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筑波大学附属駒場中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2022年度「筑波大学附属駒場中学校の国語」
攻略のための学習方法

第1(出題形式について・・・前述と同様)

 出題形式は、ほぼ一貫している。年度による難易度の変化も(難易度が高いという意味で)、目立って異なることはないようにみられる。もっとも、算数で易化した年があることから、思い込みは厳禁である。各設問の難易度も(これもまた難易度が高いレベルで)平均しているので、各設問について50%程度の得点を(採点基準にまんべんなく触れ、0点の設問がないように)得ることを目標に学習し、いずれかの設問で加点をねらうべきである。

 詩・短歌・俳句がほぼ例年出題されるので、この分野の学習も怠りなくする必要がある。

 漢字については、ここでの失点は避けなければならない。日々の(毎週行われる小テスト)漢字学習を怠りなく消化するように心がけるべきである。

第2(記述式問題について)

 記述式問題については、その採点基準、すなわち出題趣旨を把握することが重要になり、これさえできれば合格点以上の点数を得ることが可能になる。

もっとも、筑駒については、この設問の入り口の部分のハードルが(極めて)高いという特徴がある。すなわち、設問が(不親切なくらい)シンプルなため、過去問を通じて筑駒の問題検討を入念に行わない場合、出題趣旨および出題意図が捉えられず、「何について」「どの程度」「どうやって書けばよいのか」が全く分からずに、あさっての答案を書いてしまう事態になってしまう可能性が高い。

これは、受験生のレベルが(極めて)高いため、他の中学校の記述問題にみられるような丁寧な誘導をしてしまうと、ほとんどの受験生が容易に解答をしてしまう可能性が高く、その結果、出題趣旨・意図の把握も、問題の中に織り込んで出題しているからだと思われる。

 さらに筑駒の国語の問題の難しさは、字数制限の厳しさにもある。すなわち、解答欄が小さい、すなわち書くことが許されている字数が少ないということである。麻布中学や武蔵中学のように大きな解答欄を与えてくれれば、出題趣旨・意図が正確にとらえきれない場合、採点基準に関係ありそうな事項を網羅的に数多く(言い方は悪いが、数を撃てば当たる式の考え方)書けば、その中のどれかが採点基準に引っかかることを期待できる。

しかし字数が制限されると、その方法は使えない。なぜなら、採点基準に含まれない事項を書けば、必然的に採点基準に該当する内容が書けなくなるからである。

したがって、筑駒を目指すのであれば、短い字数で解答できるように、具体的には、文章中の言葉の継ぎはぎではなく、文章中の内容を、自分の言葉でわかりやすく説明するトレーニングをすることが必要になる。

 以上をまとめると、極めて当たり前のことになるが、過去問を教材に、シンプルな設問からその出題趣旨・意図を的確に把握し、その内容を文章中の語句の継ぎはぎではなく、自分の言葉でわかりやすく説明する学習をできるだけ早い段階からすべきといういことになる。

第3(詩・俳句・短歌の出題)

冒頭にも述べたように、筑駒は、詩・俳句・短歌からの出題がなされる。この点、多くの受験生はこのジャンルの出題を苦手とする傾向があるが、その大きな理由は、学習分量の少なさにあると考えられる。

実際、このジャンルの問題は(筑駒といえども)一定程度限定された設問にならざるを得ない。その意味では知識問題に近いともいえるので、より多くの問題を研究して、いわゆる解答の枠を身に着けてもらいたい。

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2022年度「筑波大学附属駒場中学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問は「論説文」、出典は片渕須直「『アニメーション』を考える、ある視点」(文字数約2300字)。小問は全4問(解答数5)。全て「説明記述」(全部「字数指定なし」)。問題文は3分弱で読み、設問を14~15分で解きたい。大問は「小説」、出典は唯野未歩子「はじめてだらけの夏休み――大人になりたいぼくと、子どもでいたいお父さん」(文字数約1800字)。小問は全4問(解答数4)。全て「説明記述」(全部「字数指定なし」)。問題文は2分強で読み、設問を12~13分で解きたい。大問は「文の漢字変換」のみ。1分程度で丁寧に記したい。大問は「詩」、出典は谷川俊太郎「合唱」(文字数約140字)。小問は全3問(解答数3)。「説明記述」(全て「字数指定なし」)のみ。7分程度で解きたい。

