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栄東高等学校 入試対策

出題傾向・攻略のための学習法・推奨テキスト

2014年度「栄東高等学校の国語」
攻略のための学習方法

[速読]
「現代文」全体で5000字程度を読解しなくてはならない。解答時間は50分。当然、「速読」が求められる。しかし、設問を解くために読むのだから一般的な「速読術」を使うわけにはいかない。やはり、文章に応じての「速読」のコツを習得しなくてはならない。
「論説文」(説明文)であれば「Nの法則」。意味段落の「序論」「結論」は「論旨」が述べられているので確実に読み、「本論」は「段落相互関係」に着目しながら「各形式段落」の「最初」と「最後」を中心に読み進める。
「小説」「随筆」は、「場面分け」をしながら新たな「登場人物」をチェックし、「心情表現」を拾って素早く読んでいく。その上で、とにかくできる限り数多くの過去問の文章を読むことだ。栄東に限らず、他の学校の入試問題も読んでおきたい。練習あるのみ。そして、最終的には分速700字以上(できれば750字近く)で「速読」できるようにしたい。

[知識]
「高度な語彙力」だけではなく、「文法」や「国語常識」も含めた多種多様な「総合的知識」が必要となる「栄東の国語」(直接出題だけではなく、「本文読解」等でも必然的に問われる)。いかなる「攻略法」があるのか? 「国語的知識」は幼少期からの蓄積、故に「15の春」を前にした今ではもはや手遅れ。確かに、そうした側面はある。だが、そこで思考停止してしまっては「ジ・エンド」。今からでもできることは、ある。先ずは、「己が実力」を悟ること(「己が」=「おのが」が読めなければ既にヤバイと自覚せよ)。過去問を解いてみて(少なくとも5年分以上)、「5割未満の正答率」だったら「中学入試レベル」からの再スタートだ(分かっていると思うが、「中学入試」を馬鹿にしてはいけない。上位校では「高校入試」どころか「大学入試」のレベルに達する)。「5割超の正答率」でも無論、不断の努力は欠かせない。要は、地道な努力、日々の積み重ねあるのみだ。
さらに、「口語文法」も侮ってはいけない。直接出題されるし、「本文理解」にも不可欠だ。特に、「品詞分類」「文節の相互関係」や「付属語」(「助詞」「助動詞」)の「意味・用法」は確実に定着させておくことが重要だ。
なお、「知識」強化用のテキストとしては、「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字・文法630」(「文法」含む)や「高校入試 でる順ターゲット 中学漢字」(共に旺文社)などが推薦できる。また、残念ながら「中学入試レベル」からやり直しの場合は、「四谷大塚」の「四科のまとめ『国語』」(HPから購入可能)等がオススメ。

[古典]
「公立中学」の「国語」でも「古典」は扱う。「古文」は必修のカリキュラムだ。しかし、「指導要領」上はほんの導入部分だけで、本格的な学習はしない。「文語文法」等を体系的に学ぶことはない。が、栄東などの「中高一貫校」ではそれらを中学時点で学び始めている。従って、「高校入試」で出題されることになる。明らかに「ハンディ」だが、仕方がない。塾での学習ないし「独習」をするしかない。
「攻略ポイント」でも触れたが、最重要な「古文単語」(200語程度)を定着させ、「文語文法」も理解しておかなくてはならない。そして、できるだけ多くの「古典作品」に触れて慣れておくことが重要だ。

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2014年度「栄東高等学校の国語」の
攻略ポイント

特徴と時間配分

大問一は「論説文」、出典は市川伸一「勉強法の科学--心理学から学習を探る」(文字数約2600字)。筆者は心理学者、東京大学大学院教育学研究科教育心理学コース教授。文学博士。本書は「受験に役立つ」と大好評だった「心理学から学習をみなおす」の改訂版。出題形式は「内容理解」「空所補充」「脱文挿入」「誤用熟語判定」、「同義漢字判別」(5問)「知識問題」(3問)。問題文は4分弱で読み切り、設問を20分程度で解きたい。

