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攻玉社中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「攻玉社中学校の算数」
攻略のための学習方法

攻玉社中学は、東京都城南地区において、堅実な大学合格実績を出している伝統ある進学校だ。また、その入試問題も伝統の名に恥じない、立派な風格をもつ。
一時期算数の問題が平易だったこともあったが、この3年間は往年の難易度に迫る問題となっており、やはり攻玉社は算数だ、と思わせる仕上がりになっている。
攻玉社の算数を解いていく時間は、中学入試のまさに王道を歩む時間であり、自分の力をステージアップしてくれる貴重な時間である。

さて、良問ぞろいと称される攻玉社中学の算数。
具体的に克服するのはどうすればよいか。
テキストや問題集などに挙げられている基本問題の解き方は6年の秋までにマスターした、ということを前提にして話を進めたい。
全体として言えることは、条件の複雑な問題に丹念に取り組む時間を作ることが大切だ。
ある一定の長さの問題ばかり解いていると、短い文章の問題を解くことが出来るようになっても、長文問題を解くためのねばりや条件を整理する力が養われないままになってしまう。この学校でそれは避けたい。設問数が3~5ある、問題集で言えば「中・上級クラス」の問題を、1問につき10分前後かかってもいいので、集中して解いてみよう。
ただ、時間を要する割に問題数はこなせず、勉強の進捗度という意味ではイライラすることになるとは思うが、過去問対策も含めて何とか時間を確保したい。

次に分野別に見てみる。まず、平面・立体図形の強化に特に力を入れたい。
平面図形は相似形、立体図形には体積・表面積が問題の中心となるが、どちらにも共通するポイントは「作図力」と言うことになる。
相似形をつくり出す「補助線」、展開図から書き表わす「見取り図」など、ていねいな手作業が出来るかどうかと言うことだ(実際、図形がうまく書けない生徒は多い)。
文章題の場合は、式を書いて答えを出す、でもよいが、図形問題の場合は、模範解答を見て解くための図が書かれていても、自分で書けるという保証はなく、結局解き方を理解できてもそのための作業が出来ないことになってしまう。つまり、出来た気になったまま次に進んでしまうと言う危険をはらむことになる。
また、細かいことになるが、与えられた図に数値を書きこむときも、どこに書きこめば次の作業において邪魔にならないかを考えてみよう。

あとは、速さの総合的な問題(グラフをからめた問題)と規則性の克服だ。
速さの問題では「速さの3公式」の内容を念頭に置きつつ、それを臨機応変に使いこなせるようになることが大切で、一行問題ならどの関係を使うかは一目瞭然だ が、問題文が長くなったり条件が複数出てきたりすると分らなくなるでは困るので、平成29年度・平成30年度・2019年度と連なる【大問3】レベルの、「速さの基本・旅人算・速さの比」などを含んだ総合問題を十分にこなしておきたい。類似傾向にある城北中学・巣鴨中学などの問題が役に立つ。

規則性に関しては、何でもかんでも「差を考える(=)等差数列のみ」というような固定された考え方だけではなく、「平方数」・「三角数」・「フィボナッチ数列」…などもう一つランクが上の規則性まで言及して問題の決まりを見つける力をつけたい。

次に、50分で十分に考えを張り巡らし、答えが出せるという時間面での余裕を持てるように、スピード練習をすることも大事だ。自分のペースだけを守っているのでは解く速さは学年相応の伸びしか得られない。必ず自覚的に早く解く練習をすること。
これは短い問題をたくさん解くという形でもよい。早く解くという練習をすると、自分自身がどういうところで時間をロスし、結果的に解くのに時間がかかっているかが分る。
たとえば、計算の工夫・作図のスピード・字の巧拙・集中力等々。普段の勉強も、長くダラダラやらない で、多くの分量を短い時間でこなせるよう努力すること。
しかし正答率とていねいさを犠牲にしてはいけない。速く、正しく解けるよう仕上げていくこと。

最後に、応用力がついてくればさらに算数は面白くなるものだ。昆虫の脱皮のように、学力の伸びというのは長期間なだらかに伸びるのではなく、グンといきなり アップして、それまで解けなかったような問題も解けるようになり、自分の立つステージが変わるものである。ぜひそういう体験を味わって欲しいと思う。
そのために攻玉社の問題は格好の材料となる。十分に力をつけ、来年度には合格して笑えるようにがんばっていこう。

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2019年度「攻玉社中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が4、小問がちょうど20。50分という時間の中で解くには手頃な分量となっていて、合格点をとるためのハードルはやや低くなった。
出題傾向に挙げた分野から大問が1つずつ(平面図形と立体図形で合わせて大問一つの場合も)、設問がそれぞれ3~5問準備され、本当に基本的なものからかなり応用レベルの考えをさせるものまで、大問を掘り下げる形で出題される。
本校算数における受験者平均・合格者平均は例年安定しているので傾向をつかんだ上で対策を立てればしっかりと得点できるはずだ。

