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2018年度「立教女学院中学校の算数」
攻略のための学習方法

[正確さとスピード]
45分の時間の中で、中程度レベル以上の問いを20問はこなさなければならない。また、本年度のように突然分量が増え、25問になることもある。
しかも、60%程度、年度によっては70%の正答率が要求される。つまり、スピードも正確さも要求されるというわけだ。
かつてはテスト時間が40分で同量をこなしていたわけだから、それに比べればいくぶん楽になったが、相変わらず厳しいと言える。
しかも、前半の得点源、一行問題がいわゆる「典型的な問題」に見えないことが多い。
解いてみれば「いつもの問題」であっても、一見その姿がわかりにくくなっている。それを試験会場で解きほぐしていかなければならないわけだから、よほどの準備が必要であることが分かる。
正しく解くことは当たり前という前提のもと、ここでは解くスピードについてまとめた。
問題を解く速さを先天的なものと思ってはいないだろうか?性格がせっかちだから急いで解こうとする、おだやかなのでのんびり解いてしまう、というような。
これは違う。
解くスピードは各自が作り上げていけるものであり、作り上げなくてはいけないものなのだ。
つまり、自覚的に、問題を解く時間をコントロールして欲しいということだ。
また、速さと正確さは相反しない。算数が得意な生徒は、速く、しかも正確だ。

[解き方のムダをなくす]
さて、2分で1問をこなしていくにはどうすればよいか。
ある問題を解く場合、解き方が複数あったとしよう。そのとき、できるだけムダのない解き方を身につけてもらいたい。
例として、「角度の問題」を挙げてみる。内角を1つ1つ求めて答えを出した。正しい答えだった。しかし先生は外角の定理を用いて一行で答えを出した。いや、合っていたんだからいいんじゃないか、では終わらせない。
もう一つ、「表面積を求める問題」。円周率の計算を3つも4つもやって、ようやく答えを出した。所要時間15分。「努力のたまもの!しかも正解!」。しかし、先生は分配法則を使って式をまとめ、円周率の計算を1回だけ使ってさらっと答えを出した。ここも、でも解けたんだからいいじゃないか、では終わらせない。
いつもの勉強の中でムダのない解き方に関心を持ち、それを身につけるための努力をおしまない姿勢が必要なのである。
同じ正解であっても、要する時間がそのまま合否に関係してくると言うことを肝に銘じよう。
ただ解いて答えが合っていればよいという段階は早く脱しよう。解き方にこだわりたい。

[スピード練習をする]
教材などの一行問題を「1問1分、10問を10分で解く」と目標を定めて、解く時間を作ろう。
はじめのうちは間に合わなくても、だんだんと速さが増してくるものだ。マイペースなどというのんびりムードでは、いつまでたっても速く解くことはできない。
ただし、解き方が雑になったり、正答率が下がってしまっては意味がない。あくまでも全問正解を目指す。

[見直しをしない]
立教女学院の場合、算数のテストにおいては、まず見直しをしている時間はほとんどないと考えておいて良い。
つまり、一発で正解を出さないといけない。したがって、スピード練習ともかぶるが、普段から「見直しをしない」練習をする必要がある。
これは、見直しという作業を軽んじてよい、と言っているわけではない。
「あとで見直しをすればいいや」という安直な気持ちが、安直なミスを招きやすいのは確か。したがって、やり直しのきかない状況を普段から作り、その中で解くことになれておくこと、と考えてもらえれば納得いくことと思う。
「今日は、(算数の問題を解く際)時間内に終わっても見直さないでおこう」というように心に決めて取り組んでみよう。
公開模試などでも、「今日は見直しをしない(回)」を作ってもよいだろう。