大問二は「小説」、出典は芥川龍之介「沼地」(文字数約2000字)。作者は誰もが御存知の小説家。「鼻」「羅生門」「芋粥」「地獄変」「藪の中」等、古典から題材をとったものが多い。本作品はあまりなじみがないが、当初、「私の出遭った事」と題し、「蜜柑」と共に雑誌に掲載されたもので、両作品は「高校入試」「大学入試」で何度か出題されている。小問は全6問(解答数は8)で、出題形式は「内容理解」「空所補充」、「知識問題」(3問)。問題文は3分弱で読み切り、設問を15分程度で解きたい。

大問三は「古文」、出典は撰者不詳「古本説話集」(本来の書名は不明で研究者による仮称。文字数約620字)。小問は全7問(解答数は9)で、出題形式は「内容理解」「単語の意味」「文法」。7~8分で解きたい。

【大問一】論説文

  • 時間配分:24分弱

本書は、人間の「記憶の仕組み」や理解するときの「知識の使われ方」などを知れば,コツがつかめて勉強が楽しくなるということを、教育心理学者の立場から論じている。
本文では、私たちが文章を読んだり、人の話を聞いたりするときは、「長期記憶」の中から「スキーマ」と呼ばれる「一般的知識」を引き出してくるということを述べている。
オーソドックスな問題が並んでいるという点で、栄東らしい大問だ。以下、いくつか考えてみたい。

【問一(c)】同義漢字判別
傍線部(a)~(e)と「同じ漢字」を使うものを選ぶ(各「5択」)。
「書きとり」ではなく「選択肢」だから楽だ、と思ったら大間違い。実は、この方が大変だ。5問の「書きとり」なら単純に5つの「漢字」を知っていれば済むが、「選択肢」では+「×5」で30の「漢字」が分からなければ正確には判別できない。ましてや、栄東だ。そう容易くはない。特に(c)、文中の「(ジン)コウ」=「(人)工」は誰でも知っているが、選択肢の(4)「ク(ドク)」=「功(徳)」と(5)「ク(メン)」=「工(面)」が分かりづらい。「答え」は「5」。
「語彙力」を確実に定着させておくこと。

【問二】同一品詞判別
波線部(1)~(9)に「形容詞」がいくつあるかを答える(「10択」)。
「文法」の基礎である「品詞分類」。中でも、「ない」の「判別」は「口語文法」の定番。「形容詞」か「助動詞」か、あるいは「単語の一部」かという判別だ。「自立語」「付属語」で判別するもよし、「ない」を「ズ・ヌ」で置き換えてみるもよし。基礎がしっかりと定着していれば何の問題もないはず。ただ、「10択」なので丁寧に確認する必要がある。
「口語文法」は「基本」からしっかりと復習しておくことが栄東では求められる。場合の数と確率の単元からの出題となる。難易度は易しいので、きちんと数えあげれば得点できるだろう。

【問七】脱文挿入
どこかの段落の最後にあった「脱文」を、どこに戻せばいいかを答える(「9択」)。
「脱文挿入」は「接続詞⇒指示語⇒内容」で考える(基本的「解法」のひとつ)。ここでは「接続詞」はない。「指示語」で「そういう知識」とある。ということは、「直前」に何らかの「知識」について述べられているはず。各段落の「後半」を確認する。「知識」に論及しているのは[3][7][8]の各段落。これらが候補だ。次に「内容」で考える。「脱文」の「冒頭」には「逆に」とあり、「そういう知識をもっていなかった」とつながっている。つまり、この前では「知識」が「ある」となっていなければならない。[8]の最後は、「知識」が「不足していた」なので「消去」していい。残り「2択」。「脱文」の「末尾」は「さっきの洗濯の文章……」となっている。[3]の最後は「洗濯についての知識」、[3]に戻すと、直結しながら「さっきの」になってしまい不自然だ。よって、[7]段落が正しいので「答え」は「7」。「脱文挿入」では、「解法」に則して「消去」して絞り込み、最後に必ず「代入確認」すること。

