中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
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早稲田中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「早稲田中学校の理科」
攻略のための学習方法

比重を高めていくのが良い。特に本校は基礎〜標準レベルの出題がほとんどであるから、しっかりとした土台さえ築かれていれば、すぐ過去問に取り組んでみたとしても手応えが感じられるはずである。ただし、「ある程度解ける」からといって甘く見るのも良くない。過去問を解いて7割得点できなければ、まだ基礎がしっかりと身についていないと考えるべきであろう。
6年秋以降の対策の進め方は、本校が本命校か併願校かによって違ってくる。併願校として考えるなら、本校の問題は身についた基礎力を試すための手頃な演習教材となり得る。過去問に取り組む中で基礎を固め直し、その後他校の問題を仕上げていくのが良い。
一方、本命校として考えるならば、標準レベルのテキストをきちんと仕上げておくことが大切である。その際、ただ「正解できる」ことに満足するのではなく、基本的な用語や現象については説明できるくらいまで理解を深めておくこと。四谷大塚の『四科のまとめ』のような教材をマスターしておくと良い。実戦演習のテキストとしては物足りないが、重要な知識の記述、代表的な計算問題の解法を整理し直せるという点で、本校のような入試問題の対策にうってつけの教材である。演習の形式で知識や解法の確認をしたければ過去に使用してきた問題集の練習問題で十分であるが、『メモリーチェック』や『出る順』のような教材を用いて復習を手早く回転させても良い。ただし、答えを丸暗記するだけにならないように、しっかりと理解が伴われているかどうか、常に確認を欠かさないこと。

なお、「理解を伴った学習」への意識づけは、学習内容が増えて難しくもなる5年生の間に行いたい。そこで身についた学習スタイルが、6年生に入ってからの学習の質を大きく左右するからである。目先の結果ばかりを気にして「理解できなくてもとりあえず覚える」という学習が習慣化し、しかも中途半端に好成績が残せているような場合、早ければ6年生の春、遅くとも秋頃には伸び悩んでくる。そうなってから学習スタイルを変えたり基礎からやり直したりするのは心理的にも大変である。本校を志望する場合に限らないが、5年生は知識と共に、「分からない問題を分かるようにしていく過程」を身につける時期だと考えよう。

分野毎の学習法

◆ 生物分野
基礎的な用語を覚えるのはもちろんだが、誤解しやすいポイントが標的にされやすい。特に動脈と動脈血の違い、胆汁が作られる器官とその働き、光合成と呼吸のでんぷん収支、蒸散量の計算などは出題される可能性があるので、学習をしっかりと。

◆ 地学分野
地質分野では地層ができた順序を考える問題のほか、柱状図を用いた問題に慣れておきたい。地震も要チェック単元。マグニチュードと震度の違い、P波とS波のダイアグラム計算は練習しておこう。
天体分野では暗記以上に、原理を説明できることがより重要である。北極星の高度、太陽の南中高度、月の見え方の変化といった事柄について、図を描きながら説明できるだろうか?また、星座早見盤の使い方や仕組みについても理解しておくこと。

◆ 物理分野
力学分野における振り子の問題の多くは計算が単純なので、基本が身に付いていれば困ることは少ないはず。しっかりと練習しておきたいのは、やはり「つり合い」の問題である。棒や滑車には重さがあるのが標準だと考えて学習すること。浮力についても必ず液体の密度まで含めて計算を理解しておきたい。
電気に関しては、まず直列回路と並列回路それぞれにおける電流・電圧の捉え方を完璧にしておくことが鍵になる。特に電熱線の問題は「発熱量=電圧×電流×時間」の関係に基づいて考えられると理解がスムーズである。また、電流計の繋ぎ方もたまに問われるので、そのように取り扱う理由を含め、説明できるようにしておくと良い。

◆ 化学分野
水溶液の性質や化学反応に関する知識は覚えにくく思われるが、最終的に受験生が苦手とすることはあまり多くない。『メモリーチェック』などの教材で知識を整理しておけば、ほとんど問題にはならないだろう。
化学の計算問題の本質は全て比例計算である。計算が苦手な受験生はまず、練習を通じてこの考え方を理解することに努めたい。また、化学反応の問題では「過不足なく反応する物質の量」を導くことで、初めて比例計算が可能になるという考え方の流れも押さえておく。

各分野の学習ポイントについて細かく述べてきたが、いずれも参考書や問題集を丁寧に読んで理解することに努めれば身につけられる。特に本校を本命校として考えるならば、「基本を『超』がつくほど徹底的に」身に付けることを念頭に置き、粘り強く学習して欲しい。それは単に基礎レベルの問題が解けるようになるという成果以上に、より難しい問題を理解するための土台や、中学進学後の学習にも役立つ思考習慣といった財産を提供してくれるだろう。

 

