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法政大学国際高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2025年度「法政大学国際高等学校の国語」
攻略のための学習方法

解法

「選択肢」「抜き出し」「空所補充」、その他の問題も含め、「法政大国際の国語」で勝利を手中に収めるための基本は、「解法」をいかにうまく使うかということだ。「解き方」が安定しなければ、「得点力」はアップしない。「論説文」(説明文)と「小説」「随筆」、それぞれに応じた独自の「解法」。そして、全てに共通する「解法」。それらを体系的に理解して定着させ、応用できるようにしなくてはならない。

そこで肝要なのは、「復習」の仕方だ。「答え合わせ」をして「解説」を読み納得した。問題はその後だ。「考え方のプロセス」を「トレース」することが必須。万一、「トレース」できないとすれば、そのこと自体が問題になる。「解説」が定まっていない証だからだ。

そして、「間違った問題」こそ宝の山だと認識すること。「解き方のプロセス」のどこで誤ってしまったのか? その「分岐点」をしっかりと確認して頭に刻み込んでおくことこそが、同じ間違いを繰り返さない秘訣になる。

さらに、いくつもの練習問題を通じて同種の設問に共通する「解き方のプロセス」を身につけたい。それが「解法」となる。そうして理解、習得したものを書き留めた自分自身の「解法ノート」を作成しておきたい。解き方に迷ったらそのノートを確認して、確実に応用できるようにしておくこと。繰り返すことで、やがて自然と「解法」を用いて解くようになるはずだ。

速読

大学入試にも匹敵、あるいはそれ以上の問題文を読まなくてはならない。全体で9000字程度。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。

「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。

「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックしつつ、「心情表現」を拾いながら素早く読んでいく。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。

法政大国際に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。

知識

「高度な語彙力」だけではなく、「文法」や「国語常識」も含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる「法政大国際の国語」(直接出題だけではなく、「本文読解」等でも必然的に問われる)。いかなる「攻略法」があるのか?

「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ、かも知れない。が、そこで諦めてしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。先ずは、「己が実力」を悟ることだ(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。

過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。

さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されることがあるし、「問題文理解」にも不可欠だ。特に、「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。

なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・語句・文法1500」(旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら「中学入試レベル」からの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。

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2025年度「法政大学国際高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「論説文」、出典は四方田犬彦「サレ・エ・ペペ――塩と胡椒」(文字数約5900字)。小問は全16問(解答数19)。「選択肢」(「空所補充」、「不適切」、「総合的知識問題」、「複数完全解答」等あり)、「抜き出し」(1問)、「漢字の書きとり」(4問)など。問題文は7分弱で読み切り、設問を20分弱で解きたい。
大問は「随筆」、出典は野上弥生子「広島に就いて」(文字数約4300字)。小問は全17問(解答数21)。「選択肢」(「空所補充」、「指示語内容」、「総合的知識問題」などあり)、「漢字の読み」(5問)など。問題文は5分ほどで読み切り、設問を19分程度で解きたい。

【大問一】

  • 時間配分:24分

人は食べる。いつも食べる。だが「食べる」とは、過去の自分が食べてきたものを、個人的に想い出すことだ――本文では、日本料理が外国の料理体系と食材の不断の影響のもとに変容を続けている文化だということを無視して、「WAshoku」を国際的観光ブームの対象に仕立て上げることは、日本の食文化の持つ多様性の抑圧になると指摘している。22もの「※語注」があり、かなり難解だがなんとか内容を理解したい。実に多種多様な小問が並ぶ大問だ。以下、いくつか確認してみたい。

