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暁星中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2020年度「暁星中学校の算数」
攻略のための学習方法

暁星中学は、以前から多くの受験生を集めてきた都心部にある名門校であり、2月3日に入試日を置き、1日御三家などとともに孤高を保っている中学受験の老舗校であった。その暁星が2月2日・3日と試験日を増やしてきたことで、今後どのような変化がもたらされることになるのか、楽しみなところである。

算数の問題もまた、少ない分量ながら高い質を持ち、第一志望とする受験生たちに高い壁を築いてきた。今もなおその存在は顕在だ。
公開模試のような、「計算問題→一行問題→標準問題→応用問題」という形式になっている入試問題は多く存在し、むしろ主流となっている。受験生もまた安心してはじめの問題から解いていき、応用問題で限界に達したときにはじめに戻って復習していけばよい。
これが暁星中学では通用しない。
当校の場合は「応用問題」のみの構成になっているからだ。
こういう形式をした入試問題は受験生にとっては恐怖である。なぜなら、1問も解けないのではないかという心配がつきまとうからだ。
実際、初めて暁星中の問題に触れたときは「なんだ、これ?」と思ったことだろう。いつものように、計算問題でウォーミングアップも出来なければ、懐かしささえ漂う典型題だらけの一行問題もない。割合や規則性・平面図形の応用問題が「どうぞ解いてみて下さい」と意地悪な顔をして待っているだけだ。
まずは、この構成に慣れていきたい
いつものようにあせって問題にかかる必要はない。1問あたり10分程度の時間は与えられている。また、7割も8割も解ける必要もない。5割程度あてられれば十分勝負になる(平成29・30年度)。昨年度(2019年)で言えばその数字は3割に下がった。ただし、本年度では7割近い得点が必要となり、難度は安定しない。しかし合格点が高い年は問題の難易度も下がるので負担が大きく変わるわけではない
そのように前向きに考えて、テスト問題を呑んでかかれるようになろう。
精神的に余裕が持てれば、一寸見には解けそうもない問題の中にも、解けそうな設問も発見していけるはずだ。また、自分には解けそうもないなと判断できる時間もある。解ける問題だけを解いていけばよい。

さてここからのポイントは、解ける問題が半数程度あるかどうかだ。
いわゆる難問の壁を越えるのは容易なことではない。
公開模試によって差異はあるが、偏差値60くらいまでの生徒は難問を解いてその偏差値を維持しているのではなくて、標準問題をそつなく解いての結果である。
算数の偏差値が70を超えて初めて難問が解けていると言えよう。
しかし現実にはそこまでの得点は取れるものではない。
ではどのように対処すればよいか。
手元にある問題集などで、例題としてあるいは問題として出されている中の難問と書かれている問題に注目したい。
暁星中の問題は、難問ではあるが独創的なものではない。どちらかというと、テキストや問題集などで触れながらも、難しくてできない−結局模範解答を見て答え合わせだけをした、というレベルの問題から出されている。昨年度(2019年)の【大問1】(1)・【大問4】(1)・【大問5】(1)などが典型的な例だ。
まずそういった問題をもう一度点検し、復習して、自分のものにするところから始めてみよう。また、公開模試などで、後半、時間が足りなくて手が出せなかった問題も多くあるだろう。それらの問題もまた、この機会に点検→復習→定着を心がけてみよう。必ずそれらの問題の中から出題されると念じながら…

算数のテクニックをいくつか挙げておく。
図形に関しては、補助線を引いて求める問題への対応ができるように、与えられた図から別の図(展開図から見取り図、投影図から見取り図など)が書けるようにしておこう。
文章題に関しては、線分図・面積図だけではなくて、分らないものをと置いて、式を立てて解けるようにしておくことも必要である。倍数算や年令算・比の応用問題でよく用いられる解き方だ。また、式を立てた後、ちゃんと式の展開が出来るように計算力もつけておかなければならない。小学生の場合、式は立てられても、式を展開する段階で間違えることがよくある。ここもしっかりとフォローしておこう。
後は難問への耐性だ。問題を見た瞬間、パニックになってしまってもいい。もう一度読み直して文意をよく理解し、自分が取り得る最善の解き方を用いてていねいに問題を解いていこう。ねばり強く。
過去問も手に入るものはすべてこなしておき、暁星の問題レベルによくなれること。最後は…算数の力次第だ。
基本の上に応用力を積み重ね、十分な対策がなされれば、翌年の暁星中学入試において、よい結果がもたらされるに違いない。

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2020年度「暁星中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が12。すべての問題に計算欄がある、いわゆる「記述」形式だ。
時間に対して分量は適切なものであり,式や計算式を書いても時間不足になることはないだろう。
本年度の特徴としては、【大問1】から【大問5】まで問題傾向に沿った出題はされたもののこの5年間では最も取り組みやすい水準であり、時間にもかなりの余裕が持てたと考えられる。後半になっても大問の難易度は上がらず、むしろ後半の問題の方が優しかったくらいである。時折こういう年度が見られるが、突然難易度がアップすることもあるので用意は十分にしておきたい。

