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洗足学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「洗足学園中学校の理科」
攻略のための学習方法

理科計算問題

洗足学園の理科では、まず数問必ず存在する計算問題というのがとても気になる。これらの問題をどこまでできるかが合否を分ける一つのポイントとなると思われる。
理科には知識分野と計算分野があるとして、計算問題は難しい感覚があるかもしれない。特に算数が苦手な女子にはありがちな感覚である。しかし、理科の計算問題は算数とは違う。応用力や思考力を問うようなものではなくたいていの問題はこれまでにどこかでやったことのある問題がそのまま出されると考えてよい。
ところが本年度(2020年度)、大問2(3)~(6)の計算問題は、今までのような典型題ではなかっただけに簡単に手を出せるものではなかった。洗足学園の理科がステージを上げてしまった可能性があり、今後は応用問題に含まれる計算問題も演習しておく必要がある。しかし、そうはいっても入試においてはじめてみるような問題は他の生徒たちもまず出来ないと見てよい。つまり合否の差を分ける問題となる可能性は低いということだ。したがって、そのような問題が出来ないからといってあまり気にせず、まずは典型的な計算問題の解き方に力を注ごう。計算問題の全ての分野を終わらせるのにさほど時間はかからない。1ヵ月も集中してやれば終わってしまうものだ。苦手としている受験生は是非対策をしてほしい。

理科知識問題

計算問題が合否を分けるポイントとしたが、それは理科の知識問題がしっかりと合格基準まで頭に入っていることが前提となっているのだ。
見たところ、洗足学園の理科の知識は半端な暗記量ではとてもかなわないところがある。だからこその難関校なのだが、逆に言えば、努力次第では十分合格ラインに届くということでもある。

理科の知識は、怠ることなくしっかりと追求しておいてほしいのだ。知識量が膨大にある社会のように、理科も憶えておかないといけない、という認識はあるだろうか。
はじめから食わず嫌いはやめて、時間をかけて念入りに覚えていってほしいということだ。
そのように認識してほしい。

まとめ

そして、しっかりと頭に入れた知識の勉強の仕方であるが、受験まで使える一問一答式の問題集を使用してほしい。
繰り返すことがポイントなので、受験まで使えるものが一冊ほしい。それを何度も繰り返して、まさしく100%まで正解できるようにもっていってほしい。
理科の知識は、どこまでという出題範囲はない。そのような問題集に載っている問題は、最低限の知識といってもよいのだ。そこまではできないといけない。
ただ、この一問一答式の問題集は、使用するときには注意が必要だ。
受験生本人にこれを一人でさせると、意味もわからずにやみくもに丸暗記している場合があるのだ。何度も同じ問題集をやっていると条件反射的に答えをくり返すだけである。
天体の問題など、「月がなぜその時間に、その方向に、その形で見えるのか?」などは暗記ではだめだ。理解が必要だ。でないと、別の角度から問われた場合にもう正解が出てこなくなる。洗足学園の場合、特にそういう特徴が顕著で、当たり前のことを当たり前の方角から聞いてこないことが間々ある。だから、答えを見ると「なあんだ」ということでも、その場では答えられなかったりする。これでは合格はおぼつかない。
本年度の問題でいえば、【大問3】(7)などは、問題の意味を捉え、本当の意味で理解をしていないと正しい選択は出来ないだろう。
厳密に言うと、小学生の家での一人での効果的な勉強は期待できない。サポートが必要になる。理解できる誰かがついていないといけない。

一問一答式の問題集は、答えが言えればいいというものではない。もちろん、セミの鳴き声など覚えれば済むものもあるが、上記のように理解が必要となるものがある。そのようなときは、答えが言えれば終わりではだめだ。逆に、その語句の意味を生徒自身の言葉で説明させたり、なぜその答えになるかを説明できないといけない。でないと入試に耐えうる力とはならないのだ。

まとめると、洗足学園の問題は、知識と計算の力があった上で、オールラウンドな学力を試されるといって言い。それは手ごわいことではあるけれども、成し遂げたときの達成感も半端なものではない。

 

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2020年度「洗足学園中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

社会と合わせて60分なので,理科にあてられる時間を30分強とすると、大問4問に対し1題8分くらいとなる。本年度は前半の大問が質が高く計算問題も多く見られたので、後半の大問から手をつけた方が時間を有効に使えただろう。今後も本年度並みの難度で推移するならば、設問の中から「捨て問」を選択する決断力も必要とされることとなる。

