暁星中学校 入試対策
2025年度「暁星中学校の算数」
攻略のための学習方法
暁星中学の算数の入試問題の特徴は、計算問題⇒一行問題⇒大問(標準問題・応用問題、)という標準的な模試タイプの問題構成ではなく、すべてが大問の形式になっていることがあげられる。計算問題や一行問題は一切ないので、過去問等を通じてこの問題構成に慣れて頂きたい。出題頻度の高い単元と学習法は以下の通り。
① 速さ
出題頻度の高い単元だが、本年度は出題されなかった。来年度以降は、出題されることを想定して学習して欲しい。ここ何年かを見ると、ダイヤグラム(進行グラフ)についての出題頻度が高く、同じダイヤグラムについての問題でも、年度によって難易度に差がある点は注意が必要であり、レベルの高い問題も想定して学習しておきたい。ダイヤグラム以外でも、「比」の利用がカギとなる問題、・歩数と歩幅と速さの関係・流水算・通過算・時計算など速さ全般における問題演習にはしっかり時間をかけておきたい。
②平面図形
今年度は昨年に続いて平面図形の出題はなかった。過去の傾向を見ると、相似など比を使って解くタイプの問題よりも、円や多角形の複合図形の面積を工夫して求めるタイプの問題が多い。
③数論
この分野は本校入試においての出題頻度が極めて高い。今年は昨年度に続き「数列」「数の性質」の大問で2題での出題であった。数の性質でテーマとして取り上げられた約数の個数については、過去にも複数回出題されており、特に力を入れて学習すべき単元である。これ以外では、数列・数表・場合の数等を中心に、難度の高い問題も含めて学習を進めて欲しい。
④割合と比の文章題
今年は濃さについての出題で、比較的考えやすい内容であった。過去の出題を見ると、ニュートン算が2018年から2020年まで3年連続で出題されている。それ以外では、本年出題された食塩水の濃さ、年齢算などが出題されている。この分野の学習では、ニュートン算、濃さを中心に、売買損益・仕事算・倍数算など、テキストの例題レベルの問題は一通り解けるレベルまで仕上げたい。
➄立体図形
今年度は回転体の求積問題が出題された。この分野については、今回出題された回転体と昨年度出題された立体の切断を中心に学習して欲しい。
⑥グラフ
今年度は水量変化とグラフについて出題された。過去には、速さとグラフについて出題されている。この2単元を中心に問題演習をしっかり行うこと。
学習のポイント
本校の近年の入試問題を見ると、ニュートン算・食塩水の濃さ・速さとダイヤグラム・約数の個数など頻繁に出題される単元が見られる。このような傾向を見ると、過去問を使っての学習は非常に有効的であり、必須である。上記単元を中心に基本の定着はもちろんのこと、多少レベルの高い問題にも対応できるように問題練習を積み重ねて欲しい。問題演習においては、1行問題だけではなく、本校の特徴である大問形式の問題を1つの大問を10分程度の時間設定も行いながら進めて欲しい。
本校の入試では計算問題としての出題は見られないが、各大問を自信を持って解き進めるためにも、確実な計算力を身につけて欲しい。
過去問以外の問題演習においては、本校入試と同タイプの練習が有効的である。問題の選択については、家庭教師に相談して欲しい。
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2025年度「暁星中学校の算数」の
攻略ポイント
特徴と時間配分
50分で大問が5、小問が11。すべての問題に計算欄がある,いわゆる「記述」形式である。近年の傾向を見ると、全体的に難度があがり、一問一問をしっかり考える考察力重視型の入試になってきたと言える。50分という十分な時間が与えられているので、一問一問をしっかり考えるという姿勢で取り組んでほしい。
【大問1】立体図形
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
(1)底面の半径1㎝高さ1㎝の円柱の12個分に相当する。
(2)図2の回転体の体積は、底面の半径1㎝高さ1㎝の円柱の30個分に相当する。従って、30÷12より2.5倍。
立体図形の出題。回転してできた立体が、底面の半径1㎝高さ1㎝の円柱の何個分に当たるかを考えて解くことにより、3.14の計算を最小限に((1)の1回)とどめることができる。日頃からの「3.14の計算はまとめて行う」という習慣が大切である。
【時間配分目安:9分】
【大問2】濃さ
- 難度:標準
- 時間配分:9分
- ★必答問題
(1) あ %の食塩水A700gに8.5%の食塩水Bを200g加えると900g5%になったことになる。900g5%の食塩水には45gの食塩が、200g8.5%の食塩水には17gの食塩が含まれている。従って、あ=(45-17)÷700×100より、4%となる。
