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海城中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「海城中学校の社会」
攻略のための学習方法

出題構成

海城中学校の社会の入試問題は、他校に類を見ないユニークな形式となっている。
大問は一つで、あるテーマにもとづく1000文字を超える長い本文の中に、
  選択問題や用語記入などの基本的問題7~10問
 ② 写真や統計・グラフなどを読み取って50字あるいは150~200字程度の記述にまとめる問題1~3問が含まれていて、総問題数10~12問程度の総合問題形式で出題される。

 

基本的問題

上記①の基本問題については問題数も少なく、難易度も海城中学の高い偏差値を考えれば特別に難しい問題ではない。
出題範囲に偏りはなく、歴史・地理・政治経済すべての分野からひろく選ばれている
受験勉強はともすると、覚えることの多い歴史分野に時間をかけがちだが、海城対策としては各分野の基本事項をまんべんなく学習し、それらのことがらの背景・原因や、もたらした結果・他のできごととの関連など、少し掘り下げてまとめて覚える必要がある

ヨーロッパ・アジア・中東の地理なども出題されているので、白地図や資料集に普段から親しんで、使われている写真や図表に慣れて、歴史・政治のできごとと絡めて覚えれば得点源となるはずである。
一問の配点が大きいので取りこぼしを少なくし、速やかに答えて長文記述に時間を多く配分できるよう、過去問で練習しておきたい。

 

長文記述

上記②の長文記述については、テキストの単純な暗記では対処できない点がやはりやっかいなところである。

テーマとなる話題はユニークでバラエティ豊かだ。民泊の規制緩和の理由と新宿区の条例の意図するところ(2019年度・第1回)やシャネルの服飾から考える時代の変化や国内生産の理由(2020年度・第1回)など、普段あまり考えたことのないようなテーマが取り上げられ、最初は面食らうかもしれないが、新しい物語を読むような気持ちで、楽しんで本文を読み進めるくらいの心構えが欲しいところである。

そして、テーマに沿った資料やグラフが示されるのだが、注意したいのは資料を通り一遍に読み取っただけでは不十分だということである。
資料Aと資料Bのこの数値に差がある、といった程度の指摘にとどまらず、その差から推測できるCという結論を導き出す分析力こそが海城中学校が受験生に求めている能力なのだ
だからといって、資料・データの分析ばかりに気を取られて、本文の読み取りをおろそかにしてはいけない。1000文字超と量が多いので、慌てて読んでしまいがちだが、実際の設問を見てみると、「本文と資料1・資料2を参考にして・・・・・・」といった表現がよく見られる。
実は、この長い本文の中に解答に使える重要なデータや出来事が多く説明されているのが、海城の社会の一大特徴なのである

先ほど例として挙げた「Cという結論」も、本文に手がかりがある場合が多い。
本文をよく読んで重要点をまとめ、指定された資料と合わせて読み取れば適切な解答を構成できるように問題が作られていて、難解な知識や細か過ぎる情報を求められているわけではないのだ。

簡潔にまとめると、海城中学校の社会の記述問題に向けては、以下のような力をつける訓練が必要となる。

●1000文字を超える長文を読み、解答に必要な部分を抜き出してまとめる読解力。
本文を読みながら線を引いたり、余白に書き出したりしておけば最後にまとめる時に作業がはかどる。

●与えられた資料・データを読み取りその一歩先まで考える分析力。
よく資料が引用される『日本国勢図会』などに目を通し、データの特徴やその背景なども考えるようにしよう。

●上記2点の内容を100字や200字でまとめる構成力。
そして、実際に試験に臨んだ時には、設問で指定された条件を必ず守り、示された資料をしっかり活用することが良い解答を得る一番の近道であることを意識して欲しい。

他校の社会の問題には見られない長い本文や200字あまりも要求される解答に、気後れしてしまう人もいるかもしれないが、先にも述べたとおり、テキストにも載っていないような難しい知識や細部にこだわった情報は必要ないのである。「自由に自分の考えを述べなさい」といった問題とも異なっている。
あくまで、本文を正確に読み、資料と比べて簡潔にまとめる「論理的」な思考力を期待されているのだ。

