早稲田中学校 入試対策
						2025年度「早稲田中学校の理科」
						攻略のための学習方法
					
					早稲田中の理科の得点は、40点満点(算数・国語は60点満点)で、今年度の合格者平均は一昨年・昨年に続いて約8割。知識問題など基本~標準レベルの問題での失点が許されない入試が続いている。知識を中心とした基本~標準レベルの問題も多いが、考察力・計算力を問う問題も見られる。実験や観察に関する説明文やグラフ・表・図をしっかり読み取らないと解けない問題も出題される。基本知識の定着はもちろんのこと、秋以降には、過去問や出題傾向に近いタイプの問題の演習も十分に行っておこう。多少レベルの高い問題も想定して演習に取り組んで欲しい。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年は人のからだの働きについての出題であった。正確な知識を問う問題が中心で、10字以内の記述問題も見られた。近年では、モンシロチョウ・メダカ・コロナウイルス・植物の光合成・食物連鎖・花と遺伝子等、様々な単元出題されている。この分野の学習としては、まずは生物すべての分野について基本知識をしっかり身につけよう。植物・動物ともに、資料集や図鑑で姿・色などを確認しながら学習を進めることも大切である。ウイルスと感染症・環境問題など生活に関連した内容の出題にも注意が必要。光合成・蒸散などの植物の働き・だ液など人のからだの働きに関しては、実験や観察を通して考えさせる問題の演習をしっかり行って欲しい。
地学分野 本年度は地球上の水の循環についての出題で、計算問題も含まれていた。近年では、火山噴火・地震波の伝わり・プレートと地震・地層・化石とプレート・天体に関する出題が見られた。今後も地震・火山・地層・岩石・天体・気象など幅広い単元からの出題が予想されるが、火山噴火・プレート・地層・地震と同傾向の出題が多くなっていることには注意が必要である。台風・フェーン現象・日食や月食・金星の見え方なども出題の可能性があり力を入れて学習すること。
物理分野 本年は光の進み方に関する出題で、本年度の大問4つの中では最も難度が高い内容であった。近年では、熱の伝わり方・電気・光と音・LEDと手回し発電機・滑車などについての出題が見られた。今後も力のつり合い、電気、光、熱を中心とした出題が予想される。この分野の学習としてまずはてこ・滑車・浮力など力のつり合いに関する計算問題練習に時間をかけたい。多少難しめの問題にもチャレンジするとよいだろう。電気に関しては、豆電球の明るさはもちろんのこと、LED、手回し発電機、電磁石、電熱線の発熱などの演習もしっかり行うこと。光については、鏡による像・凸レンズによる像等を学習すること。また熱量の計算問題はやや難しめの問題も想定して練習すること。
化学分野 今年度は塩酸と金属の反応について、計算問題を中心とした出題であった。近年の出題を見ると、水素と酸素の反応・水溶液の性質と判別・溶解度・中和反応などの出題が見られた。計算問題を含む出題になることが多い。この分野の対策としては、気体や水溶液の性質、指示薬の色の変化などについて基本知識を確実に固めた上で、計算問題の練習に時間をかけたい。溶解度・燃焼・水溶液と金属の反応・中和、いずれもレベルの高い問題を含めて演習をしっかり行って欲しい。
早稲田中で合格点を取れる力を身につけるためには、まずは夏休み中までに各分野の基本の学習を終えておきたい。そのうえで、9月以降は入試問題と同タイプの総合的な問題演習にも時間をかけて欲しい。もちろん9月以降でまだ苦手な単元に関してはさらに力を入れて定着させる必要がある。9月以降の模試や総合的な演習は、まだ仕上がっていない分野を見つける絶好のチャンスでもある。できていない問題については、なぜ間違えたのかの分析をしっかり行い、苦手分野の克服につなげて欲しい。
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						2025年度「早稲田中学校の理科」の
						攻略ポイント
					
					
					特徴と時間配分
大問数は4、小問数は21で40点満点。試験時間は例年通り30分であった。記号選択問題、計算問題、適語を答える問題が中心で、簡単な記述問題も見られた。実験・観察の説明や表・グラフ等を読み取った上で考えるタイプの問題が中心。30分という時間は少し短く感じられるであろう。問題・グラフ・図の読み取りをあせらず落ち着いて行えるかどうかと、知識問題を確実に正答することが攻略のためのポイントとなろう。
【大問1】生物分野 人のからだの働き
- 難度:標準
- 時間配分:6分
- ★必答問題
問1 人の臓器(心臓・肺・胃・小腸・腎臓)の上下の位置関係についての選択問題。
問2 小腸と肝臓をつなぐ血管が肝門脈。小腸を通過しているので、酸素は少なくなっている。
問3 尿素の血液中濃度は0.03%と薄いが、尿中濃度は2%と高くなっている。これは人体にとって不要なため、血液中から尿中にこし出しているためと考えられる。
問4 実験結果より、一度高温(80℃)にすると、その後37℃に戻しても、アミラーゼは働いていないことがわかる。一方、低温(0℃)にした後37℃に戻すと、アミラーゼは働いている。
問5 気体検知管の読み取り方に関する問題。色が変わっている部分の中間を読み取り、20%となる。
問6 10字以内の記述問題。反応する部分が熱くなっているので、さわってはいけない。
人のからだの働きに関する出題。知識問題・データ読み取り問題など様々な内容。問4のアミラーゼ(だ液に含まれる消化酵素)に関する実験の問題は中学入試頻出である。今回は出題されていないフェーリング液(ベネジクト液)による糖の検出を含め、テキストや問題集を使って、知識の確認・定着を行っていただきたい。