[問1] 「漢字の同音異字判別選択肢」(全4問/各4択)。
「総合的知識問題」。二重傍線部(a)(d)に「相当する漢字を含むもの」をそれぞれ答える。「文脈」から「語」の中で熟語を特定し、各選択肢の「同じ漢字」を判別する。「4問」ではあるが、結局「20の熟語」が分からなくてはいけないということだ。厄介ではあるが、本年度の難易度は標準的だ。本校志望者であれば「全問正解」といきたい。やや悩ましいもの2問だけを確認する。
二重傍線部(b)カイム」⇒「カイム」?=「皆無」(=「全く無いさま」)、各選択肢は、(1)「カイダンを上がる」・(2)「コンサートをカイサイする」・(3)「提案をカイダクする」・(4)「カイキ日食」⇒「答え」は(4)の「皆既日食」⇒やや難問だ。(d)「ジン」=「人為」(=「自然の状態に人が手を加えること」)、(1)「セイのいい若者」・(2)「インを引き受ける」・(3)「セイ者を批判する」⇒「答え」は(3)の「為政者⇒これは「高校入試」の定番だ。これら2問以外の選択肢の「熟語」についても当然、定着していなくてはいけない。
                                   <時間配分目安:1分半>

[問2] 「空所補充の語句選択肢」(4択)。
総合的知識問題。慣用表現。本文最初の段落の空所  A  に「入る語」を答える。空所前後は「中国側の  A  が揃わないのと、……」となっている。
各選択肢は、(1)「毛並み」・(2)「月並み」・(3)「人並み」・(4)「足並み」。「文脈」として「~が揃う」という用法が成立するのは、「毛並み」と「足並み」で、内容を読み取れば、「答え」は(4)の「足並み」だと判別できなくてはいけない。
本校が求める「語彙力」の一端が分かる問題だった。
                                   <時間配分目安:30秒>

[問3] 「換言内容説明選択肢」(4択)。
傍線部(B)の「『和食』の音をそのままローマ字に直しても意味をなさない」とは「どういうことか」を答える。「選択肢設問」は「消去法」が原則。
先ずは「原意消去」をしたい(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)。ここは「換言説明」なので、「意味をなさない」の「換言」として結びつかないものを「消去」することになる。各選択肢の「文末」を確認する(「選択肢」の説明で最も重要な要素は「文末」に記されている)。
(1)「意味の伝達が生じるのはあり得ないということ」。(2)「アピールとしては弱いということ」。(3)「違和感を覚えるものだということ」。(4)「(料理の実物を示すことが)重要だということ」。 どうだろうか? 「意味なさない」のだから、「意味の伝達が生じるのはあり得ない」以外は「消去」だと分かるはずだ。「同一意味段落」を確認して(「論説文」では「同一意味段落」に「根拠」「手がかり」がある)、他の部分の説明も特に誤っていないと判断できる。よって、「答え」は(1)になる。見事な「一発消去」ではないか。
「原意消去」を完璧にマスターして活用すべし。 
                                  <時間配分目安:1分弱>  

[問4] 「空所補充の熟語記述」(「漢字2字」)。
総合的知識問題。「熟語」の意味・用法。本文中の空所  C  に「入る熟語」を示されている「語群」から「漢字二字」を組み合わせて答える。
前後の「文脈」から「ゆきわたる」といった意味があてはまると分かる。
「語群」は、「続」・「透」・「食」・「持」・「明」・「浸」。であれば「答え」は「浸透」だと判断したい。これまた本校が求める「語彙力」の一端が分かる問題だ。
                                   <時間配分目安:30秒>

[問6] 「内容説明選択肢」(4択)。
傍線部(E)「内容空疎な文章のお手本」の「表現に込められた筆者の意図」を答える。
無論、先ずは「原意消去」をしたい。ここは「内容説明」なので、「内容空疎」の「原意」と結びつかないものを「消去」していく。
各選択肢の「文末」と照合するのが基本だが、本問の選択肢説明はとても短文なので、全体で確認する。
(1)「見せかけだけで実質的な中身のないことをあてこすっている」。(2)「的確な表現で内用を簡潔にまとめていることを評価している」。(3)「語句選びが適切ではなく、内容に齟齬が生じていることを批判している」。(4)「字句が整っていて文法が破綻していないことを賞賛している」。 どうだろうか? 「内用空疎」なのだから、「見せかけだけで実質的な中身のない」以外は「消去」だと即判別可能だ。「同一意味段落」を確認して、他の部分の説明も特に誤っていないと判断できる。よって、「答え」は(1)だ。改めての見事な「一発消去」ではないか。
「原意消去」は本校合格への「ショートカット」として不可欠だと心得よ。
                                   <時間配分目安:1分>  