【大問1】四則計算・数の性質・倍数算

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1)(3)の計算問題では、分配のきまりを使って計算をまとめる工夫が必要だ。

(3)はちょっと見にはわかりにくいが分母を14=2×7、35=5×7、65=5×13、104=8×13など積の形にすると共通する数が見えてくる。

(4)は「数の性質」では定番の問題で、3つの数のうち、2つずつの差をとって最大公約数を求めるとそれが「ある同じ数」になる。あまりは実際にどの数でも良いから割ってみれば良い。ここはさらっと解答したい。

(5)は和が変わらない「倍数算」で、1:1から17:15になるので比の和を32(=17+15)に合わせて求めていく。これも基本的な問いに含まれる。

ここは全問正解しておきたい。

【大問2】規則性(数列)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

設問数は4つあり、それぞれ解法に使う「規則性」が異なるところが面白い。

(1)ではまずを簡単な計算で求め、さらに「4番目の円」「5番目の円」と調べていくと、「1番目の真ん中の数」が2,「2番目の真ん中の数」が4,「3番目の真ん中の数」が8,「4番目の真ん中の数」が16,…と2倍ずつになっていることがわかる。「6番目の真ん中の数」は出ている256なので、は一つ小さい255、は1つ大きい257とわかる。
また、円の3つの数の和はそれぞれ6,12,24,…と(「真ん中の数」×3)が2倍になっていくので、「9番目の真ん中の数」は256×2=512より、521×3=1536とわかる。

(3)(2)のことから1:2と即答できる。

(4)はそれまでの規則性を使わず、一の位の周期を考えると1000番目でもあっさり解けることになる。最も大きい数の一の位は「3,5,9,7」をくり返しており、1000÷4=250あまりは出ないので周期の最後の数「7」と求めることができる。

途中で解き方を切り替えるという柔軟性が大切だ。ここもできれば全問正解しておきたい。

【大問3】速さ(流水算+旅人算+点の移動)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分

ここでも、問題を解くのにいろいろな解き方を試されているので問題として実に面白い。

(1)は「円周の求め方」を復習させてくれるありがたい問題だ。

(2)では、(1)の答えを60で割ったものが「下りの速さ」、100で割ったものが「上りの速さ」になるので、その和を2で割ると「静水時の泳ぐ速さ」、その差を2で割ると「プールの水の流れる速さ」になる。ここまではかなり基本的であり、(3)から難易度が上がってくる。

(3)ではBくんが時計回りに泳ぐときにかかる時間を求めれば良い。そして360度をその時間(秒)で割れば答えが出る。

(4)では(3)同様、Aくんが時計回りに泳ぐとき1秒間に何度動くかを求めれば良い。そして一周よけいに動いてから追い抜くので360をB・Aくんの動く角度の差で割る。

(4)まではできておきたいところだ。(5)ができれば実力者の称号が与えられる。

(5)Aくんが反時計回りに泳いだときの角度をまず求める必要がある。「上りの速さ」を使うので注意が必要だ。2回目にすれ違うだから360×2=720を「Bの時計回りの角度とAの反時計回りの角の和」でわり、その時間を求める。ここが割り切れないので心が折れそうになる。しかし、1秒間に動く角度をかけると再び整数になり心が安堵する。Aを使った場合その角度は360度を超えるでその分はひいておこう。

【大問4】平面図形・立体図形…相似

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分

最後の大問は立体の切断の問題であり、本年度最も難易度の高い問題であったことは間違いない。したがって全問正解を望むことはないけれど、半分程度の設問は正解できるように力を伸ばしておきたい。また、立体の切断といっても考え方のメインは平面の相似形に関するそれなので、(3)以外は立体的な見方ができなくても大丈夫だ。

(1)(2)は見取り図に問題の指示に沿った延長線などを書き込めば求まるだろう。

(3)では、さらに補助線を加えることで求める立体を「大きな三角すい」に見立ててそこから「小さな三角すい」を2つ引き算して求める。ただ難易度はここがピークになる。

(4)からは展開図に必要な線を書き込み、完全に平面図形の問題として扱う。与えられた展開図が小さく数値などを書き込みにくいときはその部分だけを拡大して別に図を書くと作業がやりやすくなる。

(5)(6)で出題されている2つの三角形が重なった上で面積を求める問題は問題集や参考書で触れたことがあるかもしれない。一度解いたことがあると上手に解けたものと思われる。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
2019年度では受験者平均・合格者平均から見ると合格点は65点くらいなので,目標を70~80点くらいに定めて勉強を進めるといいだろう。そのためには【大問1】【大問2】を全問正解した上で【大問3】【大問4】の前半の設問までていねいに解くという姿勢が必要だ。
本年度の問題はここ2年間感じられた「往年の攻玉社難関算数」と比較してた場合少しやさしくなったかな、と思わせるところがあり、解きやすさは加わったものの良問が続きやりがいがある。
この学校では1つの大問に対して3~5つの設問が並べられているところで、スライド式に難化していく設問にどこまでチャレンジし正解できるかがカギを握る。

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