横浜雙葉中学校 入試対策
2022年度「横浜雙葉中学校の社会」
攻略のための学習方法
スライド式学習
「横雙の社会対策」では当然、「地理」「歴史」「公民」全単元・全分野、「時事問題」の「知識」を確実に定着させることが最優先となる。「基礎的事項」はもちろん、細部にわたる「深知り知識」や「背景の理解」も求められるので、テキストの「注」や「囲み説明」等のチェックも忘れずに。完璧な「知識定着」が欠かせないのだが、残念ながら人は忘れるもの。時が経てば経つほど忘れる。ここに落とし穴がある。
基本的に「暗記」が最重要となる「社会」では、各単元をいつ学習し定着させたのか、その時期が問題となる。塾では通常、本格的な受験勉強が始まる５年になってから、「地理」⇒「歴史」⇒「公民」と単元消化していき、６年の夏休み前には終える。その後は「復習」となるが、メインは圧倒的に定着すべき事項の多い「歴史」にならざるを得ない。そのまま、秋から冬となり「過去問演習」と続いていく。
６年で学習した「公民」はまだしも、「地理」はどうだろうか？ 実質的に１年以上の空白が生じてしまう。それはまずい。「地理」でも「深知り知識」が求められる横雙ではなおさらだ。そこで、独自の「復習」が必要となる。
塾での学習時期とはずらして(スライドさせて)、まだ時間的に若干の余裕がある５年の冬休みやその後の春休みを利用して徹底的に「地理」の「復習」をしておく。「重要事項チェック問題集」のようなものを活用するといい。さらに、その後も定期的に「地理」の理解を深めるような学習をこっそりと続けておくことで、ライバルに差をつけておきたい。
いもづる式学習
全単元・全分野に共通だが、「暗記事項」はそれぞれ単独で(要は単なる「一問一答方式」)定着させていても無意味だ。バラバラに覚えているだけでは、自分が覚えた通りに問われなければ結びつかないし、関連問題にも答えられない。ましてや、横雙らしいの「難問」など絶対に無理だ。
そこで重要となるのが「いもづる式学習法」。「点」で覚えているものを「線」で結び、さらには「面」をも理解するには不可欠の学習法だ。１つの「暗記事項」を確認する際、それに関連すると思われる「事項」を次から次へと思いつく限り引き出していく。単元も無視する。もし「言葉」としては覚えていても「内容」があいまいになっているものがあれば、すぐに確認しておく(ここでも「復習」できる)。
また、それらは「線」で結びついているはずなので、どのように結びつくのかを確認していく。その上で、それらが結びつく背景(＝「面」)をも理解するようにする。
このようにして改めて暗記し定着させた「事項」はどのような問われ方をしても、「線」で結びつけて答えられることになる。
無論、横雙で求められる「多角的思考」にも「いもづる式学習法」は力を発揮する。
手づくり式学習
特に「歴史」単元の「復習」で必要となる。塾での「歴史」の学習は通常、「政治史」を軸とした「通史」として「時代別」「時代順」になっている。しかし、横雙ではそんな単純な出題はない。特定の切り口での「分野史」が多いし、必ずしも「時代別」「時代順」ではなく様々な時間軸で出題される。
それらに対応するために必要なのが「手づくり年表」だ。「政治史」「社会経済史」「外交史」「文化史」「人物史」等の「分野史」別の「年表」を作成しながら復習する。その際、「原始」～「現代」という長い時間軸にする。当然、「重要事項」だけしか記入できないが、それでいい。
「関連事項」を頭に思い浮かべるようにすれば、「いもづる式学習」にもなる。さらに、その「年表」には「西暦」だけでなく、「世紀」と「日本の時代名」「中国の王朝名」も対応させて記入しておきたい。「西暦」と「世紀」や「時代」がすぐに結びつかないと答えられない問題が多いからだ。「年表づくり」を楽しみながらやってみよう。
細部へのこだわり式学習
「問題解説」でも触れたとおり、「横雙対策」で欠かせないのが「細部へのこだわり」だ。「多角的思考」をするに当たっての前提は無論、それぞれの「要素」をいかに正確に読み取るかということ。そこから「考えるヒント」を見つけ出す。
