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栄東中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2018年度「栄東中学校の算数」
攻略のための学習方法

1月校の中ではトップクラスの人気を誇る「栄東中学」。
高校での東大合格者数では躍進を続けており、もはや全国トップレベルの進学校であり、中学受験での人気が落ちることはあるまい。
そして何回か設定されている受験機会の中で最難関とされているのが「東大選抜」である。

先んじて行われる「A選抜」に比べると受験者数では劣るものの、東大選抜が試験として設定されたときからその難易度の高さは注目されてきた。
「A選抜」との差別化を図るべく、基本的な問題が主である「A選抜」に対し、難問を惜しみなく出してくるのが「東大選抜」である。
この明確な相違は受験者側からも好意的に受け止められ、両日ともに圧倒的な支持を得て多くの受験者を獲得したのである。

さて、その「東大選抜」の問題ではあるが、ここ数年間-平成26年度から平成29年度までは質・量ともに最上級の難易度で、大問には難問~超難問がずらりと並ぶテストとなっていたが、本年度のテストはA日程を思わせるような問題の水準で合格ライン40%台から70%と大幅に変わった。
今後もこの傾向を学校側が押し進めていくとするならば、栄東東大選抜への対策も大きく変化することは否めない。

したがって、ここでは本年度並みの問題レベルか昨年度までの水準に戻るか、で2つの方針を示さなければならないが、もし本年度並みの水準で移行するとすれば逆に傾向と対策を特別に考える必要はなく、通常の勉強の精度を上げていけば良い、ということに落ち着く。本命校が別にある生徒は本命校の対策をメインに置きながら、普段「標準~やや難」レベルの問題を多く解いていれば必ずや対応できるだろう。後半に解き方を書かされる問題があっても負担になると言うほどのことはない。

以下のものは昨年度以前の水準に戻ることを想定してのものであり、難度の高い栄東東大選抜のための対策である。

さて、それではどのように対応していけばよいか…基本的な問題を解ける力をいかにして応用問題に耐えうる学力に上げていくか。
真面目に勉強をやってさえいれば、ここだけが大きな課題として残るのである。
そして、栄東「東大選抜」の算数で得点するには、このハードルをクリアできないといけない。普通の一行問題がいくら出来ても東大選抜の問題は解けないからである。

「平易な問題で高得点を競い合うテスト」と「難易度が高く、低得点ながら合格可能になるテスト」では、後者の方がはるかに対応は難しい、というのはそういうことで、真摯な態度で受験勉強に臨めば、成績も向上するだろうし、当初あった雑さも消えて正答率も高まっていく。

しかし、難度の高い問題を解くための階段だけはなかなか登れないのである。
どうすればよいか?
100%フォローするのはないものねだりになってしまう。
6年生の秋頃までは、難問に挑戦するという心を持って受験勉強に臨むこと。
少々難しくても挫けずに時間をかけて最後まで解く、という経験を積むこと。
反面、基礎固めに時間をさいている時間がなくなるのでそのあたりはバランスよく勉強をすることが大切だ。

過去問に触れ始めてからは、どの設問まで自分は追究できるかというボーダーラインを冷静に判断すること。
大問の設問(3)(4)まで平気で入り込める猛者は置いといて、合格だけを考えた場合は(2)までで十分である。
その(2)までいけるかどうか…ここが勝負の分かれ目だ。

また、解きやすい大問を見つける「眼」も必要になる。
そこまでの決意と覚悟がどうしても必要だと思う。
よく出されている分野を優先して時間をかけよう。
条件の細かい問題や高度なテクニックが必要な問題でもどんどん進めていこう。

東大選抜のテストは「力の確実な確認」ではなく「自分はどこまでできるのか」という攻撃的な姿勢で臨みたい。
そして納得できる形で1月を迎えられるよう受験生として態勢を整えてもらいたい。

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2018年度「栄東中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

ここ数年テスト形式は安定せず来年度もまたマイナーな変更はあるかもしれないが、全体に問題自体のレベルは下がっており、多少形式が変更になってもそれを苦にすることはないだろう。
50分で大問が4、小問が22。

【大問1】は答えのみで設問の数が6(昨年度は14)、【大問2】~【大問4】設問の数がそれぞれ3~10問で、配点はまちまちである。形式的には昨年度のものをほぼ踏襲しているが、大問の中にもかなり基本的な問いも多く含まれているので(特に【大問3】)受験生にとっては近年まれに見る解きやすさであり、真に難問と呼べるものは【大問4】(3)くらいではなかろうか。
その分、150点満点として70%近くの得点が合格点として要求される(昨年度は45%とれれば合格点)。

栄東東大選抜を1月校に選ぶ生徒であれば、大半を占める標準的な問いはすんなり突破して後半の問題に時間を割いても50分では足りない、と思うことはないと予測する。

【大問1】小問集(年齢算・分数・規則性・平面図形と比・食塩水・場合の数)