[過去問演習]
過去問に取りかかるのは、上記の心構えのもと、秋頃からでよい。
1回目は、時間との戦いになる。まず間に合わないのが普通であり、がっかりすることはない。問題が持つ質・量を身を以て浴び、覚えること。2回目は、多少余裕が持てているはず。時間配分に注意しながらスマートな答案を心がけること。
3回目は、受験直前に解いてみて、合格できる力を確認してから本番に臨もう。
以上、立教女学院に合格するための学習法をまとめると、
・過去問を解きながら本校の時間配分をしっかりと把握し、時間内に合格点がとれるよう準備する
・苦手な範囲は作らず、どの内容においても中レベルの問題までは対応できるよう仕上げる
・タフな精神力を持って最後まで合格を目指す
となる。

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2018年度「立教女学院中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

45分で大問が4、解答らんが33。本年度は、昨年度に引き続き、質・量ともに立教女学院本来の姿に立ち返っており、問題数に対して持ち時間はかなり厳しめで、特に合格点の低い年となった。

例年通り時間配分の巧拙が合否を分けるカギであり、設問1つを1分ないし2分で消化していかないと最後まで行きつかない。

【大問1】計算と小問

  • 難度:やや難
  • 時間配分:20分

(1)(3)は水準の高い複雑な計算問題。ここで時間を使いすぎるとテストの最後まで行き着かない。

(1)は小数を分数に直して四則計算を行っていくもので、過去問などで慣れてはいても緊張する一問目だ。慎重に正解したい。

(2)は、本年度の全設問の中で最も難易度が高いのでは、と思わせた問題。もちろんそれぞれの積を順番に求めていくという単調な作業によっても求まるのだが、小学生には計算の工夫がしにくい問題になっている。中学校に入ってから習う「a2-b2=(a+b)(a-b)」という「因数分解」の公式(素因数分解ではない!)を知っていれば簡単にまとめられる。
つまり、式の前半は
111.11×111.11-11.11×11.11=(111.11+11.11)×(111.11-11.11)=122.22×100
後半は
111×111-11×11=(111+11)×(111-11)=122×100
この差をとるので、
122.22×100-122×100=(122.22-122)×100=0.22×100=22…答え
と解答できる。小学生のレベルで共通な数を見つけてまとめることも出来なくはないがまとめられたとしても先の計算は長く、結局単純に計算した方がよいのかも、と思わせる問題で、中学入試の計算問題としてはふさわしいとは思われない。

(3)は数列の和で、問題演習を積んできた生徒には既視感のある計算問題だ。ここは正解しておきたい。

(4)は昨年度出された3種類を上回る4種類のつるかめ算。合計金額が2520円なので、10円硬貨は2枚または7枚と推察できる(でないと、20円という端数が他の硬貨からは作れないから)。10円硬貨を2枚とした上で、50円硬貨と100円硬貨を平均62.5円硬貨にまとめ、それと500円硬貨のつるかめ算を行うことによって答えが求められる。さいわい、10円硬貨が2枚の時に答えが成立するので助かる。

(5)では、与えられた条件から容器A,B,Cの底面積の比を求めれば①は答えられる。③は分配算の考え方で、線分図などを用いて答えが出せる。大問1の中ではこれでも答えやすい方である。

(6)は割合と比の標準的な問題。ケーキの値を①とおいて、A,B,Cの所持金を分数で表し、その和が1820円となることから①あたりを求めればよい。

(7)は規則性の問題としてはレベルの高いもので、②以降を答えるためにはフィボナッチ数列が思いつけなければ解答不能である。これは、付け加えていく正方形の1辺の長さが
1,1,2,3,5,8,13,21,34,55…となっていく規則性のことで前の2つの数の和が次の数になっている(例えば、21なら、8+13=21ということ)。ただし、それに気づいても③はこまかい計算が残っており、短時間で処理するにはかなり厳しい設問といえよう。

(8)は差集め算で、これもまた高水準のもの。問題文を理解した上で、袋Bに入れる数は変わらないので、袋Aに入れる数の差から袋Aの枚数を求めていく。①ができれば②③は正解しやすい。

本年度の【大問1】は全般にレベルが高めだったので、全問正解できれば「神」だが、2問程度のミスは人間世界ではとうてい許されるものとなっている。

<時間配分目安:20分>

【大問2】速さの問題(旅人算・周期算)