【大問一】「論説文の読解」(「説明記述」のみ4問)

  • 難度:標準
  • 時間配分:17分
  • ★必答問題

゙動かない゙「漫画」と「アニメーション」から受け取る生命感の違いや、「アニメーション」で取りあげる題材の変化について論じている。やや難解な語句があるが、<注>を活用して内容を理解したい。「換言説明」と「理由説明」の「説明記述」が並ぶ本校としては「標準レベル」大問だ。以下、典型的な問題を確認する。

[問二] 「換言説明記述」(「字数指定」なし、「70字ほど」の解答欄)。傍線部の「『ほんとうの動き』として受け止める」とは、「どういうことか」を説明する。誰が、何を「『ほんとうの動き』として受け止める」のか? 「傍線部一文一部の法則」で確認したい(「傍線部が一文の一部分だった場合、傍線部以外が重要」という読解の基本となる解法)。直前に「人はそれを」とある。「指示語」があるので開く(「指示語」が出たら即開くこと)。「それ」=「アニメーションでの細やかで小さな動き」だと分かる。つまり、「人」が「アニメーションでの細やかで小さな動き」を「『ほんとうの動き』として受け止める」というわけだ。無論、これだけでは説明不足だ。さらに、「説明すべき内容」を「同一意味段落」から読み解いていく(「論説文」「説明文」では「同一意味段落」に「根拠・手がかり」がある)。直前の形式段落で「こぢんまりと小さな動きをアニメーションの登場人物に行わせたときに、『どこか、ほんとうに人が存在しているという感触を味わえる』」と述べられている。こうした内容を整理して、「換言説明」としてまとめていきたい。たとえば、「アニメーションの登場人物にこぢんまりと小さな動きを行わせたときに、見た人がどこか、ほんとうに人が存在しているという感触でとらえるということ。」(70字)といった「答え」になる。 尚、「換言説明」なので、「受け止める」=「とらえる」といった「換言」をすることが肝要だ。

[問四(2)] 「理由説明記述」(「字数指定」なし、「60字ほど」の解答欄)。傍線部「高畑さんの『異化効果』に鑑みれば、アニメーションがそうした題材にまで手を伸ばすことは間違いなく、意味のあること」について、なぜ「意味のあること」なのかを説明する。先ずは「指示語」を開きたい。5行前から、「そうした題材」=「(ドキュメンタリーのような)実写で描くべき題材」だと読み取れる。では、なぜ、「アニメーションがドキュメンタリーのような実写で描くべき題材にまで手を伸ばすこと」(=[問四(1)]の答えの要点)が「意味のあること」なのか? 直前に「高畑さんの『異化効果』に鑑みれば」とあるのだから、そのことが「理由」に結びついていることが分かるはずだ。「高畑さんの『異化効果』」とは何かを、「同一意味段落」から読み解いていきたい。2つ前の形式段落で説明されていると分かる。そこでは、「高畑さん」が使う「異化効果」とは「『見慣れない未知のもののように感じさせる』のではなく、『見慣れてきてしまったことの意味を再発見させる』」ことだと説明されている。とすれば、「アニメーション」によって「実写」で「見慣れてきてしまったことの意味を再発見させられる」ことが「意味のあること」の「理由」になると判断できる。あとは、「過不足なく」まとめていくことになる。よって、たとえば、「アニメーションが、ドキュメンタリーのような実写で描くべき題材を扱うことで、見慣れてしまったことの意味を再発見できるから。」(60字)といった答えだ。尚、「説明記述」では、「最重要要素」(「理由説明」では「直接的理由」)を必ず「文末」にすること。

【大問二】「小説の読解」(「説明記述」のみ4問)

  • 難度:やや難
  • 時間配分:15分

「葉太(ぼく)」は9歳の小学生。ある日家に帰ると、母がいなくなっていた。代わりに滅多に家にいない録音技師の「お父さん」が一緒に夏休みを過ごすという。最初は「お父さん」を拒絶していた「ぼく」だったが、土鍋で炊いたごはん、まっすぐ進む遊び、「雪の音」をつくる手伝いなど、経験したことのない日々に「ぼく」は夢中になっていく……。本文では、「お父さん」の仕事の都合で「夏休み」が終わりそうになったが、「ぼく」が「お父さんの仕事」を手伝うことになる様子が描かれている。内容は難なく理解できる。しかし、問題の難易度は本校ならではだ。「少ない情報」を丁寧に読み取り、設問と結びつけて「記述」する必要がある。2問を検討したい。