【大問1】平面図形(円とおうぎ形の面積)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

例年1問目には平面図形の大問が登場することが多く、本年度もその傾向通り円またはおうぎ形に内接する正方形を使っての面積に関する問題が出された。
(1)は「易」、(2)が「標準」に相当する。
(1)は頻出問題である「半径がわからない円の面積」で、(半径×半径)を正方形の面積を利用して求めるというストレートな問題。
(2)の斜線部分の面積は、(半円BAD+三角形BCD-四分円BCD)で求められる。ここでも半径のわからない半円が必要とされるが(1)と同じ手法で求められるし、気の利いた生徒は答えが「三角形BCD」と同じになると、わかるのではないか。
例年のものと内容は類似しているもののレベルは平易なものになっている。

【大問2】年齢算

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

(1)2年後の母と兄と弟の年齢の連比をまずは求める。「現在、父と弟の年齢の合計は、母と兄の年齢の合計に等しい」とあるがそれは2年後でも同じである。よって、はじめに求めた連比から父の年齢の比も求めることが出来る。
(2)現在から3年後は、2年後から見れば「1年後」なので、それをもとにして等式から2年後の兄の年齢を求めれば良い。最後に2をひくことを忘れないようにしたい。
この大問も標準の域を出ない。必ず正解して前に進みたい。

【大問3】ニュートン算

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分

3年連続して【大問3】にはニュートン算が登場した。昨年度のニュートン算が手強かったので対策も十分に尽くして当日を迎えたことと思われるが、本年度のニュートン算は典型的問題であり、きちっと対策してきた生徒は難なく解けたことと思われる。ただし、設問で問われていることがらが若干わかりにくく、引っかかるとしたらそちらの方ではないかと考えられる。
問題の難易にかかわらずニュートン算が最重要分野であることに違いはない。今後難化したニュートン算が出ても対応できよう万全の準備を怠らないように。

【大問4】速さのグラフ

  • 難度:
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

この大問の難易度を「易」にしたのは少々厳しいかもしれないが、見た目から与えられる印象に対して問題の内容・設問のレベルが低いことから「標準」を下回ると判断した。昨年度のダイヤグラムも(1)は「易」レベルであったものの(2)(3)には意地が感じられた。本年度の設問は(3)に至るまで余り工夫が感じられなかったのが残念だ。
(1)はA君が15秒で50mを泳いだことが一瞬でわかる。
(2)は、1回目にすれ違うまでに300/17秒かかっているので3回目はその3倍の数値になる、で終わったしまう。ただ、その前にA君がB君を途中で追い越していると答えが変わってくるので(3)の答えを待ちたい。
(3)では、A君とB君のはじめの差を(50×2=)100mとすればよく、これをA君とB君の速さの差で割れば答えが見つかる。その結果、(2)の答えよりも大きくなるので、3回目のすれ違いの前にA君がB君を追い越すことはない、とわかり(2)の答えはさっと出した3倍の数値で正解となる。
A君かB君が途中で速さを変えるとか何周か走ったら休憩を入れるなど走者に変化がないと安直に求まってしまうのがもったいない。例年なら、それくらいのハードルは作成してくるのに…。

【大問5】数の性質(約数)

  • 難度:標準
  • 時間配分:10分
  • ★必答問題

最後の大問もまた素直な問題で、(1)など小5の初めごろに戻ったみたいだ。
(1)は約数の個数をただ求めるだけだが、(2)のヒントも隠されている。
(2)の「144」の場合のような、いわゆる「平方数」の場合に約数の個数が奇数個となるわけだがその理由をうまくまとめるとなると少々難度が増す。たとえば「144」をそのまま例にとって「12×12」のような、同じ数による約数の組み合わせが出来るから、と答えれば及第点はもらえるだろう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
本年度の合格者平均点は「69点」と昨年度の「33点」の倍以上であり、ここ数年間では群を抜いて高く、平成27・28年度の水準(合格者平均点が70点台)に突如として戻ったようである。2回目(2月3日実施)の平均点も高いので、本年度は算数が易しい年度であったと言えよう。
ただしこの傾向が長くは続かないのが本校の特徴であり、出題されやすい分野を限定することは容易なのだが難易度の点においては多少対策が立てにくいところもある。
合格偏差値はあまり変化がないのに、これだけ問題の難度が大幅にアップ・ダウンするという学校は珍しい
本年度はすべて標準問題レベルの出題であったので算数において満点も可能だったと思われる。特に設問によっては相当難度を上げることができる【大問4】の「速さのグラフ」が「易」レベルだったのは驚きだ。ただし学校対策を考えた場合には、昨年度までの難易度の高い問題への対応も十分に心がけておかなくてはならない。重要な分野は前に挙げてあるので総力を持って取り組むことを望みたい

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