【大問二】小説

  • 時間配分:18分弱

本作品は、「私」が「芸術家の苦悩」に共感する物語。絵画展の薄暗い片隅に発見した「沼地」と題された無名の画家による油絵。その絵に魅せられた「私」と、「芸術」を知名度や権威だけで評価する「美術記者」。2人の会話を通して「画家の苦悩」が描かれている。
1919年発表の作品で、文体が古く語彙も難しいので読みづらい。そこを突かれたような問題もあるので、いくつか検証してみたい。

【問一】語句の意味
3問。波線部(a)~(c)の「意味」を答える(各「5択」)。
何これっ? という「言葉」ばかり。(a)「知名の人」、(b)「一顧」、(c)「消息通を以て自ら任じている」。現在はあまり使われない「語彙」が並ぶ。。なんとか「手がかり」をつかみ判別したい。(a)は「知名度」という言葉を思いつかないか。「世間に名がよく知られていること」なので、「答え」は「2」。(b)は「一顧だにしない」(=「わずかに振り返ってみることさえしない」)という知っておかなくてはいけない表現と結びつけたい。従って、「答え」は「2」。(c)は「消息通」の「通」(=「ある物事についてよく知り尽していること」)と「自ら任じている」(=「自分で認めている」)を考え合わせてみる。「答え」は「5」。無論、文中なので前後の「文脈」から類推してもいい。
どれだけ学習しても「知識」には限りがある。「知らないこと」であっても諦めずに、「手がかり」「ヒント」から「知っていること」に結びつけることが栄東では必要だ。

【問三】心情説明
傍線部②の「傑作——ですか」についての「心情説明」を答える(「5択」)。
「私」と「美術記者」との「会話」の場面での「記者」の発言だ。先ずは「原意」で考えるが(「原意絶対優位の原則」=「設問」「傍線部」等の「原意」、要は「本来の意味」を最優先に考えること)、「消去」は不可能。次は、「心情を巡るスクエア」を使う(「心情把握」は「セリフ」⇔「ト書き」⇔「動作」⇔「情景」という4つの連関で考えること。これは「小説」の「重要解法」のひとつ)。「私」の「傑作です」という「セリフ」に対して疑問を呈している発言で、しかも、直後の「ト書き」に「腹を揺すって笑った」という「動作」もある。であれば、選択肢(1)の「興味深く思う」、(2)(3)の「驚いている」、(5)の「歓迎する」は結びつかないと分かるはずだ。従って、(4)の「小馬鹿にする」が「答え」。
「解法」を的確に用いることで瞬時に「消去」できるものもあると心得よ。

【問四】空所補充
本文中の空所[X]に入る「一文」を答える(「5択」)。
空所[X]は「会話」の中なので、当然、「一文」は「ト書き」になる。「セリフ」と「ト書き」は不即不離(これも「小説」の「重要解法」)。空所の直前は「生きている中(うち)から、死んだようなものでしたが」という「美術記者」の「セリフ」で、直後は「私」の「セリフ」で「どうして?」という「質問」になっている。ということは、選択肢(3)の「好奇心は~強くなっていた」以外は「消去」できるはずだ。
ここでもやはり、「解法」の重要性を思い知らされる。

【大問三】古文

  • 時間配分:7~8分

本作品は、平安末期もしくは鎌倉初期に成立した(両説がある)合計70話を収録した説話集。前半は「和泉式部」「清少納言」「紀貫之」「赤染衛門」「藤原公任」などにまつわる「和歌説話」46話、後半は「仏教説話」24話。
本文は後半の一話。語義がつかみづらい「古文単語」や中学で学習する以上のレベルの「文語文法」など、大学入試並みの「古文」の「知識」が求められている栄東らしい難問ばかり。たとえば「問七」、「古文」の形容詞「楽し」には「裕福である」という意味もあること知っているかを問うている。これは辛いはずだ。他についても、いくつか検討してみよう。