そのためには「細部」にこだわって読み取ることが必要となる。当然、トレーニングが欠かせない。過去問や練習問題等を用いて、各「要素」の細かな「意味」「資料の数字」や「関連事項」などを全て材料として、そこから何が導き出せるのかを確認する練習をしなくてはいけない。
導き出せることについては、過去問や問題集の「解説」に示されているはずなので活用する。こうした「細部へのこだわり学習」を続けることで、次第に様々な「要素」から着目すべき「手がかり」が自然と浮かび上がるようになる。後は自分の「知識」とつなげて考えればいい。
意識継続式学習
いついかなるときであっても、常に何かを「意識」しながら学習することが重要だ。ただなんとなく机に向っていても無意味だ。その時々、何を目的としてどのような学習(たとえば、上記の「○○式学習」)をしているのか、具体的に「意識」し続けていることが大切。そうして何かを「意識」することが継続できるようになったら、次は同時にいくつものことを「意識」しながら学習したい。
横雙の入試本番では40分という制限時間の中で、様々な「要素」を考え「条件」をクリアして答えなくてはならない。だからこそ、「設問形態」を正しく理解しているか？ 「要素」は全て確認したか？ 「細部へのこだわり」や「他の設問」との「関連」は大丈夫か？ 「条件」を満たしているか？ つまらないミスはないか？ といったようなことを、問題を考え、解き、解答欄に答えを書き入れるいくつもの段階で常に「意識」しながら学習する必要がある。
入試では見直しの時間はないと思った方がいい。常にそれらの「意識」を継続しているということは、何度も「見直し」をしていることになるのだ。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2022年度「横浜雙葉中学校の社会」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
大問１は｢歴史｣(｢地理｣･｢時事｣･｢考察｣の混在あり)｡｢権力に対する抵抗の歴史についてのリード文｣および｢具体例｣からの出題。小問は全14問(解答数16)、｢事項･人名･県名･国名･数字記述｣(｢漢字指定｣あり)､｢選択肢｣(｢空所補充｣｢整序｣、｢位置特定｣あり)、｢考察論述｣(｢字数指定｣なし１問)｡大問２は｢地理｣(｢時事｣の混在あり)。｢水と私たちの生活｣に関する出題。小問は全11問(解答数19)、｢事項･地名記述｣(｢漢字･カタカナ指定｣あり)､｢選択肢｣(｢組み合わせ｣｢複数完全解答｣､｢位置特定｣あり)､｢説明記述｣(｢字数指定｣なし１問)｡大問３は｢総合｣(｢公民｣･｢地理｣･｢歴史｣･｢時事｣･｢考察｣)。｢日本の省庁｣に関する出題。小問は全11問(解答数16)、｢事項･国名記述｣(｢漢字･カタカナ･字数｣指定あり)､｢選択肢｣(｢組み合わせ｣｢整序｣あり)、｢説明記述｣(｢字数指定｣なし１問)、｢考察論述｣(｢字数指定｣なし１問)｡時間配分としては、｢説明記述｣は各２分、｢考察論述｣が各３分、他は２分弱で３問を解く超ハイペース。
【大問１】｢歴史｣(｢地理｣･｢時事｣･｢｢歴史｣(｢地理｣･｢時事｣･｢考察｣の混在あり)
- 難度：易
- 時間配分：12分
人類の歴史の中で、｢人々は権力を持つ者や強い力を持つ者に抵抗したり、権力を持つ者がおこなうことに対して反対意見を主張したりしてきた｣。そうしたことに関連しての(Ａ)～(Ｉ)の｢具体例｣からの出題。｢奈良時代｣から｢現在｣までの多種多様な｢歴史的事項｣が主に問われている｡｢歴史単元｣の設問の多くはとても平易なので一気に得点を重ねたい。ただし、混在する他の単元や｢考察問題｣に厄介なものがあるので注意したい。以下、いくつか｢設問｣を検討してみる。
