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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「攻玉社中学校の算数」
攻略のための学習方法

攻玉社中学は、東京都城南地区において、堅実な大学合格実績を出している伝統ある進学校だ。また、その入試問題も伝統の名に恥じない、立派な風格をもつ。
このところ3年間は往年の難易度に迫る問題となっており、やはり攻玉社は算数だ、と思わせる仕上がりになっていた。しかし本年度はその反動からか問題が大幅に易化してその分だけ合格点が高くなっている。
やさしいからつまらない問題というわけではないが、男子進学校の算数にしてはかなり物足りないレベルであったことは否めない。ただし、良問であるという点は変わってはいない。

さて、その良問ぞろいと称される攻玉社中学の算数。
具体的に克服するのはどうすればよいか。
テキストや問題集などに挙げられている基本問題の解き方は6年の秋までにマスターした、ということを前提にして話を進めたい。
全体として言えることは、条件の複雑な問題に丹念に取り組む時間を作ることが大切だ
ある一定の長さの問題ばかり解いていると、短い文章の問題を解くことが出来るようになっても、長文問題を解くためのねばりや条件を整理する力が養われないままになってしまう。この学校でそれは避けたい。設問数が3~5ある、問題集で言えば「中・上級クラス」の問題を、1問につき10分前後かかってもいいので、集中して解いてみよう
ただ、時間を要する割に問題数はこなせず、勉強の進捗度という意味ではイライラすることになるとは思うが、過去問対策も含めて何とか時間を確保したい。

次に分野別に見てみる。まず、平面・立体図形の強化に特に力を入れたい
平面図形は相似形、立体図形には体積・表面積が問題の中心となるが、どちらにも共通するポイントは「作図力」と言うことになる。
相似形をつくり出す「補助線」、展開図から書き表わす「見取り図」など、ていねいな手作業が出来るかどうかと言うことだ(実際、図形がうまく書けない生徒は多い)。

文章題の場合は、式を書いて答えを出す、でもよいが、図形問題の場合は、模範解答を見て解くための図が書かれていても、自分で書けるという保証はなく、結局解き方を理解できてもそのための作業が出来ないことになってしまう。つまり、出来た気になったまま次に進んでしまうと言う危険をはらむことになる。
また、細かいことになるが、与えられた図に数値を書きこむときも、どこに書きこめば次の作業において邪魔にならないかを考えてみよう。

あとは、速さの総合的な問題(グラフをからめた問題)と規則性の克服だ
速さの問題では「速さの3公式」の内容を念頭に置きつつ、それを臨機応変に使いこなせるようになることが大切で、一行問題ならどの関係を使うかは一目瞭然だ が、問題文が長くなったり条件が複数出てきたりすると分らなくなるでは困るので、平成29年度・平成30年度・2019年度と連なる【大問3】レベルの、「速さの基本・旅人算・速さの比」などを含んだ総合問題を十分にこなしておきたい。類似傾向にある城北中学・巣鴨中学などの問題が役に立つ。

規則性に関しては、何でもかんでも「差を考える(=)等差数列のみ」というような固定された考え方だけではなく、「平方数」・「三角数」・「フィボナッチ数列」…などもう一つランクが上の規則性まで言及して問題の決まりを見つける力をつけたい

次に、50分で十分に考えを張り巡らし、答えが出せるという時間面での余裕を持てるように、スピード練習をすることも大事だ。自分のペースだけを守っているのでは解く速さは学年相応の伸びしか得られない。必ず自覚的に早く解く練習をすること
これは短い問題をたくさん解くという形でもよい。早く解くという練習をすると、自分自身がどういうところで時間をロスし、結果的に解くのに時間がかかっているかが分る。
たとえば、計算の工夫・作図のスピード・字の巧拙・集中力等々。普段の勉強も、長くダラダラやらない で、多くの分量を短い時間でこなせるよう努力すること。
しかし正答率とていねいさを犠牲にしてはいけない。速く、正しく解けるよう仕上げていくこと

最後に、応用力がついてくればさらに算数は面白くなるものだ。昆虫の脱皮のように、学力の伸びというのは長期間なだらかに伸びるのではなく、グンといきなり アップして、それまで解けなかったような問題も解けるようになり、自分の立つステージが変わるものである。ぜひそういう体験を味わって欲しいと思う。
そのために攻玉社の問題は格好の材料となる。十分に力をつけ、来年度には合格して笑えるようにがんばっていこう。

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2021年度「攻玉社中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が4、小問がちょうど20。50分という時間の中で解くにはちょうどよい分量となっている。おそらく時間不足に陥ることはあるまい。
本年度は図形または図形をからませた問題が多く見られ、その内容も基本的なものから応用レベルの難問まで幅広く出題されている。合格者平均点を見る限り標準的な問題をしっかり解けていればそのラインに達することが出来るだろう。

【大問1】計算・約束記号

  • 難度:
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

昨年度(2020年度)から四則計算3問が独立した形で【大問1】となり、今までは【大問1】の後半を占めていた一行問題はそれだけで【大問2】となった。したがって、大問数は4と一昨年度までと同じものの、実際には受験生の負担は減っていることになる。

