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芝中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2021年度「芝中学校の算数」
攻略のための学習方法

芝中の算数は、数ある学校の中でも良問率が高く、算数の実力を公正に測れるという意味では、志望校として過去問対策にあたる場合も、力をつけるために演習として解く場合も必ず実力アップできるという効果がある

では、芝中学に合格するためには何に注意し、どのような対策を施せばよいのか?
具体的な問題を例にとって説明したい。

2011年(平成23年度)第1回出題【大問6】
『ある水そうには、2つの注水管AとBがあり、A管では45分、B管では1時間3分で、それぞれ空の水そうをいっぱいにすることができます。
空 の水そうに、はじめの10分はA管とB管の両方を用いて水を入れました。その後、A管だけを用いて□分水を入れ、つぎにB管を用いて何分か水を入れたところ水そうがいっぱいになりました。空の水そうに水を入れ始めてから、水そうがいっぱいになるまでに43分かかりました。』

仕事算に比を用い、さらにつるかめ算で解答していくというパターン化した問題だが、「芝」らしく解答欄ひとつしかない。あまり難しくない問題だが、解く流れとしてはこうだろう。

1.A管とB管の1分間に入れる水量の比を出す。…a
2.aを用いて水そう全体の容積を整数値bで出す。
3.bの答えからA・B合わせて10分間の水量をひく。…c
4.cの数値を用いてつるかめ算の解き方から答えを導き出す。

芝中の場合、解答欄には答えを書きこむだけなので、ひとつの大問に対する小問の数が少ないと配点がそれだけ高くなる。                                             設問(1)(2)と分かれている方が点数がとりやすいのだが、上記の段取りをきちんと踏んで最後までミスしないで終了したとしてようやく1問解いたことになると言う、大変手間がかかるのが特徴である。

公開模試や塾の教材には親切なものが多いので、たいてい解きやすいように(2)のヒントとして(1)が設定されることが多く、しかもそこで得点(マルつけ)出来ることになっているが、芝では解く過程を最後まで見通せた上でいくつかの段階を経て解いていけない限り点数には結びつかない

例に挙げた大問はそんな中ではまだ解きやすい方である。現段階で易々と解けてしまった生徒もいるだろう。いつもこんなものではないので、1つの例として考えてもらいたい。

それでは普段何を行えばよいかと言うことだが、過去問を解くのはもちろんとして、中・上クラスの文章題、しかも設問が1つしかない問題に多くあたることが大切である。

周りを見ても適切なものがないという場合は、ある大問の(2)や(3)だけ、先生に指示をもらって解いてみてはどうだろう。文章題でもそうだが、平面図形特に相似形などでは最後の設問だけ答えるのは難しいことが多く、簡単に得点をくれない芝中の対策にはうってつけだと思われる。

ただしそれよりもっとずっと前のステージで止まっている生徒、さきほどの「水そう問題」で、1の段階にも進めなかった生徒は基礎力不足と言えるので、ひとつ学年を戻した教材でまずは典型題にあたり、いろいろな解き方をマスターすることが必要だ。

芝中合格を目指す生徒は「つるかめ算の解き方=九九」程度に使いこなせることが最低条件だ。

 

合格するための学習法をまとめると

・過去問を解きながら本校の問題レベルを把握し、上記の対策法を用いて多くの文章題にあたり、複雑な条件下の問題にも対応できる力をつけること

・平面図形の問題には積極的に手を出し、難易度の高いレベルまで解けるよう時間をかけること。

・基本的な力だけでは合格点には到達しない。一行問題集のレベルで安住せず、同レベルの学校の問題などでも演習をすること。

 

過去問に取りかかるのは秋からでよいが、時間配分・問題量などにはとりたてて大きな特色はないのでそのときの実力が出やすい形式になっている。
本番までに3度は繰り返し、芝中合格の力を身につけて臨もう。

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2021年度「芝中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が10、設問が19問。大問2から大問10までは「標準」・「やや難」の文章題が分野のバランスよく並んでいる。本年度は設問数が19題とさらに1題増えたもののテストの難化を招くものではなかった。
捨て問にあたるほどの超難問は存在しないものの、男子進学校なだけに平易な問題を克服してきたくらいでは歯が立たない問題も多い。
平常の勉強でも十分対応できるものの、応用問題への対策は厚くして臨みたい。

【大問1】計算問題

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

本年度の計算問題も往年の難度を維持しており、過去問でみっちりと計算問題対策を積んできた受験生たちはその成果を出せそうだ。計算に苦手意識がある生徒は少し大問を解いてからもどって解くというのも手段である。

【大問2】食塩水

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

「面積図」または「てんびん」などを使って濃さを求めるというよく見かける問題だが、「1:2」の割合で混ぜた食塩水の濃さが割り切れないので分数で表しながら解くか、または3種類の面積図などで求めることになるのが少しやっかい。

【大問3】数の性質

  • 難度:標準
  • 時間配分:4分
  • ★必答問題

(1)(2)とも、何個かの約数を持つ整数を答える問題で、たとえば、整数「a×b(a,bは異なる素数)」の約数の個数は(1+1)×(1+1)=4個、と答え技術がないと解くのが困難になる。調べていくとどれだけ時間がかかることか。このさい、知らなかった生徒はしっかり覚えて進もう。
(1)では、「a×a×a×a」と素因数分解される整数が約数を5個持つので、1番目に小さいものは「2×2×2×2」、2番目は「3×3×3×3」で81になる。
(2)では、素因数分解の形が「a×a×a×a×a×a×a」か「a×a×a×b」か「a×b×c」と3つに割れるのでちょっと苦労することになる。

