中学受験専門プロ家庭教師が語る

芝中学校 理科入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「芝中学校の理科」攻略のための学習方法

芝中理科の満点は75点、合格者平均点は例年6割~7割程度である。塾などのテキストで学習してきたことを使えば解くことができる標準レベルの問題が中心である。各単元の基本知識を早い段階で固めた上で、物理・化学の計算問題については、ややレベルの高いものまでしっかり練習しておくべきであろう。

芝中学合格へ向けての理科の学習法としては、まず各分野の基本事項を早い段階でしっかり固めることが第一である。分野、単元にこだわることなく、テキストに書かれてある基礎知識をしっかり身につけて頂きたい。覚えたかどうかのチェックもしっかりと行って欲しい。塾のテキストやご家庭でこれまでに解いたことのある問題集でもよいので取り組んで欲しい。その際、過去問に出ている単元だけに的を絞って覚えることは危険であり、どの単元が出題されても大丈夫なように、まんべんなく学習して欲しい。

実験や観察の進め方、実験器具の使い方なども過去に何度か出題されており、覚えておくべき重要なポイントとなる。化学分野の実験、光合成など植物に関する実験、上皿天秤・顕微鏡等の使い方なども理解し、覚えて頂きたい。

どの分野の出題についても言えることとして、実験や観察の結果(表・グラフなど)をもとに考察させる問題の比率が高い。同様のタイプの問題演習をしっかり行いたい。

計算問題については、化学分野では中和反応・水溶液と金属の反応・燃焼など、特に比を用いて解く問題、物理分野では、てこ・滑車・浮力など力のつりあいに関する計算問題は演習を積み重ねることにより早めに定着させておきたい。また、化学分野では反応の様子をグラフで表すとどうなるかもしっかり押さえておきたい。

その他の単元では、出題頻度の高い「電気」「天体」については問題演習に時間をかけて頂きたい。

9月以降は総合的な問題の演習を通じて、実戦力を上げていく時期になる。(そのためにも夏休みまでの基本の定着が必要)芝中過去問の演習はもちろんのこと、他校の過去問であっても同じような傾向の問題には取り組んで欲しい。取り組むべき問題の選択に関しては、家庭教師も有効に利用して欲しい。

過去問・模試・その他の問題演習で大切なことは間違えた問題に対しての取り組みである。

間違えた問題のやり直しはもちろんのこと、なぜ間違えたのかを分析し、その後の学習にしっかりつなげて欲しい。苦手分野の分析やその対策については家庭教師を有効的に使って欲しい。

最後に時間の使い方だが、40分で大6つ小問35程度は決して楽ではない。しかし、実験や観察に関する問題文を読んで答える問題が中心となるので、「問題文をしっかり読む」という時間はしっかり確保したい。わからない問題はいったん後回し、できる問題は確実に、計算問題は冷静で丁寧にという気持ちで。空欄が一つ二つあっても慌てることは禁物である。

日頃も問題演習、模試、過去問においても落ち着いて取り組んで頂きたい。

2019年度「芝中学校の理科」特徴と時間配分と攻略ポイント

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】総合問題 標準 6分
【大問2】生物分野 季節と生物に関する出題 標準 7分
【大問3】化学分野 水溶液の性質と気体の発生に関する問題 標準 10分
【大問4】物理分野 電気に関する出題 標準 10分
【大問5】地学分野 火山と岩石に関する出題 標準 7分

特徴と時間配分

大問数は5題、小問数は35程度、試験時間は40分で、大問数は昨年より1つ減ったが、概ね例年通りであった。ごく簡単な記述問やグラフ作成問題もあったが、ほとんどが記号選択問題・用語を答える問題・計算問題といったオーソドックスな問題形式であるのも例年通りであった。問題数はやや多く、長めの文章や読んで答える問題もあるので、過去問などを使って時間を意識した問題演習をしっかり行って欲しい。

【大問1】総合問題

【大問1】は例年通り、芝太郎君が登場する総合問題。今年は旅行先での体験を題材にした出題であった。
(1)虹は太陽とは正反対の方角に見える。
(2)夏至の日に太陽が沈むのは、真西よりは北より(西北西)の方向になる。
(3)屈折率の小さい順に、赤・緑・青となる。

(4)動物の分類に関する問い。カモメ以外の水中の生物はすべてえら呼吸。
(5)洗濯物が乾くときの状態変化は「気化」である。やかんの水の沸騰も気化にあたる。
(6)スチールウールには炭素が含まれていないので、二酸化炭素は発生しない。

