攻玉社中学校 入試対策
2025年度「攻玉社中学校の算数」
攻略のための学習方法
本校では、他の多くの学校と同様に、
(ア)基礎学力の充実度を問う問題
(イ)応用力を問う問題
が出題されている。
(ア)は、主に小問集合で出題されているような問題である。このような問題については、各塾でも小問集合形式の問題演習を課されているはずなので、それで概ね対応できるだろう。ただし、幅広い分野から出題されているので、苦手な分野については、しっかり練習しておく必要がある。
(イ)は、後半で大問として出題される。本校の大問では、平面図形、立体図形、速さ、規則性からの出題が多く、出題傾向に偏りが見られる。このため、頻出分野の演習に力点を置くのが自然な流れだろう。
あらためて本校の大問に目を通してみると、1つの大問の中に多くの設問が用意されており、様々な内容が問われている。大問数が少ないので、多くの分野から出題することは難しいが、1つの大問のなかで、他の分野と関連させて出題されることもある。受験生としては、学習内容をしぼり込みすぎないように注意したい。
・平面図形、立体図形の対策
標準レベルの問題が中心だが、やや解きにくい問題が出題されることもある。男子最難関校で出題されるような難問の演習は不要だが、少なくとも標準レベルの問題をスラスラ解けるようにしておく必要はある。
・速さ関連の対策
速さに関連する問題もよく出題されている。旅人算、流水算、点の移動など、様々なジャンルの問題が見られるが、グラフに関連する問題が比較的多い。
速さ関連の分野は、比較的対策が立てやすく、練習量が成果として現れやすい。難易度も標準的な問題が多いので、みっちり演習すれば得点源にすることもできるだろう。
・規則性の対策
他の分野と同様に、標準レベルの問題に対応できるようにしておけば、困ることはあまりないだろう。ただし、規則性は他分野との関連が強いので、基礎固めは早期に終わらせておくことをお勧めしたい。
※本校の第1回・第2回入試の特徴と算数特別選抜について
まずは、第1回・第2回入試を比べてみる。同じ年度の第1回と第2回の入試問題を見比べると、出題分野や傾向がかなり近いことがわかる。このため、同じ年度の第1回・第2回の過去問を短期間で取り組むと、似たような問題を連続して演習することになる。それを避けたい場合は、過去問に取り組む時期などの調整を考えたい。
つづいて、第1回・第2回入試と算数特別選抜を比べてみる。特別選抜については、出題傾向や難易度が第1回・第2回と大きく異なっている。特別選抜を受験する予定がない場合は、特別選抜の過去問に手をつける必要性はない。逆に、特別選抜のみを受験することを想定している場合は、第1回・第2回の過去問に取り組んでも、あまり参考にはならない。
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2025年度「攻玉社中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
前半は小問集合、後半は大問形式の問題という例年通りの構成になっている。大問の数は少ないが、1つの大問に対して、多くの設問が用意される傾向が見られる。
本年度の受験者平均点は70.2点、合格者平均点は78.6点で、昨年度の難化の反動か、大幅に易化している。
小問数は18で、50分という試験時間に対して試験時間に対して適量である。ただし、難易度が年度によって大きく変化しているので、過去問演習等においては、問題の取捨選択も考えて取り組んで欲しい。
【大問1】計算問題・約束記号
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)分数・小数混合の四則演算
(2)整数・分数・小数混合の□を求める問題。
(3)約束記号 平方数の差を8で割る計算
(1)(2)は計算問題。落ち着いて計算し、正答して欲しい。(3)は約束記号の計算問題。平方数の差を8で割る計算とその逆算。例年大問1では計算問題が出題される。計算問題対策としては、毎日5題程度の計算練習を計画的に進めて欲しい。その際には□を求める問題の練習にも取り組むこと。
<時間配分目安:8分>
【大問2】小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