【問一】語句の意味
3問。二重傍線部(a)~(c)の「意味」を答える(各「5択」)。
(a)「はかばかしくなる」の「はかばかし」は形容詞で、「物事がよい方にはかどっているさま」を表すので、「答え」は「2」。(b)「物を食はばや」の「ばや」は「未然形接続」の「終助詞」で、「自己願望(~したい)」の意味なので、「答え」は「2」。(c)「きとは得ぬ」の「きと」(副詞で「すぐに」の意味)は分からなくても、「得ぬ」の「ぬ」は判別したい。「文末」なので「終止形」、であれば「完了」の「助動詞」の「ぬ」だ。ここで、「口語助動詞」の「打消し」の「ぬ」と勘違いしてはいけない。「文語助動詞」の「打消し」は「ず」で、「ぬ」だと「連体形」になるので注意。よって、「答え」は「1」。
栄東ではここまでの「知識」が必要だと覚悟せよ。

【問二】心情説明
傍線部①の「さりとてはいかでかさるやうはあらん」についての「心情説明」を答える(「5択」)。
「さりとて」「さるやう」の「さ」は「指示語」で、「あらん」の「ん」は「助動詞」の「む」(「推量」「意志」「適当」「婉曲」「仮定」の意味、ここでは「推量」)だということを知っておく必要がある。さらに、「いかでか」(「反語」「疑問」「願望」を表す連語)がここでは「反語」だと判断できなくてはいけない。以上から、「答え」は「2」。このように複合的に考えられるまで、「古文」に習熟することが求められている。ただ、どうしても何かが欠けてしまう場合も生じる。そのときは、前後の「文脈」の「分かること」から類推するという「術」を身につけることも重要。

攻略ポイント

●「栄東の古文」、「大学入試レベル」への「攻略法」は? 当然、高校で学習するはずの内容を習得しなくてはいけない。そのために、高校用の「古文単語帳」と「文語文法テキスト」は用意したい。その上で、「重要単語」や「助動詞」「助詞」の「意味・活用・用法・接続」等は定着させておくこと。また、「古典常識」も「日本史」を含めてなじんでおくことが必要になる。栄東の「合格ライン」は6割程度(学校コメント)、「古文」での「失点」はできるだけ減らしたい。

●栄東は「マークシート」なので無論、全て「選択肢設問」、紛らわしいものもある。どう対処するか? 誰でも分かる。できるだけ単純な方法で、「選択肢」を少しでも「消去」しておきたいということだ。「問題解説」でも指摘したが、その為に有効なのはが「原意消去」。そこで、可能であれば「2択」にまでしておきたい。どれほど「紛らわしい選択肢」でも、2つにまで絞り込めば間違える可能性が大いに減少するのは自明の理だ。その上で、様々な「解法」を用いて、最終的に判別していけばいい。そこでは、基本的「解法」を完全に習得して、適切に応用できるようにしておくことが重要だ。それによって、「選択肢設問」での「失点」を防ぎ、「得点力」を安定させるべきだ。当然ながら、「マークシート」の「誤記」にはくれぐれも注意すること。

●「総合的知識問題」も決して侮れない。 「高度な語彙力」だけではなく、「口語文法」含め「あらゆる知識」が問われる。栄東を志望したその瞬間から、独自に「幅広い知識」を常に習得していくことが重要だ。学校や塾での学習だけでは、全く不十分なので、「独習」は欠かせない。

●試験時間は50分。時間配分にも細心の注意をすること。問題文のボリュームは「現代文」で5000字程度。さほど多くはないが、速く正確に読み取ることが求められることには変わりない。分速700字以上を目標に「読む練習」を常にすることが重要だ。

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