江戸川学園取手中学校 入試対策
2025年度「江戸川学園取手中学校の算数」
攻略のための学習方法
6年生の夏休み終了をゴールとして、今まで習った公式と解法のすべてを完全マスターすること。単元を順番に勉強して行くことで6年の1学期が終わってしまってはいけない。「すべてを完全マスター」とは、定番の問題であれば、いつどの単元が聞かれても、即座に滑らかに反応できるような状態である。面積図はどの型を使用するか。面積比であれば分数を使うのか比を使うのかなどの無数の決まりきった解法を全ての単元に渡って明確にしておいてほしい。
並行して問題解決力を磨いてほしい。上記の基礎力完成後ではなく「上記と並行して」ある程度の時間をかけてじっくり取り組んでほしい。この部分こそが同校の合格を決する部分である。時間がかかるのでできるだけ早く開始する必要がある。第1歩として過去問5年分の第1回テストに挑戦してもらいたい。第2回は後に回してよい。時間は多めにかけること。大問1問ずつじっくり取り組んで行くこと。1週間に1年分を終えるペースで構わない。1日大問1題がちょうどいい。解けなければ解説をじっくり読みこむ。目的はその時点の実力を図ることではなく、出題傾向について実感をもって知ることである。過去問練習が一通り終了したら、受験用テキストから類似問題を拾い出し練習してもらいたい。おそらく足りなくなるので、その後は他校の過去問からの類題練習に移ってほしい。実戦練習の「量」こそが重要である。
以下、本校入試において頻出単元ごとの学習法を述べる。
【平面図形】
大問1対策として、おうぎ形を動かした残像に関する問題。大問2以降では図を動かして行き、重なる部分の面積がどう変化するかを考察する問題。辺上を点が移動し、定められた三角形の面積の変化を類推する問題。あまり出題されてはいないが注意すべきは面積比と相似。
【立体図形】
立方体のカットが最重要。立方体の返上を動く点をつなぎ合わせる問題もこの種の問題。平行な面の切り口は平行。辺を伸ばし同一平面上の点を見つけ出す。様々な方向から見て、向かい合った相似な三角形を見つけ出すなど、様々な技術があり、徹底的に練習してほしい。その他回転体の表面積。かなり複雑なものまで練習してほしい。近年ほとんど出題されていないが、容積のグラフは無視するわけにはいかない。少なくとも代表的な問題は練習しておくべき。
【特殊算】
割合の特殊算では、食塩水の「複数の食塩水のやり取りの流れ図」や値段の「売れ残り」が出題されているので、高度な公式まで知っておいた方がいい。和と差の特殊算では~算そのものというより、他の問題の中で活用される場合が多い。つるかめ算なら、速さや仕事算や面積変化などでの使用の様なものである。速さの特殊算では「旅人算は問題解決力」「通過算・流水算・時計算は定番の公式」が出題されてきた。
【場合の数】
「区別のつかないものを何人かで分ける(重複組み合わせ)」などの様なものまで出題されているので、定番の公式に様々な条件を「上乗せ」してくる形が主流。難し過ぎはしないが、ある程度は複雑というレベルが狙われる。「場合分け」や、「書き出す場合の整理の仕方」に注目して練習してほしい。
【その他】
規則性に関する問題は「いくつか書き出して規則を見つけ出す」ことが出題のポイント。
群数列・階差数列・フィボナッチ数列あたりの基礎知識は確認しておいてほしい。
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2025年度「江戸川学園取手中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問1は計算と独立小問で計6問、大問2~6は各2~4問で、全体で22問構成となっている。大問5(2)のみ「途中の計算や考え方」を書く大きな枠があり、その他は答えのみ。制限時間50分の中で、大問3以降の「最後の設問」と「大問5または6の記述」に過度に時間を取られないことが最大のポイント。
【大問1】計算と独立小問
- 難度:易
- 時間配分:5分
- ★必答問題
(1) 小数と分数を含む四則混合計算。
(2) 通過算に類似した形式だが、電車の長さは関係せず、速さの比を活用する問題。
(3) ベン図を用いた集合問題で、共通部分の最大・最小を求める。動的な書き換えへの対応力が問われる。
(4) 三角形の回転により生じる残像の面積を求める問題。全体から白い部分を引くとおうぎ形の引き算となる。
