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江戸川学園取手中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「江戸川学園取手中学校の算数」
攻略のための学習方法

江戸川学園取手中学の算数は、問題の分野・難易度よりも、むしろテスト時間やその問題量に特徴がある学校である。
1月校ではたまに見かけるが、時間や量を増やすことで、偏りなく全分野の力を均等に見たいという学校側の姿勢が伺える。
小学生には限界に近い分量だが、学校が求めていくものに合わせて、対策を立てていきたい。
過去問を数年間見てみても、出題されているのは、参考書や問題集で見かけたことがあるようなものが多い。レベルとしては上・中・下の「中」あたりの問題である。
多くの生徒は、分らなかったとしても、その解き方を知れば、「ああなるほど」と説明に納得し、理解できた問題として処理されるだろう。
設問もシンプルなものが多く、テスト中盤までは設問を読めば「解き方→解答」までが見通せるものが多い。解きやすい、教えやすいという印象だ。
しかし、ここで引っかかってはいけない。
なぜ「江戸川取手」が難関校なのかと言われれば、上記のような「わかりやすい」問題を合格者はことごとく解いてしまっているからである。
つまり、これら中盤の解きやすい問題は、ほぼ正解できていないと合格はなく、出来なかったときの「さわやか感」「喪失感」など味わってはいられないからだ。
一見とっつきやすいけれども、ミスの許されないこわさ、それが「江戸取」をして難関校と言わしめている由縁なのである。
だいたい、この学校の中盤問題を失点少なく解けている生徒は、算数の偏差値が60くらいはあると思われる。
受験においては、平均点付近が偏差値50で一つの基準となっているが、偏差値50前後の生徒は「基本的な問題をある程度解ける」レベルであって、決して「江戸取」前~中盤が解ける力を持ち得ていない。

[基本問題と応用問題]
この学校のテストで大半を占めている問題のレベルは、もう一つ二つ上の「応用レベル」での基本問題と言える。江戸川取手の場合、合格の鍵を握る付近の問題はいずれもそうであり、実に受験生にとって「痛い」ところを突いてくる。難しいとも簡単とも言えない、解けそうで解けない−「隔靴掻痒」という四字熟語があるがそんな気分にさせられる問題が群をなしている。
この入試問題は算数の実力者とそうでないものを分ける分岐点なのだ。
この学校に受かるためには、基本問題だけではなくて、もう一つの上のレベルでの対策を厚く行う必要がある。
夏休みか、遅くとも9月頃までには、「四科のまとめ」や「ベストチェック」あたり(つまり、基礎とかベーシックと呼ばれる一行問題レベル)の水準までは克服しておきたい。
江戸川取手で言えば、【大問1】にあたる内容である。迅速に正確に解けるようスキルを磨いて先に進みたい。
受験の成否を分ける、【大問2】~【大問7】にかけての対策は、秋~初冬にかけて時間を十分とって多くの問題にあたりたい。
江戸川取手の問題において、「出来るか出来ないか」の分岐点にある、具体的な公式・解き方は以下のものを参考にするとよい。

[代数]
「一定の量がない倍数算」⇒一方の比を○で囲い、比例式で解く求め方。
「売買損益」⇒「利益=総売上−仕入れ値の合計」
平均算や食塩水の面積図による解き方
割合のつるかめ算とその解き方
「1」からN番目までの奇数の和=N×N

[図形]
外角を使って多角形の和を求める解き方
30度、60度、90度の直角三角形の辺の比(2:1)
3:4:5、5:12:13などの辺比を持つ直角三角形
高さが等しい三角形において、底辺の比=面積の比
半径の値が分らない円の面積の求め方
おうぎ形の面積の公式=弧×半径÷2
円すいの側面積=母線×半径×円周率
斜めに切断した直方体の体積の求め方
特殊な三角すいの展開図は正方形にまとめられる
円すいをころがしたときの回転数=母線÷底面の半径
その他、時計算・N進法などあまり触れる機会がない問題の解き方
これらの公式や解き方を身につけてからは、ランダムに中程度の問題に多くあたりたい。
江戸川取手の問題には奇問はないので、同レベルの学校の過去問よりは、精選された問題集などで良問をたくさん解く方がよい。
必ず解いたことのある問題に本番でも出会うはずだ。それは大きなアドバンテージをうむ。

[最後に]
最後に、60分という時間の使い方だが、これは集中力を維持できる時間としてはかなり長い部類に入る。ましてや本番は四科目であり、テスト時間だけでも3時間20分という中学受験最長レベルのものだ。
2時間足らずのテスト時間で受かる学校もあるのだから、社会科で言えば「1分の格差」問題につながりそうである。
本番にあたっては、気力・体力を充実させて当日を迎えたい。コンディションが大切なことはスポーツなどでもおなじみのことだ。
同じ学力があっても力を発揮できるかどうかはひとえに当日の調子にかかっている。
算数においては、前半スムーズに問題解法が進むと、中~後半にかけて余裕が生まれてくる。
そのためには当然の帰結となるが、普段の勉強量の豊富さ、内容の質の高さが肝心である。
ボリュームたっぷりな江戸川取手の良問群にぶつかり、来春見事に合格点に達することを目標にしてがんばっていこう!

