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浦和明の星女子中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2023年度「浦和明の星女子中学校の国語」
攻略のための学習方法

〇問題構成

例年、2つの大問に説明的文章1題・文学的文章1題の計2問が割り当てられている。ここに5~6問の漢字の読み書きと知識問題が数問、加わる。また、2018年度のように詩の問題が含まれる場合もある。総解答数は30問~35問ほど。

設問形式は記号選択・書き抜き・適語補充・記述などがバランスよく見られ、オーソドックスな形である。記述問題は30字ほどのものや字数指定のないものなどがあるが、極端に難しい問題にはなっていない。合格者平均点は毎年70~80点にも達し、高得点での争いになる覚悟が必要である。

〇長文読解と試験の特徴

特筆すべきは素材文の長さである。例年、10000字を超える文量であったが、2017年度では論説文5500字・物語文10000字の計15000字程にもなっている。2023年度では14000字ほどであった。さらに、長文問題に詩の問題が含まれるときもあり(2017年度)、選択肢問題の文字数も多く、字数が増している。中学入試全体を見てもこの文量は最多クラスであり、読むスピードを付けることは本校の対策として最重要課題である。

一方、各年度の合格者平均点は70~80点にもなり、受験者平均点も高いことから、その長さと比べて問題自体は答えやすい難易度であるとも考えられる。しかしそれも本校を志望する受験生の実力の高さ故でもあり、けっして簡単な試験だと思わないでいただきたい。

基本は長文読解の技術を磨くことである。長い文章を短くする。つまり、重要点をうまく拾い上げ、解答の際にすぐに探し出せるようにしておくことが、速く読むことと同時に求められる。

・段落の整理 形式段落を意味段落でまとめ、小見出しをつけておく。

・要点 各段落の最初と最後に特に注目し、傍線などで要点をマークする。慣れないと傍線だらけになってしまうが、基本的には一番大事な1文を選べるように練習する。

・要約・要旨 要点をまとめて要旨を把握する。日頃から、全体を要約する練習をしておくことは実力アップにもつながり、記述問題対策にもなる。字数を決めて書いてみるとなお良い。

・場面分け 時間・場所・人物の移動などで場面の変わり目をマークしておく。

・心情把握 人物の言動や情景から、気持ちを読み取る。特に気持ちに変化があった場面は問題になりやすい。

・主題 全体として、誰のどんな気持ちを描いた話なのかを考える。

全体を読み返す時間は無いと思われるので、一度の読みで手際よく重要点に目星をつけなければならない。

先にも述べたように、問題自体は特別な難問ではないので、手をつけられれば得点出来る可能性は高まる。そのためにも、時間内に全体に目を通せるスピードが必要になるのである。

平均点が高いので、わずかなミスでも差がついてしまう。過去問を十分に活用して、速く読み正確に答える訓練を積んでおかれたい。

〇詩

毎年ではないが、詩の読解も出題されている。出された時に慌てないように準備しておきたい。

〇漢字・知識問題

漢字の読み書きが5~6問、接続詞・四字熟語・慣用句・漢字の知識(画数・部首)などの言語事項が数問、出題される。かつては、文学史の問題も見られた。
幅広い分野を、学習しておきたい。

〇記述問題 

2022年度では最後に短文の記述問題が追加された。与えられた文章を利用して答えられる問題であったが、今後も続く傾向なのか注意しておこう。

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2023年度「浦和明の星女子中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

論説文・物語文で計14000字ほどにもなる長文を、まずは読み通さなくてはならない。分速700字として20分ほどで目を通すことができれば、総解答数34問の問題に30分かけられる。かなりの速さだが、ひととおりすべての問題に手をつけるためにも、この速さを会得したい。設問も字数が多いのでここでも時間がかかる。

【大問一】論説文の読解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

資源を採り尽くして環境を破壊してしまう人間の利己的な面を認めつつ、自制心をもって問題を解決できるはずだと筆者は希望も失ってはいない。

問1 a. 土用  b. 講(じる)

問2 Ⅰ. 【1】資源を採りすぎて枯渇させてしまう実例において、「シラスウナギ」と「牧草」、「密漁者」と「村人」がそれぞれ対応している。
    Ⅱ. 「資源を保全しなかったために枯渇させてしまう」事例として選択肢エは合わない。 

問3 「【 】ことを促す仕組み」という設問の表現は、本文中の「~行動するよう仕向けるメカニズム」と呼応している。人は共有地にあって所有者が存在しないものについては「後先考えず今だけの利益のために行動する」性質があるのである。

