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洗足学園中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「洗足学園中学校の理科」
攻略のための学習方法

理科計算問題

洗足学園の理科では、まず数問必ず存在する計算問題というのがとても気になる。これらの問題をどこまでできるかが合否を分ける一つのポイントとなると思われる。

理科には知識分野と計算分野があるとして、計算問題は難しい感覚があるかもしれない。特に算数が苦手な女子にはありがちな感覚である。しかし、理科の計算問題は算数とは違う。応用力や思考力を問うようなものではなく、たいていの問題はこれまでにどこかでやったことのある問題がそのまま出されると考えてよい。

ところが、本年度(2022年度)【大問2】(4)【大問4】(7)、2021年度【大問2】(8)【大問4】(5)、2020年度の【大問2】(3)~(6)の計算問題は、今までのような典型題ではなかっただけに簡単に手を出せるものではなかった。洗足学園の理科がステージを上げてしまった可能性があり、今後は応用問題に含まれる計算問題も演習しておく必要がある。しかし、そうはいっても、入試においてはじめてみるような問題は他の生徒たちもまず出来ないと見てよい。つまり合否の差を分ける問題となる可能性は低いということだ。したがって、そのような問題が出来ないからといってあまり気にせず、まずは典型的な計算問題の解き方に力を注ごう。計算問題の全ての分野を終わらせるのにさほど時間はかからない。1ヵ月も集中してやれば終わってしまうものだ。苦手としている受験生は是非対策をしてほしい。

理科知識問題

計算問題が合否を分けるポイントとしたが、それは理科の知識問題がしっかりと合格基準まで頭に入っていることが前提となっているのだ。見たところ、洗足学園の理科の知識は半端な暗記量ではとてもかなわないところがある。だからこその難関校なのだが、逆に言えば、努力次第では十分合格ラインに届くということでもある。

理科の知識は、怠ることなくしっかりと追求しておいてほしいのだ。知識量が膨大にある社会のように、理科も憶えておかないといけない、という認識はあるだろうか。はじめから食わず嫌いはやめて、時間をかけて念入りに覚えていってほしいということだ。そのように認識してほしい。

まとめ

知識の勉強の仕方であるが、受験まで使える一問一答式の問題集を使用してほしい。繰り返すことがポイントなので、受験まで使えるものが一冊ほしい。それを何度も繰り返して、まさしく100%まで正解できるようにもっていってほしい。
理科の知識は、どこまでという出題範囲はない。そのような問題集に載っている問題は、最低限の知識といってもよいのだ。そこまではできないといけない。

ただ、この一問一答式の問題集は、使用するときには注意が必要だ。受験生本人にこれを一人でさせると、意味もわからずにやみくもに丸暗記している場合があるのだ。何度も同じ問題集をやっていると条件反射的に答えをくり返すだけである。

天体の問題など、「月がなぜその時間に、その方向に、その形で見えるのか?」などは暗記ではだめだ。理解が必要だ。でないと、別の角度から問われた場合にもう正解が出てこなくなる。洗足学園の場合、特にそのような特徴が顕著で、当たり前のことを当たり前の方角から聞いてこないことが間々ある。だから、答えを見ると「なあんだ」ということでも、その場では答えられなかったりする。これでは合格はおぼつかない。

2020年度の問題でいえば、【大問3】(7)などは、問題の意味を捉え、本当の意味で理解をしていないと正しい選択は出来ないだろう。
厳密に言うと、小学生が家で一人でする勉強では十分な効果が期待できない。サポートが必要になる。理解できる誰かがついていないといけない。
一問一答式の問題集は、答えが言えればいいというものではない。もちろん、セミの鳴き声など覚えれば済むものもあるが、上記のように理解が必要となるものがある。そのようなときは、答えが言えれば終わりではだめだ。逆に、その語句の意味を生徒自身の言葉で説明させたり、なぜその答えになるかを説明できないといけない。でないと入試に耐えうる力とはならないのだ。

まとめると、洗足学園の問題は、知識と計算の力があった上で、オールラウンドな学力を試されるといって言い。それは手ごわいことではあるけれども、成し遂げたときの達成感も半端なものではない。

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2022年度「洗足学園中学校の理科」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

社会と合わせて60分なので、理科にあてられる時間を30分強とすると、大問4問に対し1題8分くらいとなる。これは分量からすればかなりのスピードが要求される。設問数と言うよりも問題文の長さが半端ではないので早く読み解き問題にあたる必要性がある。設問の中には基礎的なものも少なからず含まれているので、ここでミスは絶対に許されない。その上で70%程度の正答率は必要とされるから容易ではない。計算問題も質が高いものが含まれている。取捨選択して問題にあたりたい。

【大問1】物理分野…海面上昇・浮力

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

大問はに分かれていて、どちらも水が出てくる問題だが、前半は「水の三態」後半は「浮力」がポイントになっている。

では(1)から計算問題。しかし3800mの1%を求めれば良いので問題なかろう。
(2)①は氷が水に変わった場合の影響である。は氷と水の体積変化の問題であり、どちらも基本知識の域を出ない。

