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洗足学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「洗足学園中学校の理科」
攻略のための学習方法

理科計算問題

洗足学園の理科では、まず数問必ず存在する計算問題というのがとても気になる。これらの問題をどこまでできるかが合否を分ける一つのポイントとなると思われる。

理科には知識分野と計算分野があるとして、計算問題は難しい感覚があるかもしれない。特に算数が苦手な女子にはありがちな感覚である。しかし、理科の計算問題は算数とは違う。応用力や思考力を問うようなものではなくたいていの問題はこれまでにどこかでやったことのある問題がそのまま出されると考えてよい。

ところが本年度(2021年度)【大問2】(8)・【大問4】(5)、2020年度の【大問2】(3)~(6)の計算問題は、今までのような典型題ではなかっただけに簡単に手を出せるものではなかった。洗足学園の理科がステージを上げてしまった可能性があり、今後は応用問題に含まれる計算問題も演習しておく必要がある。しかし、そうはいっても入試においてはじめてみるような問題は他の生徒たちもまず出来ないと見てよい。つまり合否の差を分ける問題となる可能性は低いということだ。したがって、そのような問題が出来ないからといってあまり気にせず、まずは典型的な計算問題の解き方に力を注ごう。計算問題の全ての分野を終わらせるのにさほど時間はかからない。1ヵ月も集中してやれば終わってしまうものだ。苦手としている受験生は是非対策をしてほしい。

理科知識問題

計算問題が合否を分けるポイントとしたが、それは理科の知識問題がしっかりと合格基準まで頭に入っていることが前提となっているのだ。
見たところ、洗足学園の理科の知識は半端な暗記量ではとてもかなわないところがある。だからこその難関校なのだが、逆に言えば、努力次第では十分合格ラインに届くということでもある。

理科の知識は、怠ることなくしっかりと追求しておいてほしいのだ。知識量が膨大にある社会のように、理科も憶えておかないといけない、という認識はあるだろうか。
はじめから食わず嫌いはやめて、時間をかけて念入りに覚えていってほしいということだ。
そのように認識してほしい。

まとめ

そして、しっかりと頭に入れた知識の勉強の仕方であるが、受験まで使える一問一答式の問題集を使用してほしい。
繰り返すことがポイントなので、受験まで使えるものが一冊ほしい。それを何度も繰り返して、まさしく100%まで正解できるようにもっていってほしい。
理科の知識は、どこまでという出題範囲はない。そのような問題集に載っている問題は、最低限の知識といってもよいのだ。そこまではできないといけない。

ただ、この一問一答式の問題集は、使用するときには注意が必要だ。
受験生本人にこれを一人でさせると、意味もわからずにやみくもに丸暗記している場合があるのだ。何度も同じ問題集をやっていると条件反射的に答えをくり返すだけである。

天体の問題など、「月がなぜその時間に、その方向に、その形で見えるのか?」などは暗記ではだめだ。理解が必要だ。でないと、別の角度から問われた場合にもう正解が出てこなくなる。洗足学園の場合、特にそういう特徴が顕著で、当たり前のことを当たり前の方角から聞いてこないことが間々ある。だから、答えを見ると「なあんだ」ということでも、その場では答えられなかったりする。これでは合格はおぼつかない。

2020年度の問題でいえば、【大問3】(7)などは、問題の意味を捉え、本当の意味で理解をしていないと正しい選択は出来ないだろう。

厳密に言うと、小学生の家での一人での効果的な勉強は期待できない。サポートが必要になる。理解できる誰かがついていないといけない。
一 問一答式の問題集は、答えが言えればいいというものではない。もちろん、セミの鳴き声など覚えれば済むものもあるが、上記のように理解が必要となるものがある。そのようなときは、答えが言えれば終わりではだめだ。逆に、その語句の意味を生徒自身の言葉で説明させたり、なぜその答えになるかを説明できないといけない。でないと入試に耐えうる力とはならないのだ。

まとめると、洗足学園の問題は、知識と計算の力があった上で、オールラウンドな学力を試されるといって言い。それは手ごわいことではあるけれども、成し遂げたときの達成感も半端なものではない。

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2021年度「洗足学園中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

社会と合わせて60分なので,理科にあてられる時間を30分強とすると、大問4問に対し1題8分くらいとなる。これは分量からすればかなりのスピードが要求される。設問数と言うよりも問題文の長さが半端ではないので早く読み解き問題にあたる必要性がある。設問の中には基礎的なものも少なからず含まれているのでここでミスは絶対に許されない。また、計算問題はその水準に応じて問題選択をすること。

【大問1】物理分野…光のはたらき

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

「虹」をテーマに掲げ、その詳しい解説と前半は簡単な知識問題、鋼板はそれを発展させた設問が並んでおり、計算を要するものはひとつもないので問題文をよく読みよく考察して正解を積み上げていきたい。

ひかりのはたらきの一つである「屈折」の知識があれば、「虹」に関しては「上側から赤、橙…」とグラデーションの順番まで書いてあるのでヒントとしては多すぎるくらいだ。また、設問に答えながら屈折率の大きい・小さいもわかるようになっている。
ポイントは(5)からで、視力検査に用いる図などから近視・遠視の仕組みを答えさせる問題、さらになぜ空は青く見えるか、について選択肢を選ぶ問題、月面上での空の色など知っていて為になるものが並んでいて良問と言えよう。

