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海城中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「海城中学校の社会」
攻略のための学習方法

〇出題構成

海城中学校の社会の入試問題は、他校に類を見ないユニークな形式となっている。

大問は一つで、あるテーマにもとづく1000文字を超える長い本文の中に、

  選択問題や用語記入などの基本的問題7~10問

  写真や統計・グラフなどを読み取って50字あるいは150~200字程度の記述にまとめる問題1~3問が含まれていて、総問題数10~12問程度の総合問題形式で出題される。

 

〇基本的問題

上記①の基本問題については問題数も少なく、難易度も海城中学の高い偏差値を考えれば特別に難しい問題ではない。

出題範囲に偏りはなく、歴史・地理・政治経済すべての分野からひろく選ばれている。

受験勉強はともすると、覚えることの多い歴史分野に時間をかけがちだが、海城対策としては各分野の基本事項をまんべんなく学習し、それらのことがらの背景・原因や、もたらした結果・他のできごととの関連など、少し掘り下げてまとめて覚える必要がある

ヨーロッパ・アジア・中東の地理なども出題されているので、白地図や資料集に普段から親しんで、使われている写真や図表に慣れて、歴史・政治のできごとと絡めて覚えれば得点源となるはずである。

一問の配点が大きいので取りこぼしを少なくし、速やかに答えて長文記述に時間を多く配分できるよう、過去問で練習しておきたい。

 

〇長文記述

上記②の長文記述については、テキストの単純な暗記では対処できない点がやはりやっかいなところである。

テーマとなる話題はユニークでバラエティ豊かだ。シャネルの服飾から考える時代の変化や国内生産の理由(2020年度・第1回)や口蹄疫感染疑いの家畜の殺処分が遅れた理由(2021年度・第一回)など、普段あまり考えたことのないようなテーマが取り上げられ、最初は面食らうかもしれないが、新しい物語を読むような気持ちで、楽しんで本文を読み進めるくらいの心構えが欲しいところである。

そして、テーマに沿った資料やグラフが示されるのだが、注意したいのは資料を通り一遍に読み取っただけでは不十分だということである。資料Aと資料Bのこの数値に差がある、といった程度の指摘にとどまらず、その差から推測できるCという結論を導き出す分析力こそが海城中学校が受験生に求めている能力なのだ。

だからといって、資料・データの分析ばかりに気を取られて、本文の読み取りをおろそかにしてはいけない。

1000文字超と量が多いので、慌てて読んでしまいがちだが、実際の設問を見てみると、「本文と資料1・資料2を参考にして・・・・・・」といった表現がよく見られる。

実は、この長い本文の中に解答に使える重要なデータや出来事が多く説明されているのが、海城の社会の一大特徴なのである。

先ほど例として挙げた「Cという結論」も、本文に手がかりがある場合が多い。

本文をよく読んで重要点をまとめ、指定された資料と合わせて読み取れば適切な解答を構成できるように問題が作られていて、難解な知識や細か過ぎる情報を求められているわけではないのだ。

 

簡潔にまとめると、海城中学校の社会の記述問題に向けては、以下のような力をつける訓練が必要となる。

1000文字を超える長文を読み、解答に必要な部分を抜き出してまとめる読解力

本文を読みながら線を引いたり、余白に書き出したりしておけば最後にまとめる時に作業がはかどる。

与えられた資料・データを読み取りその一歩先まで考える分析力

よく資料が引用される『日本国勢図会』などに目を通し、データの特徴やその背景なども考えるようにしよう。

上記2点の内容を100字や200字でまとめる構成力

そして、実際に試験に臨んだ時には、設問で指定された条件を必ず守り、示された資料をしっかり活用することが良い解答を得る一番の近道であることを意識して欲しい。

他校の社会の問題には見られない長い本文や200字あまりも要求される解答に、気後れしてしまう人もいるかもしれないが、先にも述べたとおり、テキストにも載っていないような難しい知識や細部にこだわった情報は必要ないのである。「自由に自分の考えを述べなさい」といった問題とも異なっている。あくまで、本文を正確に読み、資料と比べて簡潔にまとめる「論理的」な思考力を期待されているのだ。