(2)は「速さの比」を使いこなせるかが問われた。大問1にこのレベルの問題が出されるのが当校の一つの特徴である。代表的な解法の単なる反復練習では立ち居打ちできない。習ったことを体にしみ込ませて、自分のものとできているかを試そうとしている。
<時間配分目安:5分>
【大問2】割合の特殊算:仕事算
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
仕事算に加え「消去算」「つるかめ算」「場合分け」の活用を求めている。
(1) 三要素の消去算を活用してそれぞれの速さを求める。
(2) 仕事を休んだ人それぞれで個別に整理して考える必要がある。
基礎的な仕事算に加えて、(1)では3要素の消去算、(2)はつるかめ算。それぞれ単独ではどこでも目にする代表的な解法だが、組み合わせられることで難易度が上がる。解説を聞けば簡単と感じるが、自力で解き終えることはできないと感じるなら、実戦練習の時間を増やすべき。
<時間配分目安:7分>
【大問3】数の性質:素因数分解、分数の性質
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1) 素因数分解の結果から平方数のつくりを見つけ出す。
(2) 素因数分解の結果から5の倍数はどのように作られているかを考察する。
(3) 分数を小数に変換する際、無限小数になる条件(分母の性質)を問う。
(4) 分母に含まれる3の4乗を取り除かなければ有限小数になることはない。
範囲としては小学生の数の性質だが、問われ方が中学校や高校の数学に近い。この種の問題を探して練習することもある程度は必要だが、やり過ぎてはいけない。素数や素因数分解という視点から数を見る習慣をつけ、自然に(2)(3)が正解できるという方向で力をつけてほしい。
<時間配分目安:8分>
【大問4】立体図形:容積・容器の傾け
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1) 三角錐A-EFHになることが分かれば正解できる。
(2) Eを支点としてAGを含む水面はBFを正面から見るとDHとBFの中点を通過する。
容器を傾けたときの水面は、立方体をカットした時の切り口にあたる。立方体のカットには様々な技術があり、一つ一つを体系的に学び、練習を積む必要がある。(2)がさほど抵抗なく作図できるかどうかが分かれ目。もし少しでも不確かなところがあれば、最優先で徹底的に復習してほしい。
<時間配分目安:8分>
【大問5】場合の数:座席の座り方
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
(1) CDの席ではどちらを向くかで4通りあることに注意する。
(2) 空席の位置によって場合分けが必要(CDにあるか、それ以外か)。
(3) CDに誰も座らない/どちらか一方に座る/両方に座る、という3分類で整理する。
(2)(3)は真ん中の席の特殊性に注目して場合分けをする。真ん中の席のどれを使用するか、全く使用しないかですべてのパターンを慎重に整理する。上位校ではよく出題される形式で、そのための良い練習となる。
<時間配分目安:11分>
【大問6】平面図形:面積比と相似
- 難度:やや難
- 時間配分:11分
- ★必答問題
(1) 平行線に着目して平行四辺形を見つける。
(2) 三角形DIHの面積を直接求めるのではなく、三平方の定理を証明するときに使う4個の合同な直角三角形と1個の正方形を組み合わせて大きな正方形を1個作る図を利用する。
(3) (2)より、様々な相似な三角形の面積を求め、全体から引く。
「三平方の定理の証明に利用する図形」は中学受験では時折見かける。(2)(3)はその高度な解法を知っていれば解ける。知らなければ回避して、他の問題に専念するべき。
<時間配分目安:11分>
攻略のポイント
平面図形であれば、図を動かすことや点を動かし面積を変化させることであるように、定番の公式や解法を完全に自分のものにして、問題を解決するための道具として使いこなすことを求めている。常識的な知識部分は早い内に解決して、実戦練習に入るべき。新たに時間枠を設けてひたすら練習してもらいたい。受験用テキストの6年生版は特定の単元を順番に深掘りして行く場合もあるがそれでは方向がずれてしまう。遠回りをする余裕はない。大胆に省略し、目標から目をそらさないこと。求められているのは問題解決力である。
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