【大問1】物理分野…電気回路(ブラックボックス)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

昨年度は「浮力」からの出題があり受験生をひやりとさせたものの設問の内容は基礎に徹したものであった。が、本年度の【大問1】は同程度に苦手意識を持つ生徒が多い「電気」の問題でありしかもブラックボックス、さらに難易度が高いと言うことで相当手を焼いたと思われる。基礎的な設問は一つもない。表1からボックス内の作図をしながら導線・電球などがどの端子とつながっていくかを丹念に調べていかなければならない。問題に取りかかる前に行っておくべき仕事が多いのである。これを所要時間10分で解ききるのはかなりの困難をともなう。また、かりに出来たとしても余りに時間をかけてしまった場合(結果的に後半の大問に存在した)基本的な設問まで手が届かないかもしれない。今回の最善の策はテストの最後に行うという手段をとるべきだった。これを結果論だ、と言わずに普段から問題の難易には気を払うべきであり、所要時間なども自分で計算できるようになっていきたい。
ただ、過去問にあたる際には時間を気にせず、【大問1】のブラックボックスに時間をかけて向き合おう。

【大問2】化学分野…凝固点

  • 難度:やや難
  • 時間配分:10分

「液体」が「固体」に変化することを「凝固」といい、その変化が始まる温度を「凝固点」ということは聞いたことがあると思うが、【大問2】ではそれを全体のテーマとして展開している。あまり難しくはないものの複数の計算問題を含んでおり、先の【大問1】と並んでかなり厄介な問題であることは間違いない。
差があるとすれば、【大問2】は基本的知識の確認から設問が始まっていることと、計算問題がほとんど比例の関係を用いれば解けることである。ここでは過半数の正解を望みたい。
Ⅰ(1)(2)は「融解」「凝固」を熱の移動という点から考えさせる選択肢問題となっている。「氷の一部が溶けて水になる」ことと「水に塩化ナトリウムが溶ける」ことを同じであるねと書いていることから正解を見つけたい。
(3)(4)は表を用いながらの平易な計算問題である。
ではさらに砂糖の凝固点に関して言及している。参考にする表は増えるが計算の仕方は大体同じである。(5)(6)①はなんとか正解したい。②の失点はやむを得ないだろう。

【大問3】生物分野…葉のはたらき

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

植物の葉を模した、小さな立方体のブロックを直方体に積み上げたモデルを使って「葉」についていろいろと考察していこうという問題で一見仰々しく思えるものの本年度の大問の中では最も基本に徹した設問設定になっている。ここで点数をかせぎたい。
(1)~(5)はモデルを参考にして葉のはたらきについて基本的な知識を問う問題になっている。また(6)の結果をふまえて、(7)では「オリーブがギリシャに多く生育できる理由」を記述させる問題となっている。ギリシャ・アテネの気候は「暖かく、雨が少ない」という地中海性気候、日本で言うと瀬戸内海の気候に似ている。また、その瀬戸内海に浮かぶ小豆島ではやはりオリーブの栽培がさかんなことは社会の知識としてもっていよう。オリーブが生育できる理由は、世の東西を問わず同じである。
(8)からは葉に多く存在する「気孔」についての設問だが、これは易しかった。また、②も植物の形状を考えれば答えは自ずからしぼられてこよう。
また、2020年オリンピックを意識した問題作りになっているのも今となっては残念なことだ。

【大問4】地学分野…雲・風

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

天候の分野を「雲」「風」にしぼって大問が構成されている。前半は平易な設問となっているのでここは落とさないようにしたい。
Ⅰ(1)(2)は雲についての基本的知識の確認である。
では、おなじみの「偏西風」に加えて、温帯で生活しているわれわれにはほぼ無縁の「貿易風」の解説がなされ、それが設問の内容にも影響している。
(3)(4)は「偏西風」に関する知識の確認であり、ここもきっちり正解しておきたい。
(5)(6)は「貿易風」を使った設問になっていて難易度が若干上がっている。また、理科の知識だけでなく、アメリカ・スペイン・南アメリカ・インドネシアといった地域・国々の位置関係(世界地理の知識)がある程度わからないと問題には答えられなくなっている。
(7)(8)は「南アメリカペルー沖の海水温が平年より高くなる状態」いわゆる「エルニーニョ」を答えさせる問題となっている。「エルニーニョ」はその逆の状態になる「ラニーニャ」と合わせてその現象の中身と日本への気候的影響などを身につけておきたい。

攻略のポイント

テスト時間は社会理科あわせて60分で理科の配点は75点
受験者平均点は「37.3点(49.7%)」と、昨年度の平均点(51.4点)と比べると大幅にダウンしている。受験生の質に変化はないと思われるので、問題の水準が大幅に上がったと言うことになる。昨年度、洗足学園の理科について「受験生たちの質に対して問題が平易な部類に入るからだろう。今後は問題の難化も考えられないことはない」と書いたがそれが的中したことになる。
まずは理科の基本的知識を分野にかかわらずまんべんなく身につけ、誰でも解けそうな問題は絶対に落とさないことは大切だが、それだけでは不十分であり、応用問題や計算問題にも果敢に挑戦して難問への耐性をつけておきたい。
また、この学校の場合、前半が「物理・化学」分野(計算問題を複数含む)、後半が「生物・地学」分野から出題となっていて、前半の方が難易度が高い。後半の問題から手をつけた方が時間を有効に使えるのでこれをおすすめする。

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