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芝中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「芝中学校の算数」
攻略のための学習方法

芝中の算数は、数ある学校の中でも良問率が高く、算数の実力を公正に測れるという意味では、志望校として過去問対策にあたる場合も、力をつけるために演習として解く場合も必ず実力アップできるという効果がある。

では、芝中学に合格するためには何に注意し、どのような対策を施せばよいのか?
具体的な問題を例にとって説明したい。

2011年(平成23年度)第1回出題【大問6】
『ある水そうには、2つの注水管AとBがあり、A管では45分、B管では1時間3分で、それぞれ空の水そうをいっぱいにすることができます。
空 の水そうに、はじめの10分はA管とB管の両方を用いて水を入れました。その後、A管だけを用いて□分水を入れ、つぎにB管を用いて何分か水を入れたところ水そうがいっぱいになりました。空の水そうに水を入れ始めてから、水そうがいっぱいになるまでに43分かかりました。』

仕事算に比を用い、さらにつるかめ算で解答していくというパターン化した問題だが、「芝」らしく解答欄ひとつしかない。あまり難しくない問題だが、解く流れとしてはこうだろう。

1.A管とB管の1分間に入れる水量の比を出す。…a
2.aを用いて水そう全体の容積を整数値bで出す。
3.bの答えからA・B合わせて10分間の水量をひく。…c
4.cの数値を用いてつるかめ算の解き方から答えを導き出す。

芝中の場合、解答欄には答えを書きこむだけなので、ひとつの大問に対する小問の数が少ないと配点がそれだけ高くなる。                                             設問(1)(2)と分かれている方が点数がとりやすいのだが、上記の段取りをきちんと踏んで最後までミスしないで終了したとしてようやく1問解いたことになると言う、大変手間がかかるのが特徴である。

公開模試や塾の教材には親切なものが多いので、たいてい解きやすいように(2)のヒントとして(1)が設定されることが多く、しかもそこで得点(マルつけ)出来ることになっているが、芝では解く過程を最後まで見通せた上でいくつかの段階を経て解いていけない限り点数には結びつかない。

例に挙げた大問はそんな中ではまだ解きやすい方である。現段階で易々と解けてしまった生徒もいるだろう。いつもこんなものではないので、1つの例として考えてもらいたい。

それでは普段何を行えばよいかと言うことだが、過去問を解くのはもちろんとして、中・上クラスの文章題、しかも設問が1つしかない問題に多くあたることが大切である。

周りを見ても適切なものがないという場合は、ある大問の(2)や(3)だけ、先生に指示をもらって解いてみてはどうだろう。文章題でもそうだが、平面図形特に相似形などでは最後の設問だけ答えるのは難しいことが多く、簡単に得点をくれない芝中の対策にはうってつけだと思われる。

ただしそれよりもっとずっと前のステージで止まっている生徒、さきほどの「水そう問題」で、1の段階にも進めなかった生徒は基礎力不足と言えるので、ひとつ学年を戻した教材でまずは典型題にあたり、いろいろな解き方をマスターすることが必要だ。

芝中合格を目指す生徒は「つるかめ算の解き方=九九」程度に使いこなせることが最低条件だ。

 

合格するための学習法をまとめると

・過去問を解きながら本校の問題レベルを把握し、上記の対策法を用いて多くの文章題にあたり、複雑な条件下の問題にも対応できる力をつけること。

・平面図形の問題には積極的に手を出し、難易度の高いレベルまで解けるよう時間をかけること。

・基本的な力だけでは合格点には到達しない。一行問題集のレベルで安住せず、同レベルの学校の問題などでも演習をすること。

 

過去問に取りかかるのは秋からでよいが、時間配分・問題量などにはとりたてて大きな特色はないのでそのときの実力が出やすい形式になっている。
本番までに3度は繰り返し、芝中合格の力を身につけて臨もう。

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2019年度「芝中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が9つ、設問が15問。大問2から大問9までは「標準」~「やや難」の文章題が分野のバランスよく並んでいる。2年続けて設問数は15題であり、今後の傾向に一つの方向性を示した。
超難問は存在せず、いずれの大問もそれまでの勉強の成果を出しやすいレベルで、本年度もまた「芝」特有の「解きにくい問題」はなく、受験者の平均もそれを物語って例年より高めである。
対応しやすい問題の上に、この質・量ならば50分で合格点をとるのは十分可能である。

【大問1】計算問題

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

本年度の計算問題はどちらも標準的なレベルであり、過去問でみっちりと計算問題対策を積んできた受験生たちはさぞ驚いたことだろう。もちろん落とすことはできない。

【大問2】過不足算

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

「男の子」の数が出ているので男の子たちに実際に配ったノートの冊数がわかることから「女の子」側に配った冊数の差が生まれて答えにつながるという標準レベルの過不足算。所要時間は5分としたが素早く解ければ余裕が生まれる。