[問一] 「内容説明記述」(「字数指定」なし、「70字ほど」の解答欄)。傍線部の「困ったことになった」という言葉を、「『ぼく』は最初どのように捉えているか」を説明する。「状況」を「同一場面」から読み取りたい(「小説」「随筆」では「同一場面」に「手がかり・ヒント」がある)。傍線部は「お父さん」の言葉だとすぐに分かり、それに対して「ぼく」は「なにが?」と訊(たず)ねている。そこから「お父さん」が「(仕事上で起こった)困ったこと」について色々と説明しているのだが、「ぼく」は「ふうん」「へえ」「そっか」などと返事をするだけだった。ところが、「お父さん」の口から「夏休みはもう終わりだ」という言葉が出た瞬間、「え?」と「驚きのあまり」「ぼくはお父さんをみた」のだ。本文から分かる「状況」はこうした「少ない情報」だけだ。ここから適切に「類推」して、「最初どのように捉えているか」を説明していきたい。その際、「解答欄」を踏まえて的確に言葉を補っていくことが欠かせない。たとえば、「困ったことはお父さんの仕事上のことであり、『ふうん』『へえ』『そっか』などと気のない返事をする程度の自分には関係のない他人事だと捉えている。」(70字)といった「答え」だ。「小説」では、「同一場面」から的確に「状況」を読み取ることが重要だ。

[問三] 「理由説明記述」(「字数指定」なし、「70字ほど」の解答欄)。傍線部「お父さんには言いたくない」について、「なぜだと考えられるか」を説明する。何を「言いたくない」のかは直前からすぐに、「わかった」という言葉だと判明する。何に対して「わかった」と「言いたくない」のか? 「同一場面」から、「すべてはぼくのせい」で「お父さん」に「仕事上で困ったこと」が起こり、「夏休み」が「もう終わりだ」ということに対してだと分かる。「すべてはぼくのせい」だと理解しながら、「わかった」と「言いたくない」のはなぜなのか? 本文からはその「理由」は直接的には分からない。ただ、傍線部直後に「ぼくはまた、なんにもしたくない病になるのだろう。あの平和な時間が終わった瞬間――お母さんがいなくなった日のように」とある。ということは、「夏休み」が「もう終わりだ」ということ認めた場合、「お母さんがいなくなった日のように」「なんにもしたくない病」になってしまうので、「わかった」と「言いたくない」と類推できるはずだ。そして、「お母さんがいなくなった」については、<注>で「お母さんが病気療養のために別居することになった」と説明されている。「お母さんが別居することになった」ときと同じように、「お父さんとの夏休み」が「終わり」になると「なんにもしたくない病」になるということは、つまり、……。もう分かったに違いない。「ひとりになる」(孤独になる)ことが、「なんにもしたくない」という「ぼく」の「無気力」に結びついているわけだ。あとは、「理由説明」として適切にまとめていくことになる。たとえば、「『わかった』と言うとお父さんとの夏休みが終わり、お母さんが別居することになったときと同じように孤独で無気力になってしまうことがいやだから。」(69字)といった「答え」になる。本問はなかなか手強かった。尚、「理由説明」では直前の「きっかけ」と直後の「結果」が大きな「手がかり」になると心得よ。

【大問三】「「文の漢字変換」(要は「漢字の書き取り」)

  • 難度:標準
  • 時間配分:1分

「文の漢字変換」。要は「漢字の書き取り」だ。確認したい。

[問] 示されている文を「カタカナは漢字に直し、ていねいに大きく一行で書く」。「オシえるはマナぶのナカばなり」⇒「オシえる」と「マナぶ」はそれぞれ、「教える」・「学ぶ」だとすぐに分からなくてはいけない。「ナカば」は少し厄介かも。「答え」=「教えるは学ぶの半ばなり」。「人に学問を教えることは、半分は自分の勉強の助けともなる」という「故事成語」だ。本校では「幅広い高度な語彙力」が求められているので、しっかりと習得することが必須。

【大問四】「詩の読解」(「説明記述」のみ3問)