普段の学習において、「なぜそうなったのか」とか「この先どうなるのか」というように論理的に考える癖をつけておくことが大事である。また、過去問に積極的に取り組み、本校の特殊な出題形式に慣れておくことも大切であることはいうまでもない。

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2021年度「海城中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

記号選択と適語記入の問題が計10問、記述問題が190字・160字の計2問という構成で、例年と大きな変化はない。2000字ほどのリード文と適語記入・選択肢の問題は15分程度で済ませて、記述問題に十分な時間を残したい。

【大問】総合問題

  • 難度:
  • 時間配分:45分
  • ★必答問題

九州のある企業の「農家を元気にする」商品開発の取り組みを紹介した文章を読んで答える問題。

 

問1 エ. 元寇は外国との戦いであったため、通常褒美として与えられる領地が存在しなかったので、恩賞の少なさに不満を持った御家人たちは幕府への不満を募らせた。その後に起こった大地震などの影響もあり、困窮する武士を救うため幕府は借金を帳消しにする徳政令を出したが、経済を混乱させるだけだった。

 

問2 戦後の日本では米の生産調整が行われ、米の作付け面積を減らす方式から減反政策と呼ばれた。農家には他の作物への転作で補助金が支給された。

 

問3 岩倉使節団の欧米視察(1871年)→日朝修好条規(1876)→日清戦争(1894)→関税自主権回復(1911)。

 

問4 (1) 薩摩藩の侵攻により琉球王国は薩摩藩の支配下にはいったが国としての存続は認められた。一方で中国(清)との宗属関係も維持されたため、薩摩藩と清との両属という体制下で独自の文化が形成された。

 

問5 それぞれの資料からメリットが読み取れる。《資料3》で6次産業化の流通モデルと比較してみると、それぞれの得意分野に注力できているかどうかという点で大きな差があることがわかる。6次産業では加工・販売という農家が不慣れな分野も自分たちでしなければならない。九州パンケーキモデルでは、農家は最も得意とする生産に集中することができ、加工は工場に、販売は一平にとそれぞれの得意分野に集約できている。生産・加工・流通を各部署とした会社のようなイメージで、各自の専門に集中できるのである。《資料4》を見ると、原料を安く買いたたくのではなく、近年よく耳にする「フェアトレード」のような考え方で、適切な価格で取引することで生産者は事業を継続することができ、希少作物やその栽培技術も失われずに済むのだということがわかる。

 

問6 《資料6》で見ると、農家一戸当たりの飼育頭数が大きく増えている。一つの厩舎から口蹄疫が出ると、他の厩舎で出ていなかったとしても飼育している全頭の殺処分となってしまい、膨大な頭数になる。《資料5・7・8》から、その膨大な頭数を埋める広大な土地を農家が自力で確保しなければならず、対応が困難であったことが考えられる。

 

問7 青森県・福島県など冬に気温が低い県で生産が増えているので、グラフ(は)が8月であると考えられる。A県は高知県と同じような推移をしているので、気候が似ている宮崎県と推定でき、8月に生産が増えるC県は東北地方の岩手県と思われるので、選択肢オを選べる。

 

8 ウ. 現在もハングル文字が主に使われている。

 

問9 ア. 国民審査は、不適格と思われる最高裁判所長官を罷免する制度である。

     イ. 町議会・村議会がある。

     ウ. 条例を制定するのは議会である。

 

問10 NGOは「非政府組織」。ア・エは国際連合の機関、は独立行政法人である。

攻略のポイント

本校を受験する生徒のレベルから考えて、記号選択・適語記入問題は全問正解できるくらいの実力は必要とされる。

その上で記述問題でどれだけ得点を積み上げられるかの勝負になる。超難問というほどでもないので、類似問題を数多くこなしてコツを掴んでおこう。資料を読み取る問題は頻出である。統計・グラフの読み取りをよく練習し、データから原因や結果を推測する思考力を養っておこう。

社会の出来事に広く関心を持ち、その背景や周囲への影響などをよく考える習慣を持てば実力アップに大きく資するということは、強く指摘しておきたい。

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