立教女学院中学校 入試対策
2025年度「立教女学院中学校の算数」
攻略のための学習方法
立教女学院中、算数の満点は90点。標準的なレベルの問題が中心だが、複雑で工夫を必要とする計算問題は本校の特徴の一つ。大問の中にも計算力や思考力を必要とする問題も見られる。各大問内の小問数が多いので、(1)での間違いは大きな失点になりかねないことにも注意が必要である。各単元の出題傾向と学習法は次の通り。
<単元毎の傾向と学習法>
計算問題
近年の出題を見ると、大問1の中の中で整数、小数、分数の計算が3題出題されている。複雑で長めの計算、□を求める問題、工夫を必要とする問題とあり、計算問題とは言え相当な計算練習を積んでおかないと攻略が難しいと言える。計算問題対策としては、複雑な計算問題を含めて毎日5~10題程度の計算練習を行って欲しい。素早く解くことも大事だが、落ち着いて丁寧に解いて正答するという練習を心がけて頂きたい。
1/4=0.25 1/8=0.125など、基本的な分数と小数の変換は覚えること。また、( )でくくるなどの工夫をすることにより、複雑な計算を減らすことを心がけて欲しい。
文章題
今年度は小問で年齢算・仕事算・時計算・植木算、大問では速さに関する問題が出題された。近年の出題傾向を見ると、速さについての出題が多く、ここ数年大問での出題が続いている。その他近年では、売買損益・食塩水の濃さ・相当算・つるかめ算等の出題が見られる。割合と比の文章題の出題頻度が高い。この分野の学習方法としては、重点を置いて学習すべき単元は「速さ」と「割合と比」である。特に近年頻繁に出題されている速さと比・流水算・食塩水の濃さには力を入れて学習して欲しい。ややレベルの高い問題も想定し、問題集の練習問題や応用問題にも意欲的に取り組んで欲しい。
数に関する問題
今年度は、大問で場合の数について出題された。やや難度の高い問題も含まれていた。近年の出題を見ると数の性質・規則性に関する問題からの出題頻度が高い。この分野の学習方法として、数の性質では、倍数・約数を利用する問題、割り算のあまりについての問題、分数の性質についての問題などに力を入れて学習すること。規則性に関しては、数列(特に分数数列)・数表・図形の規則性などの問題演習をしっかり行いたい。三角数や平方数を用いて解く問題にも力を入れて学習して欲しい。場合の数はいろいろなパターンの問題が想定されるので、幅広く多くの問題を練習して欲しい。計算だけで処理できるものだけでなく、丁寧な調べ上げが必要な問題の練習にも時間をかけたい。
平面図形
今年度は小問の中で比を用いて考える求積問題、大問の中で正方形とおうぎ形の複合図形について出題された。いずれも難度の高い問題ではなかった。近年の出題を見ると、比を使って解く問題の出題頻度が高く、図形の折り返し、図形上の点の移動についても出題されている。この分野においてはまずは、相似など比を用いて解く問題の練習に時間をかけたい。工夫をすることによって求める求積・求角問題、図形の移動や図形上の点の移動についてもしっかり学習して欲しい。いずれも、多少難し目の問題も想定して欲しい。
立体図形
今年度は小問集合の中で、水の深さの変化に関する出題があった。近年の出題を見ると、回転体の求積・切断・水の容積についての出題が見られる。この分野の学習では、水の深さの変化に関する問題と回転体の求積を中心に、立体の切断などややレベルの高い問題も想定して演習に取り組んで欲しい。
本校算数のテスト時間は45分であり、正確かつスピーディな処理が要求される。日頃の演習・過去問演習はしっかりと時間を意識して行って欲しい。また、過去問や模試はまだ仕上がっていない単元や苦手な単元をあぶりだす絶好のチャンスである。単に得点だけを気にするのではなく、失点の多かった単元については、塾のテキストに戻るなどして、もう一度基本の確認を行うことが必要であろう。なお、苦手分野の分析やその対策については、プロの家庭教師へ是非相談して頂きたい。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
2025年度「立教女学院中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
試験時間は45分で大問が4,小問数が19、90点満点で平均点が77.3点、ここ数年で最も平均点が高く、ミスの許されない入試になった。今年度の問題レベルで45分というテスト時間であれば、慌てることなく取り組むことができるであろう。計算ミスすることなく落ち着いて取り組む姿勢も求められる。ただし、来年以降は問題レベルの難化も十分考えられることは念頭に置いて欲しい。
【大問1】計算と小問
- 難度:標準
- 時間配分:20分
- ★必答問題
(1)やや複雑な小数・分数の混合計算。
(2)小数・分数混合の を求める計算。
(3)工夫を必要とする計算問題。23×4.31=2.3×43.1、0.46×8=2.3×1.6
(4)年齢算。①+16:③+16=1:2より、③+16=②+32 ①=16より、現在の母の年齢は48歳。
(5)仕事算。全体の仕事を、60と24の最小公倍数である120とすればよい。
(6)時計算。3時には両針の作る角は90度なので、30度縮まると60度になる1回目。2度目は、長針が短針に追いぬいた後60度差がつくときで、長針が短針より150度多く進んだときとなる。
(7)植木算。13mおきに植えると、520m先が最後の木になるので、520÷13+1より、木の数は41本。41本の木を植えると間の数は40なので、600÷40より、15mおきに植えればよい。
(8)平面図形。BF:FC=3:2となるので、BF=10×3/5より6㎝。また、EFの長さは、12×2/5より4.8㎝なので、台形ABFEの面積は、(12+4.8)×6÷2より、50.4㎠。