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2016年度「早稲田中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問1〜4がそれぞれ生物・地学・物理・化学分野に対応した構成。小問数は21問で各大問につきそれぞれ5、6問という均整のとれた配分になっている。考え込まされるような問題はほとんど存在しないので30分という時間は決して短くない。しかしながら、後で述べるように早合点すると誤った選択肢に引っ掛かりやすい問題が所々に仕掛けられている。特に本年度の問題は合格者平均が7割を超えるような問題であるから、30分を十分に活用し、不注意による失点を防ぐ慎重な取り組みが求められる。

【大問1】生物分野:ヒトのからだの働き

  • 時間配分:5分

問1、2はだ液アミラーゼの働きを調べる実験の定番。高・低温の状況下では酵素がでんぷんを糖に変えられなくなるという理解を踏まえて問題を解くこと。

(1)ある処理の効果を正しく知るために、処理する項目以外の条件を全て一定にそろえた「対照実験」の結果と比べるのが科学実験の原則である。試験管A・Bにそれぞれ「だ液」と「水」を加える一方、他の条件は同じにしておくことで、ヨウ素でんぷん反応の結果の違いがだ液の有無によって起こることを特定できる。

(2)「実験の結果から何が言えるか」という設問の意味を正しく理解していないと引っ掛けられる。「だ液アミラーゼの働きは人間の体温に近い温度で最も高くなる」というのは受験生に必須の知識であるが、実験には37℃と40℃の試験管が存在する。両者の結果は共に「変化なし」としか示されておらず、37℃の方がよく働くと判断することはできない。したがって、アは不適である。低温や高温でアミラーゼが働かないというイの内容も多くの受験生は本来知っているはずだが、引っ掛けの選択肢を先頭に配置しているところが巧い。

問3〜5はヒトの呼吸に関わる問題である。消化酵素の問題とは異なり、ストレートに知識や理解を問う設問形式になっている。てきぱきと処理していくこと。

(3)中学受験の理科は総じて用語のみならず数字の知識も重要である。知らなかったならそのつど覚えるのみ!

(4)(3)とは逆に、知識が無くても図1の器具を参考にすれば答えの見当をつけられる問題。「知らなければお手上げ」の問題なのか、「知らなくても推測できる」問題なのかの見極めは大事であり、過去問演習はその判断を訓練する機会でもある。

(5) ポイントは、「たいばん(胎盤)」というキーワードが出て来るかどうか。本校の記述問題の重点は、考察よりも基礎知識の記述に置かれているもよう。

【大問2】地学分野:堆積と地層

  • 時間配分:4分

問4は一瞬「ん?」と思うかもしれないが、初歩的な問題がほとんどである。

(1)粒の大きさが「れき」>「砂」>「どろ」であるという知識だけでなく、具体的なサイズまで数値で掴んでおくとなお良し。

(2)カーブの外側は流れが速いため侵食と運搬の作用が強くなる。その結果、切り立った崖が形成されて川底は深くなり、土砂は堆積しにくい。

(3)シジミが淡水と海水の混じり合う汽水域を好んで生息するという知識は地理でも問われる可能性がある。代表的な示相化石は、対応する生育環境をきちんと覚えておくこと。

(4)逆断層であることは図から即座に判断したい。がけXに注目すると東から西に向かって押されている一方、がけYに注目すると北から南に押されたということが分かる。よって、力の方向は「北+東」から「南+西」と考えれば良い。本問を立体的に考えようとするとイメージが湧きにくいが、論理で考えてしまえば難しくない。ただし、論理を合成する発想が自然と身につく小学生は少ないので、こういった問題に触れる機会から考え方を学ぶことが重要である。

(5)地層が作られた順序を考えさせる問題は定番だが、苦手な受験生が多い。本問に限らず、時間軸に沿って変化する現象を捉えるのが苦手な子のほとんどは、頭の中で全てを想像しようとして混乱に陥っている。まず、一段階ずつ地層の変動を絵にしてみよう!そして、断層や不整合が、既に形成された地層全体に対して影響することを実感すれば、完成までの過程を逆向きにたどるとどうなるかも、より分かりやすくなるはず。

【大問3】物理分野:振り子

  • 時間配分:6分

周期については定義を与えてくれている。たとえ既知の情報であっても、問題を考える前提としてきちんと目を通す癖をつけること。未知の概念や用語を試験本番で突然提示され、それを利用して問題を解く、というパターンも入試には存在する。

(1)科学実験では「誤差の影響を小さくするため」に複数回あるいは複数サンプルに対する測定を行い、採取したデータを平均するのが一般的である。

(2)振り子の長さのみが周期に影響するという情報を表1から読み取ることはできない。知識問題と考えよう。

(3)振り子の長さは変わっていないので周期には影響しない。問2が理解できていれば正解できるが、問2を間違えていれば答えられないはず。このような問題の演習では、答えが合っているかどうか以上に、考え方に一貫性があるかどうかを意識したい。

(4)表から「振り子の長さが4倍になれば周期が2倍になる」という関係を見つけられるかどうかが鍵になる。知識があるに越したことはないが、このような読み取りでは「まず整数倍の関係になっているデータに注目する」という原則からスタートしよう。