[問12] 「理由説明選択肢」(4択)。傍線部(K)「東洋(アジアではない)」について、「なぜ『アジア』ではなく『東洋』なのか」を答える。先ずは「原意消去」。ここは「理由説明」なので、「『アジア』ではなく『東洋』」の「直接的理由」として結びつかない「説明」を「消去」したい。各選択肢の「理由」⇒「だから」⇒「『アジア』ではなく『東洋』」とつながるかどうかだ。本問の選択肢説明も短文なので、全文と照合する。
(1)「ヨーロッパの『東』に位置していることをはっきりさせるため」、(2)「アジア全域ではなくアジアの南東部を限定して指しているから」、(3)「魅惑的な雰囲気を出すには漢字で表記するのが重要であるから」、(4)「あくまでも『西洋』に対する非『西洋』であることを示すため」。「理由」を「同一意味段落」から読み解いていきたい。すると、西洋人にとって西洋ではない「未知の場所」のことを「東洋」と表記していることが分かる。
よって、「『西洋』に対する非『西洋』であることを示すため」という(4)が「答え」になると判別できるはずだ。
本問のように「同一意味段落」を読み解いて解く問題もあるが、先ずは「原意消去」を個々みることが肝要だと心得よ。
                                   <時間配分目安:3分強>

[問13] 「換言内容説明選択肢」(4択)。傍線部(L)の「みずからを商品として提示し、そこにナショナリズムの拠点を置く」とは「どういうことか」を答える。無論、「原意消去」からだ。ここは「換言説明」なので、「ナショナリズムの拠点を置く」の「原意」の「換言」として結びつかないものを「消去」することになる。各選択肢の「文末」を確認する。
(1)「積極的に売り込むこと」。(2)「固有の文化的基礎に位置づけたということ」。(3)「自民族の優位性を示すものであるということ」。(4)「ナショナリズムを打ち立てたということ」。 どうだろうか? 
「ナショナリズムの拠点を置く」のだから、「固有の文化的基礎に位置づけた」以外は「消去」だと分かるはずだ。「同一意味段落」を確認して、他の部分の説明も特に誤っていないと判断できる。よって、「答え」は(2)になる。いま再びの「一発消去」ではないか。
やはり、「原意消去」は完璧にマスターして活用すべし。 
                                  <時間配分目安:1分強>  

[問15] 「条件付き理由説明の抜き出し」(「一文」の「最初の5文字」指定)。傍線部(N)の「日本料理を定義することが不可能であり、無意味でもある」ことの「理由」を述べた「一文」を探し、「最初の五文字」を抜き出して答える。「条件」は「これ以降の箇所から探す」こと。「抜き出し問題」では、「抜き出すべき内容」を捉えた上で「抜き出し範囲」を特定し探していく。先ずは「内容」だが、設問のとおりだとすぐに分かる。次に「範囲」、本文は「論説文」なので「同一意味段落」だ。ただし、本問では「条件」で「範囲」が指定されているので、それに従う。
丁寧に探していくと、本文最後の形式段落の冒頭に、「歴史的にも、また地理的にも、日本料理とは外国の料理体系と食材の不断の影響のもとに変容を続けている文化にほかならない。」という「一文」がある。「外国の料理体系と食材の不断の影響のもとに変容を続けている」→だから→「日本料理を定義することが不可能であり、無意味でもある」。「理由」として成立する。「範囲」全体を改めて確認しても、他に相応しい「一文」はない。
よって、「答え」は「歴史的にも」になる。
尚、「抜き出し問題」では「候補」はひとつとは限らない。「範囲」を網羅的に確認し、全ての「候補」をチェックしてみることが肝要だ。
                                   <時間配分目安:2分半>

