豊島岡女子学園中学校 入試対策
2025年度「豊島岡女子学園中学校の国語」
攻略のための学習方法
問題構成
漢字の書き取り・説明的文章の読解・物語文の読解の三題の出題が通例となっている。
素材文は計7000~8000字ほど。総解答数は25問前後となっている。そのうち、漢字が3問とことばの知識が1~2問だけという、長文読解中心の試験となっている。
数年前は、物語文の問題では記号選択ばかりだったが、近年では書き抜きや記述問題も出されている。配点は両者ほぼ均等である。選択肢問題は五択であるうえ、複数を選択する完答の問題もあり、けっして楽ではない。また、記述問題は70~90字ほどもある長いもので、要旨・主題の理解を問う難しいものが多い。
長文読解
・説明的文章
内容がやや高度なものが多い。科学的な話題が中心になるので、専門知識や用語が多く出てきて、理数系に苦手意識がある人は難しく感じるかもしれない。特に記述問題は90字という年度もあり、多くは要旨に関係する問題で筆者の考えの根本を問うようなものなので難しい。
論説文の要旨を把握する訓練を積むこと。まずは説明的文章読解の基本的な技術を身につけたい。形式段落と意味段落の整理。各段落の要点と細部の区別。全体の要約。重要点には傍線を引いたり関連する箇所を線で結んでおいたりして、目立つようにしておく・・・などである。難しい言葉も前後の内容や別の表現で言い換えたところを参考に、自分の頭でしっかり理解できるようにしたい。
また、記述対策として80~100字ほどで要旨をまとめる練習をしておけば、本校以外の試験でも得点に結びつくであろう。
・物語文
主人公の設定やストーリーが受験生にも理解しやすいものが多く、読みやすい。とはいえ、選択肢が五択であったり選択肢の文章が長めであったりと、楽な問題ではない。選択肢の一語一句に注意をはらい、的確に判断したい。また、以前は記号選択問題ばかりだったが、ここ数年では書き抜きや記述問題も出題されている。
物語文の読解の基本をおさらいしよう。場面の整理。時間・場所・登場人物に注意して場面の区切りに印をつけておく。各場面の主役に特に注目しながら、心情を考える。言動や情景から気持ちを想像する。自分ならこう思うだろうなどと予断を持ってはいけない。あくまで文中にある手がかりから考える。
そのためにも、普段から読書に親しみ、いろいろな生き方や考え方に触れておくことは大変有意義である。論説文でも同様だが、読書に勝る勉強は無いと心得ておかれたい。
漢字・その他
漢字の書き取りが例年3問出されている。標準レベルの漢字で、1問くらい難しい問題が含まれることもある。その他には、言葉の知識が1~2問出される場合もあるが、まったく出されない年度もある。長文読解に重点が置かれた試験となっている。
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2025年度「豊島岡女子学園中学校の国語」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
論説文4400字・物語文5200字の計9600字ほど、総解答数は21問とやや少なめである。
2題の長文読解での時間配分を考えておく。
文章量も配点も毎年ほぼ均等であるが、説明的文章のほうがやや難しい傾向がある。
得意な方から取り掛かるのも良いだろう。
選択肢問題も五択で文字数も多いので読む量は多くなる。
答えやすい問題から解き進み、時間のかかる長文記述は最後に落ち着いて書きあげる。
【大問一】論説文の読解
- 難度:標準
- 時間配分:26分
- ★必答問題
動物が回転しないことについて考察している。
問一 「回し車を巨大にして、人間がその輪の中に入ってクルクルと転がる」と、人間自体も回ることが示されているので、選択肢エのようなスポーツであろう。
問二 自分を襲う者(天敵・捕食者)より運動性能が劣っていれば自分が食われてしまい、エサ(獲物)より劣っていれば食べ物を得られないわけである。
問三 野生動物は何億年もかけて運動性能を洗練させてきた。そこには人間など到底及ばぬ知の宝庫ができている。「にもかかわらず」、わずか25万年の歴史しかない人間が取り入れている、効率極まる「回転運動」が動物には見られない、という点を強調しているのである。
問四 通常、動物はそれぞれの生息場所に適した能力を持つものだが、オオミズナギドリは空でも海でも陸でも卓越した能力を示すということをトライアスロンに例えて表現している。
