芝中学校 入試対策
2025年度「芝中学校の算数」
攻略のための学習方法
本年度は大問数が5題と、大問数が多かった昨年までと比べて大きな変化が見られた。ただし、出題されている単元を見ると、平面図形・場合の数など昨年まで頻繁に出題されていた単元が今年も出題されている。難度の変化は見られるものの、重点的に学習すべき単元に大きな変化はないと考えてよい。重要単元毎の学習法は以下の通り。
速さに関する問題
本年度は出題されなかったが、例年は後半の大問で出題されることが多い。また、難度が高めの問題が出題されることも多い。本校の速さの問題の出題傾向として、進行の様子を表したなグラフ(ダイヤグラム)を読み取る力が要求される問題が多く、特に、2人の間の距離の変化を表す問題についての出題が多い。この分野の学習法としては、まずは夏休みまでを目途に基本的な解法で解ける問題の演習を積み重ねて欲しい。その上で、秋以降は過去問も用いながら、難度の高い問題の演習にもチャレンジしていきたい。特に、グラフが提示されている問題には力を入れるとともに、グラフが与えられていない問題でも、グラフを描いて考える姿勢を身につけて欲しい。
平面図形
今年度は、大問5で図形上の点の移動によってできる図形について、相似な三角形を見つけながら面積比を使って考える問題が出題された。過去の出題を見ても、相似比・面積比に関する問題が多い傾向にある。この分野は、問題演習の経験量がものをいう単元なので、まずは夏休みまでを目途に、標準レベルの問題演習に数多く取り組んで欲しい。その上で、秋以降には難度の高い問題にもチャレンジして欲しい。また、今年度出題された図形上の点の移動に関する問題や、図形の回転移動・平行移動に関する問題についても、演習を積み重ねてもらいたい。
場合の数
本年度は大問1の小問集合の中で1題、大問4では難度の高い問題が出題された。過去の出題を見ても、単純な計算で正答できる問題は少なく、ある程度のひねりが加えられている問題が多い。従って、考え方の根本をきちんと理解していないと、正解には結びつきにくい。この分野が苦手なのであれば、1度基本に戻って、考え方を理解することから始めて欲しい。また、場合の数の問題には、順列・組み合わせ・塗り分け・道順・和分解などいろいろな問題の出題が考えられる。特定の問題だけでなく、幅広く様々なタイプの問題演習に取り組むことが大切である。
その他の単元
過去の出題を見ると、今年度出題された水量変化に関する問題、食塩水の濃さや売買損益など割合に関する問題、ニュートン算が複数回出題されている。これらの単元についても、多少難度が高い問題も含めて演習に取り組んで欲しい。
過去問演習
2025年度は大問数が5問となり、2024年度までの問題数が多い出題から大きな変化が見られた。過去問演習に取り組む際には、時間の使い方も意識しながら取り組んで欲しい。
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2025年度「芝中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
本校では、昨年度までは大問数が8~10題と多めに出題されていたが、本年度は大問数が5題と減り、その分、各大問の難度が上がっている。その影響で、本年度の合格者平均点は46.5点で、大幅に低くなっている。試験時間は50分で、小問数が18、十分に時間はあるので、一問一問を粘り強く取り組むこと。なお、過去問演習においては、昨年度までと本年度の問題数・難易度の変化に注意すること。
【大問1】計算問題・独立小問集合
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
(1)
①分数・小数の混合計算
②□を求める問題
(2)場合の数 裏が4回、表が2回出たことになるが、途中でゴールについてはいけないことに注意。
(3)立体図形・数の性質・場合の数の融合問題 27000÷30より残り2つの辺の積が900.900は平方数であり、約数の個数は27個なので、積の組み合わせは14通り。
(4)仕事算 機械を使わない時のA1日の仕事を3、B1日の仕事を2、全体の仕事を60として考える。1日の仕事時間が8時間であることに注意すること。
計算問題と独立小問による出題。計算問題は単純でない。日頃の計算練習の成果が問われる。計算問題対策としては、1日5問程度、やや複雑な計算問題や□を求める問題も含めて行うこと。小問3題は、いずれも典型的な基本問題よりはレベルが高い。1行問題だからと侮ることなく、しっかり考えよう。
<時間配分目安:12分>
【大問2】割合の文章題
- 難度:やや難
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)100mL飲み、80mLの水を加えるので、480mLとなる。
(2)果汁の量に注目すると、500×4/5×3/4×2/3より、200mLとなる。
(3)2回目の作業が終わった後の果汁の量は、500×2/5×2/5より80mL。1回目の操作が終わったときのジュースの量は、24/25×15/16×8/9より4/5倍になるので、2回目の操作が終わった後のジュースの量は、500×4/5×4/5より320mL。従って、2回目の操作が終わった後は、80÷320より、果汁25%となる。