は「浮力」を中心とした問題で、途中てこも出てくるが、それほど難度上昇に貢献していない。A,B,Cともに水よりも軽い物体であり、水より軽い物体の場合、「そのものの重さ」=「受ける浮力」であり、さらに「水の中に沈んでいる体積」も単位は違えど数値は同じになる。このことから問題に取り組めることになるが(3)はなんと「浮力」自体が答えである。(4)では水を食塩水に替えた場合であるが、食塩水の方が水よりも重いため、受ける浮力も大きくなる。つまり、3つともより浮き上がるということになる。
(5)は少し面白い設問で、では「月面上ではどうなるの?」という設問だが、月の重力は地球の約6分の1であり、A,B,Cの重さも6分の1になる。水や容器もすべて6分の1になるので、結果的に「同じ高さ」になる。中学校で「質量」などを習うともっと詳しく教えてもらえる。
(6)ACの空気中での重さが図1から読み取れるなら、支点の位置もその逆比をとって答えられるだろう。
(7)①は算数そのものの計算で10×10×10-5×5×5になる体積の割合を求めれば良い。では体積が小さくなる分だけ受ける浮力も小さくなるので気をつけたい。
「浮力」を苦手とする生徒は少なくないが、この程度の問題は答えられるようにしておきたい。

【大問2】化学分野…食塩の作り方

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

は「海水の成分」を示す円グラフ、物質の溶解度を表す「折れ線グラフ」が与えられ、それらと学習メモ2を参考にして計算問題を中心に構成されている。

(1)(2)は割合の簡単な計算問題である。円グラフの数値を利用して容易に求めることが出来る。(3)は設問が不整備で全員が合格となっている。
(4)は濾過することなく煮詰め続けると、にがりの成分が残るため、よりにがい味の食塩ができてしまう。前半は比較的平易な設問であった。
後半のでは、再結晶というあまり聞き慣れない実験を行っているので、今年のテストの一つの山場になっている。
昨年の【大問2】後半は「過酸化水素水の分解」に関するもので、実験方法などに関する設問は(4)のみ。ひたすら表1の実験結果を用いて計算問題に取り組むというもので、最も手強い箇所になっていた。本年度もそれを踏襲する。
実験の作業をまで行い、空欄に入る数値を計算していく。溶解度の表から、60℃の水100gにはホウ酸が14.9g、硝酸カリウムが110.0g解けることが分かる。この水溶液を10℃まで下げるのでホウ酸は3.7g溶け、(14.9-3.7=)11.2gのホウ酸が溶け残ってしまう。このホウ酸11.2gを溶かすために必要な10℃の重さの水は100×(11.2÷3.7)=302.70…よりXは302.7gになる。このとき硝酸カリウムは10℃の水に(110.0-22.0=)88.0gが溶け残っているので、22.0×(302.7÷100)=66.594…より66.6g(Y)溶けることになる。実験でこの水溶液を濾過すると、110.0-(22.0+66.6)=21.4g(Z)を得ることが出来る。どの計算も割り切れないものばかりなので、計算には十分注意したい。(6)は水の温度が高いとせっかくの結晶が水に溶けてしまうからだ。洗足学園らしい高水準の後半だった。

【大問3】生物分野…ヒトの内臓のはたらき

  • 難度:標準
  • 時間配分:6分
  • ★必答問題

口の中から始まって、気管と肺の仕組みなど人体に関する全般的な設問だが難しい問いはあまりない。

(1)は食べ物を咀嚼する利点を選ぶもので、あまり聞かれることではないが常識で判断できる。

(2)は「蠕動運動」という言葉を習っていれば文句なく解けるが、聞かずに受験時代を過ごしてしまった生徒も少なくないだろう。そういう意味では、難問か?

(3)は、味は舌で区別判断していると知っていればよい。舌を越えてしまった後では味を感じることは出来ない。

(4)は肺に空気が出入りする仕組みの基礎すら教えてくれるありがたい設問で、dのみ記述式になっている。

(5)は肺胞と気体などの関係について問われている。

(6)は人体を学ぶ初日に覚えることだ。

【大問3】では点数をかせいでおきたい

【大問4】地学分野…太陽系の惑星

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

(1)は「惑星」と答えさえすれば良いのだが、なぜ惑星と呼ばれているかの記述式の方が面白かった。

(2)太陽と地球が1億5000万km離れていることを知っていれば表1を使って求めることが出来る。

(3)表1から分かることは、金星の大気の97%が二酸化炭素と言うことだ。さすがに温室効果ガスだが、地球の大気には0.04%しか含まれていない。

(4)火星が赤く輝いて見えるのは、火星の表面を覆っている酸化鉄が太陽の光によって赤く反射しているからだ。これは知っている受験生も多いだろう。

(5)は金星に関する超容易な設問が2つ。②での金星は「宵の明星」と呼ばれている。

(6)水星の公転周期は地球を1とすると0.24と比の値が書かれているのでそちらで計算してしまおう。

(7)のみ難問になる。
水星・金星の公転周期と自転周期の比は表1の数値を使って選ぶのだが、公転周期は地球のものをもとに計算しなくてはならない。もとより、水星のものは計算済みではあるが。
の数値を使う設問だがかなりの難問であり、この問い以外はできれば正解しておきたい。

攻略のポイント

テスト時間は社会理科あわせて60分で理科の配点は75点。
受験者平均点は「43.4点」で昨年度並みであり、問題の質が徐々に安定してきているので、理科も洗足学園という学校の難易度に合致した問題になってきている。
まずは理科の基本的知識を分野に関わらずまんべんなく身につけ、誰でも解けそうな問題は絶対に落とさないことが大切。それだけでは不十分であり、応用問題や計算問題にも果敢に挑戦して難問への耐性をつけておきたい。また、既習の内容であってもユニークな出題のされ方をするので、初見に見える問題にも臆することなく立ち向かう精神が要求される。さらに、この学校の場合、前半が「物理・化学」分野(計算問題を複数含む)、後半が「生物・地学」分野から出題となっていて、前半の難易度が高いことが多い。後半の問題から手をつけた方が時間を有効に使えるので、これをおすすめする。ただし本年度は【大問4】の地学が難しかったので一概には言い切れないところもある。

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