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

「小問集と言ってはいるものの、ここの先頭に計算問題をいくつかつけておけば、これだけで入試問題として完成する、それくらいのレベルであり、基礎的な問題は一つもない」と書いたのは昨年度の問題分析の話。それも今は昔。
本年度はほぼ標準的な問いのみに徹底しており、難問と呼べる問題は一つもなかった。当日の受験生は面食らっただろうが、難化するよりはましで、短時間で正解まで到達したのではないだろうか。

(1)は栄くんと妹の現在の年齢の和を①として式をして求める、標準クラスの年齢算。解いた経験もおそらくあったろう。

(2)も分子を通分してあっさり解ける問題で、答えが一つしかないのでその点も正解を楽なものにしている。

(3)は「白→奇数個、黒→偶数個」が規則正しく出てくる問題で、110個目の黒は「2、4、6…」と個数を増やしていく黒の前から10番目。ここもまた110番目がちょうど黒の終わりをしめしており、解くのは簡単だ。

(4)も三角形を外側に拡大してその面積比を求める典型題。まさか栄東の入試でお目にかかるとは思わなかったのではないか。落ち着いて正解したい。

(5)の食塩水はそれまでの問いに比べるとワンランクだけ難度が上がった。普通の学校であれば難問の類い…いや、それもないか。2つの食塩水をすべて混ぜ同じになった濃度を求めてから「面積図」「てんびん」などを用いて解答を導けば良い。

(6)(5)同様、工夫がないと解けない場合の数で、チョコレートの配布だけを考えるのがポイント。女子にははじめから1つずつ渡しておくと残ったチョコレートだけ考えれば良いのでさらに求めやすくなる。

設問数6つのうち、最低5つ。できれば6つ全部正解して先に進みたい。

【大問2】速さ

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

(1)は条件を整理して計算していけば求められるが(2)(3)はそれぞれのグラフを書いた上でじっくり解いていこう。(1)のあとで普通・特急電車の速さをそれぞれ比で表し、駅間距離などそれを使って整数で求めておくとよい。

(2)ではグラフ9時24分時の電車の位置に注目する。あとは旅人算の公式通り。

(3)では同じく9時17分の位置に注目する。特急電車が普通電車に追いついて以降は(3)の条件に当てはまるところはないので、その前の時刻から探してみる。あとは(2)同様、旅人算の考え方を用いれば良いだろう。

決してやさしい問題ではないが、3問とも正解したい。少なくとも(2)までは正解必至で。

【大問3】平面図形

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

正十二角形が与えられているので何が始まるのかと思っていたら(1)では内角などほのぼのと角度を求める問題…一瞬、小学5年生の1学期あたりに舞い戻ったのではないかと思わせられる問いだ。

(2)は栄くんへのアドバイスを助ける問いがほとんどだがこれもほとんどがあまり苦労せずわかる設問になっていて、「説明を記す欄」と最後の答えだけが少し難しくなっている。

昨年度はこの【大問3】で合否を分けたものだが本年度はここで大きく失点すると合格を失ったことだろう。
(1)はもちろん、(2)も大半は正解しておきたい。

【大問4】立体図形(影の問題・相似)

  • 難度:
  • 時間配分:10分

ようやく栄東東大選抜らしい問題にたどり着いたと思ったらラストの大問である。この問題のみ水準が高いのでここまでで十分に点数をとっておきたい。

(1)(2)は鏡の影を真横・真上から見た図を書くことによってかべにうつる位置・形の大きさなどを把握したい。

(3)は超難問なので、唯一の「捨て問」として処理してもいいだろう。

攻略ポイント

テスト時間は50分で150点満点。
受験者平均点は99.3点で正答率は66.2%(昨年度は62.5点・約42%だ!)。
105点の点数、つまり70%の正答率で合格点をとることができる。

昨年度までとはテストの合否を決めるポイントが変わったと言って良い。
昨年度までは「難問に対応できる生徒」を求めるテストであったが、本年度のそれは「標準的な問題を確実に正解できる生徒」を採る、というものになった。これは大幅な変更であり、今後は学校側から出される情報に注目し、来年度以降の傾向にしっかりと目を配りたい。

前にも解説したとおり、本当の難問と呼べるのは【大問4】(3)だけであり、あとの設問では多くの正解者を出したに違いない。
もしこの傾向が続くとすれば算数が少し苦手な生徒には朗報であり、難問にチャレンジするよりも、典型的な問題の解法をたくさん身につけることでこの学校の算数はクリアできることになる。
ただ、合格するためにはその標準レベルの問題は100%解けなければならないわけで、実質的な難易度が下がっているわけではないので注意が必要だ。

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