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海城中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「海城中学校の社会」
攻略のための学習方法

[出題構成]
海城中学校の社会の入試問題は、他校に類を見ないユニークな形式となっている。
大問は一つで、あるテーマにもとづく1000文字を超える長い本文の中に、
① 選択問題や用語記入などの基本的問題7~8問
② 写真や統計・グラフなどを読み取って50字あるいは150~200字程度の記述にまとめる問題1~2問
が含まれていて、総問題数10問程度の総合問題形式で出題される。

[基本的問題]
上記①の基本問題については問題数も少なく、難易度も海城中学の高い偏差値を考えれば特別に難しい問題ではない。
出題範囲に偏りはなく、歴史・地理・政治経済すべての分野からひろく選ばれている。
受験勉強はともすると、覚えることの多い歴史分野に時間をかけがちだが、海城対策としては各分野の基本事項をまんべんなく学習し、それらのことがらの背景・原因や、もたらした結果・他のできごととの関連など、少し掘り下げてまとめて覚える必要がある。
ヨーロッパ・アジア・中東の地理なども出題されているので、白地図や資料集に普段から親しんで、使われている写真や図表に慣れて、歴史・政治のできごとと絡めて覚えれば得点源となるはずである。
一問の配点が大きいので取りこぼしを少なくし、速やかに答えて長文記述に時間を多く配分できるよう、過去問で練習しておきたい。

[長文記述]
上記②の長文記述については、テキストの単純な暗記では対処できない点がやはりやっかいなところである。
テーマとなる話題はユニークでバラエティ豊かだ。海城中学校の所在地の街の変遷〈平成23年度・第一回〉や東日本大震災後の気仙沼の漁業の現状〈平成24年度・第一回〉など、普段あまり考えたことのないようなテーマが取り上げられ、最初は面食らうかもしれないが、新しい物語を読むような気持ちで、楽しんで本文を読み進めるくらいの心構えが欲しいところである。
そして、テーマに沿った資料やグラフが示されるのだが、注意したいのは資料を通り一遍に読み取っただけでは不十分だということである。資料Aと資料Bのこの数値に差がある、といった程度の指摘にとどまらず、その差から推測できるCという結論を導き出す分析力こそが海城中学校が受験生に求めている能力なのだ。
だからといって、資料・データの分析ばかりに気を取られて、本文の読み取りをおろそかにしてはいけない。
1000文字超と量が多いので、慌てて読んでしまいがちだが、実際の設問を見てみると、「本文と資料1・資料2を参考にして・・・・・・」といった表現がよく見られる。
実は、この長い本文の中に解答に使える重要なデータや出来事が多く説明されているのが、海城の社会の一大特徴なのである。
先ほど例として挙げた「Cという結論」も、本文に手がかりがある場合が多い。
本文をよく読んで重要点をまとめ、指定された資料と合わせて読み取れば正解にたどり着けるように問題が作られていて、難解な知識や細か過ぎる情報は必要とされていないのだ。
簡潔にまとめると、海城中学校の社会の記述問題に向けては、以下のような力をつける訓練が必要となる。
●1000文字を超える長文を読み、解答に必要な部分を抜き出してまとめる読解力。本文を読みながら線を引いたり、余白に書き出したりしておけば最後にまとめる時に作業がはかどる。
●与えられた資料・データを読み取りその一歩先まで考える分析力。よく資料が引用される『日本国勢図会』などに目を通し、データの特徴やその背景なども考えるようにしよう。
●上記2点の内容を100字や200字でまとめる構成力。
他校の社会の問題には見られない長い本文や200字あまりも要求される解答に、気後れしてしまう人もいるかもしれないが、先にも述べたとおり、テキストにも載っていないような難しい知識や細部にこだわった情報は必要ないのである。「自由に自分の考えを述べなさい」といった問題とも異なっている。あくまで、本文を正確に読み、資料と比べて簡潔にまとめる「論理的」な思考力を期待されているのだ。
普段の学習において、「なぜそうなったのか」とか「この先どうなるのか」というように論理的に考える癖をつけておくことが大事である。また、過去問に積極的に取り組み、本校の特殊な出題形式に慣れておくことも大切であることはいうまでもない。

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2014年度「海城中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

形式は例年通り、2000字近くの長文と、問1~10の計10問で構成されているが、そのうち記号選択が5問、20字程度の短文説明が2問で、残り3問は80字・60字・210字の記述という、もともと記述の多い海城の問題にしても、例年より記述に重点を置いた出題となっている。

【問1~4】地理や政治に関する記号選択問題

  • 時間配分:各1分

基本的な内容で、ここでのミスは痛手となる。
後半の長文に時間をまわしたいので、あまり悩まず先に進むこと。

【問5】食物アレルギーに対する取り組みを問われる問題

  • 時間配分:3分

家庭内でこのような身近な社会問題を話題にする環境があれば、幅広い知識に触れられるよい機会となる。
20字前後でまとめられる内容。

【問6】韓国の食文化・マナーについての記号選択問題

  • 時間配分:1分

不正解も多かったと思われる。
日本と関わりの深い国については、日本と似ている点や異なっている点を考えておくとその国を理解するのに役立つ。

【問7】用語説明の短文記述

  • 時間配分:3分

こちらも20字ほどで書ける。

【問8】漁業と森林との関連について

  • 時間配分:8分

『保安』と一言つくだけで森林としての役割がひとつ増えている点を説明し忘れないよう、正確な知識を問われる問題。

【問9】記述

  • 時間配分:6分

地方から奈良にどのような人がやってきたのか。
問題文中の「遠くの土地に暮らす家族と離れて・・・・・・」という部分など、ヒントになり得る言葉もあるので見逃さないようにしたい。

【問10】長文記述

  • 時間配分:20分

海城恒例の210字の長文記述。
設問を読むと、書くべきことはおおまかに3つあることがわかり、それぞれについて70字ほど使える。
字数は余裕があるので、書き直しで時間を使わずに済むよう、落ち着いて書き進めたい。
そのためには、本文の要点をメモするのがお勧めである。
以下に詳しく述べる。

攻略のポイント

今年度のような記述の分量だと、時間の余裕はほぼ無いと思った方がよい。記号選択問題でのんびり迷っていられないし、記述問題も大幅な書き直しの時間はない。

合格ラインを80点中55点程度と考えると、問8か問9のどちらか無理そうであれば1問はあきらめて、その分、問10に力を注ぐのもひとつの作戦かもしれない。
とはいえ、さすがに問10で満点を狙うのは難しいので、配点を30点とした場合、15~20点を狙いたい。具体的に解説すると、設問で要求されている3つのポイントは

(1) 藤原氏が天皇と親族関係を結ぶことで権力を得ていたこと。
(2) 藤原氏の血筋ではない長屋王が大きな権力を持ち、天皇になる可能性すらあったこと。
(3) 木簡を謀反計画の証拠として長屋王を追い詰めたこと。

ということになるが、結論である(3)についてしっかり書いた上で、(1)と(2) について少しずつでも触れてあれば、目標の点数に届くと思われる。特に(2)と(3)については本文と資料の家系図から考えやすいので、まず設問を先に読んで、3つのポイントを把握し、本文を読みながら重要部分やキーワードを問題用紙の余白などにメモしてしまうとよい。情報量を絞った方が考えをまとめやすいし、書くという作業の時間短縮にもつながるからである。

合格ラインに達するためには長文記述は避けて通れない問題なので、過去問を解く際も決しておざなりにせず、慣れるまで繰り返し取り組んで欲しい。

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