中学受験プロ家庭教師 弱点克服・志望校入試傾向対策
中学受験専門プロ家庭教師が語る

暁星中学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「暁星中学校の算数」
攻略のための学習方法

暁星中学は、2月3日に入試を限定し、以前から多くの受験生を集めてきた都心部にある名門校であり、受験機会を複数に増やす学校が多い中、1日御三家などとともに孤高を保っている中学受験の老舗校である。

算数の問題もまた、少ない分量ながら高い質を持ち、第一志望とする受験生たちに3日目にして高い壁を築いてきた。今もなおその存在は顕在だ。
公開模試のような、「計算問題→一行問題→標準問題→応用問題」という形式になっている入試問題は多く存在し、むしろ主流となっている。受験生もまた安心してはじめの問題から解いていき、応用問題で限界に達したときにはじめに戻って復習していけばよい。
これが暁星中学では通用しない。
当校の場合は「応用問題」のみの構成になっているからだ。
こういう形式をした入試問題は受験生にとっては恐怖である。なぜなら、1問も解けないのではないかという心配がつきまとうからだ。
実際、初めて暁星中の問題に触れたときは「なんだ、これ?」と思ったことだろう。いつものように、計算問題でウォーミングアップも出来なければ、懐かしささえ漂う典型題だらけの一行問題もない。割合や規則性・平面図形の応用問題が「どうぞ解いてみて下さい」と意地悪な顔をして待っているだけだ。
まずは、この構成に慣れていきたい。
いつものようにあせって問題にかかる必要はない。1問あたり10分程度の時間は与えられている。また、7割も8割も解ける必要もない。5割程度あてられれば十分勝負になる。まずは楽観的に。
そのように前向きに考えて、テスト問題を呑んでかかれるようになろう。
精神的に余裕が持てれば、一寸見には解けそうもない問題の中にも、解けそうな設問も発見していけるはずだ。また、自分には解けそうもないなと判断できる時間もある。解ける問題だけを解いていけばよい。

さてここからのポイントは、解ける問題が半数程度あるかどうかだ。
いわゆる難問の壁を越えるのは容易なことではない。
公開模試によって差異はあるが、偏差値60くらいまでの生徒は難問を解いてその偏差値を維持しているのではなくて、標準問題をそつなく解いての結果である。
算数の偏差値が70を超えて初めて難問が解けていると言えよう。
しかし現実にはそこまでの得点は取れるものではない。
ではどのように対処すればよいか。
手元にある問題集などで、例題としてあるいは問題として出されている中の難問と書かれている問題に注目したい。
暁星中の問題は、難問ではあるが独創的なものではない。どちらかというと、テキストや問題集などで触れながらも、難しくてできない−結局模範解答を見て答え合わせだけをした、というレベルの問題から出されている。平成26年度大問Ⅰや平成24年度大問Ⅰなどが典型的な例だ。
まずそういった問題をもう一度点検し、復習して、自分のものにするところから始めてみよう。また、公開模試などで、後半、時間が足りなくて手が出せなかった問題も多くあるだろう。それらの問題もまた、この機会に点検→復習→定着を心がけてみよう。必ずそれらの問題の中から出題されると念じながら…

算数のテクニックをいくつか挙げておく。
図形に関しては、補助線を引いて求める問題への対応ができるように、与えられた図から別の図(展開図から見取り図、投影図から見取り図など)が書けるようにしておこう。
文章題に関しては、線分図・面積図だけではなくて、分らないものを①と置いて、式を立てて解けるようにしておくことも必要である。倍数算や年令算・比の応用問題でよく用いられる解き方だ。また、式を立てた後、ちゃんと式の展開が出来るように計算力もつけておかなければならない。小学生の場合、式は立てられても、式を展開する段階で間違えることがよくある。ここもしっかりとフォローしておこう。
後は難問への耐性だ。問題を見た瞬間、パニックになってしまってもいい。もう一度読み直して文意をよく理解し、自分が取り得る最善の解き方を用いてていねいに問題を解いていこう。ねばり強く。
過去問も手に入るものはすべてこなしておき、暁星の問題レベルによくなれること。最後は…算数の力次第だ。
基本の上に応用力を積み重ね、十分な対策がなされれば、翌年の暁星中学入試において、よい結果がもたらされるに違いない。

