横浜雙葉中学校 入試対策
2025年度「横浜雙葉中学校の理科」
攻略のための学習方法
横浜雙葉中学校、理科の満点は80点(算数・国語は100点)。今回の合格者平均点は63.3点で、高得点が必要な入試であった。
問題の形式としては、問題文・図・実験や観察のデータ等を読み取った上で各設問に答える問題が中心である。基本~標準レベルの問題が中心だが、計算問題や、やや難度が高い問題も含まれており、今回の入試では、大問1・大問2の中にやや難度の高い問題も含まれていた。試験時間は40分、問題量に対して十分な時間は用意されているので、慌てる必要は全くない。問題文や図・表の読み取りにしっかり時間をかけて、落ち着いて取り組んで欲しい。各分野の学習法は次の通り。
<分野毎の学習法>
生物分野 本年度は植物の葉をテーマとした出題で、蒸散作用に関する計算問題も含まれていた。近年では、アサガオの発芽と成長、食物連鎖、人のからだのはたらき(心臓の働き・血液循環など)、植物の生育、植物のつくりと働き等の出題が見られる。植物に関する出題がやや多い傾向にある。この分野の学習法としては、植物の分類・つくり・はたらき、昆虫、動物、人のからだの働きに関する基本知識を確実に覚えることが第一である。人のだ液のはたらき、植物の光合成や蒸散作用などのはたらきについては、それを確認するための実験の進め方についても、覚えておきたい。
地学分野 本年度は、川の流れの働きについて出題され、基本知識中心の得点しやすい問題であった。ここ何年かでは、月の動きと満ち欠け、星の動き、地震波の伝わり、気象の観測、地層等の出題が見られた。この分野の学習としては、まずは地層・岩石・地震と火山・気象そして天体に関する基本知識を確実に固めることが第一である。月の満ち欠け・星の動きなどに関してはその理屈を理解した上で確実に定着させておきたい。火山や地震については、主な火山の場所や近年起こった地震など時事的な内容も含めて学習しておきたい。気象に関しては、日本の四季の天気の特徴・低気圧と高気圧・台風・大雨・フェーン現象・気象の観測などに関して理解をしておきたい。
物理分野 本年はゴムひもの伸びに関しての出題であった。近年では、てこのつり合い、電熱線による発熱、振り子の運動、永久磁石と電磁石、電気回路、光の性質、音、物の運動、浮力などについての出題がみられた。この分野の学習法として、まずは最も出題される可能性の高い力のつり合いに関してしっかり演習を行って欲しい。ばね、てこ、滑車、輪軸、浮力、振り子などについて、塾のテキストや問題集を使って計算問題の練習に時間をかけて欲しい。電気、光、音、磁石についても基本を身につけておいて欲しい。
化学分野 今年度はものの溶け方についての出題で、やや難度の高い計算問題も含まれていた。ここ何年かを見ると、燃焼、プラスチックについて、気体の性質、混合物の分離、水溶液の性質、水の三態変化、中和等について出題されている。この分野の学習法としては、まず、水溶液の性質、気体の性質・ろうそくの燃焼などの基本知識をしっかりと固めておこう。さらに、溶解度、中和、金属と水溶液の反応、燃焼などに関しては、計算問題の練習をしっかり行って欲しい。
実験器具 実験器具の使い方に関して出題される年度がある。メスシリンダーの読み取り、ろ過の方法、気体検知管、顕微鏡の使い方、蒸発皿や試験管を使った実験の進め方等が出題されている。今後も同様の傾向が予想されるので、各分野での実験の進め方や実験器具の使い方についてもしっかり押さえておきたい。
模試や過去問はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談してもらいたい。
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2025年度「横浜雙葉中学校の理科」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問数は4 、小問数は30で80点満点。(算数・国語は100点満点)試験時間は40分で例年通りであった。適語を答える問題、記号選択問題、計算問題が中心で、記述問題も見られた。データ・図・絵などを読み取った上で設問に答える形式が中心になっている。問題量に対して試験時間は十分にある。知識問題は素早く完了させ、計算が必要な問題や考察問題にしっかり時間をかけたい。
【大問1】生物分野 植物の葉
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 サクラ・マツ・ツバキの葉の写真を選択する問題。広葉樹か針葉樹かおよび葉のふちの形に着目すること。
問2 漢字2字の指定問題。「蒸散」作用により、茎が水を吸い上げ、試験管の水面が下がる。
問3 記述問題。試験管の水面からの水の蒸発を防ぐために、油をたらした。
問4 (1)葉の表にワセリンをぬったので、葉の裏から蒸散している。5.5×0.8より、4.4㎤。㎜を㎝に変換する必要があることに注意。
(2)実験②と③を比較すると、蒸散量は表よりも裏の方が多い。