問題文を通して各分野の基本知識を問う形の出題になっている。やや迷うものもあるが、知っておきたい知識問題が中心。日頃から自然や科学に興味を持っているかどうかも問われる内容になっている。

【大問2】生物分野 季節と生物に関する出題

(1)木の枝で見られたことから、アゲハチョウのさなぎであると考えられる。
(2)サクラは花芽と葉芽の2種類の芽をつける。花芽は葉芽よりも丸みがある。
(3)ツクシはシダ類であり、種子ではなく胞子で増える。春に見られ、夏には枯れる。
(4)「ひげが他の草にまきつき、ピンク色の花をつける」はカラスノエンドウの説明である。さやいんげんと     似た実をつける。
(5)ウグイスの絵を選べばよい。
(6)ややわかりにくいが、ヒキガエルの卵の絵と考えられる。
(7)カマキリは卵で冬越しする。また、カラスは渡り鳥ではない。

季節と生物に関する知識問題。やや細かい知識も求められている。
ここで得点が伸びなかった方は、日頃から図鑑や資料集を見ることを心がけて欲しい。また、植物、動物の分類についてしっかり復習して頂きたい。

【大問3】化学分野 水溶液の性質と気体の発生に関する問題

(1)水溶液の判別問題で基本的出題。
(2)記述問題。石灰水と炭酸水の反応で炭酸カルシウムができて、白く濁る。
(3)グラフ作成問題。水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウムの反応で水素が発生する。表より、加えた塩            が50㎤の時に1.10gの気体が発生する。 
(4)実験結果より、アンモニアは水によくとけ空気より軽いことから、上方置換法で集める。
(5)AとFは5:3で混ぜ合わせればよい。20㎤のAに対して、12㎤のFがあればよいが濃さが2倍に            なれば、その半分の6㎤が必要な体積になる。
(6)酢酸水溶液は酸性、溶質は液体、臭いがある。

水溶液の性質と気体の発生に関する出題。確実に正答したい。ここでしっかり得点できなかった場合は、水溶液の性質、生成方法、集め方について基本から復習を行って欲しい。

【大問4】物理分野 電気に関する出題

(1)グラフの読み取り問題。
(2)並列につないだとき、金属棒の本数と流れる電流は比例している。
(3)金属棒の長さと流れる電流には反比例の関係がある。
(4)金属棒①は5cmの鉛棒で、これを10cmにすると流れる電流は1/2になる。これを④の10cm
         ニクロム線と比較すればよい。
(5)5cmの鉛棒と10cmの鉛棒を直列につないでいるので、15cmの鉛棒と考えればよい。
(6)鉛棒2本を並列につないでいるので、それぞれの鉛棒に流れる電流の和になる。
(7)「合成抵抗」を使って考える。鉛棒①の抵抗を1とすると、鉛棒②の抵抗は2、鉛棒③2本を並列につな      いだものの抵抗は2となるので、合成抵抗は5となり、流れる電流は鉛棒1本の時の1/5となる。

電気に関する出題で標準的な出題。棒の長さと抵抗が比例することがわかっていれば正答可能。(7)のような合成抵抗を使う考え方は、練習でしっかり身につけておきたい。

【大問5】地学分野 火山と岩石に関する出題

(1)火山の形状と溶岩の流れやすさに関する知識問題。易問。
(2)大島三原山、富士山、昭和新山の位置を答える問題。
(3)(4)富士山から噴出された火山灰は、偏西風に乗って東側に流れる。
(5)(6)地下深くでマグマが冷えて固まった岩石を深成岩という。中でも、キ石やカンラン石を含むことから、はんれい岩が該当する。深成岩には一つ一つの鉱物が大きく成長した等粒状組織が見られる。
(7)大量の溶岩等でせき止めらてできる湖、溶岩でできる島、火砕流が考えられる

 火山と岩石に関する標準的な知識問題。火山については、最近噴火している火山の位置や特徴を確認しておきたい。岩石の分類や特徴、顕微鏡で見た様子などについては確実に覚えておきたい。

攻略のポイント

例年通り各分野からからの出題であった。全体的に標準的な知識問題が多く、水溶液・力学の難しい計算問題はなかった。40分という時間は決して短くはなく十分に解答時間はあると考えられる。出題単元については、ここ数年の傾向で出題頻度が高い単元もあるが、過度の固定観念は危険であり、どの分野から出題されても大丈夫なように、しっかり準備をして頂きたい。

まずは各分野の基本をしっかりと固めた上で、計算問題、実験や観察の結果・データ・表・グラフなどについて考えるタイプの問題の演習に時間をかけて頂きたい。

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