                              【難度:標準 時間配分目安:6分】
【大問2】地学分野 地球上の水の循環
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
問1 「太陽」から届くエネルギーによって水の循環が起こっている。
問2 100兆-64兆より、36兆トン。
問3 温室効果ガスなので二酸化炭素を選択したくなるが、「天然ガスの主成分」より、メタンが適切となる。
問4 海水面上昇の原因として、地球温暖化等の影響で南極大陸の氷が解けることがあげられる。
問5 500×0.00025×2=0.25より、単位を変換すると、25㎝上昇する。
地球上の水の循環についての出題で、計算問題も含まれる。地球温暖化による海面上昇など、環境問題にはテレビのニュースに注目するなど、ご家族の協力のもと、日頃から興味・関心を持つことが大切である。
                                    【時間配分目安:7分】
【大問3】化学分野 塩酸と金属の反応
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 電子てんびんの使い方についての問い。粉上の薬品の重さを測るときには、薬包紙を置いた後にゼロ点調節ボタンを押すことで、薬品だけの重さを測ることができる。
問2 塩酸と鉄の反応で発生する気体は水素。水酸化ナトリウム水溶液とアルミニウムの反応でも、水素が発生する。
問3 表より、40㎤の塩酸に入れる鉄を0.1g増やすと発生する水素が40㎤ずつ増えている。水素の発生が280㎤で止まっているので、280÷40より×0.1より、鉄は0.7gまで溶けたことがわかる。従って、60㎤の水素に溶ける鉄の重さは、0.7×1.5より、1.05g。このとき発生する水素は、280×1.5より、420㎤。
問4 塩酸40㎤に0.7g溶かしたときに残る固体は、0.22×7より、1.54g。60㎤の塩酸には1.05ggの鉄が溶け、できる固体は、1.54×1.5より、2.31g。また、2.0gの鉄のうち0.95gは溶けずに残るので、2.31+0.95より3.26gの固体が残る。
問5 水素が210㎤発生させるために、塩酸Aであれば40×210/280より、30㎤必要。2倍の濃さの塩酸であれば、この1/2の体積があればよいので、15㎤となる。
塩酸と金属の反応。問1は電子てんびんの使い方、問2は知識問題、問3以降は計算問題。本校理科の特徴として、化学分野(中和・気体の発生等)の出題における計算問題の難度の高さがあげられる。今回も例年通り計算問題が出題されたが、日頃の練習ができていれば、対応可能なレベルの問題であった。今後も今回同等以上の難度の問題が出題されることを念頭に、問題演習にしっかり取り組んでいただきたい。
                                    【時間配分目安:8分】
【大問4】物理分野 光の進み方
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
問1 LEDとついたての円の直径(6㎝)でできる三角形と、LEDとスクリーンにできた円の直径(16㎝)でできる三角形が、相似の関係にある。相似比が6:16=3:8なので、LEDとついたての距離は、40×3/8より、15㎝。
問2 問1で考えた図で、ついたての位置をスクリーンに近づけて考えること。スクリーンにできる円は小さくなる。また、LEDとスクリーンの距離は変わっていないので、明るさは変化しない。
問3 スクリーン上の点と凸レンズの直径(6㎝)でできる三角形と、スクリーン上の点とスクリーンを動かす前のスクリーン上の直径2㎝の円の直径でできる三角形が相似になり、相似比は③:①。②にあたる長さが10㎝なので、③にあたる長さは15㎝となる。
問4 LEDの位置が、凸レンズの焦点になったので、凸レンズで屈折した光は平行光線になっている。従って、スクリーンを動かしても、見える円の直径は変わらない。
問5 ピンホールカメラについての出題。光が直進する性質を使って考えると、Lの字が上下左右反対になって見える。
問6 光が直進して広がっていくので、上下左右反転のLの字が大きくなって見える。
光の進み方に関する出題で、やや難度の高い問題が含まれている。特に、図を描いて考える必要があり、作図の練習をしっかりやったかどうかで明暗が分かれる。凸レンズによる像の作図は苦手な方が多いが、本校では出題の可能性があるという認識が必要である。演習を通じて苦手克服・解法の理解に取り組んで欲しい。
                                    【時間配分目安:9分】
攻略のポイント
早稲田中学の理科のここ数年の問題を見ると、知識・思考力・計算力いずれも標準もしくはそれ以上のレベルが要求される問題が並んでいる。また、30分という試験時間に対して問題数は決して少なくはないので、時間の使い方も勝負を分けるポイントとなる。ただし、ここ3年間は、やや細かい知識問題が見られるものの、難しい計算問題や難度の高い考察問題は少なくなっており、合格者平均点は約8割と高得点勝負になっている。来年度以降は難化することも十分考えられるので、以下の対策をしっかり行って欲しい。
本校の理科を攻略するため対策としては、まずは各分野の知識を確実に固めることが必要不可欠である。テキスト・資料集・図鑑などを利用し、知らないことが出てきたら調べ覚えるという姿勢が大切である。夏休みを目標に、早い段階で各分野の基本をしっかり固めたい。その上で、秋以降はリード文や実験結果の図、表、グラフを基に考えるタイプの問題や、計算問題の練習を十分に行いたい。難度が高い問題を想定して問題演習に力を入れて欲しい。
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