問4 ウナギ漁は夜中に光に集まるウナギの習性を利用した漁である。「夜陰」にまぎれて他人に見つからずに密漁できてしまうのである。

問5 肉牛は所有者(生産者)が決まっていて、私有地で飼育されているなど管理されてい
る。他方、ウナギは海という公共地にいて誰のものでもないため自由に収奪されてしま
う。

問6 肉牛は「飼育法」が確立されていて「私有物として管理」されているので、完全養殖できないウナギのように乱獲されて絶滅の危機に陥るようなことにはならないのである。

問7 密漁者はウナギが高く売れる(=われわれが「(例)ウナギを食べる」)から密漁するわ
けである。

問8 「枚挙(数を数える)にいとま(時間の余裕)がない」で多すぎて数えきれないという意
味になる。

問9 イ. 本文の表現では「狩猟」だけでなく「採集」も含まれているので不正確。

問10 理由について筆者は「未来の幸福のためにいま我慢できる理性」を挙げている。同じ意味の三字の言葉を指定範囲から探すと「自制心」が見つかる。

問11 エ. 人間の利己性を認めつつ、自制心に期待しているというのが筆者の態度であるから、「みんなで未来の~受け入れようとする精神」は合わない。

【大問二】小説の読解

  • 難度:標準
  • 時間配分:

学校や家庭でうまく人間関係を築けず孤独を感じていた主人公は、博物館で会った男に話しかけられ、言葉を交わす。

問1 a. こ(がし)
       b. はお(って)

問2 エ. ガムがもったいなくて泣いたわけではない。

問3 転校初日に話し方を笑われてしまったことが心の傷となって、「笑われるのは無視されるよりずっと嫌なこと」だと思ってずっと喋らないようにしていたことが独白されている。

問4 Ⅰ. 普通に考えれば泣き出したのはガムをこぼしたからだと受け止められそうな状況だが、男が主人公の学校や家庭で「いろいろ、ある」ことを見透かしたような発言をしたので、主人公は驚いたのだと考えられる。
    Ⅱ. 「他の大人の前では言わない続きが、するりと口から出た」とあるのが、主人公がこの男に対して他の人とは違う何かを感じて心を開き始めていることを示している。

問5 エディアガラ期は食べたり食べられたりする関係がなく生物は海の底で静かに生きているだけであった、という事実に主人公は惹かれているので選択肢イが合う。

問6 関の山――なしうる限度・せいいっぱい、などの意味。

問7 エ. 「へー」と反応している生徒もいるので、合わない。

問8 恐竜について皆の前で話したことで杉田という恐竜好きの友だちもでき、それまでの孤独な学校生活が変化し始めたことが読み取れる。

問9 男が博物館は「避難場所」だと言っていたことに注目。主人公も男も家庭や普段の生活に問題を抱えており、その共通点がきっかけとなって博物館で言葉を交わすことになったが、それはあくまで「避難場所」での例外的な関わりであり、それぞれに別の「連れ」が存在する互いの日常にまで踏み込むのは行き過ぎであると、男は言いたかったのだと推察される。

問10 【ア】パン 【イ】命 【ウ】 心

問11 C. 予期せず普段喋ったことのない同級生たちの前で話をすることになり、静まり返った周囲から注目されるこの「椅子の音」は、主人公の緊張を示す情景となっている。

問12 【A】男の「タイムマシンには乗れない」という発言から抜き出す。都合の良い過去に戻ることなどできないのだから、現実となんとか折り合っていくしかないという男の励ましにも似た言葉である。
   【B】孤独にさいなまれ、現実をつらく感じている主人公は食事をしても「味がぜんぜんわからなかった」。やがて状況は少しずつ好転し、コーラも甘いと感じられるようになった。
   【C】男との交流・杉田との交友を経て以前のような「透明の板に隔てられているという感じ」はしなくなった、と語られている。

攻略のポイント

文量も多く、平均点も高い大変な試験であるが、極端な難問にはなっていないし、選択肢問題などは得点しやすいものも多い。時間切れで手をつけられない問題が残っては大いに不利である。過去問を多くこなし、ひととおり最後まで終えるペース配分をつかむこと。
捨て問題を作るほどの余裕は無いと思ったほうが良い。数問のミスで明暗が分かれる試験でもあるので、50分間集中を切らさない持久力をつけたい。
また、詩の読解が出る可能性は常にあるので、油断せずに取り組んでおくこと。

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