(1)(2)は純粋な計算問題で、(2)の逆算には注意したい。

(3)は約束記号にしたがって計算するものだが、計算そのものは(3)が最も平易で、ここは全問正解しておきたい。

【大問2】場合の数・時計算・規則性・分配算・数の性質・植木算・条件整理

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分

昨年度はその水準の低さにびっくりしたものだが、本年度は「易」から「やや難」までいろいろなクオリティの問題が並んだ。もちろん、分野も多彩である。
入試問題としては典型的で平易な内容は(1)(4)(5)で、やや難しいものは(3)(7)である。

(1)は何度も解いてきた順列の基礎問題。

(2)の時計算は、5回目に直角になるのは何時台か、と考えると式が簡単になる。1回1回調べていくのはやめておきたい。

(3)で早くも「2021」2度目の登場だが、十の位の数字をあてるというところで難度が上がっている。うまく計算を簡略化しながら十の位の規則性を見つけるところがポイント。

(4)は逆比をあつかう基礎問題。

(5)は3つの数の差を2つとって、その最大公約数が答えになるという典型的な出題だが解き方が身についていないと大変に時間がかかってしまう。不正解だった生徒はきちんと解き方を咀嚼(そしゃく)しておこう。

(6)は見たままの植木算なのだが、「木と木を等しい間隔で植えた」と書かれていないので少し意味がわかりにくくなっている。

(7)【大問2】では最も面白い。はじめに部品が合計99個あり、そのうち部品Aが55個、Bが44個だとするとおもちゃは11個作ることが出来、こりゃ簡単だと思って7個ずつ増やしても、あれれ、おもちゃは14個出来ない(部品Aが62個では12個しか作れない)…それでは今度は部品Aを○個として…というようにうまく条件にあてはまる部品の数を調べていくという問題でいかにも算数の良問という感じがする。
7問中5問正解なら堂々の合格。

【大問3】点の移動

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

(1)から(5)まで、さまざまなバリエーションと「易」から「難」まで難易度もさまざまでとてもよい問題だと思うが若干苦言も呈したい。

(1)は「点の移動」の中では基礎中の基礎。

(2)が少しばかり問題あり、なのだ。問題通りPとQの点を取り、AB、CD上での長さなどを記入してPQの長さを求めようとすると…たまに遭遇する「無条件に直角三角形の辺の比は3:4:5を使ってもよい」を使わなければ解けない設問になっている。確かに、受験の算数を解いていると、「三平方の定理」を必要とする問題はあるのだが、小学生に「無条件で」使わせるのには賛成しない。おそらく塾の教材や問題集でもあまり扱っていないと思う。テストでは、「辺の比が3:4:5になる直角三角形は利用してもよい」などの注意かヒントが必要だろう。

(3)は「点の移動」を速さの問題として処理する中ではもっとも基本的な設問である。

(4)(3)を発展させたもので、何秒ごとに長方形になるかを調べた上で規則性の問題として正解したい。

(5)では、「四角形APQDの面積が長方形ABCDの面積の半分になる」のは、長方形の対角線の交点を直線PQが通ればよい、というテクニック高めの解き方を覚えていれば解ける可能性がある。すべて求めなさい、と書いてはあるものの結果的にはそういくつもあるわけではない。それをふまえても質の高い問題なので、あまり無理しなくてもよいだろう。

【大問4】立体図形(体積・表面積)

  • 難度:標準
  • 時間配分:15分
  • ★必答問題

昨年度に引き続き、最後の大問は立体図形である。昨年度【大問4】は驚くほど内容が平易で攻玉社のトリとは思えないレベルであったが、本年度もそれに近いものがあり、受験生にとっては格好の稼ぎ場となっている。全問正解してテストを終わりたい。
よほど投影図が苦手な生徒でない限り、図形の形を把握するのは容易だろう。問題文の一行目にもありがたいヒントが書かれていることだし。

(1)は「直方体」と「四角すい」の体積の和である。長さの分からないところもない。

(2)(1)の表面積問題である。うーん、基本的!

(3)(1)(2)と同じ「直方体」と「円すい」の体積の和である。長さの分からないところもない。

(4)(2)の表面積を求めよ、で、若干難易度が上がる、「易」から「標準」にだが。Bを真上から見たときの「正方形-円」を表面積に加えられるかがポイントだ。

(5)では、直方体の部分が、「円柱」も含まれる形に変わり、円の半径が不明というパワーアップが見られるもののこの程度の設問は【大問2】あたりでお目にかかりたかったというのが正直なところだ。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
2021年度は、受験者平均・合格者平均から見ると合格点は65点くらいなので,目標を70~80点くらいに定めて勉強を進めるといいだろう。
本年度の問題も昨年度に引き続いて、難度の高い大問は少なかった。端的に言えば【大問3】(5)だけである。他の問題は現状出来ているかどうかは別にして定着させておきたいものばかりである。
本年度を含む、例年の水準であれば目標点は65~70点程度に置けば良いだろう。そのためには一にも二にも基本的問題の解法をしっかりと身につけることが肝要だ。普段使用している教材などを分野によってアナがないようにしっかりと定着させていこう。

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