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攻玉社中学校 入試対策

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2022年度「攻玉社中学校の算数」
攻略のための学習方法

攻玉社中学は、東京都城南地区において、堅実な大学合格実績を出している伝統ある進学校だ。また、その入試問題も伝統の名に恥じない、立派な風格をもつ。
このところ3年間は往年の難易度に迫る問題となっており、やはり攻玉社は算数だ、と思わせる仕上がりになっていた。しかし本年度はその反動からか問題が大幅に易化してその分だけ合格点が高くなっている。
やさしいからつまらない問題というわけではないが、男子進学校の算数にしてはかなり物足りないレベルであったことは否めない。ただし、良問であるという点は変わってはいない。

さて、その良問ぞろいと称される攻玉社中学の算数。
具体的に克服するのはどうすればよいか。
テキストや問題集などに挙げられている基本問題の解き方は6年の秋までにマスターした、ということを前提にして話を進めたい。
全体として言えることは、条件の複雑な問題に丹念に取り組む時間を作ることが大切だ
ある一定の長さの問題ばかり解いていると、短い文章の問題を解くことが出来るようになっても、長文問題を解くためのねばりや条件を整理する力が養われないままになってしまう。この学校でそれは避けたい。設問数が3~5ある、問題集で言えば「中・上級クラス」の問題を、1問につき10分前後かかってもいいので、集中して解いてみよう
ただ、時間を要する割に問題数はこなせず、勉強の進捗度という意味ではイライラすることになるとは思うが、過去問対策も含めて何とか時間を確保したい。

次に分野別に見てみる。まず、平面・立体図形の強化に特に力を入れたい
平面図形は相似形、立体図形には体積・表面積が問題の中心となるが、どちらにも共通するポイントは「作図力」と言うことになる。
相似形をつくり出す「補助線」、展開図から書き表わす「見取り図」など、ていねいな手作業が出来るかどうかと言うことだ(実際、図形がうまく書けない生徒は多い)。

文章題の場合は、式を書いて答えを出す、でもよいが、図形問題の場合は、模範解答を見て解くための図が書かれていても、自分で書けるという保証はなく、結局解き方を理解できてもそのための作業が出来ないことになってしまう。つまり、出来た気になったまま次に進んでしまうと言う危険をはらむことになる。
また、細かいことになるが、与えられた図に数値を書きこむときも、どこに書きこめば次の作業において邪魔にならないかを考えてみよう。

あとは、速さの総合的な問題(グラフをからめた問題)と規則性の克服だ
速さの問題では「速さの3公式」の内容を念頭に置きつつ、それを臨機応変に使いこなせるようになることが大切で、一行問題ならどの関係を使うかは一目瞭然だ が、問題文が長くなったり条件が複数出てきたりすると分らなくなるでは困るので、平成29年度・平成30年度・2019年度と連なる【大問3】レベルの、「速さの基本・旅人算・速さの比」などを含んだ総合問題を十分にこなしておきたい。類似傾向にある城北中学・巣鴨中学などの問題が役に立つ。

規則性に関しては、何でもかんでも「差を考える(=)等差数列のみ」というような固定された考え方だけではなく、「平方数」・「三角数」・「フィボナッチ数列」…などもう一つランクが上の規則性まで言及して問題の決まりを見つける力をつけたい

次に、50分で十分に考えを張り巡らし、答えが出せるという時間面での余裕を持てるように、スピード練習をすることも大事だ。自分のペースだけを守っているのでは解く速さは学年相応の伸びしか得られない。必ず自覚的に早く解く練習をすること
これは短い問題をたくさん解くという形でもよい。早く解くという練習をすると、自分自身がどういうところで時間をロスし、結果的に解くのに時間がかかっているかが分る。
たとえば、計算の工夫・作図のスピード・字の巧拙・集中力等々。普段の勉強も、長くダラダラやらない で、多くの分量を短い時間でこなせるよう努力すること。
しかし正答率とていねいさを犠牲にしてはいけない。速く、正しく解けるよう仕上げていくこと

最後に、応用力がついてくればさらに算数は面白くなるものだ。昆虫の脱皮のように、学力の伸びというのは長期間なだらかに伸びるのではなく、グンといきなり アップして、それまで解けなかったような問題も解けるようになり、自分の立つステージが変わるものである。ぜひそういう体験を味わって欲しいと思う。
そのために攻玉社の問題は格好の材料となる。十分に力をつけ、来年度には合格して笑えるようにがんばっていこう。

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2022年度「攻玉社中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が4、小問がちょうど20。50分という時間の中で解くにはちょうどよい分量となっている。おそらく時間不足に陥ることはあるまい。
昨年度・本年度と図形または図形をからませた問題が多く見られ、その内容も基本的なものから応用レベルの難問まで幅広く出題されている。合格者平均点を見る限り標準的な問題をしっかり解けていればそのラインに達することが出来るだろう。

【大問1】計算・整数問題・約束記号

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

この2年間にわたり(2020年度・2021年度)四則計算3問が独立した形で【大問1】となり、今までは【大問1】の後半を占めていた一行問題はそれだけで【大問2】という形式だったが本年度(2022年度)は計算問題は再び【大問1】に統合され、計算問題+小問という形に戻った。純粋な計算問題は2題で、(2)の逆算に注意したいのは例年通りだ。
(3)は連除法や素因数分解を使って解く整数問題で決して平易ではないが、数値が大きくないので数をあてはめていっても出来るだろう。ただ、それだと時間がかかるので3つの数が「3の倍数」であることと「積が324」になることをそれぞれ連除法・素因数分解で答えの枠を狭める工夫が必要だ。
(4)は約束記号の問題で、記号の内容は簡単なものの、(ア)はまだしも(イ)は10回やろうなどと言う荒技は避けて答えに規則性を見つけていきたい。少し手のかかる問題である。

