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海城中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「海城中学校の社会」
攻略のための学習方法

〇出題構成

海城中学校の社会の入試問題は、他校に類を見ないユニークな形式となっている。
大問は一つで、あるテーマにもとづく1000文字を超える長い本文の中に、
  選択問題や用語記入などの基本的問題7~10問
  写真や統計・グラフなどを読み取って50字あるいは150~200字程度の記述にまとめる問題1~3問が含まれていて、総問題数10~12問程度の総合問題形式で出題される。

〇基本的問題

上記の基本問題については問題数も少なく、難易度も海城中学の高い偏差値を考えれば特別に難しい問題ではない。
出題範囲に偏りはなく、歴史・地理・政治経済すべての分野からひろく選ばれている。
受験勉強はともすると、覚えることの多い歴史分野に時間をかけがちだが、海城対策としては各分野の基本事項をまんべんなく学習し、それらのことがらの背景・原因や、もたらした結果・他のできごととの関連など、少し掘り下げてまとめて覚える必要がある。
ヨーロッパ・アジア・中東の地理なども出題されているので、白地図や資料集に普段から親しんで、使われている写真や図表に慣れて、歴史・政治のできごとと絡めて覚えれば得点源となるはずである。
一問の配点が大きいので取りこぼしを少なくし、速やかに答えて長文記述に時間を多く配分できるよう、過去問で練習しておきたい。

〇長文記述

上記の長文記述については、テキストの単純な暗記では対処できない点がやはりやっかいなところである。
テーマとなる話題はユニークでバラエティ豊かだ。日清戦争の際、広島が軍事輸送の拠点とされた理由(2025年度・第一回)や太平洋戦争中、桃太郎を題材にしたマンガ映画が作られた理由(2025年度・第一回)など、普段あまり考えたことのないようなテーマが取り上げられ、最初は面食らうかもしれないが、新しい物語を読むような気持ちで、楽しんで本文を読み進めるくらいの心構えが欲しいところである。
そして、テーマに沿った資料やグラフが示されるのだが、注意したいのは資料を通り一遍に読み取っただけでは不十分だということである。資料Aと資料Bのこの数値に差がある、といった程度の指摘にとどまらず、その差から推測できるCという結論を導き出す分析力こそが海城中学校が受験生に求めている能力なのだ。
だからといって、資料・データの分析ばかりに気を取られて、本文の読み取りをおろそかにしてはいけない。
1000文字超と量が多いので、慌てて読んでしまいがちだが、実際の設問を見てみると、「本文と資料1・資料2を参考にして・・・・・・」といった表現がよく見られる。
実は、この長い本文の中に解答に使える重要なデータや出来事が多く説明されているのが、海城の社会の一大特徴なのである。
先ほど例として挙げた「Cという結論」も、本文に手がかりがある場合が多い。
本文をよく読んで重要点をまとめ、指定された資料と合わせて読み取れば適切な解答を構成できるように問題が作られていて、難解な知識や細か過ぎる情報を求められているわけではないのだ。
簡潔にまとめると、海城中学校の社会の記述問題に向けては、以下のような力をつける訓練が必要となる。

1000文字を超える長文を読み、解答に必要な部分を抜き出してまとめる読解力。
本文を読みながら線を引いたり、余白に書き出したりしておけば最後にまとめる時に作業がはかどる。

与えられた資料・データを読み取りその一歩先まで考える分析力。
よく資料が引用される『日本国勢図会』などに目を通し、データの特徴やその背景なども考えるようにしよう。

上記2点の内容を100字や200字でまとめる構成力。
そして、実際に試験に臨んだ時には、設問で指定された条件を必ず守り、示された資料をしっかり活用することが良い解答を得る一番の近道であることを意識して欲しい。
他校の社会の問題には見られない長い本文や200字あまりも要求される解答に、気後れしてしまう人もいるかもしれないが、先にも述べたとおり、テキストにも載っていないような難しい知識や細部にこだわった情報は必要ないのである。「自由に自分の考えを述べなさい」といった問題とも異なっている。あくまで、本文を正確に読み、資料と比べて簡潔にまとめる「論理的」な思考力を期待されているのだ。
普段の学習において、「なぜそうなったのか」とか「この先どうなるのか」というように論理的に考える癖をつけておくことが大事である。また、過去問に積極的に取り組み、本校の特殊な出題形式に慣れておくことも大切であることはいうまでもない。