問五 「鳥の飛翔に注目した」理由として、「回転は地上のみならず飛行でも有利な運動」であることを挙げている。特に運動能力の高い鳥ならば、飛ぶときに回転を利用しているのではないかと、考えたのである。
問六 いくら運動効率が良くても回転すると視界が安定せず、敵から逃げるのにも獲物を捕まえるのにも支障をきたし、「命の危機」すらあることが示されている。
問七 期待した鳥ですら上記問6のような理由で回転を利用していない。それは人間にも当てはまり、人間が回転させているのは道具なのである……と鳥類の考察を含めてまとめているので、《オ》に入れるのがよい。
〔注目!――選択肢問題が多い本校の試験だが、5択である上に内容もやや難しい。傍線部近くだけでなく、もう少し広い範囲を見て筆者の意見・考えを理解しないと正解を選べない問題が多い。過去問で本校の選択肢の特徴に慣れ、正確な読解ができるよう実力を養おう。〕
問八 「回転運動」という表現から、動物が運動する際に回転を利用しているのではないかと思い込み、動物ばかり検証していて植物に注意が向かなかった自分を「恥ずかしい」とまで言っている。
問九 問八のような「先入観」で研究対象を限定してしまったことを、科学者として反省している。
問十
(1) 自生
(2) 散布――賛成・養蚕・降参・産業・解散
(3) こころえ
<時間配分目安:26分>
【大問二】小説の読解
- 難度:標準
- 時間配分:24分
- ★必答問題
人の吐く息の色や形が見えるようになった主人公は、それまで打ち込んでいた陸上競技をやめ、美術大学を目指して予備校に通っている。
問一 主人公の「現在」は予備校生である。その時点から数えて「一年とおよそ半年前」なので、時系列を間違えないように。
問二 エ. ニュースで見た老人の息が見えなかったのは「関係が途絶えてしまった」からだとは書かれていない。
問三 自分自身、急に進路を変えて美術予備校に通っていることの理由をはっきりとはわからずにいたところ、祖母からそんな自分を肯定するような言葉をかけてもらったので、安心した。
問四 コロナ禍で部活動がいろいろな制約を受ける中でも、部員たちは記録を伸ばし充実した活動を続けている。オリンピックの延期も話題にのぼらないくらいで、窮屈な社会情勢とは無関係に、主人公たちは楽しく部活動に勤しんでいる様子が描かれている。
問五 「ほかにもいいたいことありそうやな」と気づいてはいたが、急な進路変更の申し出に、父親としては多少の戸惑いを覚えたのであろう。
問六 「膝に手をつく」というのはかしこまった動きである。自分が浪人してでも美術大学に行きたいという本気を示したかったのだと思われる。
問七 三つ子の魂百まで――幼い頃の性質は大人になっても変わらないものだということ。
問八 色彩構成の評価が「ずば抜けてよい」のは、「息の色や形が見える」という特殊能力のせいだと考えられる。石膏像のデッサンでも、主人公は自分の息を使って明確なイメージを構築し、木炭紙に写している。美術の勉強にそうした特殊能力を用いていることを、「不公正なのではないか」と感じてしまったのである。
〔注目!――本校の記述問題では、文中からただ抜き出してつなげただけではよい解答にならない。筆者・作者がその文で伝えたかったことを読み取り、言語化する必要がある。それにはやはり場数をこなすこと・普段から文章を多く書くことが何よりの対策となる。問題集などでしつこくくり返し、まとめ方のコツなどを学んでおこう。〕
問九 過去の偉大な美術家たちの作品も、それぞれの作家のイメージ力によって成立している。同じものを見てもそれぞれに見えている像は異なり、作家たちは自分に見えている独自のイメージを忠実にキャンバスに描こうとしてきたのである。
<時間配分目安:24分>
攻略のポイント
問題数は20問と少なめだが、長文の記述問題や選択肢の五択など、スピードが必要であり、難易度も高めである。
合格者平均点は7割を超えることも多く、どの項目でも大きく失点するわけにはいかない。
長文読解に重点を置いた試験なので、選択肢・書き抜き・記述いずれも十分に問題をこなし、説明的文章・文学的文章ともに自信が持てるよう、過去問で経験値をあげておきたい。
理想としては、読書を日々の習慣として文章読解の地力をあげておければ心強い。
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