(9)立体図形。図を描いて考えること。容器Aの底面積と円柱Bの底面積の比は、10×10:5×5より、4:1となる。(4-1)×3÷1=9より、もともとの水面の高さは9㎝。従って、9+3より、12㎝。
(1)~(3)は計算問題。例年やや複雑な計算問題や工夫が必要な計算問題が出題される。本校受験者はこのレベルの計算問題を想定し、十分な計算練習を積み重ねて欲しい。毎日5題ずつなど計画を立てて、日々の努力を続けて欲しい。(4)以降は文章題・平面図形・立体図形の標準レベルの問題が並んでいる。
【時間配分目安:20分】
【大問2】場合の数
- 難度:標準
- 時間配分:8分
- ★必答問題
(1)十万の位に0は使えないことに注意して計算すると、5×5×4×3×2×1より、600個。
(2)5の倍数は、一の位が0か5である。このとき、一の位が5であるときは十万の位に0が使えないことを注意する必要がある。5×4×3×2×1+4×4×3×2×1より、216個となる。
(3)下2桁が4の倍数であればできた6桁の数も4の倍数である。下2桁が04、12、20、24、32、40、52のいずれかである。それぞれについて、十万~百の位が何通りかを考えればよい。下2桁が12、24、32、52のときは、十万の位に0が使えないことに留意すること。
(4)百の位が0である数は、5×4×3×2×1より、120個できる。例えば十万の位を見ると、1、2、3、4、5が均等に24個ずつある。同様にすべての位で5つの整数が均等に24回ずつ出てくるので、(1+2+3+4+5)×24+(100000+10000+1000+10+1)より、39963960となる。
場合の数の出題。(1)から(3)まではカード並べの典型的な問題である。場合の数を苦手にしている方は、カード並べは場合の数の基本の一つでもあるので、問題集などを利用して、苦手を克服できるよう練習して欲しい。(4)は各位ごとに和を考えることがポイントで、中学入試で時々出てくる考え方である。しっかり解法を理解しよう。
【時間配分目安:8分】
【大問3】平面図形
- 難度:標準
- 時間配分:7分
- ★必答問題
(1)正方形の対角線の長さが10㎝になるので、10×10÷2より、50㎠となる。
(2)おうぎ形Pの弧の長さは8×3.14×1/4、おうぎ形Qの弧の長さは12×3.14×1/4。2つのおうぎ形の弧の長さの和は、20×3.14×1/4=5×3.14より15.7㎝。これに直線部分を加えればよいので、15.7+10×2より、35.7㎝。
(3)正方形の面積から2つのおうぎ形の面積を引けばよい。
平面図形の出題。本校の平面図形の出題としては、比較的考えやすい基本に近いレベルの出題。3.14の計算などを落ち着いて行い、すべての問いでの正解を目指して欲しい。このような正答率の高いと思われる問題では計算ミスは許されない。
【難度:標準 時間配分目安:7分】
【大問4】速さに関する問題
- 難度:標準
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)上り坂1kmにかかる時間は、1÷3=1/3より20分。下り坂1kmにかかる時間は、1÷4=1/4より15分。従って、5分の差。
(2)行きと帰りでかかった時間が15分違うのは、AB間の距離がBC間の距離より長いことによる。(1)より1kmを上るのと下るのでは5分の差が出るので、15÷5より、AB間はBC間より3km長い。
(3)(2)で求めた3kmを上るのにかかる時間は1時間、下るのには45分。この3km区間以外にかかる時間は行きも帰りも3時間30分となる。また3km区間以外の上りと下りの距離は同じなので、かかる時間は上りと下りで4:3になるので、上りにかかる時間は3時間30分×4/7より2時間となる。従って、AB間の距離は、3×2+3より、9kmとなる。
速さに関する問題。(3)だけを考える解法はいろいろ考えられるが、(1)の設問があるので、その流れに従って考えを進めればよいであろう。なお、この問題は問題集・テキストなどに類題が掲載されている。是非練習して欲しい。その際には、他の解法についても考えることによって、解法の幅を広げることができるであろう。
【時間配分目安:10分】
攻略のポイント
テスト時間45分で90点満点,合格者平均点は77.3点で、昨年度に比べ大幅に易化し、近年で最も平均点の高い入試だった。ただし、来年度以降は再び難化に転じる可能性が高く、昨年度までの問題レベルを想定しておくべきであろう。例年、大問1の中の3題の計算問題が複雑であり、ここを落ち着いて処理できるかが攻略の第1ポイント。
大問1の中の文章題等の小問集合は、今年度に関しては標準レベルの問題が並んでおり、必要に応じて図を描くなど、丁寧な処理を心がけたい。
大問3題は場合の数・平面図形・速さに関する問題の出題であった。場合の数の中にやや難度の高い問題が見られたが、例年に比べるといずれの大問も考えやすい内容であった。
本校算数の攻略ポイントとして、正確な計算力を身につけることがあげられる。大問1の計算問題だけでなく、各大問を処理する上でも複雑な数字設定が想定される。計算力アップはミスを防ぐだけでなく、短時間での処理につながる。
志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談
立教女学院中学校の科目別
入試対策一覧
中学受験のために
家庭でできること
インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは
リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。