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

2014年度「暁星中学校の算数」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が10。たいていの問題については、途中の計算式・作図などは書かせる「記述」形式だ。
分量に対して解いている時間があるかどうかの問題ではなく、まず、問題の水準に手が出るかというところが焦点となる。生徒の力と問題の難易度が違いすぎると、時間がどれだけあっても解けると言うことはない。単純にわり算すれば、大問1問あたり10分の所要時間ということになる。10分あれば、力のある生徒の場合は余裕を持って解答まで行き着けるだろう。そういう意味では、時間が足りなくなると言うことはない。
出る順番は年度によって多少異なるときもあるが、下記の分野に属する大問がはじめから解く側には厳しいレベルで並んでいる。大問Ⅰが解けそうもないから大問Ⅱに逃げたとしても、同じような難易度を持つ。大問Ⅴまでチェックしてみてどれも解けなければ呆然とするしかない。本年度の問題も今までと同じように、受験生がありったけの力を振り絞って問題にあたらないと解けないようなレベルでまとめてある。
もちろん解きやすい設問もあるにはあるが、それでは合格点に到底届かない。どうしても難易度の高い設問にも正解を出せるようにならなくてはならない。
真に実力の試される問題群と言えよう。

・平面図形…頻出の分野になっている。解きやすい設問もあることはあるが、それは「せっかく受験に来ていただいたのだから0点では申し訳ないと思う」程度のサービス問題で、受験の合否を分けることにはつながらない。一筋縄でいかない設問でも、食らいついていけるだけの粘り強さが必要である。
・速さの問題…こちらもよく出される。本年度は大問2つが「速さ」にカテゴライズしてもいい問題だった。問題文の条件は細かく、基本的な公式を駆使してようやく正解の「頭」が見えてくる、という難度の高さを誇る。
・割合と比…こちらも同様で、平易な設問もあるが、平易すぎて差はつかず、小学算数の限界に挑戦するような設問に全集中力を傾けなくてはならない。解法のテクニックとしては、線分図・面積図だけでなく、式を立てて解くというやり方にも精通しておきたい。
・約束記号の問題…約束記号というのは表面的なことであり、要は「数の性質」の問題である。テストのラストとして置かれることが多く、この学校の問題としては手が出しやすいという印象を与える。おそらく、設問が易しいものから順に出されているからだろう。ただし、最後の設問は「捨て問」になることが多い。

【大問Ⅰ】平面図形(おうぎ形の面積)

  • 時間配分:10分

まずは小手調べに、挨拶代わりの等積移動の問題が出た。このパターンは教材や問題集でよく見かけたのではないか。補助線を引くという作業は必要だが、求められるおうぎ形にまとめるのはさほど面倒ではない。ここはぜひ正解しておきたい。

【大問Ⅱ】速さの問題(規則性と周期)

  • 時間配分:10分

A、Bの車が規則的に時間を増やして走っていくが、意味が分りにくいときのために「たとえば」と実例が示されている。これを利用して内容をつかもう。
(1)はぜひ正解しておきたい。Aのかかる時間は、60、62、64、…と増えていき等差数列を用いて15周目は88秒、これを2回繰り返したあと、止まる27秒を加える。計算間違いがなければ出来たと思われる。
(2)は難問。Bを使ってまず全体にかかる時間を出し、Aが何周目に休みを入れると同時に到着するかを考える。Aが休むことなく30周したとしてBとの差を出し、「つるかめ算」の考え方を用いて解答を出せればよいだろう。ただし、細かな作業を要するので正解は厳しいか。また、答えが2つある点にも注目したい。1つでも出せれば御の字と言うところか。部分点狙い。

【大問Ⅲ】時計算

  • 時間配分:10分

出かける前と戻ってきたときでは長針と短針の位置が入れ替わっていた!受験生であれば誰もが経験する時計算の1つと言えるもの。しかし、どれほどの受験生が正解を導けるまでに至るだろうか?問題を見たことはあっても、模範解答をノートに写したことはあっても、出来ない問題の典型ではなかろうか。
しかしここは解いておきたい。この後の問題もまた容易ではないからだ。
出かけるときと戻ってきたときでは長針と短針が動いた角の和が720度になる、と作図上で求めておきたい。あとは、720度を長針と短針の動く角度の比12:1に配分し、短針が動いた角の大きさを求める。
さらにこれを長針と短針が1分間に動く角の差で割って答えを出すというもの。
時計算ということでただでさえ計算は複雑なのに、面倒な計算が重なってさらに面倒な答えが出てくることになっている。出した答えに自信が持てるか、計算力もしっかり試される問題。