普段の学習において、「なぜそうなったのか」とか「この先どうなるのか」というように論理的に考える癖をつけておくことが大事である。また、過去問に積極的に取り組み、本校の特殊な出題形式に慣れておくことも大切であることはいうまでもない。

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2020年度「海城中学校の社会」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

記号選択と適語記入の問題が計10問、記述問題が220字・130字の計2問という構成で、例年と大きな変化はない。
1500字ほどのリード文と適語記入・選択肢の問題は15分程度で済ませて、記述問題に十分な時間を残したい

【大問】総合問題

  • 難度:
  • 時間配分:45分
  • ★必答問題

服飾ブランド・シャネルが世界に与えた影響を論じた文章を読んで答える問題。

問1 鹿鳴館は、1883年にイギリス人の建築家コンドルの設計で建てられた洋風建築。外務卿・井上馨(いのうえかおる)が欧化政策の推進として鹿鳴館や帝国ホテルの建設に尽力した。

問2 大阪万博(1970年)・第一次オイルショック(1973年)・満州事変(1931~33年)・関税自主権の回復(1911年)。

問3 ア. 1925年の普通選挙法では女性の参政権は認められなかった。
   エ. 育児休暇は男性も取得できる。

問4 扇状地は川が山から盆地などの平坦な土地に注ぐ部分にできる扇形の地形。土砂が堆積した地質は水はけがよく、とくに甲府盆地は寒暖差が大きいので果樹栽培に適しており、ぶどうやももなどが多く栽培されている。

問5 機械工業が突出して多いウは輸送用機械で世界トップクラスのシェアを持つ豊田自動車がある中京工業地帯。は金属工業が特に多いことから阪神工業地帯、残るが京浜工業地帯である。

問6 冠位十二階は推古天皇の時代に聖徳太子が制定した冠位。蘇我馬子は聖徳太子とともに政治を行い、天皇中心の中央集権を進めた。冠位制定の目的は、家柄によらない実力主義の人材登用にあったと考えられている。

問7 賛成派は雇用の創設や外国人観光客の訪日による経済効果を、反対派はギャンブルに伴う治安の悪化や依存症の増加を、それぞれ大きく主張している。

問8 ア. ワシントンD.C.はアメリカ東部の大西洋側にある。

問9 それまでの女性の服装は裾が床につくようなドレスや豪華な装飾の帽子《資料1》など、「男性が好むかどうか」が美の基準とされていた。しかし第一次世界大戦が勃発し男性が兵役に取られて女性の社会進出が進む《資料4》と、動きやすい素材や形でありながら華やかさも持ち合わせた《資料2・資料3》シャネルのジャージードレスが多くの女性の支持を集めた。
従来のスタイルを取り入れながらも働く女性に適した機能を持っていたことが時代の要請に合致したのである。

問10 《資料5》~《資料7》を見ると、オートクチュールの製作にはデザイン・生地・裁断・縫製など各工程の職人が携わり、何度も打ち合わせや手直しを繰り返して手作業で仕上げていることがわかる。そのためには顧客・デザイナー・各種工場が集まり高度な技術を持った職人が多くいるパリで生産を行う必要があるのである。

攻略のポイント

本校を受験する生徒のレベルから考えて、記号選択・適語記入問題は全問正解できるくらいの実力は必要とされる
その上で記述問題でどれだけ得点を積み上げられるかの勝負になる。超難問というほどでもないので、類似問題を数多くこなしてコツを掴んでおこう
資料を読み取る問題は頻出である。統計・グラフの読み取りをよく練習し、データから原因や結果を推測する思考力を養っておこう

社会の出来事に広く関心を持ち、その背景や周囲への影響などをよく考える習慣を持てば実力アップに大きく資するということは、強く指摘しておきたい。

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