[問16] 「意味内容説明選択肢」(4択)。
傍線部(O)の「最もグロテスクな神話化」とは「どういう意味か」を答える。「原意消去」を試みる。ここは「意味説明」なので、「グロテスクな神話化」の「原意」の「換言」として結びつかないものを「消去」することになる。各択肢全体と照合する。
(1)「客観性を無視して礼賛する異様な狂信性」。(2)「無理やりに権威を持たせる醜悪な絶対化」。(3)「多様性をいっさい認めない排他的な主張」。(4)「他を圧倒しようとする不気味な国家主義」。 「最もグロテスク神話化」なのだから、「醜悪絶対化」以外は「消去」だと分かるはずだ。「同一意味段落」を確認して、他の部分の説明も特に誤っていないと判断できる。よって、「答え」は(2)だ。本問も「一発消去」だった。
やはり、「原意消去」は本校合格への「ショートカット」だ。
                                    <時間配分目安:1分>

【大問二】

  • 時間配分:24分

「ヒロシマ」では、焦げ崩れて散乱したがれきの前では語ることも説明することも要しない。必要ならば、たった一言書きつければよい。「ここを見よ」と……。夏目漱石の門下生だった作者が友人の住む「ヒロシマ」を訪れ、その際の感慨をさまざまな視点から語り、綴っている。「時代背景」もあり、「注」が21もあるが、なんとか内容は理解できるはずだ。【大問一】同様に多様な設問構成。以下、いくつかの設問を検証する。

[問1] 「漢字の読み」(全5問。「ひらがな」指定)。
本文中の二重傍線部の「漢字」の「読み」を「ひらがな」で答える。例年と比べるとやや難易度が高いか? だが、本校志望者であれば「全問正解」をしたい。確認する。是非一度は行ってみたい」=「ぜひ」⇒高校入試での十八番(「読み」も「書き」も)⇒ここでは「どんな困難も乗り越えて実行しようとするさま。どうあっても。きっと」という意味。「世界平和の祈願」=「きがん」⇒問題なし。「それを葬り……」=「ほうむ(り)」⇒「存在を隠して忘れさせる」ことだ。莫大な費用」=「ばくだい」⇒流石(さすが)に読めるはず⇒これまた「書きとり」でも。憂き目には逢いたくない」=「う(き)め」⇒「憂き目に逢う」(=つらい目にあう。悲しい経験をする)という慣用表現で覚えておきたい。
本校では、平易から難解までの確実な「漢字力」を培っておくことが肝要だ。
                                <時間配分目安:全問で1分強>

[問2] 「語句の意味の選択肢」(4択)。
「総合的知識問題」。傍線部(A)「始末」の「ここでの意味」を答える。「原意」(=「本来の意味」)での特定を優先させ、それが困難な場合は前後の「文脈」から判断していく。各選択肢は、(1)「腹づもり」・(2)「ありさま」・(3)「いきさつ」・(4)「騒ぎ」。「答え」は当然、(2)の「ありさま」になる。「始末」は「多義語」なので注意したい。尚、「本文中の意味」・「文脈」にこだわり過ぎると,「原意」からかけ離れてしまって誤答となる場合があるので、要注意。
本校ではこの程度の「語彙力」は必須だと心得よ。
                                   <時間配分目安:1分強>

[問3] 「比喩換言内容説明選択肢」(4択)。
傍線部(B)「詩のような土地」について、ここでの「詩」は「どのようなものだと考えられるか」を答える。「選択肢設問」は「消去法」が原則。「随筆」であっても、先ずは「原意消去」から。ここは「比喩換言内容説明」なので、「詩」の「比喩」として結びつかない「換言」を「消去」することになる。(1)「どこかに不安や恐怖を潜ませているもの」。(2)「つかみどころのないもの」。(3)「はかなく美しいもの」。(4)「生命力にあふれるもの」。 「同一場面」の直前直後から、「詩」がどのようなものの「比喩」として用いられているのかを読み取りたい(「小説」や「随筆」では「同一場面の直前直後」に「ヒント・手がかり」がある)。
小学校の友人からの手紙には、「くらしが楽で、気候が暖かくて、景色が美しい」など、ヒロシマの生活のなかでの喜びが「詩の中の情景のように」、生き生きと綴られていたことが分かる。よって、「生命力にあふれる」以外は「消去」だと分かるはずだ。「同一場面」を確認して、他の部分の説明も特に誤っていないと判断できる。よって、「答え」は(4)になる。「随筆」でも見事な「一発消去」ができた。
「原意消去」を完璧にマスターして活用すべし。 
                                   <時間配分目安:1分強>