【大問2】年齢算・方陣算・倍数算・規則性・推理算

  • 難度:標準
  • 時間配分:20分
  • ★必答問題

本年度の一行問題集も標準レベルを超えるものはなく、すべて正解して前に進みたい。
昨年度見られた【大問2】(3)(7)のような手のかかる問題はない。むしろ典型題ばかりで驚きである。
(1)は「こんなんでいいの?」と首をかしげてしまいそうになる基本的な年齢算で、線分図で解ける範囲の問題。
(2)はどこをどう読んでも正方形の面積の問題だが、受験生としては「縦、横に3列ずつ増やした方陣算」の方が、通りが良いと思いそちらに分類した。作図をして面積の差から3×3=9をひいた上で、もとの1辺の長さを求めていく。ただ、方陣算と違うのは答えが小数になることだ。そこは注意したい。
(3)は倍数算で解き方は基本的なものだが2回金額が変動しているので手間がかかるのは確か。兄が本を買った後の金額の比2:1から手をつけていくとよいだろう。実際に出ている金額は兄が弟に渡した1000円だけなので、その方がやりやすいと思う。
(4)は規則性の問題で必ず一度は解いたことがあるもの。3本の線を引いた例が出されているが、直線が1本のとき、2本のとき、3本のとき、4本のとき…と始めて行くとそのあたりで交わる点の数にきまりがあることが分かる。7本すべて引いて調べるなどはかなりまずい。
(5)は推理算だが、誰か一人がウソをついているというようなトラップもないので比較的容易に順番が決められると思う。ただ、8人の徒競走なので発言者(A~E)以外にも走る人がいることを忘れずに表に順番をまとめていけば良いだろう。

【大問3】速さと比(旅人算)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

本年度の問題で合否の差を分けた問題と言って良いのがこの【大問3】だ。【大問1】【大問2】は「易」~「標準」レベルなのであまり差がつかないと思われる。この【大問3】も特に難易度が高いというわけではないが(1)の速さの比を間違えてしまうと全敗と言うことになってしまう。内容的には(3)までちゃんと解ければ良い。このように設問に連鎖関係がある問題ははじめの一歩を誤ると大きな差になってしまう。
(1)が特に肝心なのは先に述べたとおり。CはBの2倍の速さ、とあるのでBの分速を①、Cの分速を②とおいて問題の内容を線分図にまとめて書いてみる。
駅を8時ちょうどに出発したBは9時にAとすれちがっているのでそれまでに走った距離は60である。また、9時にBとすれちがったAは10時にCとすれ違っている。Cは9時48分に駅を出発しているのでAとすれちがうまでに進んだ距離は②×12(10時-9時48分)=24である。したがって、Aは9時から10時までの間に(60-24=)36となり、同じ1時間の間にAは36進み、B60進むことになる。よってAとBの速さの比は3:5となる。
(2)では速さを整理してA:B:Cを3:5:10とする。するとAとCがすれちがった地点からAとBがすれちがった地点をAは60分で走っているので、3×60÷10より18分と分かる。
(3)Bが学校に着くのは、Aとすれちがってから3×60÷5=36(分後)になるので、9時36分である。誰の速さを基準とするかは解き方によって異なるものの(1)が解ければ(2)(3)も続けて解けることが分かる。
(4)Aが駅に着くのは、Cとすれ違ってから10×12÷3=40(分後)。つまり10時40分になる。CはAとすれ違ってから学校までの距離を3×120÷10=36(分)で走るので、休んでいたのは40-36=4(分)である。
(5)Cが再び走り始めたとき、9時36分に学校に着いたBは(10時4分-9時36分=)28(分)折り返しているので、その時点でのBとCの距離は3×60×2-5×28=220となっている。
220÷(5+10)=14分40秒なので、10時4分+14分40秒で10時18分40秒となる。

【大問4】立体図形(体積・展開図・回転体)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

3年続けて、最後の大問は立体図形である。2年連続して平易な問題が続いたものの、本年度(4)以降があまり目にしたことがない問題なので、(3)までしっかり解いてテストを終わりたい。
(1)は立体アとイの実際の体積を出して比べてもよいし、1辺を1とおいて割合で求めても良い。「易」レベルの問題だ。
(2)では、WYは直線でつなげば良いとして、立体イの側面を解答用紙の断面図の中に書けるかどうかが勝負。他校でも見かけたが、与えられた断面図を部分的に使う側面の形を書く問題はこれから流行るかもしれない。
(3)(2)が書けていれば簡単な相似の問題として処理できる。
(4)(5)は立方体の外側を正八面体が囲むという図形でかなりの難問である。(5)の回転体もそれを引き継いでの設問であるからかなりの難問である。(3)までしっかり解けた生徒は【大問1】にもどって見直しをするのが賢明というもの。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
2022年度は、受験者平均・合格者平均から見ると合格点は60点くらいなので,目標を65~70点くらいに定めて勉強を進めるといいだろう。
本年度の問題も昨年度に引き続いて、難度の高い大問は少なかった。目についたのは【大問3】(4)(5)、【大問4】(4)(5)くらいで、小問集である【大問2】は典型的な問題ばかりだった。
本年度を含む、例年の水準であれば目標点は65~70点程度に置けば良いだろう。そのためには一にも二にも基本的問題の解法をしっかりと身につけることが肝要だ。普段使用している教材などを分野によってアナがないようにしっかりと定着させていこう。

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