[問10] ｢下線部についての選択肢設問｣(４択)。｢秩父事件｣に関連しての｢具体例Ｆ｣中の下線部(け)の｢まゆ｣からつくられる｢生糸や絹織物の説明｣を答える。各選択肢の｢キーワード｣｢要点｣で正誤判別をしていく。(ア)｢室町時代｣｢朝鮮半島から生糸のつくり方が伝わった｣⇒｢養蚕｣や｢機織り｣の技術は、渡来人により｢弥生時代｣から｢古墳時代｣にかけて伝わったことは本校志望者であれば知っていて当然＝不適切。(イ)｢江戸時代｣｢長崎で生糸が輸入されていた｣⇒｢生糸｣は長い間、中国との貿易で重要な輸入品であったことは周知のはず(｢江戸時代｣も同様だ)＝適切。(ウ)｢江戸時代｣｢絹織物を農民たちが日常的に着ていた｣⇒農民たちは｢綿｣や｢麻｣の衣服を着ていたことは誰もが知っている＝不適切。(エ)｢明治時代｣｢生糸の生産が減った｣⇒｢製糸業｣は｢明治時代｣の基幹産業に決まっている＝不適切。よって、｢答え｣は(イ)になる。本問は平易だったが、｢正誤判別｣では細部にもこだわり正確に判別する必要がある。
＜時間配分目安：１分弱＞
[問11] ｢下線部についての選択肢設問｣(４択)。｢全国水平社｣に関連しての｢具体例Ｇ｣中の下線部(こ)｢(明治時代に)身分制度が改められてからも｣について、｢身分制度が改められた結果、士族は全人口のどのくらいの割合を占めていたか｣を答える。｢明治時代｣の｢士族｣の人口割合など、誰も知らなくて当然だ。どうする？ 諦めるか？ 否、ＧＯする！ ｢士族｣は｢江戸時代｣の｢武士｣だということは知っているはず。そして、｢江戸時代｣の｢人口割合｣については、｢百姓｣＝｢約85%｣、｢武士｣＝｢約７%｣、｢町人｣＝｢約５%｣……、と定着していなくてはいけない。各選択肢は、(ア)5.5%･(イ)15.5%･(ウ)25.5%･(エ)35.5%。であれば、｢答え｣は(ア)だと判別できて当然だ。尚、｢私が知らない｣⇒｢誰も知らない｣⇒｢知らなくても解ける｣と考えよ。
＜時間配分目安：30秒＞
[問13] ｢下線部についての位置特定選択肢設問｣(５択)。｢地理｣単元。｢香港民主化デモ｣に関連しての｢具体例Ｉ｣中の下線部(し)の｢香港｣の｢位置｣を、示されている｢地図｣の中の５カ所の中から答える。｢地図｣は｢東シナ海｣と｢黄海｣に面した地域で、｢九州｣･｢朝鮮半島｣･｢台湾｣･｢中国東端｣が含まれていて、５カ所は全て｢中国｣の沿岸都市。(ア)～(エ)は｢台湾｣よりはるか北に位置しているので、｢答え｣は(オ)だと特定できなくてはいけない(｢台湾｣の南端とほぼ同緯度)。ちなみに、(ア)＝｢北京｣･(イ)＝｢大連｣(｢遼東半島｣の先端)･(ウ)＝｢青島｣･(エ)＝｢上海｣。万一、これらが特定できなかった諸君は猛省せよ。｢地理｣に限らず｢歴史｣でも、｢地名｣が出てきたら｢地図上の位置｣をともに定着させることが必須。無論、｢世界地図｣もだ。
＜時間配分目安：30秒＞
[問14] ｢空所補充の国名記述設問｣。｢時事｣単元。｢香港民主化デモ｣に関連しての｢具体例Ｉ｣中の空所部( お )に｢あてはまる国名｣を答える。｢空所｣前後は、｢2021年になると、東南アジアの( お )では、軍が武力で政権を奪ったことに対して、人びとが、はげしいデモを起こしました｣となっている。典型的な｢時事問題｣だ。誰もが即座に、｢答え｣は｢ミャンマー｣と記述できて当然だ。改めて指摘するまでもないが、｢時事ネタ｣では日本国内に限らず海外での出来事にもアンテナを張っておく必要があると心得よ。
＜時間配分目安：30秒＞
※尚、[問９]は｢大塩平八郎の乱｣に関連しての｢具体例Ｅ｣についての｢条件付き考察論述設問｣で、｢あなたは大塩平八郎の行動をどのように考えるか｣を論述する問題になっている。｢条件｣である｢私たちの生きている現在の社会と江戸時代の社会について、共通する点と異なる点｣を読み取って｢考察｣し｢論述｣することは可能だが、手間も時間もかかるので、戦術的には｢捨て問｣にした方がいい。
【大問２】｢地理｣(｢時事｣の混在あり)
- 難度：標準
- 時間配分：14分
- ★必答問題
｢私たちの生活に欠かすことができない水｣に関連する出題。｢地理｣単元の基本的事項が、多くの｢統計資料｣や｢地図｣に関して問われている(｢時事｣の混在あり)。本校としては標準的難易度の大問。手際よく解き進めていきたい。以下、いくつかの｢設問｣を確認してみよう。
