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江戸川学園取手中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「江戸川学園取手中学校の算数」
攻略のための学習方法

江戸川学園取手中学の算数は、問題の分野・難易度よりも、むしろテスト時間やその問題量に特徴がある学校である。

1月校ではたまに見かけるが、時間や量を増やすことで、偏りなく全分野の力を均等に見たいという学校側の姿勢が伺える。
小学生には限界に近い分量だが、学校が求めていくものに合わせて、対策を立てていきたい。

過去問を数年間見てみても、出題されているのは、参考書や問題集で見かけたことがあるようなものが多い。レベルとしては上・中・下の「中」あたりの問題である。

多くの生徒は、分らなかったとしても、その解き方を知れば、「ああなるほど」と説明に納得し、理解できた問題として処理されるだろう。

設問もシンプルなものが多く、テスト中盤までは設問を読めば「解き方→解答」までが見通せるものが多い。解きやすい、教えやすいという印象だ。

しかし、ここで引っかかってはいけない。
なぜ「江戸川取手」が難関校なのかと言われれば、上記のような「わかりやすい」問題を合格者はことごとく解いてしまっているからである。

つまり、これら中盤の解きやすい問題は、ほぼ正解できていないと合格はなく、出来なかったときの「さわやか感」「喪失感」など味わってはいられないからだ。

一見とっつきやすいけれども、ミスの許されないこわさ、それが「江戸取」をして難関校と言わしめている由縁なのである。

だいたい、この学校の中盤問題を失点少なく解けている生徒は、算数の偏差値が60くらいはあると思われる。
受験においては、平均点付近が偏差値50で一つの基準となっているが、偏差値50前後の生徒は「基本的な問題をある程度解ける」レベルであって、決して「江戸取」前~中盤が解ける力を持ち得ていない。

 

[基本問題と応用問題]

この学校のテストで大半を占めている問題のレベルは、もう一つ二つ上の「応用レベル」での基本問題と言える。江戸川取手の場合、合格の鍵を握る付近の問題はいずれもそうであり、実に受験生にとって「痛い」ところを突いてくる。難しいとも簡単とも言えない、解けそうで解けない−「隔靴掻痒」という四字熟語があるがそんな気分にさせられる問題が群をなしている。

この入試問題は算数の実力者とそうでないものを分ける分岐点なのだ。

この学校に受かるためには、基本問題だけではなくて、もう一つの上のレベルでの対策を厚く行う必要がある。
夏休みか、遅くとも9月頃までには、「四科のまとめ」や「ベストチェック」あたり(つまり、基礎とかベーシックと呼ばれる一行問題レベル)の水準までは克服しておきたい。

江戸川取手で言えば、【大問1】にあたる内容である。迅速に正確に解けるようスキルを磨いて先に進みたい。

受験の成否を分ける、【大問2】~【大問7】にかけての対策は、秋~初冬にかけて時間を十分とって多くの問題にあたりたい。
江戸川取手の問題において、「出来るか出来ないか」の分岐点にある、具体的な公式・解き方は以下のものを参考にするとよい。

 

[代数]

「一定の量がない倍数算」⇒一方の比を○で囲い、比例式で解く求め方。
「売買損益」⇒「利益=総売上−仕入れ値の合計」
平均算や食塩水の面積図による解き方
割合のつるかめ算とその解き方
「1」からN番目までの奇数の和=N×N

 

[図形]

・外角を使って多角形の和を求める解き方
・30度、60度、90度の直角三角形の辺の比(2:1)
・3:4:5、5:12:13などの辺比を持つ直角三角形
・高さが等しい三角形において、底辺の比=面積の比
・半径の値が分らない円の面積の求め方
・おうぎ形の面積の公式=弧×半径÷2
・円すいの側面積=母線×半径×円周率
・斜めに切断した直方体の体積の求め方
・特殊な三角すいの展開図は正方形にまとめられる
・円すいをころがしたときの回転数=母線÷底面の半径
・その他、時計算・N進法などあまり触れる機会がない問題の解き方