(4)1回の操作で果汁の量は2/5、ジュースの量は4/5になるので、2/5÷4/5より濃度は1/2になる。100に1/2をかけていき確認すると、3%以下になるのは6回目とわかる。
果汁ジュースを題材とした割合の文章題。(2)までは基本的な割合の計算であり、確実に正答したい。(3)以降は、本問題における果汁ジュースの濃度とは何かの理解と、正確な計算力が問われる内容。
<時間配分目安:8分>
【大問3】水量変化とグラフ
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)容器の前面から見た面積で考えると、容器の全体は6000㎠、10分間に増えた面積は6000×1/5より1200㎠。1200÷60より、10分後の深さは20㎝。
(2)同様に前面から見た面積で考える。時間イにおいて水が入っている部分の面積は、2160㎠。全体の面積が6000㎠なので、50×2160/6000 より、イ=18分となる。
(3)以上の結果より、8分間で12000㎤の水が出ていったことになるので、12000÷8より、1500㎤。
水量変化とグラフについての出題。(1)において、何を手掛かりに考えればよいかが、意外と迷う。水は常時排水されているので、水の増え方が一定であることがポイントとなる。(2)ではAの部分が16㎝の時に入っている水の量とそれ以降に増えた水の量の比が、かかった時間の比と等しいことがポイント。(2)までがわかれば(3)は難なく解けるであろう。
<時間配分目安:10分>
【大問4】場合の数
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)テキストや問題集で頻繁に出てくる「最短距離」の問題ではないことに注意。1番南の道から南から2番目の道へ上がる道が6本あるので、AからBは6通り。南から2番目の道から3番目の道へ上がる道も6本あるので、BからCも6通り。
(2)南から1本北の道へ移るのにそれぞれ6本の道があるので、6×6×6×6×6より、7776通り。
(3)南から3本目の道から4本目の道に上がるときに、CE間を通ったか、CEより東を通ったのか、CEより西を通ったのかによって場合分けをして考える必要があり、難度が高めになっている。
場合の数の出題。道順に関する問題だが、通常テキスト等に掲載されている問題とは異なる。固定観念にとらわれずに解法をしっかり考えることが大切である。東西への移動が可能なので、南北の移動に6本の道が使用可能になることを利用することになる。(3)だけは場合分けをして考える必要があり、難度がかなり高くなる。(2)まで正答できれば上出来であろう。
<時間配分目安:10分>
【大問5】図形上の点の移動・平面図形の比
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)まずは、点QがDにあるときの図を正確に描くこと。このとき、PRとQDの交 をG、PCとQDの交点をHとすると、BG:GH:HQ=14:6:15となる。三角形PQRの面積と三角形PQDの面積が等しいので、Tを三角形PQDと比較すると、6/35倍となる。
(2)AB=1、AD=2とすると、AB=PQとなるとき、AP=2/3、PQ=4/3、QD=1/3となる。CQ:QD=2/3:1/3=2:1となる。また、PE=1/3×1/3より1/9、FR=2/3×1/3より2/9となるので、PE:EF:FR=1:6:2となる。
(3)PCとAQの交点をI、PCとFQの交点をJとすると、相似な三角形を利用して、QI:IE=6:1、QJ:JF=6:7となるので、三角形QIJの面積は三角形QEFの面積の36/91となる。従って、Tは三角形QEFの55/91。また(2)より、三角形QEFは三角形PQRの面積の2/3となるので、Tの面積を三角形PQRと比較すると、2/3×55/91より、110/273倍となる。
図形上の点の移動の問題で、比を使った面積計算が中心となる出題。指示された通りの作図ができるかどうかが、第1のポイント。第2のポイントは作図した図の中の相似な三角形を利用した面積計算ができるかどうか。平面図形の総合力が求められる問題で、(3)は難度が高い。(2)までは何とか正答したい。
<時間配分目安:10分>
攻略のポイント
大問数が多かった昨年までの出題から、大問数が大問1の小問集合を含めて5題となり、各大問の難度が上がるという、芝中学受験生にとっては、大きな変更があった。合格者平均点も昨年までと比較して大幅に下がり、5割を切っている。それだけに、今回の入試の攻略ポイントとしては、大問1の小問集合など得点しやすい問題でミスをしないことと、各大問の中で比較的に正答しやすい前半でしっかり得点することがあげられる。また、大問数の多かった昨年までとは時間配分が違ってくる。1つ1つの大問に10分程度の時間が許されるので、しっかり思考力を働かせることを意識することが必要になる。過去問演習においては、2024年までと2025年の時間配分の違いに気を付けて欲しい。
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