【大問4】売買損益

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

原価をとおいて、式をたてて解く問題である。難易度は中程度だが、売買損益の問題は入試に頻出なぶんだけ難度が高めのものが出されやすい。ここでも安直に式がたつ問題ではないが求める箱数を□とするなど工夫して求めてみよう。

【大問5】平面図形(面積の比)

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

これもまたよく見かける問題である。三角形が3つあって大・中・小とすると、大と中の大きさの割合と中と小の大きさの割合が同じなので図形が複雑そうに見えるものの案外解きやすい。(1)は基礎、(2)が解けてこそこの問題を解いたと言える。

【大問6】約束記号

  • 難度:やや難
  • 時間配分:5分

問題文に書いてある約束事をよく読んでから問題に取りかかる。
(1)は分子を等差数列の公式から求めればよいから簡単だ。
ポイントは(2)のほうで、<>の分数の答えは7つごとに同じことをくり返していることをまずつかむ。その上で、その次の7つは前の7つの和に対していくつ大きくなるかがわかるので、それを次々に大きくしてから全体の和を求めるという解き方が浮かんでくる。なぜ「やや難」と指定したかというと、(1)も含めて、これを5分で処理する難しさを考えたからだ。10分で解け、であれば難易度は下がる。この問題の前までスムーズに解けてきていて、時間に余裕があれば解いてもよい、という感じである。

【大問7】周期算・場合の数

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分

(1)はこの作業を何回か続けていけばいくつかの数値のくり返しであることが分かるので、あとは周期算の基本問題を解くレベル。
(2)は最後の個数が0になるところから4回分もどって考えていけばよいが、全部求めてやっと点数というところがやっかいだ。0の前は20に決まっているので、その前は10か40、その前は…という作業をていねいに行おう。

【大問8】ニュートン算

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

ニュートン算に平易な問題はなく、基本レベルでも中級問題と言えるが、この問題はその中級レベルのものなのでぜひとも正解して進みたい。
(1)は図など書かずしても求めることが出来る。
(2)では線分図を2本ひいて、わからない数値を①や□などにおいて式を立てて求めていこう。

【大問9】水そうとグラフ

  • 難度:標準
  • 時間配分:5分
  • ★必答問題

水そうに複数の蛇口で水を入れながら、かたや排水口で水を抜く、さらにそれをグラフで表す…という大がかりな問題になりやすい内容だが、この問題はそこまで複雑なものではなかった。ただ(1)を解けるかどうかが勝負なので、2問とも○か2問とも×か、と点数の分かれる問題になっている。
(1)では、満水になるまでのグラフを分析すると、「Aだけ」→「AとB」→「AとBとC」→「AとB」と水を入れる(または出している)ことがわかる。このうち、Cが開いていたのが12分と言うことから「Aだけ」または「AとB」で水を入れていた時間は48分間とわかり、A、Bの水を出す量の比から逆比でかかった時間を求めることが出来る。
(2)(1)が解けた生徒へのボーナスポイントで、全体の水量を求め、Cの排水量で割るだけである。A+B=Cというのも、あまり難易度を上げていないところである。

【大問10】平面図形(相似形)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:7分

おもに三角形の相似形を用いながら解いていく問題で、(1)は「易」、(2)は「標準」、(3)は「難」という難度設定である。(2)が解けるかどうかがポイントになる。
(1)三角形ABXの中だけを使えば答えが出る。相似比を底辺の比に転換するという頻出の問題だ。
(2)②の求め方は人それぞれになるだろう。四角形なので補助線をひいて2つの三角形にしてから求めるやり方(三角形への分け方で2通りある)、全体の4分の1の大きさの三角形から2つの中程度の三角形をひいての面積をそのまま求めるやり方、など。残り時間と相談してねばり強く解いてみよう。
(3)も15分、いや10分あれば解ける問題かもしれない。大きさの等しい三角形の組み合わせもたくさんあるし。しかし残された時間はあと4分程度。これでは解ききるのが難しくなる。ここまででまだ10分程度の時間が残されていければアプローチしてみよう。方法は(2)と大して変わらない。もし時間に余裕がなければ見切りをつけて、解答の見直しを始めよう。

攻略のポイント

テスト時間50分で100点満点。合格者平均点は68.6点,受験平均は53.3点と昨年度と比較してもその差はほんのわずかであり、テスト全体の問題レベルは非常に安定している。合格に必要な点数は65点くらいなので、少し上の70点を目標と定めよう。
【大問1】【大問2】【大問3】【大問5】【大問8】【大問9】は確実に当てておきたい。
【大問6】(1)・【大問7】(1)・【大問10】(1)(2)もできれば正解しておきたい。
上記通りに正解できれば、優に70点以上の得点が望めるだろう。

そのためのポイントとしては
・塾の教材や市販の問題集などで,標準からやや難しめの問題に多く触れ,典型的な出題への耐性と解き方を多く身につける。
・問題を解くための手段(線分図や数式など)もきっちりと身につけ、問題によって使い分けられるようにしたい。
・ほぼ同程度の難易度を持つ学校の問題も時間があったら解いておくとよい。
本年度は問題の質が均一化しており、【大問2】から【大問10】では、問題の取捨選択が命運を握った可能性がある。この数年間は難易度が安定しているものの、それ以前のように難度が高くなる年度もある。入手できる範囲の過去問にはすべてあたり、難しいときでもそれなりの対応が出来るようにしてテストに臨もう。

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