これらの公式や解き方を身につけてからは、ランダムに中程度の問題に多くあたりたい。

江戸川取手の問題には奇問はないので、同レベルの学校の過去問よりは、精選された問題集などで良問をたくさん解く方がよい。

必ず解いたことのある問題に本番でも出会うはずだ。それは大きなアドバンテージをうむ。

 

[最後に]

最後に、60分という時間の使い方だが、これは集中力を維持できる時間としてはかなり長い部類に入る。ましてや本番は四科目であり、テスト時間だけでも3時間20分という中学受験最長レベルのものだ。
2時間足らずのテスト時間で受かる学校もあるのだから、社会科で言えば「1分の格差」問題につながりそうである。

本番にあたっては、気力・体力を充実させて当日を迎えたい。コンディションが大切なことはスポーツなどでもおなじみのことだ。
同じ学力があっても力を発揮できるかどうかはひとえに当日の調子にかかっている。

算数においては、前半スムーズに問題解法が進むと、中~後半にかけて余裕が生まれてくる。
そのためには当然の帰結となるが、普段の勉強量の豊富さ、内容の質の高さが肝心である。

ボリュームたっぷりな江戸川取手の良問群にぶつかり、来春見事に合格点に達することを目標にしてがんばっていこう!

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2019年度「江戸川学園取手中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

60分で大問が7,小問が28(150点満点)。
【大問1】は簡単な計算問題と基本的な一行問題で、【大問2】以降は「標準」または「やや難」の文章題から成り立っている。本年度は小問の数が昨年度より6問多かった。
本校テスト問題の難易度は下がる傾向にあり、今年もそれは変わらなかった。

合格点をとるためには100点以上が必要であり、基本問題はほぼ完璧におさえておきたいところだ。
大問1つあたり8~10分の時間はかけられるので極端な時間不足と言うことないだろう。ただし、設問によってはかなり難しいものも含まれているのでその取捨選択も大切なポイントで、出来る問題を確実に正解することが合格への最低条件となる。

【大問1】計算問題・周期算・面積

  • 難度:
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

本年度もまた(1)はやさしい計算問題。ウォーミングアップ。

(2)は2÷7を計算して小数点以下に周期を見つける典型的な周期算。

(3)は図の長方形を半分に区切ると何度も解いてきた「アーモンド型」の斜線部分が姿を現す。解き方はいくつもあるので自分が解きやすいものを身につけよう。

【大問2】場合の数(組み合わせ)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

何種類かの硬貨を組み合わせて「支払うことができる金額」を調べるのが(1)、1600円という「決まった金額の支払い方」を調べるのが(2)になっていて、これも【大問1】の小問同様解き慣れた、やり慣れた問題であることと思う。
しかし、作業の細かさは【大問1】とは大違いで、数えミスをして失点する可能性はどの大問よりも高いかもしれない。慎重に時間をかけて調べよう。

(1)の場合、最も小さい金額から最も大きい金額までのうち、どこからどこまでが支払えるかを規則性を使いつつ調べていく。

(2)は使う硬貨の枚数をグラフにまとめていくのが標準的な解き方。「どの硬貨も少なくとも1枚は使う」とあるから、はじめから1600-(500+100+10)=990(円)として表を作成していくのも手慣れたテクニックだろう。

難しくはないもののミスをしがちな問題なので、得点差がつきやすい。

【大問3】平面図形(相似)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

平行四辺形の中に対角線などいくつかの直線が引いてあり、三角形の相似の関係から面積や辺の比を求めていくというこれもまた典型的な相似形の問題になっている。できれば3問とも、少なくとも(2)までは正解しておきたい。

この手の問題を解くときには、自分なりに解きやすいやり方をマスターしておくべきだろう。例えば、平行四辺形ABCDの面積を「1」とおいて解き始めるかまたは「(3×8=)24」とおいて解き始めるか、はじめから方針を立てておこうと言うことだ。
ここではBCの長さを3,ABの長さを8として面積を24としたほうが計算がスムーズにすすると思われる。

(2)からはさらに補助線を必要とするので、この問題が解ききれなかった生徒はしっかりと復習をして相似の問題に強くなって欲しい。

【大問4】速さ(旅人算)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

(1)は容易に答えが求まるので点差がつきやすいのは(2)だ。解説を読めばさほど難しいことをしなくても応えに行きつけるもののあまり既視感のない問題だけに注意が必要だ。