【大問Ⅳ】割合と比

  • 時間配分:10分

複数出てくる比をそれぞれ○、△、□などで囲み、文字の式を立てて解くと言う、小学生の算数枠からはみ出しかけている問題。言ってしまえば連立方程式だ。
(1)のア・イが求まれば(2)も解けるという、一蓮托生型の問題だけに、文字を使った式に精通しているかどうかにすべてがかかっている。
おそらく今回の難問の中でも、最も難しいと思われる問題。

【大問Ⅴ】約束記号(数の性質)

  • 時間配分:10分

約束記号に目がいくが問題文を読めば比較的よくある「数の性質」の問題であることが分る。
(1)、(2)は正解しておきたい。
約束記号の問題では、「たとえば~」と語られる例をしっかりと読んで約束記号の意味を正確に捉えること。ここでも大きなヒントを与えている。
(2)では「その際、一辺が…」と説明されている部分が大きなヒントとなっていて、逆にこれを使わなければ問題は解けまい。
(3)はさすがに捨て問として処理してもよいと思う。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
合格点は50点弱。設問数にして10問中5問がボーダーラインとなる。
比較的解答しやすいのは、1、2(1)、5(1)(2)で、これでちょうど5問、あとは2(2)、3あたりが正解できるかどうか。
いずれにせよ、難問の中から何とか解ける問題を探し出さなければならない。
設問数が20くらいあって、そのうち標準的な小問が10ある、というようなテストに比べると、どの問題も一見解けないように見える暁星の算数は受ける側にはなかなか勇気が必要だ。
全体に易化が進む男子校の問題の中で、暁星中学は独自の難問路線を貫いている。受験生はそれを承知で50分間、難問群に挑まなければならない。
対策としては、難問に対する免疫をつけておくこと。公開模試などとちがい、ウォーミングアップにあたる計算問題や一行問題はないので、はじめからトップギアを入れてテストに取りかからないといけない。これは慣れていないと結構難しい。
また、公開模試などで易しい前半の問題をまんべんなく正解し、結果として暁星中学の合格可能性を高く上げてきた生徒も要注意である。計算が正確だ、くらいは通用するかもしれないが、平易な問題がいくら解けても暁星の算数には対応できない。公開模試などで点数をまとめることと過去問対策は別個のもとして考えよう。
普段から教材などで、難問に多くあたるよう心がけること。能率が悪く出来ないことも多いので焦ると思うが、我慢してそういう時間を作ること。
内容としては、平面図形、割合と比、速さの問題など、入試に頻出の内容だけに通り一遍の問題はどの受験生も解いてしまうはずだ。だから学校側も問題の条件を細かくして、わかりにくい解き方を要求してくる。それに対応できるようがんばること。もしどうしても対応できない場合は、総合点で合格ラインを超えられるよう、他の科目に磨きをかけるのも一考かもしれない。
頑固に難問路線を貫く暁星中学。好感は持てるが受験生たちにとっては厳しい存在であるはずだ。しかし志望校としてとらえたからには難問突破は科せられた試練。まず、正答率5割を目指してがんばってみよう!

志望校への最短距離を
プロ家庭教師相談

お問い合わせ・資料請求はこちら

暁星中学校の科目別
入試対策一覧

中学受験のために
家庭でできること

インタビュー=学力が伸びる子と伸び悩む子の特徴とは

リーダーズブレインの合格実績豊富な現役家庭教師が、プロならではの視点でポイントをお話ししています。どのようなタイプの子供が伸びるのか、家庭でのサポートで親が気を付けるべき事は何か。勉強のサポートの仕方から親子の関係性など…ぜひ参考にしてください。

TOP

創業以来、
最高峰のプロ教師陣を輩出

TRADITION
SINCE 1985

1985年法人設立以来、プロ家庭教師のクオリティーにこだわり続け、現役プロ教師の中でもトッププロと呼ばれる真の実力を兼ね備えた合格実績豊富な家庭教師のプロだけをご紹介しています。
特に中学受験·大学受験·医学部受験専門のプロ教師のクオリティーに自信があります。