[問４] ｢統計資料読み取りの府県名記述設問｣(全２問。ともに｢漢字｣指定)。示されている｢表｣は｢近畿地方の７府県(Ａ～Ｇ)｣について、｢県の総面積のうち森林の占める割合(%)｣･｢県の総面積のうち森林や湖沼などを除いた可住地面積の占める割合(%)｣･｢海岸線の長さ(m)｣を表しているが、表中の｢Ｅ｣･｢Ｆ｣にあてはまる府県の名前｣をそれぞれ｢漢字｣で答える。このような｢統計資料｣は誰にとっても初見のはず。無論、｢知らなくても解ける｣のだ。ただし、｢近畿地方７府県｣＝｢大阪府･京都府･兵庫県･奈良県･三重県･滋賀県･和歌山県｣だと知っていることが大前提(まさか、知らない人はいないはず)。｢表｣に目を凝らす。特徴的なのが｢海岸線の長さ｣だとすぐに気づかなくてはいけない。先ず、｢Ａ｣と｢Ｆ｣が｢－｣(ゼロ)だ。つまり、｢内陸県｣⇒｢奈良県｣か｢滋賀県｣だと特定可能。そして、｢森林面積の割合｣は｢Ａ｣の方が大きい。であれば、｢Ａ｣＝｢奈良県｣で｢Ｆ｣＝｢滋賀県｣と判別できる。次に、｢Ｅ｣の｢海岸線｣が他と比べてけた違いに長いことも一目瞭然。残りの｢府県｣を考えれば、｢リアス海岸｣で知られる｢三重県｣だと特定できなくてはいけない。したがって、｢答え｣は｢Ｅ｣が｢三重県｣で、｢Ｆ｣が｢滋賀県｣だ。｢統計資料読み取り｣では、何か特徴的な項目に着目することが肝要だと心得よ。
＜時間配分目安：全問で１分半＞
[問５(２)] ｢図表事項の目的説明記述設問｣(｢字数指定｣なし。｢20字ほど｣の解答欄)。示されている｢図｣は｢東北地方のある地域における米づくりのおもな作業のおおよその時期｣を表しており、図中の｢水管理｣は｢田にはる水の量を調整する作業｣だが、｢田植えの直後の時期に水を深くはることが多い目的｣を説明する。何やらややこしい問題文だが、ここは冷静に考えていきたい。何かピンとこないか？ そう、｢保温折衷苗代(ほおんせっちゅうなわしろ)｣と｢ぬるめ｣だ。テキストの片隅にあったはずだ。寒冷な地域では春先の｢田植え｣の直後に、低温や冷害などから稲を守るために行われていた工夫だ。もし、そのことを知らなかったとしても、｢水｣には｢熱しにくく、冷めにくい｣という特徴があることは知っているはずなので、類推可能だろう(｢一般常識｣？ ｢理科の知識｣？)。｢答え｣としては、たとえば、｢水の保温力で低温や冷害から稲を守る目的｡｣(20字)だ。｢社会｣の問題であっても、ありとあらゆる｢自らの知識｣を総動員することが不可欠だ。
＜時間配分目安：２分弱＞
[問７(２)] ｢統計資料読み取りの組み合わせ選択肢設問｣(６択)。示されている｢表｣は、｢鶏肉｣･｢牛肉｣･｢大豆｣について｢その農畜産物を１トン生産するとしたら必要になる水の量｣と｢2020年における、その農畜産物のおもな輸入相手国｣を表しているが、表中の｢Ａ｣～｢Ｃ｣に入る農畜産物の｢正しい組み合わせ｣を答える。いわゆる｢バーチャルウォーター｣だが([問７(１)]の｢答え｣)、その｢量｣について定着している諸君はいないだろう。しかし、｢輸入相手国｣は知っているはずだ。｢牛肉｣の１位は｢オーストラリア｣に決まっているので、この段階で、選択肢は(ウ)か(エ)の２択になる。次に、｢大豆｣の１位は｢アメリカ｣だと判別できる。よって、その｢組み合わせ｣になっている(ウ)が｢答え｣となる。｢組み合わせ選択肢｣では、自分が知っている｢項目｣で一気に絞り込むことが肝要だ。
＜時間配分目安：30秒強＞
[問11(１)] ｢自然現象に関する事項記述設問｣(｢漢字｣指定)。｢時事｣単元。｢水は時に大きな災害はもたらす｣が、｢近年注目されている、雨雲が列をなし、ほぼ同じ場所に数時間にわたって停滞し激しい降雨をもたらす自然現象で、長さ50～300km、幅20～50㎞程度の帯状の雨域｣は｢何とよばれるか｣を｢漢字｣で答える。定着しているはずの｢時事ネタ｣だ。ニュースなどで度々見聞きしているに違いない。｢答え｣は｢線状降水(帯)｣。｢時事問題｣に関しては、テキストだけに頼るのではなく、自らも｢新聞･テレビ･ネット｣等の｢ニュース｣に着目して確認整理しておくことが肝要だ。