  • 難度:標準
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

(1)は砂漠のオアシスのような問題。 安堵の気持ちとともにしっかり正解しておこう。

(2)もまたやろうとしていることはオアシス風なのだが、14分で1周期、しかも姉も妹もその間に歩ける距離がともに分数になってしまうところが泣ける。しかし考え方は基本的なものなので分数の計算を慎重に行いなんとか答えまでたどり着きたい。

<時間配分目安:8分>

【大問3】数の性質

  • 難度:やや難
  • 時間配分:8分
  • ★必答問題

問題文に出てくる「操作」の意図をしっかりとつかみ、最低でも(3)までは正解しておきたい。

(1)は2,3,5の最小公倍数である30までの個数を求めさせることで(2)以降のヒントにもなっている点に注意する。ここはていねいに書いていけばよい。

(2)で、60は30の2倍なので、個数は(1)の2倍になる。

(3)はいよいよ周期算の本領発揮で、2018÷30=67あまり8より、(1)の答え×67(周期)に、あまり8までに存在する2個(1,7)を加えればよい。

(4)(3)を裏返した問題で、2018番目の数を求めるので、「2018÷(1)の答え」からもう一つの周期とあまりを使っていく。(3)が解けた生徒には十分理解できる設問だろう。

<時間配分目安:8分>

【大問4】推理算

  • 難度:やや難
  • 時間配分:9分

立教女学院と言えばこれ!という複雑な推理算。本年度の問題もなかなか骨が折れる。

(1)はA,E,Fが述べている内容だけを考えればよいので、Eの話から
「0から9まで数字の和-40」より、年齢にはない2つの数の和は5であることがわかる。
5→(0,5)(1,4)(2,3)のいずれかであるが、Fの発言から10代から60代までの人がいることから(1,4)はあり得ず(1を除けば10代は存在しなくなる)、

またこの時点で
(0,1,2,3,4,5,6,7,8,9)のうち、0,7,8,9は1の位の数にしか存在せず、10の位は残った1,2,3,4,5,6となる。ここで(0,5)が年齢にない数とすると、1の位は7,8,9,○で、10の位は1,2,3,4,6のうち4つとなる。10の位の1と6は欠かせないので、1の位に行く数は2,3,4のいずれかになる。
ところが(2,3)が年齢にない数とすると、1の位は0,7,8,9、10の位は1,4,5,6となる。

この場合、Aの条件を考えると、Aにどのような年齢を持ってきても他の人と同じになることはない。したがって、(0,5)が年齢になる数となる。

またBの条件から、Bは奇数を2つ使うので、10の位は「3」しか考えられない。「7,9」は1の位に来る数だし、「1」では積が2けたにならないからである。

これらのことから年齢に用いられる数字が決まってくるので、他の人の内容を考えながら4人の年齢をあてていきたい。問題の難易度と言うよりも、この時点で何分の持ちタイムがあるかの方が問題なのだが…

<時間配分目安:9分>

攻略ポイント

テスト時間45分で90点満点,合格者平均点は50.6点(56%)ということで,目標点を55点前後とすればよい。

本年度は、「難度を増した」と伝えた昨年度をはるかに上回る難易度の高いテストとなった。ここ数年テスト問題の難易度は「易」「難」を交互にくり返してきた。昨年度「難」の年だった。にもかかわらず本年度は「超難」の年となった…
問題の質・量から考えると、問題自体の質がとても届かないものになってしまった、というよりは、各問題の処理する分量が多く時間不足に陥ってしまうほうに原因があると思う。問題を取捨選択する力も必要だが、改めて問題を解くスピードを上げる必要を感じた。

最後に、立女算数を攻略するためのポイントとして

・過去問に多く触れ,立女独特のスピードを要求される問題になれる。

・そのかたわら典型的標準問題の解法を1問でも多く身につける。

・前半に時間を要する問いが出るときがあるので,時間配分に気をつけてテストの終わりまで手が届くよう心がける。

・時には合格ラインに直接結びつくことはない難易度の高い問題にあたって免疫をつけておく。

をあげておきたい。

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