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2016年度「江戸川学園取手中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

60分で大問が7、小問が22(150点満点)。
出題数・量は昨年度と同程度だが、やさしい計算問題が加わった分負担は少なくなった。
本年度はさらに問題の難易度が下がり、受験者平均は「東大ジュニアコース」で91.6点だった。
受験するコースによって合格点は変わってくるけれど、問題のレベルを考えると100点くらいは取っておきたいテストだ。大問を平均8分でこなしていければ、時間不足による失点は防げたと思われ、それも決して難しい数字ではない。

【大問1】計算問題・割合・条件整理

  • 難度:
  • 時間配分:6分

(1)は平易な計算問題が3問並んだ。いずれも小数と分数の混合計算だが、計算の順序とケアレスミスがなければ準備運動のような問題。
(2)・(3)も論ずるほどではない基本的な問題で、失点するのが難しいくらい…

【大問2】速さ(流水算)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

いきなりやや難度の高い流水算が登場して驚かされる。
(1)が解けないと全滅があり得るだけに、慎重に事を運びたい。逆に(1)が解けていれば(3)まで解くのは容易だ。
下りの速さは18+(流速)、上りの速さは12-(流速)となり、この速さの比はかかった時間から2:1となる。下りと上りの速さをたすと(流速)が相殺されて30となり、これが比3にあたる。したがって比1あたりは10となり、12-10=2km/hと答えが求まる。あとは簡単。
上のような解き方ができないと(1)は求まらないのでここでひっかかった受験生も多かったのではないか。

【大問3】平面図形…影の問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

この問題も図を見た瞬間ぎょっとなる問題だが、影の先端が壁におよんだ時点で終わりなので標準的な影の問題で止まっている。
(1)では真上から見た図を描くと、図形の形もおのずからわかるだろう。
(2)は相似の関係を使って影の面積を求める。
(3)では一転して横から見た図を書くことで三角形の相似を利用する問題とわかる。
ここは3問ともしっかりと正解しておきたい。

【大問4】分数の数列

  • 難度:やや難
  • 時間配分:6分

規則はすぐわかるもので(1)・(2)はさらっと解けるものの(3)は突然難易度がアップ。
544を素因数分解してとなりあう分数の分母を調べるという手口はわかるものの面倒な設問である。
【大問3】までで時間に余裕が持てた生徒は取り組んでもよいが無視せず先に進むという選択肢が賢明かもしれない。

【大問5】場合の数

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

この問題は面白い。(1)はまだしも、(2)では使える枚数の制限があるため頭を使わないと解けない設問になっている。しかしこの問題はここまで。(3)は数え上げる時間が十二分にあっても調べる気にはならない。

【大問6】差集め算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

やや応用がかった差集め算と言うことで、多くの生徒は塾などで解いたことがある問題だったろう。ここも(2)はやや難度が高くなっており、調べていく必要があるので余裕がない場合は飛ばしてもかまわない。

【大問7】平面図形(直角三角形の相似形など)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

昨年同様、これが最後の問題か…と拍子抜けするような大問で、むしろ【大問4】~【大問6】のほうに難度の高い設問が見られた。
(1)は3:4:5を使った直角三角形の相似問題。何をかいわんや。
(2)は折り重なった三角形が二等辺三角形になることくらいみんな知っている(?)。
(3)ではBT:TS:SDの比を2種類の相似形から求めていくという問題だが、相似形があっさりとわかるので倍数でそろえるときが面倒なくらい。標準的。

攻略ポイント

テスト時間は60分で150点満点。
本年度もまた昨年度に引き続き易しい出題だった。
やり応えのある設問も2・3存在するものの合格点はそれらの設問とは無関係なところにあり、捨て問として捉えても合格には何の差しさわりもなかった。
このことを踏まえると、受験生はオーソドックスな勉強法によって、合格ラインを安心して超えることが出来るようになったと言えるだろう。

受験者平均は「東大ジュニア」「医科ジュニア」「難関大ジュニア」の順に91.6、83.9、69.1で、合格者平均は同じく順番に117.8、113.6、91.5となっているので、「東大・医科ジュニア」であれば100点台、「難関大ジュニア」であれば80点くらいが合格ラインになるだろう。いずれにしても前にも書いたとおり、過去問練習でも100点は取っておきたい。
難易度の高い設問については、算数でより貯金しておきたい生徒に向けてチャレンジ問題となっている。その設問のレベルに届かないからと言って、心配することはない。これは例年と同じである。

「江戸川取手中学」の算数において、合格点を取るためには以下の点に注意して進めていきたい。
・手元にある教材の中から過去問と同程度の問題を多くこなし、必要な解き方や公式などを身につけること。
・分野において大きな偏りはない。最も出題されやすいとされる典型題の類、さらには「図形」「速さ」など、「中学受験一般に出やすい分野」に合わせて勉強していけばよい。
・過去問にあたる時の注意としては、時間と問題数である。通常の入試問題や模試に比べると時間が長く、問題数も多い(模試では30題くらい出る場合もある が)ので、与えられた60分を有効的に使えるよう時間配分を考え、むやみに時間が余ったり、また足りなくなったりしないよう、うまいペースを身につけておきたい。つねに安定した学習を継続し、自分の力を十分に出せるよう仕上げていこう。

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