[問4] 「心情説明選択肢」(4択)。
傍線部(C)の「終(つひ)に来るべきものが来た念(おも)い」とは「どのような思いか」を答える。先ずは「原意消去」だ。ここは「心情説明」なので、傍線部の「心情」として結びつかない「思い」を「消去」することになる。(1)「攻撃がとうとう日本でも行われてしまったという思い」。(2)「原子爆弾がついに使われたという思い」。(3)「ヒロシマの地を訪問する機会がやっときたという思い」。(4)「ヒロシマが破壊さされてしまったという思い」。
「同一場面」の直前直後から、「どのような思い」なのかを読み解いていきたい。直前から、「内乱直後のスペインを訪ねた私は、近代戦のむざんさは十分に知っていた」⇒「終(つひ)に来るべきものが来た念(おも)い」と結びついていることが分かる。であれば、「攻撃がとうとう日本でも行われてしまった」以外は「消去」だと分かるはずだ。「同一場面」を確認して、他の部分の説明も特に誤っていないと判断できる。よって、「答え」は(1)だ。
本問は変則的だったが、先ずは「原意消去」を試みることには変わらない。
                                   <時間配分目安:2分強>

[問9] 「指示語換言内容選択肢」(4択)。
傍線部(H)の「あの」が「指す内容」を答える。「指示語」を開く(「指示語」が出たら即開くこと)。直前から、「あのヒロシマ」=「これがヒロシマ」=「私がこころに疑ったヒロシマ」⇒「私」は、平和公園の慰霊碑や「復興した現在のヒロシマ」見て、「十二年まえの生贄(いけにえ)のヒロシマを追う思い」に捉われて、「目の前のヒロシマ」に違和感を覚えたということが分かる。各選択肢をチェックする。
(1)「運命の名をつけ加えた」。(2)「暢(の)びやかな」。(3)「復興した現在の」。(4)「十二年まえの生贄の」。 もちろん、「答え」は(4)だ。「指示語」に関する設問は、本校に限らず頻出だ。
「開き方」のルールをしっかりと覚えて、応用できるようにしておくことが肝要だと心得よ。
                                   <時間配分目安:2分強>

[問10] 「指示語内容の理由選択肢」(4択)。
傍線部(I)の「こうした不安」を「筆者が覚えるのはなぜか」を答える。当然ながら、先ずは「こうした不安」の「指示語内容」をつかむ必要がある。直前から、「こうした不安」=「未来永劫に忘れてはならないはずの惨事の記憶をヒロシマの人々は忘れようとしているのではないかという不安」だと読み取れるはずだ。なぜ筆者はこうした「不安」を抱いているのかを「同一場面」から読み解いていく。「黄ばみかけた記念館の写真は、何年かすれば「もっとぼやけてしまいそう」だし、「のし餅をかぶったような恰好(かっこう)の慰霊碑もそのうちに「ただそこにあるそんなもの」になってしまいそうな感じだったという筆者の思いが読み取れる。ここで、「原意消去」を試みる。各選択肢の「文末」と照合したい。
(1)「(ヒロシマの原爆に関わる施設や記念碑などが)あまりにも型破りで不格好なものになっていたから」。(2)「(ヒロシマの原爆に関わる施設や記念碑などが)本来の目的とかけ離れたものになっていたから」。(3)「友人から聞いて思い描いたヒロシマの風情など、どこにも見いだせなかったから」。(4)「ヒロシマの人々が原爆の惨劇を忘れようとしているかのように感じられたから」。無論、「答え」は(4)だ。
「小説」や「随筆」では、「同一場面」を的確に読み解くことが肝要だと心得よ。
                                   <時間配分目安:2分半>

