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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2016年度「攻玉社中学校の算数」
攻略のための学習方法

攻玉社中学は、東京都城南地区において、堅実な大学合格実績を出している伝統ある進学校だ。また、その入試問題も伝統の名に恥じない、立派な風格をもつ。
ただこの2年間、問題傾向に変化が見られ、骨太の出題だとは思えるものの、難問のオンパレードであった以前と比べるとかなり解きやすくなっているのは確かだ。
今まで算数が少し苦手で攻玉社を敬遠していた生徒には朗報といえよう。
もちろん、今までのものと比べて易しくなったということであり、基礎的な出題は少ない。やはり攻玉社の算数を解いていく時間は、中学入試のまさに王道を歩む時間であり、自分の力をステージアップしてくれる貴重な時間になる。

さて、良問ぞろいと称される攻玉社中学の算数。
具体的に克服するのはどうすればよいか。
テキストや問題集などに挙げられている基本問題の解き方は6年の秋までにマスターした、ということを前提にして話を進めたい。

全体として言えることは、条件の複雑な問題に丹念に取り組む時間を作ることが大切だ。
ある一定の長さの問題ばかり解いていると、短い文章の問題を解くことが出来るようになっても、長文問題を解くためのねばりや条件を整理する力が養われないままになってしまう。この学校でそれは避けたい。設問数が3~5ある、問題集で言えば「中・上級クラス」の問題を、1問10分前後かかってもいいので、集中して解いてみよう。
ただ、時間を要する割に問題数はこなせず、勉強の進捗度という意味ではイライラすることになるとは思うが、過去問対策も含めて何とか時間を確保したい。

次に分野別に見てみる。まず、平面・立体図形の強化に特に力を入れたい。

平面図形は相似形、立体図形には体積・表面積が問題の中心となるが、どちらにも共通するポイントは「作図力」と言うことになる。
相似形をつくり出す「補助線」、展開図から書き表わす「見取り図」など、ていねいな手作業が出来るかどうかと言うことだ(実際、図形がうまく書けない生徒は多い)。文章題の場合は、式を書いて答えを出す、でもよいが、図形問題の場合は、模範解答を見て解くための図が書かれていても、自分で書けるという保証はなく、結局解き方を理解できてもそのための作業が出来ないことになってしまう。つまり、出来た気になったまま次に進んでしまうと言う危険をはらむことになる。
また、細かいことになるが、与えられた図に数値を書きこむときも、どこに書きこめば次の作業において邪魔にならないかを考えてみよう。
あとは、速さの総合的な問題(グラフをからめた問題)と規則性の克服だ。
速さの問題では「速さの3公式」の内容を念頭に置きつつ、それを臨機応変に使いこなせるようになることが大切で、一行問題ならどの関係を使うかは一目瞭然だが、問題文が長くなったり条件が複数出てきたりすると分らなくなるでは困るので、平成26年度【大問3】レベルの、「速さの基本・旅人算・速さの比」 などを含んだ総合問題を十分にこなしておきたい。類似傾向にある城北中学・巣鴨中学などの問題が役に立つ。
規則性に関しては、何でもかんでも「差を考える(=)等差数列のみ」というような固定された考え方だけではなく、「平方数」・「三角数」・「フィボナッチ数列」…などもう一つランクが上の規則性まで言及して問題の決まりを見つける力をつけたい。

次に、50分で十分に考えを張り巡らし、答えが出せるという時間面での余裕を持てるように、スピード練習をすることも大事だ。自分のペースだけを守っているのでは解く速さは学年相応の伸びしか得られない。必ず自覚的に早く解く練習をすること。これは短い問題をたくさん解くという形でもよい。早く解くという練習をすると、自分自身がどういうところで時間をロスし、結果的に解くのに時間がかかっているかが分る。たとえば、計算の工夫・作図のスピード・字の巧拙・集中力等々。普段の勉強も、長くダラダラやらない で、多くの分量を短い時間でこなせるよう努力すること。しかし正答率とていねいさを犠牲にしてはいけない。速く、正しく解けるよう仕上げていくこと。

最後に、応用力がついてくればさらに算数は面白くなるものだ。昆虫の脱皮のように、学力の伸びというのは長期間なだらかに伸びるのではなく、グンといきなりアップして、それまで解けなかったような問題も解けるようになり、自分の立つステージが変わるものである。ぜひそういう体験を味わって欲しいと思う。
そのために攻玉社の問題は格好の材料となる。十分に力をつけ、来年度には合格して笑えるようにがんばっていこう。

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2016年度「攻玉社中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が24。前半から後半まであまり難度の差がなく、ほとんどの問題が標準以上のレベルに属する。また分量が多めなので、のんびりと構えていたのでは時間不足は否めまい。
出題傾向に挙げた分野から大問が1つずつ出され、設問がそれぞれ3~8問準備され、比較的解きやすいものから考えさせるものまで、大問を掘り下げる形で出題される。そのレベルは、テキストの基本問題だけを押さえていたのでは克服するのは難しい。しかし本年度に関していえば、いわゆる攻玉社らしい難問は少なく、極端に言えば1問もなく、受験生にとっては解き易い年だったといえる。ただ面白いのは、先にもあげた「問題の見かけ」で、少し見ただけでは相当な難問に見える大問が、解き始めてみると「そうでもなかった」という印象を持つことだろう。

