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暁星中学校 算数入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2019年度「暁星中学校の算数」攻略のための学習方法

暁星中学は、2月3日に入試を限定し、以前から多くの受験生を集めてきた都心部にある名門校であり、受験機会を複数に増やす学校が多い中、1日御三家などとともに孤高を保っている中学受験の老舗校である。

算数の問題もまた、少ない分量ながら高い質を持ち、第一志望とする受験生たちに3日目にして高い壁を築いてきた。今もなおその存在は顕在だ。
公開模試のような、「計算問題→一行問題→標準問題→応用問題」という形式になっている入試問題は多く存在し、むしろ主流となっている。受験生もまた安心してはじめの問題から解いていき、応用問題で限界に達したときにはじめに戻って復習していけばよい。
これが暁星中学では通用しない。
当校の場合は「応用問題」のみの構成になっているからだ。
こういう形式をした入試問題は受験生にとっては恐怖である。なぜなら、1問も解けないのではないかという心配がつきまとうからだ。
実際、初めて暁星中の問題に触れたときは「なんだ、これ?」と思ったことだろう。いつものように、計算問題でウォーミングアップも出来なければ、懐かしささえ漂う典型題だらけの一行問題もない。割合や規則性・平面図形の応用問題が「どうぞ解いてみて下さい」と意地悪な顔をして待っているだけだ。
まずは、この構成に慣れていきたい
いつものようにあせって問題にかかる必要はない。1問あたり10分程度の時間は与えられている。また、7割も8割も解ける必要もない。5割程度あてられれば十分勝負になる(平成29・30年度)。本年度(2019年)で言えばその数字は3割に下がった。まずは楽観的に。
そのように前向きに考えて、テスト問題を呑んでかかれるようになろう。
精神的に余裕が持てれば、一寸見には解けそうもない問題の中にも、解けそうな設問も発見していけるはずだ。また、自分には解けそうもないなと判断できる時間もある。解ける問題だけを解いていけばよい。

さてここからのポイントは、解ける問題が半数程度あるかどうかだ。
いわゆる難問の壁を越えるのは容易なことではない。
公開模試によって差異はあるが、偏差値60くらいまでの生徒は難問を解いてその偏差値を維持しているのではなくて、標準問題をそつなく解いての結果である。
算数の偏差値が70を超えて初めて難問が解けていると言えよう。
しかし現実にはそこまでの得点は取れるものではない。
ではどのように対処すればよいか。
手元にある問題集などで、例題としてあるいは問題として出されている中の難問と書かれている問題に注目したい。
暁星中の問題は、難問ではあるが独創的なものではない。どちらかというと、テキストや問題集などで触れながらも、難しくてできない−結局模範解答を見て答え合わせだけをした、というレベルの問題から出されている。本年度の【大問1】(1)・【大問4】(1)・【大問5】(1)などが典型的な例だ。
まずそういった問題をもう一度点検し、復習して、自分のものにするところから始めてみよう。また、公開模試などで、後半、時間が足りなくて手が出せなかった問題も多くあるだろう。それらの問題もまた、この機会に点検→復習→定着を心がけてみよう。必ずそれらの問題の中から出題されると念じながら…

算数のテクニックをいくつか挙げておく。
図形に関しては、補助線を引いて求める問題への対応ができるように、与えられた図から別の図(展開図から見取り図、投影図から見取り図など)が書けるようにしておこう。
文章題に関しては、線分図・面積図だけではなくて、分らないものを①と置いて、式を立てて解けるようにしておくことも必要である。倍数算や年令算・比の応用問題でよく用いられる解き方だ。また、式を立てた後、ちゃんと式の展開が出来るように計算力もつけておかなければならない。小学生の場合、式は立てられても、式を展開する段階で間違えることがよくある。ここもしっかりとフォローしておこう。
後は難問への耐性だ。問題を見た瞬間、パニックになってしまってもいい。もう一度読み直して文意をよく理解し、自分が取り得る最善の解き方を用いてていねいに問題を解いていこう。ねばり強く。
過去問も手に入るものはすべてこなしておき、暁星の問題レベルによくなれること。最後は…算数の力次第だ。
基本の上に応用力を積み重ね、十分な対策がなされれば、翌年の暁星中学入試において、よい結果がもたらされるに違いない。