  • 難度:
  • 時間配分:7分

遠くの国で争いなどが起こる気配を感じ、明るさを期待できない未来に苦しみ、憤っていた「僕」(作者)が、「合唱」にひとすじの希望を見出す様子が描かれている「詩」だ。本校必出の「韻文」では、一語一語に込めた作者のこだわりを「表記」(カタカナ・ひらがな・漢字……)を含めて捉え、さらに、「韻文」特有の「リズム感」をも感得しなくてはいけない。昨年度は比較的解きやすい出題だったが、本年度は相当に厄介だ。どうにか読み取って、まとめあげたい1問だけを考えてみる。

[問一] 「内容説明記述」(「字数指定」なし、「70字ほど」の解答欄)。本詩の「第1連の3行目」にある傍線部「僕を苦しめる」について、「『僕』はどういうことに『苦しめ』られているのかを」を説明する。「第1連」の全体を確認する。「遠くの国で物のこわれる音がして/幾千万のちりぢりの会話が/終日僕を苦しめる/多忙な時間/非情な空間」という5行だ。2行目から、「僕」は「幾千万のちりぢりの会話」に「苦しめられている」ことが分かる。どのような「会話」で、なぜ「僕」は「苦しめられている」のか? 当然、他の各行も含めて読み解いていく必要がある。「遠くの国で物のこわれる音がして」⇒どこか「遠くの国」で起きている「争いの音」が聞こえている。「幾千万のちりぢりの会話」⇒「遠くの国」ではなく「僕の国」で聞こえてくるバラバラな「数多くの会話」。「多忙な時間」⇒「遠くの国の争い」とは無関係に、「僕の国」では皆がそれぞれの「多忙な時間」を過ごしている。「非情な空間」⇒「遠くの国で起きている争いの音」が聞こえながらも、思いを寄せることもなく無関係に人々が数多くの会話を交わしながら多忙な時間を過ごしている僕の国」。こうした「僕」の心情をなんとか読み解きたい。これらの内容を整理して、「どういうことに苦しめられているのか」という視点でまとめていくことになる。たとえば、「遠くの国で起きている争いの音が聞こえながらも、思いを寄せることもなく無関心で、人々が数多くの会話を交わして多忙な時間を過ごしている自分の国。」(70字)といった答えだ。「韻文」では、一つひとつの「言葉」の細部にまでこだわることが求められると心得よ。

攻略のポイント

●「字数指定」がなく、「必要要素」の絞り込みが難しい本校の「説明記述」を如何(いか)に攻略するか? それは、実直に「記述」の「練習」を続けることに尽きる。先ずは、正否の分かれ目となる「最重要要素」を「文末」として他の「必要要素」を積み上げていく手法を完璧にマスターすること。「内容」から優先順位を特定し積み上げていく。それぞれの「要素」を「20~30字程度」でまとめられるように徹底的に練習することが肝要。本校では「50~100字ほどの解答欄」が多いので、2~5つ程度の「要素」でまとめることに慣れておきたい。「合格ライン」は7割ほど(過去14年間の「合格者最低得点率」は69.2%、本年度は71.6%)。1問あたりの配点が高い「説明記述」では(本年度は各8点)、「減点」はともかく「失点」は大きな打撃になると心得よ。

●必出の「韻文」、攻略のためには十分な準備が不可欠だ。過去問演習などを通じて、「一語」「一音」に徹底的にこだわり、作品の世界観を読み取る練習を繰り返したい。また、「韻文」特有の「リズム感」を感得することにも慣れておきたい。尚、「短歌」「俳句」では、テキストに掲載されているような有名なものは解説も含めてしっかりと読み込んでおくこと。「韻文」は、練習次第によって「差」がつきやすい。確実に「得点源」とすることが肝要だ。

●「漢字の書きとり」では「ことわざ」が定番だ(本年度は「故事成語」だった)。数多くのものを定着させておく必要がある。無論、「四字熟語」「慣用句」などの習得も忘れてはいけない。いずれにしても、本校では高度な語彙力」が求められていると覚悟せよ。

●試験時間は他校より短い40分。時間配分には細心の注意を要する。問題文の文章量は全体で4000~5000字(本年度は約4200字)と決して長くはないが、速く正確に読み取れる方が当然、有利だ。分速750字以上を目標に「読む練習」をしておきたい。

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