【大問2】化学分野…半減期・過酸化水素水の分解

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

「半減期」に関しては、Ⅰの文章でていねいな説明がある。これを用いて簡単な計算問題を解いていくのが前半である。(1)は平易としても(2)からは注意して解いていきたい。
(2)では、17190年を5730年で割り、3の値が出ることはわかるとして、3gの物質が3回半減していくと言うことを表しているので間違えないでおきたい。
(3)は反比例のグラフになるものを選ぶ。
後半は「過酸化水素水の分解」に関するものだが、実験方法などに関する設問は(4)だけで、ひたすら表1の実験結果を用いて計算問題に取り組むというもので本年度のテストでは最も手強い箇所になっている。
(6)では1時間後の112.0からさかのぼって56.0のところを見つければ良い。
(7)では、(6)で求めた180秒ごとの関係から、過酸化水素水がさらに分解されたと考えれば良い。180秒では56.0が分解されて56.0残っているので、360秒ではさらにその量が半分になる、というわけである。
(8)(7)をさらに押し進めた設問になっているが今度は簡単に倍数関係にない数値なので無理せずに飛ばして先を急ごう。

【大問3】生物分野…肺のはたらき

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

肺の模式図を参考にして、肺のはたらきについて答えていく問題だが、ここまでの大問では最も素直な問題設定になっているので解きやすいだろう。
(1)~(4)はまさに基礎知識の確認である。
(5)からは2Lペットボトル内の気圧の変化によって肺の模型になっている風船がふくらむことが分かっていれば(6)までは答えられるだろう。
ここで[学習メモ]が提示され、後半の設問への足かがりを作っている。この[学習メモ]の内容をまとめると、「血液が全身に酸素を届け、二酸化炭素を回収していること。酸素の運搬にはヘモグロビンという物質が使われ、ヘモグロビンと酸素は酸素の濃度によって結合の割合が変わること」ということで、あとの実験ではこの「酸素濃度とヘモグロビンの結合の割合」のグラフが与えられている。
(7)(8)は簡単な計算と考察によって正解が求められる設問だが、ユニークな出題がされているのであせらないことだ。
(9)では時事問題というか、新型コロナウィルス治療に用いられる人工呼吸器や、メディアなどでその名前は聞いたことがあるだろうECMO(エクモ)という医療機器の説明があり、これまでの知識もふまえて正解を選択するという良問になっている。治療を受けている者がなによりも酸素を要求していることが分かれば正解は選び出せるはずだ。

【大問4】地学分野…星の動き

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

前半は北極星に関する基本的な知識問題でここはなんなくクリアできるだろう。
ポイントは「年周視差」ということばの解説がなされる(4)以降の設問と言うことになる。
(4)では、最も遠い星か、それとも最も近い星か、の二択である。近い星のほうが年周視差が大きくなることは、光の問題と結びつければ納得がいくだろう。「遠くにある太陽光線は平行光線だが、近くの光源は拡散光線になる」といった事実の確認である。
(5)は直角三角形の辺比の割合を使った本格的計算問題だが、算数の問題としてとらえれば
それほど難易度は高くない。地球から太陽までの距離を1として高さbの割合を表から見つけ、ていねいに計算をして求めよう。
(6)の前にはまたも「超新星爆発」のことが書かれていて興味深いがじっくり楽しんでいる時間はあるまい。園子さんの「かに星雲は地球からどれぐらい離れている星なの?」とお姉さんの「約7000年光年とされているわ」「では1054年に観察」だけでも問題は解ける。問題は「光年」の説明がないことだが、1光年とは、光が1年間に進む距離であって、時間に単位ではないと言うことだ。したがって、7000光年は、光が7000年かかって進む距離である。ただここでは距離を聞かれているわけではなく、何年前の光なのか、を答えることになっているので、素直に1054に7000を加えれば良い。気が遠くなる話ではあるが…

攻略のポイント

テスト時間は社会理科あわせて60分で理科の配点は75点。
受験者平均点は「45.9点(61.2%)」で、昨年度の「37.3点(49.7%)」と一昨年度の平均点(51.4点)の中間あたりに位置する。問題の質は一定しないが総じてレベルは上がっている。洗足学園の理科も、洗足学園という学校の難易度に合致した問題になった、ということだ。
まずは理科の基本的知識を分野にかかわらずまんべんなく身につけ、誰でも解けそうな問題は絶対に落とさないことは大切だが、それだけでは不十分であり、応用問題や計算問題にも果敢に挑戦して難問への耐性をつけておきたい。また、既習の内容であってもユニークな出題のされ方をするので初見に見える問題にも臆することなく立ち向かう精神が要求される。
さらに、この学校の場合、前半が「物理・化学」分野(計算問題を複数含む)、後半が「生物・地学」分野から出題となっていて、前半の方が難易度が高いことが多い。後半の問題から手をつけた方が時間を有効に使えるのでこれをおすすめする。

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