(2)2回目と1回目では速さがそれぞれ毎分20m遅いので1回目に出会う15分走った時点ではそれぞれ20×15=300(m)短くなっている。このうち、Aはこれより90mよけいに動くので逆にBは90m短く動くことになる。(300-90)÷3が2回目のBの速さとなる。

【大問5】場合の数(順列)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

昨年度もそうだったが、やり慣れた「順列」の大問なのでしめた、と思いがちである。単純に塗り分けをする問題に過ぎない。

(1)はボーナス問題と言えるだろう。しかし(2)(4)を正解するには問題文をよく読み、どの設問もしっかりと場合分けをして行く必要がある。

特に色の数にも変化があるので甘く見てかかると思わぬしっぺ返しを食う。一見易しそうに見えて実は手強い、が「江戸川取手場合の数」の特色だ。

【大問6】立体図形(水槽とグラフ)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

水槽の中に仕切りが2つあり、その仕切りの高さを水の深さが越えるたびにグラフに変化が現れるという問題で、どちらかと言えば典型的な出題と言えよう。それだけに間違いは許されない。

(1)からの数値を求めるときは、グラフのはじめの部分から(2)の答えを出しその数値を使って水の体積で求めていっても良いができれば「手前の横の長さ」や「仕切りの高さ」「水を入れた時間」などから比を用いてスマートに答えが出せると時間を短縮できる。
たとえばの答えは「40:20=2:1より、30÷2×1+30=45」、の答えは「45:105=3:7より、15÷3×7=35」というように…

(3)でもやみくもに水の体積を使っていかずに「水の量が2倍になる=入れる時間は半分になる」を使って答えを求めていくとスマートに求めることができる。

解答者のセンスが問われる大問ではあるもののセンスが悪くても正解する方が良いに決まっているのでできる範囲で良い解き方を追求してみよう。

【大問7】数の性質(整数問題)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分

最後の大問はやさしいと感じるか難しいと感じるかよくわからないところがあり、案外単純に答えが出るものの解き方を模索して迷い道に入ってしまうかもしれない。

(1)17箱使ったのだから出した鉛筆は12×17の204本であり、これを65で割ればも答えることができる。こんな…4年生でも解ける答えの出し方でいいのだろうか、とかえって戸惑いを見せてしまうところがこの問題の難しいところだ。
そのあとのを解くにしても、鉛筆の本数を65×○+1とおいて、○に整数をあてはめていき(○の整数は奇数のみで良い)、その数値が12の倍数になるかどうか調べていくだけである。
よりは手がかかるもののとても江戸取の「トリ」とは思えないところがある。

(2)は難問になっていて、65と12の最小公倍数を用いる解き方になっている。

(1)をうまくクリアできたかがポイントだ。

攻略のポイント

テスト時間は60分で150点満点。
本年度を含めて5年続けて比較的解きやすい出題となったので、問題の水準は固定したものと考えて良い。
本年度だと【大問4】【大問6】がポイントで、ここでどれだけ正解できるかが合否を大きく分けることとなった。逆に他の問題は得点できる設問が多く、標準レベルの大問(【大問2】【大問3】【大問5】など)はできれば全問正解しておきたい。

「江戸川取手中学」の算数において、合格点を取るためには以下の点に注意して進めていこう。

・手元にある教材の中から過去問と同程度の問題を多くこなし、必要な解き方や公式などを身につけること。

分野において大きな偏りはない。最も出題されやすいとされる典型題の類、さらには「図形」「速さ」「場合の数」など、「中学受験一般に出やすい分野」に合わせて勉強していけばよい。

・過去問にあたる時の注意としては、時間と問題数である。通常の入試問題に比べると時間が長く、問題数も多いので、与えられた60分を有効的に使えるよう時間配分を考え、むやみに時間が余ったり、また足りなくなったりしないよう、うまいペースを身につけておきたい。
つねに安定した学習を継続し、自分の力を十分に出せるよう仕上げていこう。

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