【大問Ⅰ】計算問題・計算の工夫・約束記号

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • は分数・小数の混合計算でありかなり複雑である。が、後の問題のことを考えると正解しておきたいところ。今回は小数が1つだけなので、分数にまとめればさほど難しい計算ではなかったことだろう。
    (2)は同じ数に着目して式をまとめてから計算するもの。これも慣れているとは思うが難度はやや高め。99×7を99×3×0.9に、(999-□)×1.8を(999-□)×2×0.9に直すなどして「0.9」を作り出し、すべての項もまとめるという仕組みになっている。ただ、だからといっても鮮やかにまとまるというほどではない。
    (3)の約束記号は(イ)がポイント。128を素因数分解して2×2×2×2×2×2×2とし、問題に当てはまる数を効率よく探していく。結果的に正解してもあまり時間をとられてしまうのは感心できない。
    ここは全問正解しておこう。
  •  

【大問Ⅱ】規則性の問題…周期算

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

小問が3つあり、できれば(2)までは解けておきたい。
(1)・(2)はらくらく解けるとして(3)はやや面倒。1週間分程度書き出してみて、問題数の差を把握しつつ解答に向かいたい。この設問が本年度では最も難解だった。失点もやむを得まい。

【大問Ⅲ】図形上の点の移動とグラフ

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

本年度一番のサプライズ問題。
受験生は、また過去問に挑戦する現役生たちは「わぁ、難しそう~面倒くさそう!」と思ったことだろう。いや、現に今解説を書いている私でさえ思ったくらいだから。正直に告白すると、この問題を飛ばして先に大問4・5を解きました。ごめんなさい。
さて、覚悟を決めて問題にあたると、どうだろう。
「すごく簡単じゃないか!?」
与えられた条件は複雑そうに見えてかなりシンプル、設問も最後まで基本レベル。
これこそまさに「問題は見かけによらぬもの」であって、本番当日に見かけだけでこの問題を避けてしまった生徒は残念な結果になってしまったかもしれない。
(1)じっくりとアから求めていく。すぐ解答欄が埋まることだろう。
(2)も同様、さしたる苦労もなく数値が求まっていく。解き方としては、作図して図形で考えるよりは、グラフの増減を利用したほうがよい。ここでミスをした生徒はグラフの読み取りに力を注ごう。
(3)では、三角形の面積をそれぞれ求めて差をとる。答え以外はびっくりするところもあるまい。
(4)はグラフの増減を使った「旅人算」の考え方を使えばやはりあっさりと求まってしまう。
前年度の大問3にもその傾向があったが、グラフを利用する長文問題が見た目よりもやさしい設問で終わっている傾向が続いている。好ましい傾向ではあるものの、もう少し骨があってもよい気はする。

【大問Ⅳ】平面図形…相似形

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

テスト後半は図形の問題で、毎回定番の相似形問題!
直角三角形の中に複数の正方形が内接するという、これもまた「見かけ」よりはシンプルな問題になっている。昨年度も傾向と対策に書いた「塾の問題集の方が、過去問の方がずっと難しかったぜ」という受験生の声が再度聞こえるようだ。しかし今は与えられた問題に正解を導こう。
直角三角形の辺の比3:4:5を使って(1)からていねいに比または数値を求めていく。…と(4)まで終わってしまう。どこの長さも求まるので、多少不器用なとき方でも正解できることと思われ、逆に苦戦してしまった生徒は問題集に戻って類似問題にあたって強化しておくこと。
(5)は面積比を求めるものだが、それ以前に相似比も求まっていることだし…間違えるとしたら比を反対に書くことくらいしか考えられない。
さて、攻玉社を受ける受験生であれば、ここは全問正解といきたい。この水準の問題がすいすい解けるということは力がある証拠でもある。

【大問Ⅴ】立体図形…三角柱と円すい

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

本年度の立体図形は…見かけどおり簡単だった。時間不足では解けなかった、ということもなく余裕で問題にあたれたはずだ。
唯一(2)は点差が付く設問だったかもしれない。三角形の面積比→相似比から、高さに当たる比の大きさを求める。もちろんこれも長い期間にわたり熱心に勉強を積み重ねてきた受験生にとっては大きな障害にはならなかっただろう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
平成28年度だと受験者平均・合格者平均から見て合格点は65点前後なので、目標を70点台と定めて勉強を進めるといいだろう。
本年度の問題は、昨年度に引き続き例年よりは易しい問題が設定されている。したがって、男子難関校受験のための勉強を積んできた生徒にとっては少し物足りない気持ちを持ったことと思う。特に問題の「見かけ」と難度の差にギャップがあったのが今年の特色である。しかし受験算数の問題としてみるとやはり良問と言うべき出来であり、この問題群を余裕を持って捉え、正解を次々に求められた生徒の実力はたいしたものである。
具体的に過去問をどう消化していくか、であるが。
問題が易しめの年(本年度や平成27・25年度など)の場合は、普段使っているテキストで標準的難易度をもつ問題に多く触れ、それと平行して過去問を消化していけばよいだろう。この2年間の傾向からして、今後もこの問題水準のままいこうとしていくと考えられる。他校との兼ね合いもあるから難問挑戦は欠かせまいが、本校対策のためにはあまり難問にこだわらなくてもよい。頻出の分野を強化しつつ、標準的な問題の克服に時間を当てよう。ただし、設問レベルが下がったとはいえ長文問題は出るので、こちらも類似問題に当たって慣れておきたい。

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