[問12] 「理由説明選択肢」(4択)。
傍線部(K)「主体性のあいまいな言葉である」について、「それはなぜか」を答える。ここでの「言葉」は直前から「あやまちはくりかえしません」という「文句」だとすぐに判明する。先ずは「原意消去」。ここは「理由説明」なので、「主体性のあいまいな言葉」の「直接的理由」として結びつかない「説明」を「消去」したい。各選択肢の「理由」⇒「だから」⇒「主体性のあいまいな言葉」とつながるかどうかだ。各選択肢説明の「文末」と照合したい。
(1)「原爆投下後のヒロシマの人々の意志を無視した内容になっているため」、(2)「(ヒロシマの人々に向けられた言葉なのか)人類全体に向けられた言葉なのかがはっきりしないため」、(3)「なにを『くりかえ』さないのかが不明なため」、(4)「(誰が『あやまちをくりかえ』さないのかが不明確で)また誰に発した言葉なのかも不明なため」。「主体性のあいまいな言葉」であるのだから、「誰が『あやまちをくりかえ』さないのかが不明確で、また誰に発した言葉なのかも不明」以外は無論、「消去」できる。「同一場面」を確認して、他の部分の説明も特に誤っていないと判断できる。したがって、(4)が「答え」になると判別できるはずだ。ここでも「一発消去」だった。
先ずは「原意消去」=「合格」への鉄則だ。
                                   <時間配分目安:1分強>

[問14] 「換言説明選択肢」(4択)。
傍線部(M)「相反する二つの感情がある」について、ここでの「『二つの感情』とは何か」を答える。直後で、「二つの感情」について、「この地を飽くまでも原水爆否定の推進地だとすべきだとするもの」と「あの出来事に関することは見たくも、聞きたくも、思い出したくもないというもの」だ。
各選択肢説明は、(1)「服従と抵抗」・(2)「記憶と忘却」・(3)「破壊と復興」・(4)「希望と慰め」。後者の「感情」は明らかに「忘れる」なので、「相反する」のだから、「答え」は(2)の「記憶と忘却」に決まっている。
ちなみに、選択肢の中の「希望と慰め」は「相反するもの」としては不自然だと判断できなくてはいけない。「希望」の「対義語」は普通、「絶望」や「失望」だ。
尚、「対義語」や「類義語」は本校では頻出なので、整理して定着させておきたい。
                                   <時間配分目安:1分弱>

攻略ポイント

完全に「ハイパーな時間勝負」となる。どう「攻略」すればいいのか? 要は「戦術」だ。中でも「解答順」が最重要。「得点できる問題」を「時間切れ」で逃すのは最悪だからだ。
先ずは、「論説文」と「小説」(随筆)のどちらの「大問」を先に解くか? これは、自分自身の特性に応じて事前に決めておくこと(本年度は大問2題だったが、一昨年度のように「漢字問題」が独立して3題の場合は無論、「漢字問題」が最初)。次に、「小問」は「知識問題」からこなすことが原則だ。要するに、「取れる問題を確実に押さえる」ことだ。逆にいえば「取れそうにない問題は潔く捨てる」という覚悟も求められる(「捨て問」があってもいい)。もちろん「単純ミス」は絶対にしてはいけない。「国語」の「受験者平均得点率」は過去7年間平均で66.7%、本年度はやや上がって71.2%。3科合計の「合格者最低得点率」が同56.0%、本年度は70.3%。

●「総合的知識問題」、単なる「語彙力」だけではなく、「口語文法」も含めて「あらゆる国語的知識」が求められているので決して侮れない。本校を志したその瞬間から、独自に「幅広い知識」を常に習得していくことが必要だ。学校や塾での学習だけでは全く不十分なので、「独習」は欠かせない

●試験時間は50分。時間配分にも細心の注意をすること。問題文は全体で例年8500字程度となっている(本年度は約10200字)。当然、速く正確に読み取ることが求められる。分速800字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

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