(1)等差数列 1から始まる奇数の和は平方数になることを利用。
(2)差集め算 1個あたりの差が80円なので、取り違えた個数は320÷80より4個。
(3)速さと比 速さが1.2:2=3:5なのでかかる時間の比は5:3。24×3/8=9より2倍速で半分再生すると9分かかるので、9×2×2より36分かかる。
(4)食塩水の濃さ 400gの食塩水からその1/4にあたる100gを取り出すと、食塩も溶けている食塩の1/4が移動することを利用。
(5)割合の文章題 ノートの合計冊数を➄とすると、1日目に配った冊数は②+14、2日目に配った冊数は①+14となる。②+14:①+14=4:3より、①=7となる。
大問2は例年通り小問集合。等差数列・差集め算・食塩水の濃さなど中学入試における定番問題が並んでいる。(3)「速さと比」の問題であることを見極められるかどうかがポイント。(5)の割合の文章題もやや難度が高め。(1)(2)(4)で確実に正答したい。
<時間配分目安:12分>
【大問3】速さに関する問題
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
(1)分速8mで40m進むのに5分かかる。1回止まることになるので、5+7より12分。
(2)3分前進し6分止まる合計9分を1周期と考える。200÷9=22周期と2分。従って7×3×22+7×2より、476m進む。
(3)Aがスタートするのは7の倍数、Bがスタートするのは8の倍数の時間なので、7×8×2より、112分後。
(4)すべてのロボットについて計算して確認すると、Aが9.6分後で最も早い。
(5)7分後以降、1分毎に各ロボットの位置を確認すると、Dが初めて最も遠くなるのは13分となる。
速さに関する問題の出題。ロボットの動きの周期を使って考える問題。(3)までは特に難度は高くない。(4)以降は地道に調べる作業が発生するので、落ち着いた思考と計算が求められる。(5)はやや難度が高めであり、捨て問レベルではないが、時間がかかりそうだと判断したら、大問4に先に取り掛かる判断も必要である。
<時間配分目安:15分>
【大問4】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:15分
- ★必答問題
(1)1つの正方形が回転してできる立体の体積は、1番内側から外側に向けて1:3:5となる。図2が回転してできる立体の体積は、1×3+3×2+5×1より、図1が回転してできる立体の体積の14倍となる。
(2)3.14×14より、43.96㎤。
(3)同様に考えると、1×1+3×3+5×2より、図1を回転してできる立体の20倍となる。従って、3.14×20より、62.8㎤。
(4)図4・図5の回転体は、円すいの底面を2つ貼り付けた形になる。図5は図4と比べて半径高さいずれも2倍になるので、2×2×2より、8倍となる。
(5)図1の回転体と比較して、半径と高さを4倍にした立体から、半径と高さを3倍にした立体と、図1の回転体と同じ体積の立体を除いた立体となる。4×4×4-3×3×3-1×1×1より、図1の回転体の36倍となる。
回転体をテーマとした立体図形に関する出題。図1の回転体と比較した体積の比を使って考えることがポイントとなる。相似な図形では、相似比がA:Bのとき、面積比はA×A:B×B、体積比はA×A×A:B×B×Bとなることが基本的な考え方である。日頃から比を使って考える習慣を身につけて欲しい。
<時間配分目安:15分>
攻略のポイント
大問1・大問2は計算問題と小問集合、大問3は速さに関する問題・立体図形の大問という例年と同じ問題構成。小問数の合計は19で、決して多くはない。際立った難問はないが、易問も少なく、標準レベルの問題が多い。その中で、大問1・大問2の小問集合と2つある大問の前半は、比較的に正答しやすい。ここでのミスは禁物なので、慌てることなく落ち着いて取り組んで欲しい。頻繁に出題される単元として、速さに関する問題・平面図形・立体図形・規則性に関する問題があげられる。苦手単元を作ることなく、すべての単元をまんべんなく学習してもらいたいが、特に頻出単元については演習量をしっかり確保して欲しい。
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