＜時間配分目安：30秒強＞
※尚、[問６]は｢米｣に関する４つの｢統計資料｣の｢読み取り選択肢設問｣だ。｢地域別の水稲の作付面積と収穫量の全国に占める割合｣･｢全国の水稲の作付面積の推移｣･｢農業総産出額の推移｣･｢米の輸入量の推移｣で、初見のものが多いだろう。細かな数字が並んでおり、とても分かりづらい。だが、そもそも、本問では分かろうとしてはいけない。単に混乱するばかりだからだ。では、どうする？ 各選択肢説明の｢正誤判別｣なので、それぞれの｢説明内容｣を正確に捉(とら)えて、各｢資料｣のあてはまる項目だけを照合すれば容易(たやす)く解けるのだ。｢統計資料読み取り問題｣はそういうものだと心得よ。
【大問３】｢総合｣(｢公民｣･｢地理｣･｢歴史｣･｢時事｣･｢考察｣)
- 難度：やや難
- 時間配分：14分
日本の行政を担っている｢12省庁(1府11省1庁)｣のうちの｢1府10省｣に関する出題。｢総合問題｣として実に多種多様な小問が並んでいる(｢公民｣･｢地理｣･｢歴史｣･｢時事｣･｢考察｣)。平易な問題の中に突如(とつじょ)として難問が現れるので注意したい(｢意地悪問題｣｢ひっかけ問題｣含む)。また、｢自由考察論述｣も待ち構えている。以下、いくつか考えてみよう。
[問１(１)] ｢説明文中の空所補充事項記述設問｣(全２問。ともに｢漢字｣指定)。｢公民｣単元。｢法務省についての説明文｣中の空所( １ )･( ２ )に｢あてはまる語｣をそれぞれ｢漢字｣で答える。空所部分は、｢日本国憲法第11条では『国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない( １ )の権利として、現在及び( ２ )の国民に与へられる｡』と定められています｣となっている。本校志望者であれば当然定着しているはずの｢条文｣だ。｢答え｣は、( １ )＝｢永久｣･( ２ )＝｢将来｣だ。｢基本的人権｣＝｢永久不可侵の権利｣という表現も覚えておきたい。尚、｢日本国憲法｣については、｢暗記すべき条文｣として指示されているものは必須定着事項だと心得よ。
＜時間配分目安：全問で１分強＞
[問２(２)] ｢図版についての組み合わせ選択肢設問｣(６択)。｢公民｣単元。｢外務省｣は｢条約を結ぶときに大きな役割をになう｣が、示されている｢条約が結ばれるまでの通常の手続き｣をまとめた｢図｣の中の(Ａ)～(Ｃ)に｢あてはまる語｣の｢正しい組み合わせ｣を答える。｢図｣は、Ａ 条約を承認する→Ｂ 条約を締結する→Ｃ 条約を公布するとなっている。この｢図｣を見た瞬間、諸君の脳内では、｢条約｣について締結→承認(批准)→公布
とアウトプットされていないか？ そこから、(Ａ)＝｢内閣｣だと確信して解き進めないだろうか？ だとすれば完全に｢ひっかかっている｣ことになる。本問で(Ａ)は｢承認｣なのだから、｢国会｣の仕事なのだ。ちなみに、｢国会の承認｣は｢条約締結｣の｢事前若しくは事後｣と｢日本国憲法｣に定められている。よって、本問では｢承認｣＝｢国会｣→｢締結｣＝｢内閣｣→｢公布｣＝｢天皇｣なので、｢答え｣はその｢組み合わせ｣になっている(ア)だ。本問は典型的な｢ひっかけ問題｣だった。ひっかかってしまった諸君(誰もいないことを信じたいが)、｢慣れ｣と｢過信｣は禁物、常に初心で全てを確認すること。
＜時間配分目安：１分＞
[問３] ｢予算成立の流れについての整序選択肢設問｣(５択)。｢公民｣単元。｢財務省｣は｢予算に関する仕事をになっている｣が、示されている(ア)～(オ)の｢予算が成立するまでに行われることがら｣を、｢正しい順に並べかえ｣て答える。各選択肢の｢キーワード｣｢要点｣を確認する。(ア)｢内閣が予算案作成｣、(イ)｢各省庁が必要な金額を算出し、財務省へ提出｣、(ウ)｢国会審議、予算案可決｣、(エ)｢内閣が国会へ予算案提出｣、(オ)｢財務省が各省庁から提出された金額などを調べ、内閣へ報告｣。順序を特定していきたい。(ウ)が最後で、その前が(エ)だということはすぐに分かる。無論、その前は(ア)だ。であれば、最初が(イ)で、次が(オ)だと判別できて当然。よって、｢答え｣は(イ)→(オ)→(ア)→(エ)→(ウ)になる。尚、｢歴史｣で頻出の｢時期整序｣は｢うろ覚えの年代｣で整序するのではなく、｢流れ｣や｢キーワード｣を確認し、特定していくことが肝要。