2019年度「暁星中学校の算数」特徴と時間配分と攻略ポイント

分野・単元 難度 時間配分 必答問題
【大問1】平面図形(面積と比) 標準 8分
【大問2】速さ(消去算・つるかめ算) やや難 10分
【大問3】ニュートン算 やや難 10分
【大問4】速さのグラフ 10分
【大問5】数の性質(約数) やや難 12分

特徴と時間配分

50分で大問が5、小問が12。すべての問題に計算欄がある,いわゆる「記述」形式だ
時間に対して分量は適切なものであり,式や計算式を書いても時間不足になることはないだろう。
本年度の特徴としては、【大問1】から【大問5】まで問題傾向に沿った出題はされたもののこの5年間では最高の難度であり、時間があっても解けない問題が多かったと思う。ただし、大問中の設問には難易の差があり、そこから解けそうなものを抽出して解くという作業が必要となった。

【大問1】平面図形(面積と比)

例年1問目には平面図形の大問が登場することが多く、本年度もそれに漏れず円に内接または外接する三角形や正方形の面積比に関する問題が出された。
(1)は「易」、(2)が「やや難」に該当する。

(1)は、小さい正三角形を45度回転させると大きい正三角形との大きさを比べることが出来、そこから解答も導ける。

(2)は中にあるのが正三角形ではなくて正方形になっている分難度が増している。補助線を引いて正方形の面積を円の半径で表していくなど工夫が必要だ。

【大問2】速さ(消去算・つるかめ算)

速さの公式を使うものの、解法に関してはそれぞれ「消去算」・「つるかめ算」を用いる応用問題で、類題を解いた経験があると(1)は突破できた可能性が高い。初見ではかなり難しいと感じる問題だ。

(1)では、右曲りのコースを36、左曲りのコースを36としてかかった時間を求めていくと、
Aくんは36÷9+36÷12より、④+3=1(時間)となる。
同じくBくんは36÷12+36÷9より、③+4=1.1(時間)。
この2つの式から、①・1あたりの時間を求めると時速12km、時速9kmで走った時間がそれぞれ求まるのでコース全体の距離を出すことができる。最後に、距離をメートルで聞かれているので単位を直すことを忘れないように。ただ、長距離走においては、ロード(路上)を走るときは「km」、トラック(競技場内)を走るときは「m」で表すのが普通である。

(2)(1)でコース全体の距離を出せた者だけが参加できる設問で、使われる技法は「つるかめ算」である。
直線コースでは差がつかないので、同じ時間でゴールしたと言うことは右曲りと左曲りでも差がつかず、つまり左・右同じ距離と言うことになる。そこで左曲りと右曲りを走るときの速さの平均をとりつるかめ算に持ち込むわけだが、あせって「(9+12)÷2=10.5」としないこと。左・右にかかった時間は異なるので、Aくんがそれぞれにかかった時間を4:3とすると、(9×4+12×3)÷(4+3)として平均を求めなくてはいけない。ここからは「速さのつるかめ算」わけだが平均の速さが分数になるので計算はかなりつらいものになる。しかしこのテストでは解法がわかったものはしっかり正解しておきたい。
(1)はできればがんばって解いておきたい。(2)はねばり強く。

【大問3】ニュートン算

ニュートン算も連続出題となった。昨年度のものは典型題に近かったが本年度のニュートン算は手強かった。各設問ともニュートン算には違いないのだが、「いつも通り」の解き方では解けないので「ニュートン算」を「型にはまった解き方」でしか教わっていないと墓穴を掘る。柔軟な問題解法を心がけたい。