問5 (1)あ:9×0.8÷2より3.6㎤ い:1×0.8÷3より四捨五入して、0.27㎤。単位変換・葉の枚数・四捨五入に注意して計算すること。
(2)葉1㎠あたりの蒸散量が少ないツバキとマツは、乾燥した冬でも葉をつけられる。
(3)葉の表面が固いツバキ、針葉樹のマツが特徴としてあげられる。
植物の葉に関する出題。問4の蒸散量の計算問題は中学入試で頻出であり、テキストや問題集でも必ず取り上げられている。しっかり練習して欲しい。
問2では漢字の指定がある。今後も漢字指定の出題が考えられるので、用語はできる限り漢字で覚えよう。
【大問2】化学分野 物の溶け方
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
問1 ものが溶けた状態では、溶液は透明で、濃さは均一である。
問2 10gにおける実験結果を10倍すると、40℃で40gは溶けないが、60℃では40g
以上溶けることがわかる。
問3 (1)物質eは温度による溶解度の差がほとんどないので、温度差を利用した再結晶には適さない。
(2)記述問題。水を蒸発させることで、結晶を得ることができる。
(3)物質cは60℃における溶解度が287g、20℃における溶解度は204g。水が100gであれば、83gの結晶が得られる。従って、83×100/(100+287)より、小数第1位を四捨五入して、21gの結晶が出てくる。100gは水の重さではなく飽和水溶液の重さであることに注意すること。
(4)①温度が下がると溶解度が小さくなるので、飽和状態になるまでは濃さは一定だが、飽和した後は結晶が出てくるので、濃さは減っていく。
②すでに飽和しているので、濃さは減っていく。
問4 記述問題。気温上昇⇒海水の温度上昇⇒溶けていた海水中の二酸化炭素が溶けきれなくなって出てくる、という流れで記述すればよい。
ものの溶け方に関する出題。問3の中にはやや難度の高い設問も含まれている。溶解度関連の計算問題は中学入試では頻出。ややレベルの高い問題も含めて、しっかり練習しておきたい。
【大問3】地学分野 川の流れの働き
- 難度:易
- 時間配分:8分
- ★必答問題
問1 (1)まっすぐに流れる川では、中央付近の流れが最も速い。
(2)川幅が狭いほど流れが速い。また、川の中央付近では、深い所は表面よりも流れが速い。
(3)川が曲がっているところでは、外側の方が流れが速い。多くの小石や砂が見られるのは、流れの遅い内側。
(4)まっすぐな流れでは中央付近、曲がっている川では外側の流れが速い。
問2 上流から順に、V字谷⇒扇状地⇒三角州となる。
問3 (1)(2)ブロックは、川岸が削られてしまうのを防ぐために、流れの速い川の外側に置かれる。
川の流れの働きに関する出題。いずれも基本的な知識が身についていれば正答可能な問題。本年の大問4つの中で最も得点しやすい大問であり、ここでしっかり正答を並べて欲しい。
【大問4】物理分野 ゴムひもの伸び
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
問1 40gで2㎝伸びているので、20gでは1㎝伸びる。
問2 90gでは0.5×9より4.5㎝伸びる。自然長の8㎝を足して、12.5㎝。
問3 グラフの読み取り問題。40gをつるしたとき、AとBの長さが一致している。
問4 Bは20gで2㎝伸びているので、2倍。
問5 (1)問3よりAとBに40gを加えた時に長さが一致する。その時のAとBの長さは10㎝。
(2)棒の重さ(20g)は棒の重心(中心)にあると考える。おもりも棒の中心につるし、AとBに40gずつ加わったので、重さの合計は80g。従って、おもりの重さは、80-20より60g。
問6 (1)AとBの自然長の合計は14㎝。AとB合わせて17㎝になったので、伸びの合計は3㎝。問4より、AとBの伸びの比は1:2なので、Aが1㎝、Bが2㎝伸びたことになる。
(2)Bが2㎝伸びたので、AがBを引いた力の大きさは20g。
ゴムひもの伸びに関する出題。テキストや問題集に掲載されているバネの伸びの問題と考え方は全く同じである。伸びを答えるのか長さを答えるのかなど解答の上で注意する点はあるが、難度の高い問題は見られない。グラフの読み取りを間違えると、大問全体に大きく響くので、慎重に読み取ること。
攻略のポイント
各分野から大問4題の構成。思考力や計算力が要求される問題も含まれているが、全体としては標準レベルの問題が中心で、知識があれば正答できる問題も多い。出題形式としては、リード文や実験・観察のデータ等を見ながら解き進めるタイプの問題が中心となっている。本校の攻略のポイントとしては、まずは苦手分野を作ることなく、基本レベルの知識を正確に身につけることがあげられる。その上で、長めの問題文や実験・観察の結果を見ながら解くタイプの問題や、計算を必要とする問題の演習を積み重ねておきたい。実験器具や実験の進め方についても理解を深めておこう。
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