＜時間配分目安：１分以内＞
[問10] ｢表についての条件付き考察論述設問｣(｢字数指定｣なし､｢60字ほど｣の解答欄)。｢考察｣問題。｢総務省｣の｢統計局｣では｢膨大(ぼうだい)な量の統計データを提供している｣が、示されている｢表｣は同省がまとめている｢複数のグラフの種類と特徴｣を表している。その中で｢円グラフと帯グラフの説明が似ているが、円グラフに比べ、帯グラフを使用することがより適切なのは、どのようなデータを説明する場合だと考えられるか｣を論述する。｢条件｣は｢具体例をあげながら論述する｣こと。｢あなたの考え｣を論述するので無論、何を述べても自由なのだが、｢自由｣だからこそ悩んでしまうことがある。｢与えられている情報｣、そして、｢あなた自身の知識｣をフル活用して何らかの｢手がかり｣をつかみたい。ここでは｢表｣の｢情報｣と｢条件｣から考察していきたい。｢表｣には、｢円グラフ｣＝｢全体の中での構成比をみる｣、｢帯グラフ｣＝｢構成比を比較する｣とある。つまり、｢帯グラフ｣はいくつかの｢項目｣を｢比較｣する場合に適切だと分かる。｢条件｣には｢具体例｣とあるので、あなた自身がいつものようにテキストなどで目にしている｢帯グラフ｣について論述すればいいわけだ。したがって、｢たとえば日本のエネルギー源別発電量割合のグラフは、外国と比較する場合や年度ごとの推移を示す場合には帯グラフの方が適切だ｡｣(60字)などといった｢答え｣になる。５年続けて出題された｢自由考察論述｣、来年度以降も必出だと考えて十分に練習を重ねておきたい。
＜時間配分目安：３分強＞
攻略のポイント
●｢深知り問題｣が７年連続で出題された。もはや本校の定番となった観がある。どう攻略するか？全ての｢事項｣の｢完全定着｣は無理なので､｢攻略ポイント｣となるのが｢細部へのこだわり｣と｢知らない事項への対応策｣。前者はいかに｢細部｣に着目して｢判断｣できるかであり、後者はいかに｢知っていること｣に結びつけられるかということ。必ずどこかに｢手がかり｣｢ヒント｣が隠されていると心得ておきたい。｢自らの知識｣を多角的に結びつけて考察することで絶対に解くことができるのだ。｢合格ライン｣は６割台半ば(｢合格者平均得点率｣の10年間平均は65.7%､本年度は66.8%)。｢深知り知識問題｣への対応ミスによる｢失点｣は絶対に避けたい。
●５年続けて本年度も｢考察論述問題｣が出題された。レギュラー化されたと考えられるので、十分に備えておくことが求められる。
●｢40分という制限時間｣と｢解答数｣を考え合わせると、的確な｢戦術｣が求められる。そこで最も重要なのは｢取れる問題を確実に押さえる｣ことだ。逆にいえば｢取れそうにない問題は潔く捨てる｣という覚悟も求められる。もちろん｢単純ミス｣は絶対にしてはいけない。
●｢地理｣では｢地図｣(｢世界地理｣も含めて)｢地形図｣｢統計資料｣｢模式図｣等、｢歴史｣では｢年表｣｢歴史史料(｢図版｣含む)｣などがよく出題されるので、確実に覚え、常にチェックしておくこと。もちろん、｢統計資料｣は必ず最新版を使いたい。テキストとしては｢日本のすがた｣(矢野恒太記念会編集)が分かりやすくてオススメだ。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
横浜雙葉中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー＝学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。