(5)A〜B間は振り子の長さ100cmに対する周期の半分、B〜C間は振り子の長さ11.11cmに対する周期の半分の時間をかけて移動するので、それぞれにかかる時間を合計すれば良い。問題は、振り子の長さ11.11cmの場合の周期を求められるかどうか。11.11÷100=0.1111…はおよそ1/9であり、1/3を2回かければ1/9になることから周期は100cm時の1/3である、ということを自力で求める発想を小学生に求めるのは少々酷であろう。このようなパターンも存在する、ということを頭に入れておくと良い。

(6)この手の問題はそもそも知識を前提としていないため、「こんな問題知らない!」と感じて思考停止に陥ってはならない。下降時に金属球を引き付ければ振り子の運動を助け、上昇時に引き付ければ妨げになるというイメージができるかどうか。なお、「どうなる?」という問いへの答えはモヤモヤして分かりづらいが、「助けるか、邪魔するか?」という二項対立の問いにしてみると推測の足掛かりを得やすいことがある。

【大問4】化学分野:水溶液の性質

  • 時間配分:8分

混合物の分離をテーマとする問題としては初級レベル。それぞれ全く性質が異なる物質を分離していくので、基礎的な知識があればA〜Dの識別には十分。ただし、後半の計算問題は慣れていないと余裕を持って考えられず、間違える可能性が高い。

(1)石灰石+塩酸、水酸化ナトリウム+塩酸という定番の組合せが与えられているため、Aが石灰石、Dが食塩であることを特定するのは難しくない。

(2)二酸化マンガンが与えられていれば、過酸化水素水を加えて酸素が発生するという定番の反応は容易に想起されなければならない。

(3)「水酸化ナトリウムと塩酸とが完全に反応したから中性になる」と早合点すると、本問を間違えるどころか、その後の問題も全く理解できなくなる。元々C、Dの質量の合計は7gであったが、【操作5】で塩酸を12cm3加えたところ、C、Dの質量の合計は8.6gへと1.6gの増加が見られる。【操作6】ではさらに同濃度の塩酸が8cm3加えられているので、同様に考えれば1.6×8/12≒1.07gの増加が見られるはずであるが、残った固体の質量は9gと、8.6gからは0.4gの増加しか見られない。つまり、水酸化ナトリウムと過不足なく反応した塩酸の体積は8cm3よりも少ないことが分かる。よって、【操作6】時点では塩酸が過剰に含まれているため、水溶液は酸性を示しているはずである。

(4)問3が正しく理解できていれば、混合物の質量増加に注目し、比例式から過不足なく反応する塩酸の体積を計算することは難しくない。あるいは、問3を誤って中性と答えていても、本問を考える過程で問3の答えを見直すという機転があれば良い。なお、問3および問4では「中和により増加した食塩の質量−中和により減少した水酸化ナトリウムの質量」も塩酸の量に比例することが分かっていないと考えが進みにくい。「AとB、AとCが比例関係にあれば、AとB±Cもまた比例関係にある」ことは化学反応や溶解度の問題で見落とされがちなので、論理的にそうなることを確認して使えるようにしておこう。

(5)問4のグラフから、塩酸を15cm3加えることで食塩が当初の4gから9gまで5g増加することが分かる。よって、塩酸12cm3を加えた時点では5×12/15=4g増加しているはずなので、CとDの混合物8.6gに含まれるDの質量は4+4=8gである。つまり、そこに含まれているCの質量は残りの0.6gということになる。あるいは、当初含まれていた水酸化ナトリウム3gと塩酸15cm3とが過不足なく反応することから、塩酸12cm3に対する水酸化ナトリウムの反応量が2.4gであるという方向から求めても良い。両面から計算し、答えが0.6gで一致することを確認できる程度の理解度と緻密さがあれば受験生として完璧。

攻略のポイント

上位校の入試問題はA)問題集で見たことのないような難問が多く、高い思考力が求められるもの、B)基礎的な知識や本質的な理解を広く問うもの、という2タイプに分けられる。

早稲田中の問題は明らかにB)タイプである。A)タイプの問題では「難しい問題を解けるかどうか」が他の受験生と差をつける鍵となるのに対し、B)では「基礎的な問題での失点をどれだけ減らせるか」が勝負を分ける。特に本年度の問題のレベルは全般的に基礎〜標準の範囲に収まり、合格者のほとんどが難しいとは感じなかっただろう。合格者平均点は7割を超えるが、本来はもっと高くても不思議ではない。正答率が低い問題(決して難問ではない)の数は限られるので、大問1の問2や大問4の問3のように早合点を誘いがちな問題の出来が合否の分かれ目になったのではないか。言い換えれば、そういった設問以外での失点は絶対に避けなければならない。

そこで、まずは幅広い単元で基礎知識を抜かり無く身につけ、標準的な計算問題までこなせるようにしておくこと。そして重要なのが、それらの問題に「余裕を持って答えられる」レベルまで仕上げておくことだ。精神的なゆとりを持って問題に取り組むことで、罠も回避しやすくなる。また、記述問題の対策も兼ねて、基本的な用語や現象について簡単に自分の言葉で説明する練習をしておくと良い。

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