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2025年度「海城中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

記号選択と適語記入の問題が計10問、記述問題が2問で計350字という構成で、例年と大きな変化はない。2000字ほどのリード文と適語記入・選択肢の問題は20分程度で済ませて、記述問題に十分な時間を残したい。

【大問1】

  • 難度:標準
  • 時間配分:45分
  • ★必答問題

「桃太郎」を題材に、各地の特徴などについて訊く総合問題。

問1 森林面積と海岸線総延長が突出しているエは北海道。次に森林面積が多いイは県の面積自体が広いからと思われ、平均気温も低いので岩手県と考えられる。県北部を四国山地が走っている高知県は森林率が高いと考えられるので、アが高知県。残ったウは年平均気温が高いので、南に位置する宮崎県である。

問2 南アルプス(赤石山脈)は長野県・山梨県・静岡県にまたがる山脈なので、エが山梨県。安曇野は長野県、六甲は兵庫県の地名である。

問3 表現の自由を保障するため、憲法では検閲の禁止を規定している。検閲とは出版物などを公権力が事前に審査し、不適切と判断すれば出版禁止や内容削除などを行うことである。文部科学省による教科書検定も検閲に当たるのではないかという意見もある。

問4 人口が多い都市部ほど総スクリーン数も多いと考えられるので、アは千葉県。逆に少ないエは鳥取県と考えられる。京都府と奈良県では、ほぼ倍の人口を有する京都府がウ、奈良県がイとなるだろう。

問5 大和国は現在の奈良県、肥後国は熊本県、甲斐国は山梨県、下野国は栃木県に当たる。

問6 日本は輸送船が少なかったため、兵員の輸送には主として鉄道が使われた。《資料1》の地図を見ると本州の鉄道網の最西端は広島で、日清戦争の主戦場である朝鮮半島や中国に最も近い駅となるため、広島を軍事輸送の拠点としたが、大陸への輸送には船が必要であり、宇品港まで急ぎ鉄道を延伸したのだろうと考えられる。

〔ワンポイント!――記述問題の字数の多さから気後れしてしまう人もいるかもしれないが、本校の記述問題には大きな特徴がある。問題冒頭に「次の文章をよく読んで」と書かれている通り、素材文に記述の手がかりになる内容が記されているのである。ある意味、国語の読解問題とも思えそうな作りで、本校の記述問題では素材文をしっかり読んで重要な部分に線を引きながら読むことが必要になる。そして示された資料も手掛かりにすれば求められている解答にたどり着けるようにできているのである。できるだけ多くの過去問をこなし、本校の試験の形式と内容に十分慣れておくことが肝要である。〕

問7 (ア) 前方後円(墳)  (イ) 埴輪  (ウ) ワカタケル(大王)

問8 1941年12月という時期と、広告にハワイの文字が見えることから、「ある出来事」とは日本軍による真珠湾への奇襲攻撃のことだと考えられる。映画はアメリカ軍を鬼に、日本軍を桃太郎とその家来に見立てて、奇襲に成功した真珠湾攻撃をアニメ仕立てにして国民(特に子供)の戦意高揚に役立てる目的で作成したのである。桃太郎を題材にしたのは、教科書にも採用されており、国民全体に広く知られている物語だからであろう。

問9 Aは広島県の平和記念公園、Bは長崎県の平和公園にある平和祈念像。Cは沖縄県の平和祈念公園にある慰霊碑である。

問10 男性でも女性でも使える「看護師」に改められた。

                                   <時間配分目安:45分>

攻略のポイント

本校を受験する生徒のレベルから考えて、記号選択・適語記入問題は全問正解できるくらいの実力は必要とされる。

その上で記述問題でどれだけ得点を積み上げられるかの勝負になる。超難問というほどでもないので、類似問題を数多くこなしてコツを掴んでおこう資料を読み取る問題は頻出である。統計・グラフの読み取りをよく練習し、データから原因や結果を推測する思考力を養っておこう。
社会の出来事に広く関心を持ち、その背景や周囲への影響などをよく考える習慣を持てば実力アップに大きく資するということは、強く指摘しておきたい。

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