【大問3】周期算

  • 難度:
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

59を1111で割って、小数の商に周期が生まれる、という4年生バンザイレベルの易問。ただ、1111を9倍すると9999になるので、59を9倍すると割り算をしなくても周期が見つけられる、ができる生徒はどれだけいるかはわからない。

【大問4】和と差に関する文章題

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

この問題も受験算数のテキスト・問題集・過去問などどこでも見かける典型的な文章題で、「3つは偶数で、1つは奇数」と条件を増やすことによってより解きやすくなっている。設問にもとりたてて工夫はない。

【大問5】平面図形(角度)

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

折り返した前の図形とあとの図形で等しい角に印をつける、と「辺ABと辺DEが並行になりました」という条件からも等しい角に印をつけることによってさらっと答えが出る標準的な問題。ここもまたしっかりと正解しよう。

【大問6】平面図形(相似比、面積比)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

さてようやく解きごたえのある大問がやってきた。
問題自体はよく見がちな「正六角形の分割」であるが(1)も含めここまででは最も難度が高い問題になっている。
いずれの設問に対しても相似形や合同な図形の面積を簡単な数字に置き換えて問題を解いていくわけだがふだんから「全体を1とおく」とか「最も小さい面積を1とおく」など自分で基準を決めておくと対応しやすいと思う。

(1)は正解できるとして(2)は少し難しいか。はじめてテストに点差がつき始める問題だ。

【大問7】食塩水

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

食塩水を同量取り替えた結果、2つの食塩水の濃さが等しくなる、ならば食傷気味の典型題だが、濃度の比が9:8になる、というところでレベルが一段高くなっている。
といっても、高くなっているのは一段だけなのでその食塩水の濃度に重さをかけて比を求めてやればそれぞれに溶けている食塩の重さの比がわかるから、あとは食塩を比例配分して、さらに面積図…という段取りで正解まで進むことができるだろう。

そうはいってもここでも点差がつきそう。なんとかしのぎたい。

【大問8】規則性(数表)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

昨年同様【大問8】に規則性の難問が出た。(1)はまだしも(2)は本年度最難関の設問だったと言えよう。

(1)「色の規則」と「並べる枚数の規則」の両方を考えていかないといけない。そのことから4と7の最小公倍数,カードが28枚で1つの大きな周期を作っていることがわかれば先に進むことができる。そこそこカードを書き出していくことはやむを得ないが必要最小限な書き出しで住むよう工夫したい。

(2)はそれをさらに押し進めたもので、ここまで全問正解または時間に余裕がある生徒は取り組んでもらいたい。ただ、ここはスルーしてもかまわない。

【大問9】立体図形(水槽とグラフ)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分

最後はやはり立体図形の問題で、ただ「切断」ではなく「水槽とグラフ」の問題なので多少は取り組みやすくなっている。
体積や容積を求めていくという計算重視の内容ではなく、グラフをしっかり分析して底面や高さ・体積に比を用いて解いていくという思考重視の問題になっている。

グラフ半ば、「11分~C分」まで水の高さは変化しないままだがそこが理解できた生徒のみ答えに手が届くことができる。
「並」の問題ならば「グラフが変化したところに目をつけて問題を解く」で解決するだろうがここでは「グラフは変化していないにもかかわらず事態は変化している」ので一筋縄ではいかない。
そしてそれがわからないとCの数値を求めることもできないので大問総体としてはこの【大問9】が最も難しいといってもよい。
ただしCが解けるとDも同じような考え方で求めることができるので超難問とはなっていない。
そうは言っても、この大問にトライし正解できた生徒は「水槽とグラフ」の問題に自信を持って良い。

攻略のポイント

テスト時間50分で100点満点。合格者平均点は68.0点,受験平均は53.8点と問題が平易だった昨年度ほどではないにしてもここ数年間では高い数値であり、テスト前半の問題レベルから見ておかしくはないデータである。合格に必要な点数は65点くらいなので、少し上の70点を目標と定めよう。

【大問1】【大問2】【大問3】【大問4】【大問5】は確実に当てておきたい。
【大問6】【大問7】【大問8】【大問9】では、【大問6】(1)【大問8】(1)は正解しておきたい。また、【大問7】の食塩水も正解できるようにしたい。
上記通りに正解できれば、優に70点以上の得点が望めるだろう。
そのためのポイントとしては

・塾の教材や市販の問題集などで,標準からやや難しめの問題に多く触れ,典型的な出題への耐性と解き方をたくさん身につける。
問題を解くための手段(線分図や数式など)をきっちりと身につけ、問題によって使い分けられるようにしたい。
・ほぼ同程度の難易度を持つ学校の問題も時間があったら解いておくとよい。

本年度は前半から中盤までの問題が平易・標準であったので全体的な難易度も下がっている。ここ数年は以前に比べると難問の山、ということはない。しかし3年前のように突然難度が高くなる年もある。入手できる範囲の過去問にはすべてあたり、難易度への耐性をつけてテストに臨もう。

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