(1)【大問2】(1)同様、等式をたてて求める。平日に並ぶ人数を①(1分あたり)とすると、祝日は②となり、並び始めてから開園までの時間を□として、
(①×□):(②×□+②×20)=2:5
より、□=80分
あとは9時からひけば良い。

(2)(1)が求まると入場ゲート1つあたりの人数も求まるので最後まで解ききることができるだろう。
平日では開演までに80の人が並んでいるのであとから①×20(分)の人が並ぶとして、その和をゲート10カ所で20分かかるので入場ゲート1つあたりがさばける人数は「0.5」と求まる。開演まで並ぶ人は祝日では「200」となるので、あとから並ぶ②×40とあわせて「280」を40分でさばくので⑦ずつ入場することになる。これを「0.5」でわって14ゲートと答えが求まる。
良問であり、ニュートン算の応用力が試される問題だったがその結果は果たして…

【大問4】速さのグラフ

2つめの「速さ」の問題はグラフを読んで答えるというもの。「速さ」は連続して複数題の出題がされているので最優先して取り組みたい分野である。
泳ぐ問題はあっても流水算ではなく旅人算の考え方を用いてグラフの分析がポイントとなっている。グラフのたて軸が「二人の距離の差」というのも珍しくはない。

(1)は「易」レベルの設問で、40秒後に父さんが50mプールを折り返しているのがわかるから割って答えを出すだけ。
ただ(2)が異常に難しく、このテストでも屈指の難問になっている。しかも(2)ができれば(3)は簡単に答えられると言うことで、セットで失点もやむを得ない作りになっている。もちろん(2)(3)のペアを正解できた生徒には至福の結末が待っていることだろう。
グラフで言うと40秒後と68秒後に二人の距離の差は等しくなるので、そこから等式をたてて暁君の速さを求めるという解き方を要求される。【大問2】でもそうだったが、速さの公式から、等式をたてて答えを出すというパターンは勉強しておかなければならない。
合格点から見て必ずしも解けていなくてはいけない言うことはないが、良問なのでしっかりと復習しておこう。

【大問5】数の性質(約数)

最後の大問は素直な問題で、【大問2】以降では最も解きやすくなっている。

(1)は「易」レベルの設問で、512を2で割っていけば良い。

(2)は「標準」レベルの問題で、2を約数に持つものは偶数しかないので、この問題で言うと「520,518,516,514,512」がそれぞれ2で何回割れるかを調べていけば良い。しかも512は(1)で調べ済みなので、他の数についてのみ数えていこう。その際、分母にあたる「10×9×8×7×…×1」が2で8回割れることを調べておくと、512を割れる回数からいち早く全体が整数になることもわかる。

(3)はさすがに「難」レベルになっている。ここは無理して追わず、確実にできた、と思える問題の見直しに入ろう。

攻略のポイント

テスト時間は50分で100点満点。
本年度の受検者平均点は「27点」・合格者平均点は「33点」とここ数年間では群を抜いて低く、合格に必要な点(27点)は、昨年度(42点)より15点下がった。
これは問題の質が高かった平成25・26年度のレベルをも下回り、一時期易化した算数(平成27・28年度)がこの3年間で本来の「難しい暁星の算数」に戻ったと感じられる。
合格偏差値はあまり変化がないのに、算数の問題の難度が大幅にアップするという学校は近年では珍しい。
本年度の中では【大問1】(1)、【大問3】(1)、【大問4】(1)、【大問5】(1)が比較的解きやすくここは全問正解しておきたい。さらに【大問3】(2)、【大問5】(2)で得点を重ねれば少なくとも合格ラインは超えるだろう。【大問2】のあつかいは難しく、この類いの問題を演習してきた生徒には標準的に思えたかもしれない。
難易度は上がっているものの分野としては、「平面図形」・「割合と比(ニュートン算)」・「速さ」・「数の性質」など、入試に頻出の内容が大半を占めている。
標準的な問題の習得だけに満足せず、難問にも挑戦して、暁星の算数で合格点が取れるように頑張ろう。

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