(2)200g4%の食塩水Aを い の食塩水700gに加えると900g8.5%の食塩水になったことになる。(1)同様に濃さを求めること。
濃さに関する出題。2種の食塩水を混ぜ合わせるという設定。面積図やてんびん図を描いて解く方法も考えられるが、そのような手法を用いずに濃さの計算さえできれば解答可能な問題。間違えた人は、いろいろなタイプの食塩水の混ぜ合わせ問題の演習を行い、解法を確認して欲しい。
【時間配分目安:9分】
【大問3】水量変化とグラフ
- 難度:やや難
- 時間配分:10分
- ★必答問題
(1)5分間に15Lの水が入ったので、給水は1分間に3L。5分後からの5/6分間の給水量は2.5Lなので、合計の給水量は17.5L。この水を15分間で排水したことになるので、17.5÷15で1分間の排水量をもとめることができる。
(2)12L排水するのにかかる時間を(1)で求めた数値を使って求め、20から引けばよい。
水量変化とグラフについての出題。(1)では、給水量の合計=排水量の合計となることがポイント。(2)では12Lになるまでの時間ではなく、12Lの水を排水するのにかかる時間を考えることがポイント。本年は出題されていないが、グラフの読み取りは、速さの問題との関連で出題されることが多い。本校受験者は力を入れて学習して欲しい。
【時間配分目安:10分】
【大問4】数列
- 難度:標準
- 時間配分:12分
- ★必答問題
(1)1から始まる整数を6個ずつのグループに分けると、91は16番目のグループの1番目。各グループの中の1番目と5番目の数が並んでいるので、2×15+1より、31番目。
(2)数列として並ぶ整数は(1)で考えた1つのグループに2個ずつある。91÷2=45あまり1より、46番目のグループの1番目の数となる。6×45+1より、271となる。
(3)1番目のグループの和が1+5の6、2番目のグループの和は7+11の18と各グループの和は考えると12ずつ増える等差数列となる。45番目のグループの和が6+12×44より534なので、45番目のグループまでの和は等差数列の公式を使って求めると、(6+534)×45÷2より、12150。これに271を加えて、12421となる。
数列のついての出題。2の倍数でも3の倍数でもない整数を並べるという内容で、テキストや問題集で扱われている内容なので、解いた経験があれば「91は何比較的容易に解答できたのではないか。「91は何番目か」と「91番目の数は何か」で混乱しないこと。問題集等で類題の演習にも取り組んでみよう。
【時間配分目安:12分】
【大問5】数の性質
- 難度:標準
- 時間配分:10分
(1)素因数分解したときに、素数A×素数A×素数A×素数A×素数A×素数Aと同じ素数を6回かけると、約数の個数が7個の整数になる。2を6回かけると、64、3を6回かけると729なので、正答は729となる。
(2)素数A×素数A×・・・・×素数Aと同じ素数を14回かけたもの、および、素数A×素数A×素数A×素数A×素数B×素数Bと同じ素数を4回、それとは異なる整数を2回かけてできた整数の約数が15個となる。3×3×3×3×5×5が2025となり、2000以上の最小の数となる。
約数の個数をテーマにした数の性質の出題。一般的に約数の個数を求めるには、素因数分解して出てくる各素数の個数に1を足してかけたものになる。この公式は覚えておこう。また、平方数の約数は奇数個、それ以外の整数は偶数個である。本問題の約数の個数が奇数個であることから考えることも可能である。
【時間配分目安:10分】
攻略のポイント
テスト時間は50分で100点満点、例年通りであった。
合格者平均点は60点、ここ数年難度が年によって大きく変化しているので、難度が高くなることを想定し、難度の高い問題にも対応する力を身につけるための練習が必要になってきている。
本年度は、昨年度に続き平面図形ではなく立体図形が出題された。また、ここ数年出題頻度の高い数論については、大問4「数列」および大問5「数の性質」で出題された。今後もこの分野の出題が多くなることが予想される。本年度それ以外では、「濃さ」と「水量変化とグラフ」が出題された。
大問5題とも標準あるいはそれ以上のレベルの内容であるが、捨て問レベルの難問は出題されていない。試験時間は50分と十分にあるので、1問1問を丁寧に粘り強く考える姿勢が大切である。
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