳しく知識を問う問題もある。
以上のように、学校や塾で習うことから新聞やニュースでしか見られないもの、狭い範囲から広い範囲まで、様々な視点から知識を問われるのが立教女学院の社会の問題なのである。
● テキストで覚えた知識を地図や資料集でしっかり補強する
● 日本の出来事と合わせて、世界の出来事についても基本的な事柄は理解しておく
● 世の中の情勢・最新の社会的問題などに注意をはらう
このような姿勢で、丁寧な学習を心がけてもらいたい。
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2025年度「立教女学院中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
2025年度は大問3つで3分野が融合した総合問題となっており、計51問となっている。記号選択と適語記入が多いが、2025年度は短文記述問題が出された。2020年度以降また問題数が多くなっている。
リード文もあるが、下線部だけ見れば答えられる問題も多いので、どうしても時間が足りなければ下線部の近辺だけ読んで済ますのも手である。
何問かは難しめの問題も含まれており、正解できれば他と差をつけられる。
【大問1】総合分野
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
長崎を題材とした総合問題。
問1 リアス海岸 地図で見るとア・イのように深く陸地に入り込むギザギザの海岸線として確認できる。
問2 (1) 筑紫 (2) 二毛 (3) 有明
問3 佐賀県にある吉野ケ里遺跡は弥生時代の代表的な環濠集落である。
問4 秀吉の朝鮮侵略の際、多くの陶工が日本に連れてこられた。
問5 イ. バテレン追放令を出したのは豊臣秀吉である。
問6 ア. 老人ホーム イ. 郵便局 ウ. 交番
問7
(1) 持たず・つくらず・持ちこませず
(2)
ア. 前文と第9条に示されているので、×。
ウ. 警察予備隊は朝鮮戦争が起こった1950年に創設された。
オ. 一切の戦力は保持しないことが憲法に明記されている。
問8 オランダ商館の出島移転(1641年)→享保の改革(1716~45年)→ラクスマンの来航(1792年)→薩長同盟(1866年)
〔注目!――本校は大問ごとの分野分けはなく、各分野の問題が混合で出される。1問1答の要領で、テンポよく答えていこう。〕
<時間配分目安:9分>
【大問2】総合分野
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
各県の特色を話題にした総合問題。
問1 (1) 長良 (2) 輪中 (3) 八郎潟 (4) 源頼朝 (5) 箱根 (6) イタイイタイ
問2 輪中地帯につくられた水屋の写真であるから、Bさんの住む岐阜県である。
問3
イ. 47都道県であるから、長も47人である。
オ. 市議会議員も選挙で選ばれる。
問4
(1) 非政府組織
(2)
イ. 国際連合の発足は1945年。日本の加入は1956年である。
ウ. ODA(政府開発援助)は各国がそれぞれに行う資金援助・技術協力であり、安全保障理事会が支出するものではない。
問5 エが東大寺大仏殿。アは金閣寺(鹿苑寺)、イは平等院鳳凰堂、ウは法隆寺である。
問6
ア. 現在、外国人に参政権は与えられていない。
エ. 100年前の1925年に投票権が認められたのは満25歳以上の男子である。
オ. 満18歳であればだれでも投票できる。
〔注目!――適語記入の問題が多く出されている。「漢字で」という指定がつくので、用語は漢字で書けるようにしておくこと。あまりに難しい漢字は指定されないので、基礎的な用語はしっかり覚えよう。〕
<時間配分目安:8分>
【大問3】総合分野
- 難度:標準
- 時間配分:13分
- ★必答問題
いくつかのキーワードを題材とした総合問題。
問1 アイヌ
問2
(1) 生存権
(2)
ウ. 納税は国民の義務だが、税金を「受け取る」権利などない。
オ. 憲法に先住民族に関する規定はない。
問3 クラーク
問4 イ. 藤原純友の乱が起こったのは瀬戸内地方である。
問5
(1) 閣議
(2) エの防衛庁は現在、省に格上げされている。オの防災省は設置されたことがない。
問6 ひとつの機関に権力が集中すると国民の権利や自由が侵害される恐れがあるので、それを防ぐために三権が分立されている。
〔注目!――これまで出題が無かったが今年度は記述問題が出された。1行ほどの短文だが、今後も出される可能性を考えて、基礎的な記述問題集などで練習しておこう。〕
問7
(1)
ア. 大日本帝国憲法では天皇主権とされていた。
イ. どんな法律も憲法に違反することはできない。
オ. 1年前ではなく6か月前であった。
(2) ウの被災地への訪問は国事行為として規定されていない。オの助言と承認は国会ではなく、内閣が行う。
問8 千利休
問9 能登半島は石川県にあるので、ウ。
問10 南部鉄器は岩手県盛岡市周辺、西陣織は京都府の伝統工芸である。
問11 共和党のトランプ候補が、民主党のハリス氏を破って再選を果たした。
問12 円安では、円の価値が下がるため海外での買い物や輸入品購入に多くの円が必要となり、高額になってしまうのである。逆に海外の人にとって日本への旅行や日本製品の購入は割安になる。
問13 イ. 北里柴三郎の留学先はドイツである。
問14
(1) アドルフ・ヒトラー
(2) イスラエル
(3) 冷戦
(4) ラマダンはイスラム教徒が行う断食月のことである。断食といっても一日のうちの一定時間で、それ以外の時間は飲食ができる。
<時間配分目安:13分>
攻略のポイント
基本的な事項を幅広く答える問題と範囲を絞って少し詳しく答える問題とがある。
前者のミスを最小限に抑えるべく、基本事項の学習を徹底する。その際、必ず地図を手元に置いてイメージできるように覚える。歴史は時代の流れを常に意識し、出来事の順番がすぐ浮かぶようにしておきたい。合格者平均点が高いので、このレベルでの失点は避けたい。
その上で、後者への対策として、覚えたことの周辺事項までまとめて確認し、引き出せるようにしておく。
そして時事問題で戸惑わないように、社会的な出来事・新聞の一面になるような話題について(直近の数年に起こったことは特に)噛み砕いて理解しておく。付け焼き刃の一夜漬けではなく、日常的に新聞・ニュースに目を向けておきたい。
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